【感想・ネタバレ】ふたたび赤い悪夢のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月22日

名探偵としての苦悩を抱える法月のもとにかかってきた、一本の電話。
ふたたび、赤い悪夢が繰り返されることになる。

この"繰り返す"という構図がとても秀逸。
それを見破る「服に付着した多すぎる血」
「冷たい血」「血がついたナイフ」といった手がかりも見事。

重厚でいて清々しい、読み...続きを読む応えのある大作。

惜しむらくは、自分がまだクイーンの作品を国名シリーズの途中までしか読んでいないことと、『頼子のために』を読んでから間を空けずに本書を読まなかったこと。
それにしても、(あとがきも含め)二人の法月綸太郎のクイーンへの憑かれっぷりがよく分かる...

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Posted by ブクログ 2016年12月03日

『奇抜な仮説を弄んだり、人の死を記号のように扱ったり、人間関係を机上の図式に収めたり、嬉々として他人の罪を暴いたりー

そうしたことの全てに興味を持てなくなっただけです。いつまでも、遊びの時間は続きません。探偵ごっこはこしまいです。』

悩める探偵、法月綸太郎の作品はどれも面白い。解説が笠井潔で最高...続きを読む。この二人はミステリに哲学を持ち込む素敵な作家で大好きだ。
それにしても、エラリー・クイーンがまた読みたくなった。クイーンにハマったの小学生の頃だったから内容あまり覚えてないんだよね〜。

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Posted by ブクログ 2017年06月03日

「頼子のために」の事件が名探偵法月綸太郎に与えた影響は途方もなく大きい。抱えきれない現実にうちひしがれ、思い悩みながらも答えを求めて再び立ち上がる姿に勇気を貰えます。同じように過去に縛られた人々が登場してくるのが、とても象徴的でした。

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Posted by ブクログ 2014年10月05日

「頼子のために」の続編。あと「雪密室」も読んでおかないと、筋が分からないかもしれません。
筋も良く練られていて、かなりの長編にも関わらず全然だれません。おすすめです。

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Posted by ブクログ 2024年01月08日

今年は積読本を消化する年!だいぶ前に購入して途中まで読んだ法月さんの本が今年の1冊め。

「雪密室」と「頼子のために」を読んでからでないと法月さん(主人公)の気持ちについていけないかも。と言うのも、ミステリーなので"誰が犯人でどういう方法を使ったか"と同じくらい"過去の...続きを読む事件から生じた法月さんの探偵(・小説家)としての苦悩"に焦点が当たった作品だから。
後者の決着の付け方が良かった。自分を美化したり正当化したりするのではなくて"これからの事件との関わり方によって自分が試されてるんだ"という箇所が良かった。
最近色んなものを引きずりながら生きている感じがするよ。良いものもあんまり見たくないものもね。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年02月18日

これからこのシリーズを読む方には、ここまでは必ず一気に読んだ方がいいよ!と言いたい。

やはり胸が痛む事件だし、子どもが辛いシチュエーションだったなぁとも思うし、美和子が痛々しかったし、頼子のことを思い出して切ない気持ちを思い出したけど、最後になんだかどちらも少し救われた気持ちになったのはよかったな...続きを読むと思います。
綸太郎が前の事件を引きずってしまうところとか、その人間くささが見えたことも凄くよかったなぁと思いました。
シリーズ読み続けるのが、より楽しみになりました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月20日

2018年5冊目。
とりあえず、これ読む前に「雪密室」「頼子のために」は必読。
どうしてもこれまでの法月親子の会話のイメージがあったから、この作品は綸太郎の苦悩っぷりにこっちまで胃が痛くなるような感じがして読んでてちょっと辛かった。
本筋は面白かったんだけど、どうしてもエラリー・クイーンを読んでいな...続きを読むいあたしとしてはそっちネタ出されるとちんぷんかんぷんで・・(;^ω^)
それ読んでからまた読み直すと違うのかも。

