法月綸太郎のレビュー一覧

  • 法月綸太郎の功績

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    王道中の王道ともいえる安楽椅子タイプの本格ミステリーです。【中国蝸牛の謎】はご都合主義的であまり感心できませんが、他の四編は良い出来です。特にロジック一本勝負の【都市伝説パズル】は傑作だと思います。

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    2014年04月27日
  • ふたたび赤い悪夢

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    4+ 

    名探偵の苦悩極まれり。

    著者が言うには、『頼子のために』『一の悲劇』『ふたたび赤い悪夢』の順(刊行順)で三部作を構成するとのことだが、物語の流れとしては本作は『雪密室』と『頼子のために』の続編にあたる。『一の悲劇』は本作よりも後の話、『雪密室』と『頼子のために』は直接の関わりはない。本作のみ読んでも、過去の事件との関わりが多少わかり難いだけで、そこそこ楽しめるとは思うが、遡って読む場合には、重要な点がネタバレになってしまうのでやはり刊行順に読むのが望ましい。

    ちなみに本書巻末の笠井潔の解説には前もってネタバレの注意喚起が記載されているが、クイーンの作品については予告なくネタバレしている。それは困るという向きにはいっそ解説を読まない方が良い。『頼子〜』の池上など著者の文庫は解説に恵まれない印象がある。

    過去作と大きく絡んでいるせいで単独で手を出しづらいのは難点だが、この時の著者の言いたいこと、書きたいこと、書けること、を、これでもかと何とか全てひねり出したかのような真剣な姿勢が垣間見え、それが悩める探偵像と重なり、従来作にない重厚な雰囲気を醸している。そのシリアスさは物語と非常にマッチしており、個人的には、本作までに発表された長編の中では最も良い出来と思う。物語の終わりには苦悩を消化し、一定のケリをつけた探偵像が描かれ、それがどこか書ききった感のようなものにも見え実に清々しい。ただし著者自身の苦悩は本作発表後も延々と続いていくのだが。

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    2013年07月10日
  • 犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題

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    12の星座にまつわる物語(のうちこの本では6つ)をモチーフにした謎解きミステリの短編集。
    それぞれの話がコンパクトにまとまってます。どれもちょっと言葉遊びに凝り過ぎだろう、という気がしなくもありませんが(笑)まぁ、本格ミステリ短編集なのでご愛敬。そして、この作者はホント、クイーン親子が好きなんだなぁと思いました。

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    2012年12月26日
  • 新装版 密閉教室

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    お膳立てばっちしの本格推理小説。

    最初は、語り口がちょっと芝居がかりすぎているように感じていたが、クラスメイトの一人が主人公に自殺未遂をした経緯を語る場面で「これは凄い!」と膝をただした。
    この心理描写、その切迫感、そして絶望感。ともすれば絵に描いた餅のような滑稽さに陥りかねない(中二的な意味で)その感情を、ここまで研ぎ澄まされた言葉で語る著者の筆力に感心した。

    それ以後は、物語世界にぐっと興味が湧いてとても面白く読めた。
    教室にあった48の机と椅子が消えた中で級友が死んでいたという奇妙な密室、という設定をじわじわと生徒たちの反応を交えて描いていく様子や、主人公と警部との軽妙な腹の探り合いなど、非常にスリルがあってどきどきした。
    それだけに、担任教師・大神(ネロ)の造形があまりにもごてごてしくて、鼻についたのが気になった。これでは読者は彼が怪しいと思うに決まっている。キャラを立てるにしても、周りとの調和を考えて、もう少し自然な感じにできなかったものか・・・。

    一長一短な印象も大いに受けた作品だったが、ミステリーとしてのまとまりもなかなか。トリック自体はそれほどのものではないが、やはり心理描写の上手さが作品を生き生きとさせていると思った。
    高校時代の危うい人間関係や自意識をほろ苦く、かつトリッキーに描いた作品であり、そういうところが私はとても好きだった。

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    2012年08月29日
  • ふたたび赤い悪夢

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    西村頼子の事件以来、出口の見えないスランプに陥っていた
    作家の法月綸太郎のもとに、深夜かかってきた電話は、
    アイドル歌手畠中有里奈からの救いを求める電話だった。
    ラジオ局の一室で刺されたはずの有里奈は無事で、
    彼女を刺したはずの男が死体で発見されるという奇妙な状況。
    しかし、有里奈は、ただ不思議な体験をしたというだけで
    混乱し、恐怖に追い詰められたわけではなかった。
    彼女の精神を極限まで追い込んでいるものは、
    有里奈の双子の兄と、有里奈の父を惨殺し
    自殺を遂げたという実の母親の影だった。
    自分の中にも、やはり人殺しの血が流れていたのだ――。
    そう思いつめ、心を閉ざしてしまった有里奈を救うべく
    綸太郎は父親の法月警視とともに、事件の謎に挑んでいく。
    法月綸太郎シリーズの第5作。

    今まで読んだ法月綸太郎の作品の中では一番の大長編だった。
    読むのになかなか時間がかかったが、
    ストーリーが最後までだれることもなく、楽しめた。

    目次の前のページにあるいささか異質の献辞や、
    冒頭の数ページを読めばすぐにわかることだが、
    本作は、「頼子のために」の内容を受けての作品となっている。

    どうやら、「頼子のために」でとある形で問題提起された、
    作者のほうの法月綸太郎が頭を悩ませている
    「後期クイーン問題」とやらに関しての、
    ひとつの決着が描かれている作品であるらしい。
    それくらいはなんとか読み取れるのだが、
    いかんせん「後期クイーン問題」とか
    神がどうのこうのといった話には詳しくないため、
    作者がどんな主張を物語に込めたのか、
    そのほとんどは理解できずじまいだった。

