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上海大学のユアンは、国家科学技術局から召喚の連絡を受けた。「ノックスの十戒」をテーマにした彼の論文で確認したいことがあるというのだ。科学技術局に出向いたユアンは、そこで予想外の提案を持ちかけられる。 ※本電子書籍は、紙書籍『ノックス・マシン』から「ノックス・マシン」「引き立て役倶楽部の陰謀」「論理蒸発―ノックス・マシン2」の3篇を収録し、電子版オリジナルコンテンツ【「引き立て役倶楽部の陰謀」の主な登場人物たち】を収録した電子オリジナル版です。
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Posted by ブクログ
ミステリとSFを組み合わせた傑作の短編集。不思議な話ばかりだが、納得させられてしまう。種明かしをされて、「腑に落ちる」のが気持ちいい。特に好きだったのが『引き立て役倶楽部の陰謀』で、様々な探偵小説の「引き立て役」たちが議論を繰り広げるのを読んでいると、すべての「引き立て役」を知らないことが悔しくなっ...続きを読むてくる。
本の厚さはそんなにないものの非常に中身が濃い作品。正直こんなに詰め込む必要があるのかというぐらい情報量が多いが、それも作者のミステリに対する愛と拘り故だと思う。本作はしらみつぶしの時計のようなミステリ作品というよりも、ミステリに対するまた違ったアプローチの仕方を書いた作品でありそれを楽しめる人にはた...続きを読むまらない小説になると思う。
自分はSFの読み手ではないので、表題作シリーズのSF設定の説明は「?」となってしまった。 知識がないのが悪いのかもだが、「ノックスの十戒」がどうして特異点になったのか、その理由が理解できないままだ。もちろん、ユーモアとして読むべき部分もあるだろうから、こんなことをいうこと自体が無粋なのかもしれないが...続きを読む…。 いずれにせよ、SF的な仕かけがあるミステリは斬新でおもしろかった。
ミス研の同人誌だったら伝説になりそう。つまりあまり一般受けはしないかも。 『ノックス・マシン2』は中盤まではすごいテンションあがったのに、後半えらいご都合主義… 『バベルの牢獄』は一読の価値あり。面白いです。
法月綸太郎によるミステリにまつわる話をSF仕立てにした短編集。 本作はいろんなところで言われているように、決して万人向けではない。むしろ、クリスティやクイーンといった古典ミステリをこよなく愛し、かつSFもある程度読みこなしている人が、そこかしこに仕掛けられた遊びを楽しむ、という側面がかなり強い。そう...続きを読むいった意味で、「このミス」一位という評価だけによって本書を手にするとなんだこりゃとなる可能性も高い。かくいう自分も、古典ミステリはかじる程度しか読んでいないため、ネタ元がわかるものとわからないものがある。様々な作品に触れた後で読み返すとおそらく今とは違った感想を持つだろう。 古典ミステリへの愛が如実にあふれた作品として「引き立て役倶楽部の陰謀」が収録されているが、ミステリの歴史の体系的なまとめとも言える作品で、それと知らずに読んでも非常にコミカルな作品でもある。 また、本作は「紙の書籍」への愛着もそこかしこに感じられる。特に電子書籍版には収録されていない「バベルの牢獄」はその最たるもので、絶対に電子書籍化できない仕掛けが仕組まれている。 表題作とその続編もふくめ、よくもこんなことを思いつくものだと感心することしきりで、ある意味論理の煙に巻かれたような読後感もあり、そういう意味でミステリにも通じるが、あくまでも本作はミステリではなくSFテイストの作品集だ。
それぞれで触れられている作者や原作を良く知っていれば、きっともっと楽しめたんだろうな、とちょっと悔しいです。でも、「生首~」で感じた作者に対する自己評価(まあ普通)は、ちょっと見直さないとって気になりました。表題作(とその続編)、引き立て役の3つの話は、原作についての知識云々を問わず、純粋にSFミス...続きを読むテリとして楽しめました。なるほどなって思わせられる、見事な解釈になっていると思います。ただ、3番目に収録の話がイケてなかった。これがなければ満点でも良かったけど、くらいの減点。これが一番短くて、サラッと読み流せるくらいだからまだ良かったけど…残念です。海外ミステリの古典が、もっともっと読みたくなりました。