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Posted by ブクログ 2016年01月13日

前作を読んでみたくなりました。この作品は十数年にわたる様々な謎、勘違いが織り込まれていくとともに、法月綸太郎自身のメンタル描写が絡まってきます。カタルシスを感じるような作品ではありませんが、読み応え充分でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年06月27日

〈法月綸太郎シリーズ〉第5作(第5長編)。
『頼子のために』事件の後、完全なスランプ状態に陥っていた法月綸太郎。
ある日の深夜、彼のもとにかかってきた電話。助けを求めてきたのはアイドル歌手・畠中有里奈だった。
ラジオ局の一室で暴漢に襲われるも、自身は気を失い、その暴漢は後に近くの公園で死体となって発...続きを読む見される。
法月警視と共に彼女を匿い、事件の調査に乗り出す。
それは同時に、名探偵の視点を取り戻す旅でもあった。

畠中有里奈の本名は、中山美和子という。
彼女は『月蝕荘』事件で、法月警視に自身の出生の秘密を打ち明けていた。
自身が呪われた殺人犯の血を引いているのではないか。
彼女の母は、かつて美和子の双子の兄・実若と父・利則を殺害し、入水自殺したとされるのである。
そして今回の事件の数日後、低俗なゴシップ誌のせいで、自らの血縁に怯え自殺未遂してしまう。

その後、現在の事件の複雑な人間関係を詳らかにし、綸太郎は美和子の無実を証明することに成功する。
その裏には彼女の両親の悲劇の真実が隠されていた。

かくして「自分」で「自分の視点」を取り戻した綸太郎。
西村頼子への一周忌、墓前で傍らの美和子に頼子の面影を見出す結末は素晴らしいものだった。

ミステリ  :☆☆☆
ストーリー :☆☆☆☆☆
人物    :☆☆☆☆
文章    :☆☆☆☆

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Posted by ブクログ 2013年07月10日

4+ 

名探偵の苦悩極まれり。

著者が言うには、『頼子のために』『一の悲劇』『ふたたび赤い悪夢』の順(刊行順)で三部作を構成するとのことだが、物語の流れとしては本作は『雪密室』と『頼子のために』の続編にあたる。『一の悲劇』は本作よりも後の話、『雪密室』と『頼子のために』は直接の関わりはない。本作...続きを読むのみ読んでも、過去の事件との関わりが多少わかり難いだけで、そこそこ楽しめるとは思うが、遡って読む場合には、重要な点がネタバレになってしまうのでやはり刊行順に読むのが望ましい。

ちなみに本書巻末の笠井潔の解説には前もってネタバレの注意喚起が記載されているが、クイーンの作品については予告なくネタバレしている。それは困るという向きにはいっそ解説を読まない方が良い。『頼子〜』の池上など著者の文庫は解説に恵まれない印象がある。

過去作と大きく絡んでいるせいで単独で手を出しづらいのは難点だが、この時の著者の言いたいこと、書きたいこと、書けること、を、これでもかと何とか全てひねり出したかのような真剣な姿勢が垣間見え、それが悩める探偵像と重なり、従来作にない重厚な雰囲気を醸している。そのシリアスさは物語と非常にマッチしており、個人的には、本作までに発表された長編の中では最も良い出来と思う。物語の終わりには苦悩を消化し、一定のケリをつけた探偵像が描かれ、それがどこか書ききった感のようなものにも見え実に清々しい。ただし著者自身の苦悩は本作発表後も延々と続いていくのだが。

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Posted by ブクログ 2012年05月07日

西村頼子の事件以来、出口の見えないスランプに陥っていた
作家の法月綸太郎のもとに、深夜かかってきた電話は、
アイドル歌手畠中有里奈からの救いを求める電話だった。
ラジオ局の一室で刺されたはずの有里奈は無事で、
彼女を刺したはずの男が死体で発見されるという奇妙な状況。
しかし、有里奈は、ただ...続きを読む不思議な体験をしたというだけで
混乱し、恐怖に追い詰められたわけではなかった。
彼女の精神を極限まで追い込んでいるものは、
有里奈の双子の兄と、有里奈の父を惨殺し
自殺を遂げたという実の母親の影だった。
自分の中にも、やはり人殺しの血が流れていたのだ――。
そう思いつめ、心を閉ざしてしまった有里奈を救うべく
綸太郎は父親の法月警視とともに、事件の謎に挑んでいく。
法月綸太郎シリーズの第5作。

