法月綸太郎のレビュー一覧

  • 推理の時間です
    問題編と解決編にきっちり分かれた本作。
    問題編に手がかりはすべて書かれていると思ったら、すべてが伏線のようで、何もかも怪しい!
    わかりそうでわからない、つながりそうでつながりきれない、事件の真相。
    解決編を読むまでに数日おいて考えましたが…こうだ!と確信するには至らず。
    解決編を読んで、あんなに何回...続きを読む
  • 法月綸太郎の新冒険
     収録作品の「背信の交点」、「身投げ女のブルース」がお気に入り。前者は法月綸太郎流トラベルミステリー、後者は法月綸太郎が出てこない本格ミステリー、という感じだった。
  • 新装版 頼子のために
    傑作だと思います。
    犯罪悲劇的な作品ですが、それが苦手な方は読後感がよろしくないかもですね……。
    私はフィクションにおける犯罪悲劇で好きな作品が多いので、高評価です。

    元ネタ(小ネタですが)であろうものを少し。

    作風→ニコラス・ブレイク『野獣死すべし』のロス・マクドナルド風味(これには法月さん自...続きを読む
  • 自薦 THE どんでん返し
    綾辻行人、有栖川有栖、西澤保彦、貫井徳郎、法月綸太郎、東川篤哉という、めちゃめちゃ豪華なミステリ作家たちによる短編集。
    ストーリーとして好きなのは有栖川有栖の作品、ミステリとして好きなのは西澤保彦の作品だった。
    収められている作品は、ミステリという枠にとらわれない作品ばかりだが、その著者の作風には見...続きを読む
  • 雪密室 新装版
    雪の降る山荘で起こった密室殺人に、法月警視と名探偵の綸太郎が挑む、法月綸太郎シリーズの第一作。密室トリックの真相は、簡単な事柄の見落としと犯人の機転だった。そして、エピローグで覆された。作中でカーター・ディクスンの『白い僧院の殺人』が紹介されていたので、その作品も読みたい。
  • キングを探せ
    四人の男が、トランプを行う交換殺人。動機から犯人を当てられない完全犯罪は成立するのか。探偵役の法月綸太郎の鋭い推理と、驚きの結末。『キングを探せ』のタイトルに騙されてはいけない。
  • 法月綸太郎の冒険
    推理作家であり名探偵の法月綸太郎が活躍する短編集。犯人当て、トリック当てもあるが、動機当てが多い。伏線回収が鮮やかで、特に第二話『黒衣の家』が良かった。犯人の動機がサイコ過ぎる。
  • 誰彼 新装版
    ミステリにおいて、「首から上がない死体」というのはそれだけであらゆる事件の真相のバリエーションが想定されるものだ。
    身元の不明性を高めるのだろう、というところまでは、少しミステリを読んでいる人なら正直、想像がつくと思う。
    本書は、その「首斬りの動機」も含めて丁寧に可能性が消去されていき、途中ややこし...続きを読む
  • 惑 まどう
    まんぞく!
    ミステリってこのくらいのボリュームの短編集が読みやすいかもしれない。気分でない時は他の本に行って戻ってきても、弊害ないし。

    そしてどのお話も、どこか考えさせられる軸が入っている、気がした。

    個人的には、砂糖壺は空っぽ、喫茶マヨイガ、太陽と月が星になる、あたりが好きかな。
    ミステリと女...続きを読む
  • 新装版 頼子のために
    これは凄まじい推理小説だと心底震えたのが読後第一の感想だった。こんなにも探偵が犯人に敗北する推理小説というのは珍しいのではないだろうか。勧善懲悪なんてクソ喰らえとでもいうほどに。犯人は全てを知っていた、全てをわかっていたからこそこんな結末を望んだのだ。途中から「もしかして…」という疑念を抱いて読み進...続きを読む
  • ふたたび赤い悪夢
    名探偵としての苦悩を抱える法月のもとにかかってきた、一本の電話。
    ふたたび、赤い悪夢が繰り返されることになる。

