法月綸太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
通り魔に娘の頼子を殺された父親が
真相を推理した手記には、大きな力にとって不都合な真実が含まれていた。
そんな事件を著者かつ登場人物である法月綸太郎が依頼を受けて再調査をする話。
昨今「どんでん返し」を売りにした小説は
いくつもありますが、この本は年代がやや古いこともあって売りとしてやらしく作為的に伏線を散りばめるのではなく、登場人物各々の主観を法月がまとめ上げることによって驚くような真実に辿り着きます。きっと誰も間違っていないのでしょう。
本編の大筋とは一見関係ないのだけれど、
今日もどこかで誰かが亡くなっていて、
それでも世界は何も変わらず動くのだという
事実にハッとさせられました。
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Posted by ブクログ
これめちゃくちゃ面白いです!
有名な6名の作家さんがそれぞれ短編で
ミステリーを書いていますが、
それだけではなく、別の作品の推理をしています。
推理小説の3つの謎である、
【フーダニット】…誰が
【ホワイダニット】…動機は
【ハウダニット】…どうやって
が問われた作品がそれぞれ2作ずつ楽しめます。
問題編、解答編、推理編で大きく章が分かれていますが、おすすめの読み方は
まず問題編を読んで自分で推理した後に
推理編を読んで、最後に解答編に行く読み方です。
ほとんどの作家さんが正解していて、
さすがとしか言えないです。
中には「全然わかんない~!けどこうかな~」みたいな人間味のある解答もあっ -
Posted by ブクログ
まんぞく!
ミステリってこのくらいのボリュームの短編集が読みやすいかもしれない。気分でない時は他の本に行って戻ってきても、弊害ないし。
そしてどのお話も、どこか考えさせられる軸が入っている、気がした。
個人的には、砂糖壺は空っぽ、喫茶マヨイガ、太陽と月が星になる、あたりが好きかな。
ミステリと女の子同士の恋って、相性いいわよね…!
喫茶…は、ショートストーリーだけど、言いたいことは声を大にして言っていいんだということが、すっと伝わってきた。
そしてそして、語り手が姉妹で入れ替わりながら時間が進んでいく太陽…は、悲しい結末だけど、憎しみが必ずしも憎しみにはならない(?)ところに救われる。