今まで読んだ法月綸太郎の作品の中では一番の大長編だった。
読むのになかなか時間がかかったが、
ストーリーが最後までだれることもなく、楽しめた。

目次の前のページにあるいささか異質の献辞や、
冒頭の数ページを読めばすぐにわかることだが、
本作は、「頼子のために」の内容を受けての作品となっている。

どうやら、「頼子のために」でとある形で問題提起された、
作者のほうの法月綸太郎が頭を悩ませている
「後期クイーン問題」とやらに関しての、
ひとつの決着が描かれている作品であるらしい。
それくらいはなんとか読み取れるのだが、
いかんせん「後期クイーン問題」とか
神がどうのこうのといった話には詳しくないため、
作者がどんな主張を物語に込めたのか、
そのほとんどは理解できずじまいだった。

ただ、「探偵という立場」というものに関しては
京極夏彦の諸作品の中で中禅寺が語っていたり、
西尾維新の戯言シリーズの中で言及されていたりしたので
それに似たようなことを言っているのかな、
などと想像したりはした。

だが、普通に楽しく読めたので特に不満はない。
複雑なプロットと、何人もの人間の思惑を
幾重にも絡み合わせた構成はやはり見事。
それでいて、綸太郎という“名探偵”の存在をはじめとした
本格ミステリ的なガジェットのおかげで
作品全体がどことなくちっぽけに感じられるところも
やはり相変わらずなのだが、
そこがむしろ逆に、作者である法月綸太郎の
ミステリに対する偏愛を感じさせ、微笑ましいと思う。

作中の綸太郎が自嘲気味に評したところによれば、
頻出する比喩表現は「くだらない比喩」だそうだが、
人物の仕草や表情を描写するときの独特の表現は
“文章ならでは”のものであって、素晴らしいと感じた。

おそらく作者にとっての転換点になった作品なのだろう。
以降の作品も手にとるつもり。
楽しみである。

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Posted by ブクログ 2010年10月31日

綺麗にオチのつく良くできたミステリだった。引きが弱く感じたところがあり、ページをめくる手が止まらないという感じにはならなかったけど、解決編で次々と明らかになっていく真実はすごく練り込まれていて読みごたえがあり、また感動的な内容だった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

凄かった。話もそうだけど名探偵としての法月綸太郎の悩みとか苦しみとかが盛りだくさん。推理部分も面白かったけどこういう部分もかなり面白かった。ここから法月綸太郎はどういう方向に進んでいくのだろうか。二の悲劇が楽しみ。あ、ちなみに解説でクイーンの「九尾の猫」と「十日間の不思議」のネタバレしてる。頼むよ笠...続きを読む井さん…。

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Posted by ブクログ 2016年10月31日

実は大学生の頃に読んだのは『頼子のために』までで、その後別の作家に移った。これは単純にその頃出ていた彼の作品の文庫が『頼子のために』しかなかったからだ。本作を読んだのはかなり後で、数年経った頃。そして本作は『頼子のために』と『一の悲劇』と合わせて悲劇三部作という謳い文句でもあり、しかも先に書いた感想...続きを読むでも解るように、私の中では読後数年を経て、『頼子のために』の記憶は美化されていた。手にした時の期待感は推して量るべしだろう。

