法月綸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ法月綸太郎による星座をモチーフとしたミステリ連作短編集第2弾。
冒頭、その星座にまつわるギリシャ神話などが簡潔にまとめられ、その星座のことを知らなくてもある程度星座のバックグラウンドの知識を得られるようにしてあり、その神話をモチーフとした物語が展開される。事件の展開や登場人物が概ね神話に沿った形で描かれ、興味深い。
基本的にはアクロバティックなトリックはなく、王道の本格ミステリが展開される。一時期の法月綸太郎の悩める探偵のイメージはなく、法月警視と二人三脚で問題を解決していく。
長編で描かれるパズラーとしての作家・法月綸太郎もいいが、短編でこそ光る作品も多く、本作も佳作ぞろいである。 -
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ネタバレ法月綸太郎の短編集。
ミステリもそうでないものも、完全オリジナルもパスティーシュも、いろんな法月綸太郎が味わえてある意味お得な、本格の法月綸太郎が好きな人には若干消化不良な作品集といえる。
しらみつぶしの時計のように完全に論理的に考えていけばいずれ正解がわかる数学のような作品もあれば、猫の巡礼のように結局なんだったのか、狐につままれたような気分になる作品もある。法月綸太郎という作者の、作品の幅の広さを実感することだけは間違いない。
とはいえ、やはり、悩める名探偵・法月綸太郎が活躍する作品をもっと読みたいと思うのは、ファンのエゴだろうか。 -
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ネタバレ『【牡羊座】 ギリシア羊の秘密』
ホームレスの生活に潜入取材を行っていた飯田才蔵が世話になっていたアリョーシャと呼ばれるホームレスが刺殺される。現場にいた才蔵も何者かに殴られ気を失う。アリョーシャが持っていたブックカバー。アリョーシャの過去。持ち去られたジャケットの謎。
『【牡牛座】 六人の女王の問題』
ライター・虻原サトルが残した自殺の予告と思われる原稿。かつて同じ劇団に所属していた赤星剛四郎のマンションでの転落死。呑めないはずのお酒を飲んでの転落。劇団時代に書いたシナリオをめぐっての対立。赤星と女優をめぐっても対立していた虻原。シナリオに登場する6人の女戦士の謎。
『【双子座】 ゼウスの息子たち』
カンズメのためにリゾートホテルにやってきた綸太郎。レストランのシェフ里中はフランス帰りで話題のホテル。レストランで因縁をふかっける箕面。恐喝屋の箕面。双子同士で結婚した藤堂オーナー。弟、妹カップルの事故死。夜中の会談中に発見された箕面の遺体。里中シェフが話す入れ替わりの可能性。
『【蟹座】 ヒュドラ大十の首』
殺害された蟹江六郎。自殺した妹のアパートにそのまま住み続けていた蟹江。妹の自殺の原因となった男を探し復讐をしようとしての返り討か?3人の「ヒラドノブユキ」。残された5枚のゴム手袋。
『【獅子座】 鏡の中のライオン』
殺害された女優・仙道美也子。美也子が主演で映像化される予定の台本の作者・滝本佳樹。滝本の家で発見された美也子のピアスの片割れ。美也子の地位に似つかわしくない安いピアス。
『【乙女座】 冥府に囚われた娘』
水中毒で入院している北条志穂。意識が戻らない彼女から送られたメール。彼女の看病をしている母親の麦子の冷たい反応。ダイエットのためにMDMAを使用していた可能性のある志穂。殺害された志穂の同級生・小山田。MDMAを志穂に渡した人物は? -
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ネタバレ第5回本格ミステリ大賞への序曲
論理が漲る傑作推理集!
〈法月綸太郎シリーズ〉第9作(シリーズ第3短編集)。
2000年春から02年春までに発表された5つの短編を収録。
■イコールYの悲劇(2000.7)
殺人事件の被害者が残した「=Y」の文字は、はたして何を意味するのか!?