    ただ、「探偵という立場」というものに関しては
    京極夏彦の諸作品の中で中禅寺が語っていたり、
    西尾維新の戯言シリーズの中で言及されていたりしたので
    それに似たようなことを言っているのかな、
    などと想像したりはした。

    だが、普通に楽しく読めたので特に不満はない。
    複雑なプロットと、何人もの人間の思惑を
    幾重にも絡み合わせた構成はやはり見事。
    それでいて、綸太郎という“名探偵”の存在をはじめとした
    本格ミステリ的なガジェットのおかげで
    作品全体がどことなくちっぽけに感じられるところも
    やはり相変わらずなのだが、
    そこがむしろ逆に、作者である法月綸太郎の
    ミステリに対する偏愛を感じさせ、微笑ましいと思う。

    作中の綸太郎が自嘲気味に評したところによれば、
    頻出する比喩表現は「くだらない比喩」だそうだが、
    人物の仕草や表情を描写するときの独特の表現は
    “文章ならでは”のものであって、素晴らしいと感じた。

    おそらく作者にとっての転換点になった作品なのだろう。
    以降の作品も手にとるつもり。
    楽しみである。

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    2012年05月07日
  • 法月綸太郎の新冒険

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    「法月綸太郎の冒険」が好みにあっていたので、そこそこ期待をして読んでみる。「冒険」はかなり作品の軽重に差があってバラエティに富んだ短編集となっていたが、本作品はテイストが揃った本格ミステリの王道を行く様な作品集であると言える。それぞれに一筋縄では行かない捻りの展開が待っていて、途中から推理することを放棄しても(というか出来ない・笑)、結末でびっくりするという楽しみが味わえる。

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    2012年03月07日
  • 法月綸太郎の冒険

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    短編集。見事に粒揃い。動機の設定が抜群にうまい(それだけリアリティーがある)。トリック重視の他の新本格の作家とは一線を画している。

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    2011年09月23日
  • ふたたび赤い悪夢

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    綺麗にオチのつく良くできたミステリだった。引きが弱く感じたところがあり、ページをめくる手が止まらないという感じにはならなかったけど、解決編で次々と明らかになっていく真実はすごく練り込まれていて読みごたえがあり、また感動的な内容だった。

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    2010年10月31日
  • 法月綸太郎の新冒険

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    学生時代、辛くて辛くて仕方なかった時に読んだ本。
    面白くてもうしこし頑張ろうと思えた。
    長編よりもやはり短編が楽しい。

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    2010年09月20日
  • 犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題

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    言葉遊びがふんだんに使われていて、ミステリの中でも私の好きなジャンル。星座に結び付けているのはこじつけっぽい気もするけどとても面白かった。残りの6つの星座編も早く読んでみたい。

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    2010年07月13日
  • 法月綸太郎の新冒険

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    探偵法月綸太郎の短編集。
    どの作品もテンポが良くて読みやすく、面白かった。
    息子の出てくる(作者同名の主人公)モノはどれも好き。

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    2010年04月07日
  • 法月綸太郎の冒険

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    なぜか素直に「名探偵」と呼べない…だけど愛着がある素人探偵法月綸太郎の第一短編集(全7編)。「死刑囚パズル」はあっと言わせるものがあるし、「切り裂き魔」は犯人に共感の意を込めてお気に入り。

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    2011年07月22日
  • 法月綸太郎の功績

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    推理がはずれる綸太郎がエラリー・クイーンのようで面白い。
    多分、キャラクター的には同じなんでしょう。
    都市伝説パズルが王道本格ミステリで好き。

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    2009年10月07日
  • 法月綸太郎の冒険

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    推理自体は微妙な気がしたけれど、気軽に読めるので良し。何度も読み返せそう。一年たてば内容を忘れられる自分が有難いような憎いような。

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    2009年10月04日
  • ふたたび赤い悪夢

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    凄かった。話もそうだけど名探偵としての法月綸太郎の悩みとか苦しみとかが盛りだくさん。推理部分も面白かったけどこういう部分もかなり面白かった。ここから法月綸太郎はどういう方向に進んでいくのだろうか。二の悲劇が楽しみ。あ、ちなみに解説でクイーンの「九尾の猫」と「十日間の不思議」のネタバレしてる。頼むよ笠井さん…。

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    2009年10月04日
  • 最後の一行 white

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    「最後の一行」に期待してたので、期待通りだったのは金子玲介さんの「ゼリーに満たされて」かな。
    最後でひっくり返る衝撃というハードルがあったけど、それ抜きにしたら短編集として全部読みやすかったと思う。

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    2026年10月02日
  • 法月綸太郎の不覚

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    単著を読むのは9年ぶり。作中にコンプライアンスを気にする描写があるなど、今っぽさを取り入れている点は目新しく感じた。一昔前なら考えられなかった変化だと思う。詳しい内容はあまり覚えていないけれど、どちらかと言えば初期の作品の方が好きだった気がする。折を見て初期作を再読したくなった。

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    2026年09月29日
  • 法月綸太郎の不覚

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    何と言うか。昔の面白さは無くなっていますね。コンプライアンス云々で書き辛くなっている、みたいなことが書いてあったがそれを抜きにしても小説としての愉しさがない。最後は仕方なく読んだ感じ。

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    2026年09月26日
  • 名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇

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    探偵(息子)と警視(父)の会話から繰り広げられる事件と謎解き。いつとながらを感じさせる掛け合いがよい。上質なミステリー短編でどれも粒ぞろい。

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    2026年09月14日
  • 最後の一行 white

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    最後の一行が良い感じに影響したのはゼリーに満たされてだけだった。他は最後の一行というより展開で見せているだけな感じ。ショートながらにアクは強めな作品ばかりではあったけれど、テーマとしては物足りない。

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    2026年08月29日