    この"繰り返す"という構図がとても秀逸。
    それを見破る「服に付着した多すぎる血」
    「冷たい血」「血がついたナイフ」といった手がかりも見事。

    重厚でいて清々しい、読み応えのある大作。

    ...続きを読む
  • 新装版 頼子のために
    韓国で絶賛されているとの事で読んでみました。
    親子の登場で、もしやこれは何かの続きか?と思い調べてみたら先に読まなければならない一冊があったけどそのまま読み終わりました。
    面白かった。さすがに勘が良すぎるだろうと突っ込みたくなるシーンもなくはないけど、こういう後からいくつものびっくり事実が出てくる話...続きを読む
  • 自薦 THE どんでん返し
    ミステリーを楽しみたい、という人にオススメかなと思います。
    どんでん返しと分かっていながらでも楽しめますよ。
    ただ有名な作者の作品が集まってるので、本格ミステリーが好きな人には既読の内容はいくつかあるかもしれません。
    個人的には法月綸太郎さんの作品がいい意味でも悪い意味でも印象的でした。
  • 7人の名探偵
    ミステリーアンソロジー7作品短編集。あとがき解説無。
    新本格30周年記念に寄せて7人の名探偵を一気に味わえる心にくい演出です。
    順に読み進め7作目の『仮題・ぬえの密室』に全てが集約され、ずっしりとした本格の歴史を感じました。これから読まれる方にも入りやすい作品を探すのにお勧めです。
  • 7人の名探偵
    新本格30周年の記念アンソロジー。
    新本格に夢中になってたのが20年前くらいなので、思えば自分も年をとったものだなあと。あと、出産~育児で読書から離れていたのもあり、これで久しぶりに読んだ作者も結構いたりして懐かしくなった。
    全体を通して、ストレートな本格の割合が低くて、結構意外だった。全員の個性が...続きを読む
  • 新装版 頼子のために
    2年前に読んでめっちゃ面白かったこの作品の新装版を改めて。
    最初に読んだ時にはまさか!という驚きの印象が強かったけど、オチが分かっていてもなお面白くて引き込まれてしまうこの作品は、やっぱり法月綸太郎作品のなかでもやっぱりいちばん好き。
  • 名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇
    他の二人、御手洗と火村が普段から難しい顔をしてるイメージなのに比べて、綸太郎は穏やかな顔をしてる感じがして、同じ名探偵でも親しみやすそうと思った。
    何かに気付いたと思ったらじっと考え込む閃き型の天才タイプと違って、穂波嬢や親父さんとディスカッションしながら謎を解いていくスタイルも面白かった。
    ...続きを読む
  • 7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー
    ネットやスマホの普及で本格ミステリ界隈にも色々な変化が訪れてるというのは耳にするけど、新本格30周年記念である本作には奇しくもAIの探偵を扱った作品が2本収録されていて、なんだか感慨深い。
    この先新本格40周年、50周年と迎えたとき、どんなミステリが書かれているのか、この30周年はどんな気持ちで読...続きを読む
  • 法月綸太郎の新冒険
    「法月綸太郎の冒険」に続く短編集。どの話もめちゃくちゃ面白かった。これぐらいの長さだからこそどれも面白く読めたというのもあると思う。個人的に気に入ったのが「リターン・ザ・ギフト」。犯人も動機もさっぱりわからなかったけど特に動機に関しては最後の法月綸太郎の説明を読むまで「どんなオチをつけるんだろう」と...続きを読む
  • 7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー

    有栖川有栖先生の

    掲載作品は「カナダ金貨の謎」という本に再録されています。
    情報共有まで。

    作家アリスシリーズです。
    兵庫県警のお馴染みの方々が出てきます。
    火村&アリスの掛け合いが好きな人なら、物語の初め数ページだけで笑ってしまうと思います。

    内容は有栖川先生の本格推理小説なので安心して読めました...続きを読む