エラリイ・クイーンへのリスペクト。となればダイイング・メッセージに挑戦。
(余談ながら競作集で他の著者もみなダイイング・メッセージに取り組んでしまう笑)
メッセージに使用されたボールペンに残っていた手掛かりから意図を正しく読み取って、登場人物の裏の顔を暴く
――プロットには文句なし!なのだが……
もっと簡単にメッセージを残せるハズだという気はする。
例えばあの人物の名前を〇する、とか……しかしそうなるとダイイング・メッセージにも成り得ないので難しいところ。
■中国蝸牛の謎(2000.5,9)
作家が密室状態の場所から消失、その後階下で首つり死体となって見つかる、という事件を扱ったもの。
ある意味バカミスといえるかもしれない。
蝸牛に関する蘊蓄はすごいし、もうちょっと上手い処理もできそうなものだが……。
■都市伝説パズル(2001.9)
「電気をつけなくて命拾いしたな」
――深夜、友人宅に忘れ物を取りに行ったその少しの間、まさしく事件に居合わせていた……。
現代の怪談、都市伝説をテーマに、そのまま模倣したかのような事件が発生する。
この都市伝説を背景に真犯人は関係者の証言を上手く利用しアリバイを確保する。著者の構図の反転が見事な作品。
第55回日本推理作家協会賞受賞作。
■ABCD包囲網(2001.11)
冒頭の『イコールYの悲劇』同様の競作。
今作もクリスティ『ABC殺人事件』へのリスペクトである。
俗に言う、ミッシング・リンクの作品。
ネタバレしてしまうと連続殺人事件の中に本命を紛れ込ませる、というやつである。
再三明らかにやってもいない殺人事件で自首しに来る男。
鵜呑みにもできないが無視するわけにもいかず。
その後の調査で、4件目として男の妻が狙われていることを突き止める。
3つの事件は直線上にあり、男の家もその延長線上に存在したのだった。
そこから本作は急転直下のひねりがある。
■縊心伝心(2002.5)
OLが不倫相手に自殺を仄めかした電話をかけ、その1時間後遺体で見つかった。
不倫相手のアリバイは完璧で、遺体にも偽装の疑いが生まれたため、捜査に臨む法月警視は綸太郎に協力を仰ぐ。
カーペットの電源に見受けられた違和感から一気に脳細胞が活性化する綸太郎に注目の作品。
ミステリ :☆☆☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆
人物 :☆☆☆☆
文章 :☆☆☆☆ -
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ネタバレ新本格のこれからに乾杯!
新本格は綾辻行人の『十角館の殺人』から始まるとされる。そこ刊行から30周年を記念して出版されたアンソロジーの文庫版。豪華だった。以下、お気に入り。
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」生成AIで探偵を作ったら…まぁホームズがいる世界にはモリアーティがいるからねぇ、と言うのは簡単だけどそれを面白く書くのってプロだよなと。この世界もう来ている気がしてしょうがない。
歌野晶午「天才少年の見た夢は」才能のある子たちを集めたアカデミーも敵国からの爆撃に晒された。シェルターに逃げ込んだ少年少女たちは全滅したが…名探偵鷺宮藍の正体はなるほど。しかしこれも人工知能でなんかもうそろそろ来そうな世界なんだよな。
綾辻行人「仮題・ぬえの密室」お祭り作品。登場人物が豪華。寡聞にして知らないのですけど先生方は本当にこんな感じなのだろうか。ラストの人物もすぐ正体がわかった。ぬえの密室が書かれてほしいなぁ、なんて。いっそ2人競作しませんか、なんて。 -
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ネタバレ「使用中」話の構成が好き。
「ダブル・プレイ」タイトルが洒落てる。
「素人芸」てっきりホラー展開かと。
「盗まれた手紙」パスティーシュ。雰囲気がとても好き。トリックも◯
「イン・メモリアム」奇妙……
「猫の巡礼」途中まで本当に猫にはこういう習性や歴史があるのだと思って読んでた……そんなわけないよね……
「四色問題」パスティーシュ。本家も読みたい。
「幽霊をやとった女」パスティーシュ。ハードボイルドな雰囲気がとても好き。キャラクターも◯
「しらみつぶしの時計」ロジックの導き。論理は全然分からなかったけど最後は理解できた(それはそうだろう)おもしろかった。
「トゥ・オブ・アス」『二の悲劇』の原型。せつない。こういうすれ違いの悲恋に弱い。好き。