まず前知識としてあったのは「悩める探偵法月綸太郎」というキャッチフレーズだ。前作で「後期クイーン問題」に直面した法月氏(この場合、作者と作中登場人物両者を指す)は自らの存在意義を見出せず、苦悶する日々を送っている。シリーズでも最長を誇る本作は、実はこの悩みのためにほとんど進まないといっていい。本作の大半は法月氏の内部葛藤と答えの見えない問いに対する自問自答で覆いつくされている。確か精神錯乱者の書いたような内容が暴走している章もあったように記憶している。
この悩みのため、実は事件そのものに関する記憶が希薄。刺された被害者であったアイドル歌手が失神から回復すると無傷であり、刺した加害者が逆に刺殺体となって横たわっていたというパラドクシカルな発端だったが、結局どんな真相だったのか覚えていない。しかしもしこれを今読むと上の星評価はもっと下がるのは確実だろう。
『頼子のために』でも最後に探偵法月が犯人に下した所業について不評の声が上がっているのを目にしたが、本作でも法月警視が行った行為は一警察官とは思えぬ乱暴な行動を取っている。あいにくこの辺については当時全く考慮が届かず、そのまま読み飛ばしてしまったが、もしかなりミステリをこなした今ならば、その時点でもうこの物語を受け入れられないことは間違いない。だからあえて本書は再読しないようにしておこう。ついでに美しい読後感保持のためにも『頼子のために』も同様である。

結局延々と繰り返される法月氏自身の問題は結局答えは出ず、これはなんと『生首に聞いてみろ』が出るまで続いた。そしてどうやら『生首~』では、吹っ切れたように悩める法月の影はなく、淡々と探偵の役割を果たしているようだ(未読なので以上の話は各種の書評から受け取った私の印象)。

調べてびっくりしたのは、本作はなんと絶版になっているらしい。法月綸太郎といえばけっこうネームヴァリューもあると思うのだが、絶版になったりするんだなぁ。これはやはり上に書いた警察官とは思えぬ法月警視の行動によるところが大きいのだろうか。

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Posted by ブクログ 2016年07月10日

法月綸太郎版アイドルマスター。「雪密室」の彼女を取り巻く事件を主軸に「頼子のために」の後の綸太郎の復活を描く。ラジオ局内の事件の真相は割れやすいか。ゆりりん周りの登場人物が優し過ぎて頼子がさらに不憫に感じて泣いた。ともかく綸太郎おかえり。

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Posted by ブクログ 2014年12月19日

頼子のためにを読んでない人は向かない本かな、と。対比のようにまあまあハッピーエンド。
事件はアイドルが殺人事件に巻き込まれて、それを匿いながら奔走し、過去の一家惨殺事件と同時に解決するというもの。
アイドルが絡むので、アイドル史みたいのも出てくるけどもう古いよね。AKBやももクロよりずっと前だからな...続きを読むあ。逆にノスタルジックにもなってないと感じて残念。

アイドルなのに過去の事件がトラウマで狂うとかいかにもおじさんの考える理想のピュア娘でちょっと。。しかも、父親も純愛風に演出されてるけど不倫だしね。古風な父親像との組み合わせも最悪。
なんかどれも食い合わせが悪いなあ、と感じました。ミステリ部分は普通なのに残念。

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Posted by ブクログ 2014年05月21日

本書は『雪密室』『頼子のために』の登場人物やエピソードなど重複するので、先に読んでおかないと解りにくいと思います。

事件の犯人は最初から明らかになっている様なものですし、思わず膝を打つようなトリックもないので謎解きの面白さはあまりありません。
しかし、「探偵としての苦悩」を事件に絡めたストーリーは...続きを読むドラマ性があり読み応えがありました。

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Posted by ブクログ 2014年03月27日

小説でありながら、哲学書でもある。それは作家の内なる叫びが、作品世界という自らの創造する空間に、神の視座として降臨した、一種の降誕祭なのかもしれません。んー、我ながら何言ってんだ?

