法月綸太郎のレビュー一覧

  • ふたたび赤い悪夢

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    ネタバレ

    名探偵としての苦悩を抱える法月のもとにかかってきた、一本の電話。
    ふたたび、赤い悪夢が繰り返されることになる。

    この"繰り返す"という構図がとても秀逸。
    それを見破る「服に付着した多すぎる血」
    「冷たい血」「血がついたナイフ」といった手がかりも見事。

    重厚でいて清々しい、読み応えのある大作。

    惜しむらくは、自分がまだクイーンの作品を国名シリーズの途中までしか読んでいないことと、『頼子のために』を読んでから間を空けずに本書を読まなかったこと。
    それにしても、(あとがきも含め)二人の法月綸太郎のクイーンへの憑かれっぷりがよく分かる...

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    2021年12月22日
  • 新装版 頼子のために

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    韓国で絶賛されているとの事で読んでみました。
    親子の登場で、もしやこれは何かの続きか?と思い調べてみたら先に読まなければならない一冊があったけどそのまま読み終わりました。
    面白かった。さすがに勘が良すぎるだろうと突っ込みたくなるシーンもなくはないけど、こういう後からいくつものびっくり事実が出てくる話は好きです。

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    2021年11月17日
  • 生首に聞いてみろ

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    長かった!でもとてつもなくおもしろかった!
    ある彫刻家が自分の娘をモデルした彫像を作った。彫刻家は末期癌で彫像を完成した直後倒れて亡くなる。
    完成作品を見た者は誰もなく、葬儀後に確認すると彫像の首が切り取られてなくなっていた…
    ここから怒涛の展開。彫刻家の娘、娘のストーカー、娘の実母とその再婚相手、美術評論家など入り乱れて色んな伏線がたくさん出てきて飽きない。最後に一気に回収され、まとめ方にうーんと唸るほど面白い☆
    もっと世間に読まれて良い作品の1つだと個人的には思いました❗️

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    2021年08月28日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    ミステリーを楽しみたい、という人にオススメかなと思います。
    どんでん返しと分かっていながらでも楽しめますよ。
    ただ有名な作者の作品が集まってるので、本格ミステリーが好きな人には既読の内容はいくつかあるかもしれません。
    個人的には法月綸太郎さんの作品がいい意味でも悪い意味でも印象的でした。

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    2021年01月12日
  • 7人の名探偵

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    ミステリーアンソロジー7作品短編集。あとがき解説無。
    新本格30周年記念に寄せて7人の名探偵を一気に味わえる心にくい演出です。
    順に読み進め7作目の『仮題・ぬえの密室』に全てが集約され、ずっしりとした本格の歴史を感じました。これから読まれる方にも入りやすい作品を探すのにお勧めです。

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    2020年11月03日
  • 7人の名探偵

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    ネタバレ

    新本格30周年の記念アンソロジー。
    新本格に夢中になってたのが20年前くらいなので、思えば自分も年をとったものだなあと。あと、出産~育児で読書から離れていたのもあり、これで久しぶりに読んだ作者も結構いたりして懐かしくなった。
    全体を通して、ストレートな本格の割合が低くて、結構意外だった。全員の個性が良く出ているというか。意外とみんなゴリゴリの本格というわけではないんだねえ、なんて思った。でもそれがつまらないわけでは無くて、それもとても楽しめた!!

    ○「水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件―」
    麻耶雄嵩らしい。「7人の名探偵」と言われてメルカトル出してくるのがすごいと思ってしまった。でもやっぱ

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    2020年09月07日
  • 新装版 頼子のために

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    ネタバレ

    2年前に読んでめっちゃ面白かったこの作品の新装版を改めて。
    最初に読んだ時にはまさか!という驚きの印象が強かったけど、オチが分かっていてもなお面白くて引き込まれてしまうこの作品は、やっぱり法月綸太郎作品のなかでもやっぱりいちばん好き。

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    2019年12月13日
  • 名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇

    ネタバレ 購入済み

    他の二人、御手洗と火村が普段から難しい顔をしてるイメージなのに比べて、綸太郎は穏やかな顔をしてる感じがして、同じ名探偵でも親しみやすそうと思った。
    何かに気付いたと思ったらじっと考え込む閃き型の天才タイプと違って、穂波嬢や親父さんとディスカッションしながら謎を解いていくスタイルも面白かった。
    最初の「過ぎにし薔薇は……」が人情モノの日常の謎だったので、続く「背信の交点」もなるほどこのシリーズはこんな感じかと思っていたら、心中からさらにもう一捻りあって驚いた。

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    2019年12月03日
  • 法月綸太郎の新冒険

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    「法月綸太郎の冒険」に続く短編集。どの話もめちゃくちゃ面白かった。これぐらいの長さだからこそどれも面白く読めたというのもあると思う。個人的に気に入ったのが「リターン・ザ・ギフト」。犯人も動機もさっぱりわからなかったけど特に動機に関しては最後の法月綸太郎の説明を読むまで「どんなオチをつけるんだろう」とわくわくしていたらそういうオチで凄く納得がいった。

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    2019年11月26日
  • ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版

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    ネタバレ

    『ノックスマシン』 ★★★★★
    * 実在の文章である「ノックスの十戒」の第五項に「探偵小説には、中国人を登場させてはいけない」と書かれていた。この不可解な一項から発想を広げたんだろう。
    * タイムマシンで過去に戻った時、世界は分岐してしまうという「多世界解釈」の通り、過去に行った人間が(元の世界の人間目線で言えば)戻ってきた例がないという。しかしある特定の日付だけは特異点として世界の分岐が起こらず移動できるという。その日はまさにノックスが「ノックスの十戒」を執筆した日だった。チンルウがノックスを訪れた際、ノックスはそのような項は書いていなかったが、未来から現れたチンルウを見て追加してしまったの