ミステリー好きが書いたSF。 ノックスマシン2は量子力学のホーキング理論とブラックホールの情報理論をアレンジしており、科学的にもっともらしい法螺話になっている。ノックスというミステリー作家を知らないので、面白さが半減したかも。ミステリーに精通していると、更に面白いと思うが、そこまでマニアではないので...続きを読む、内輪落ちが判らないので3点。 バベルの牢獄は電子書籍が難しい鏡文字を扱っており、読めるのは紙の本好き読者の特権です。
SF短中編を4編による作品集 表題作も面白かったが、収録作の中ではバベルの牢獄のギミックが楽しめた 囚われの身の主人公による一人称で語られており、監視者の目を潜り抜けて脱出を試みる物語 読み進めると監視者は読者だと気付く つまり主人公の考えを含めて監視者に全て読まれている状況 最後に小気味良い仕掛け...続きを読むで監視の目から逃れ脱出するのだが、全編通して脱出準備が進められていた事に後から気付かされた そしてその仕掛けにより、当作は電子化不可能という点も面白い
法月綸太郎の中篇作品集『ノックス・マシン』を読みました。 ここのところ国内の作家のミステリ作品が続いています。 -----story------------- 「このミステリーがすごい! 2014年版」国内編1位!珠玉の中篇集。 上海大学のユアンは、国家科学技術局から召喚の連絡を受けた。 「ノッ...続きを読むクスの十戒」をテーマにした彼の論文で確認したいことがあるというのだ。 科学技術局に出向いたユアンは、そこで予想外の提案を持ちかけられる。 本格ミステリ、本格SF、両ジャンルの歴史に残る必読の傑作 ――大森望(「本の旅人」4月号) まさに“血(知)湧き肉踊る”エンターテイメントだ ――村上貴史(「ダ・ヴィンチ」6月号) 中でも「論理蒸発――ノックスマシン2」は、“感涙すら誘う恐るべき傑作” ――千街晶之(「SFマガジン」6月号) ----------------------- 2013年(平成25年)に刊行された本格ミステリとSFが融合した中篇集で、以下の4篇が収録されています。 ■ノックス・マシン ■引き立て役倶楽部の陰謀 ■バベルの牢獄 ■論理蒸発-ノックス・マシン2 ■あとがき ■解説 杉江松恋 2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される… 博士論文のテーマであるイギリスの作家ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」の第5項「探偵小説には、中国人を登場させてはならない」が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ、、、 その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―― 発表直後からSF&ミステリ界で絶賛された表題作『ノックス・マシン』、名探偵の相棒たちが暗躍する『引き立て役倶楽部の陰謀』、空前絶後の脱獄小説『バベルの牢獄』などを含む中篇集。 本格ミステリファンなら、読みながらニンマリしてしまうネタが満載の物語でしたね… それだけに一般受けするのが難しいし、科学的な理論の解説も難解なので、好き/嫌いが分かれる作品だと感じました、、、 そんな個性的な4篇が収録されていますが、イチバン愉しめたのは『引き立て役倶楽部の陰謀』ですね… ワトスン博士やヘイスティングズ大尉等、名探偵の助手たちが集うクラブの面々が本格ミステリにおける名探偵の助手という立場を護ろうと暗躍、アガサ・クリスティの失踪事件の真相も絡めて印象的な作品に仕上がっていました。 『ノックス・マシン』と、その続篇の『論理蒸発-ノックス・マシン2』は、SFとミステリを巧く融合させた作品で、ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」やエラリー・クイーン作品の定番「読者への挑戦状」をネタにした愉しい展開が印象的ですが、科学的な理論が理解不能なのでその部分は流し読みして、オチを愉しんだ感じかな、、、 いずれにしても、海外古典ミステリについて一定の知識がないと愉しめないので評価が難しいですね。
作者の推理小説好きが顕著に現れた作品。海外ミステリをあらかた読んでいる人はニヤリとするかも。ただ少し設定が難しいところもあった。
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ノックス・マシン 3/4 電子オリジナル版
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