本作、ワシにとって初めての法月倫太郎氏は、しかし初めて接するにはいろんな意味でイレギュラーだったのかもしれません。本...続きを読む作を、小説という枠で捉えることはとても難しく、小説としてはむしろ蛇足かもしれない、作者自身の思想が反映された「哲学的な」テキストが、しかし作品世界にフィードバックされているのも確かで、とても、読み解くのが難しいです。

作品は、とても読みやすい。でも、読み解くのが難しい。

たぶん、小説作品としては★4つ付けたいほど普通に面白い、本格ミステリーをきっちり堪能できる作品なのですが、その哲学の部分に、良いも悪いも判断の付かないワシは、一冊の本としては★3つとしました。

この、作品への神(作者)の干渉、というのは、じっくり考察したくなるテーマです。これまで、物語の構成は気にしつつも、物語の構造を気にしたことが余りなかったので、それを考察したいと思わせてくれた本作は、ワシにとってとても有意義な読書でした。

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Posted by ブクログ 2013年03月25日

法月綸太郎シリーズ。

『雪密室』と『頼子のために』が関係した作品。
とにかく分厚い。
ちょっと冗長だなぁと思いました。
半ば以降は一気に読めたのですが、前半が。
どんでん返しは予想がつきましたが、面白かったです。

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Posted by ブクログ 2012年10月13日

すげー!とは為らないかな。
飽きない程度に展開して行くので比較的読みやすい。

トリックも犯行の背景も、良い意味でそれなり。
ハマり切らないのは文章のせいなのかな。。

生首よりは面白かったかな。

頼子のため と色々関連しているみたいなので次はそっちを読んでみよう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年03月28日

≪内容覚書≫
法月綸太郎シリーズ。
人に刺されたと思っていた少女は無傷。
そして刺してきた男の死体が発見され、事態は混乱を極める。

探偵と言う自分の存在に苦悩している綸太郎は、
真実を探し出し少女を助けることができるのか。

≪感想≫
適当に選んだせいで、
綸太郎の苦悩の発端となる話がとんでしまっ...続きを読むた。
失敗。3部作のようなので、前2作を先に読むべきだった。

綸太郎が、探偵としての成長過程にいるのかもしれないが、
うじうじと後ろ向きで、
読んでいてちょっと面倒なこともあった。
同シリーズの別作品レビューでも書いた記憶があるが、
ヒーローのような探偵役を求めて読むとつらい。

私は、トリックをじっくり考えて読むタイプではないが、
きちんと騙してもらえてよかった。
最終的に、「悪」が犯人になってくれた点もホッとした。
「悪」が、多少短絡的で、あまりにも「悪」すぎる気もする。

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Posted by ブクログ 2010年09月02日

綸太郎が悩んでいる。
「頼子のために」でのことが
原因らしいのだが
さっぱり分からない。

で、「頼子のために」を引っ張り出して
斜め読みを始める。

しばらくすると
畠中有里奈という人物の本名が
中山美和子という名前で
「月蝕荘」での事件で出てきたという。

「月蝕荘」って何だ?
とまた法月綸太郎...続きを読むの本を引っ張り出して
ようやく「雪密室」での話だと分かる。

話の背景をつかむだけで
もうぐったり・・・

そしてクイーンの「九尾の猫」や
マルコ福音書や
ラジオ局の局内のようすだとか
80年代アイドル論・・・

といった薀蓄でさらにぐったり・・・

良かったのは、綸太郎と湯浅景子が
美和子のマンションで出くわし
腹の探りあいをする場面。
ここはかなりハッとさせられた。

あと、中山雅之が
弟の利則を自殺に追い込む場面。
この2つはとても良かった。

やっぱり法月綸太郎は
ハードボイルドに向いているのかなぁ
と思ったりする。

それで肝心のトリックは
仕組まれたものではなく、
勘違いからうまれたものであったし、

例によって例のごとく
○○の親は実は○○だった・・・
のパターンもでてくるし・・・
まぁそれはそれでいいのだが
さすがに同じパターンのものが
こう多くあるとさすがにうんざりという感じも。

で、なにやら最終的には
綸太郎の悩みが吹っ切れて
めでたし、めでたし、で終わっている。

なんのこっちゃ、という印象ではあるが
これだけ分厚い本であるし、
しかも改行も少なく、
文字がたくさん詰まっているし、
お腹一杯になったので
「まぁええわ」という感じですな。

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