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    2019年09月16日
  • キングを探せ

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    ネタバレ

    このシリーズを読むのは久しぶりだ。今回は倒叙ミステリだった。
    四重の交換殺人の謎に挑む法月親子。
    叙述トリック的なところは少しずるい気がしたけれど、きれいに騙されてしまったので、とても楽しく読めた。
    星5つ。

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    2019年05月06日
  • 法月綸太郎の新冒険

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    ネタバレ

    2018年12冊目。
    傑作選で既に読んだ作品もあったけど、やはり面白かった。「背信の交点」「リターン・ザ・ギフト」はやはり秀逸。
    「身投げ女のブルース」にはやられました。
    そしてやっぱり法月父子のやりとりがたまらなく好き。

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    2018年02月23日
  • 新装版 頼子のために

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    2018年22冊目。再読したいと思っていたところに新装版が出たのでついつい購入。冒頭の手記から、綸太郎の調査を経てのあの真相の衝撃たるや。歪んだ愛と憎悪が織り成す最上級の悲劇に取り込まれてしまいます。

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    2018年02月18日
  • 新装版 頼子のために

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    ネタバレ

    2017.1.20
    「頼子が死んだ」という父親の手記から始まるミステリー。
    事件の流れが手記によって示された後に、小説家・法月綸太郎の目線にたって解き明かされてゆくので、展開が整理されていて読みやかった。

    17歳の娘を妊娠させた上に殺した男に復讐をし、その上で自殺を図った父親。
    ストーリーとして完結したと思われる事件の裏を、あらゆる人の思惑を明らかにしながら「真実」を暴いていくのがおもしろい。こういうことじゃない?ってトリックを見破るのが好きな人にはもってこい!

    すべて読み終わってから冒頭の手記を読むとなるほど圧巻。

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    2018年01月20日
  • 名探偵傑作短篇集 法月綸太郎篇

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    ネタバレ

    2018年3冊目。
    そして、法月綸太郎作品は「一の悲劇」「頼子のために」に続いて3冊目。

    ・・・完全にやっちまいました。
    法月綸太郎作品めっちゃ面白い!!コンプリートするぞ!と意気込んでまずコレを選んだけど、『冒険』『新冒険』『功績』の中からの傑作選だったのね。どうせコンプリートするなら最初からその3冊を買えば良かったわー(ノ∀`)
    でも、傑作選だけあってどれもめっちゃ面白かった。
    うーん、その中でもやっぱり「背信の交点」と「都市伝説パズル」は最高!!
    短編とはいえ、どれも本当によく出来ているなぁ・・と感心せずにはいられない。
    実はミステリー好きとはいいながら、エラリー・クイーンをまだ読んだ

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    2018年01月13日
  • 犯罪ホロスコープI 六人の女王の問題

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    星座にまつわる事件の短編集。どれもよく練られていて、読み応えあり。
    この方は読者ミスリードするのが本当に上手い。

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    2017年11月13日
  • 自薦 THE どんでん返し

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    タイトル通り、どんでん返しもの。
    自薦だけあって、それぞれの作家さんの特徴が出てて大変面白く読めました。
    なーんか読んだことある話ばかりだなー
    まー自薦だから他ので読んだんだろーなー
    と思ってたら同じ本が自宅の本棚にあったのは内緒

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    2017年10月17日
  • キングを探せ

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    このミス2013年版8位。四重交換殺人という今までになかったパタンを扱った本格ミステリー。設定が斬新だけど、しっかりと事件が構成されている上に、それらが語られる順番が良く練られており、事件が発生する過程、解決していく過程がそれぞれ楽しめる。フーダニット(誰が犯人か)に加えて、何が起こっているのかという興味が続く。テンポの良い展開で一気読みできる娯楽小説の最高峰です。パズル的な複雑さがあるんだけど、解決していく手順で丁寧に説明されていくのでわかりやすい。普通はトリックが優れている良くできた小説でも、面倒くさいので、小説読みながらページを戻ったりしてまじめに推理する気にはならないのだけど、この小説

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    2017年02月02日
  • 法月綸太郎の功績

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    「都市伝説パズル」の完成度の高さに感動。綸太郎と同じタイミングで真相に到達した時の、まさにパズルのピースがはまるかのような爽快感は忘れられない。最後のエピソードがさらにこの作品の価値を高めている。「イコールYの悲劇」ダイイングメッセージものは、どうしたって扱いが難しいけれど、必然性にしっかり納得できた。

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    2017年05月20日
  • ふたたび赤い悪夢

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    『奇抜な仮説を弄んだり、人の死を記号のように扱ったり、人間関係を机上の図式に収めたり、嬉々として他人の罪を暴いたりー

    そうしたことの全てに興味を持てなくなっただけです。いつまでも、遊びの時間は続きません。探偵ごっこはこしまいです。』

    悩める探偵、法月綸太郎の作品はどれも面白い。解説が笠井潔で最高。この二人はミステリに哲学を持ち込む素敵な作家で大好きだ。
    それにしても、エラリー・クイーンがまた読みたくなった。クイーンにハマったの小学生の頃だったから内容あまり覚えてないんだよね〜。

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    2016年12月03日