【感想・ネタバレ】しらみつぶしの時計のレビュー

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Posted by ブクログ 2013年07月23日

法月綸太郎の短編集。
ミステリもそうでないものも、完全オリジナルもパスティーシュも、いろんな法月綸太郎が味わえてある意味お得な、本格の法月綸太郎が好きな人には若干消化不良な作品集といえる。
しらみつぶしの時計のように完全に論理的に考えていけばいずれ正解がわかる数学のような作品もあれば、猫の巡礼のよう...続きを読むに結局なんだったのか、狐につままれたような気分になる作品もある。法月綸太郎という作者の、作品の幅の広さを実感することだけは間違いない。
とはいえ、やはり、悩める名探偵・法月綸太郎が活躍する作品をもっと読みたいと思うのは、ファンのエゴだろうか。

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Posted by ブクログ 2016年07月10日

『トゥ・オブ・アス』は大まかな筋が「二の悲劇」と同じだったが、長編の後者を読み終えた今は短編の無駄のなさをかえって物足りなさとして感じてしまった。やはりベストは『使用中』かな

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Posted by ブクログ 2014年01月16日

ちょいとヒネられたミステリー短編10本収録

打ち合わせ中のミステリー作家と編集者とそのファンのお話「使用中」
私生活に問題を抱えた男がバッティングセンターで出逢って展開してゆくお話「ダブル・プレイ」
冷え切った夫婦の顛末「素人芸」
シャーロックホームズのような時代背景の「盗まれた手紙」
現実のよう...続きを読むな創作のようなSS「イン・メモリアム」
猫たちの不思議な慣習「猫の巡礼」
戦隊ヒーローものに出演している女優が殺された。容疑者はヒーロー四人「四色問題」
これまた時代背景が少し前の味わいのある「幽霊をやとった女」
ちょっとSFっぽいロジック炸裂の「しらみつぶしの時計」
間違えられた二人の女の片方が殺害されたことからはじまる「トゥ・オブ・アス」

一番面白かったのはやはり表題作の「しらみつぶしの時計」
すべてに意図があり、まやかしやごまかしが一切ない。
でも迷路を出口からたどれば簡単に入口に着けるように、逆はなかなかに時間がかかる。
これは面白かったなぁ。
逆に「盗まれた手紙」はおそらく古典的なトリックなのだろうけど、煩雑で読み飛ばしました。
どれも必ず「おぉ!」と思う部分があってよかったです。
しかし冷え切った夫婦からおこる事件がやや多め?
作者さんはきっと「このシチュエーションなら事件が起こっても不思議ではない」とお考えなのでしょう。

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Posted by ブクログ 2013年08月01日

『使用中』
担当である桐谷と打ち合わせに喫茶店にやってきた作家・新谷。新谷が語る新作のアイデア。新谷のコーヒーを間違えて飲んだ桐谷。コーヒーに盛られた下剤。喫茶店の店仲田真美子の殺意。使用中のカードのかかったトイレで殺害された新谷。同じくトイレに駆け込んだ桐谷。死体とトイレに閉じ込められた桐谷の運命...続きを読む

『ダブル・プレイ』
妻の牧子と口論してバッティングセンターにやってきた木嶋省平。そこで持ちかけられた交換殺人。カメラマン・宮沢の叔父である山崎を殺害した省平。名古屋出張でアリバイを作る省平の落ちた罠。

『素人芸』
浪費癖のある妻・早苗が買った腹話術の人形。早苗と口論になり弾みで殺してしまった保雄。隣人の通報でやってきた警察官。死体を天井裏に隠した保雄の耳に聞こえた早苗の声。

『盗まれた手紙』
シンジケートのボス・シャルラッハに盗まれたG将軍の妻の手紙。愛人に向けた手紙をいれた鍵をかけた小箱を愛人に送り愛人から新たな鍵をかけおくり返される小箱の中身が消えた。捜査を依頼されたレンロットの捜査。

『猫の巡礼』
9歳になった猫が行う巡礼。夫婦が飼っている飼い猫も巡礼の年になり巡礼に旅立たせるかを悩む夫婦。

『四色問題』
殺害された穐野久美。何者かに刺殺された彼女は死ぬ直前に自分の左腕にナイフうを刺し十字に切り傷をいれた。戦隊物のヒロインとして活躍した被害者と彼女たちの着替えの映像の流出。戦隊物の俳優たちの中の犯人。退職した父親への相談。

『幽霊をやとった女』
元探偵のギャロン。浮浪者として暮らす毎日。寝ている間に火をつけられ危うく焼き殺されるところだったギャロン。そんなギャロンに仕事を依頼するジャネット。夫であるクリスの様子がおかしいと訴えるジャネット。クリスの上着をきて尾行するギャロン。ギャロンの姿を見て自分の頭を撃ち抜いたクリス。

『しらみつぶしの時計』
1440個の時計の中から正解の時計を論理的に探すように求められる男。

『トゥ・オブ・アス』
真宮涼一が再会した木下悠子。彼女に惹かれる涼一。法月警視が担当する事件。殺害された北沢靖子、犯人として追われる悠子。同級生の二人。取り違えられた卒業アルバムの写真。涼一に会いにきて死んだ悠子。三人の人間に隠された秘密。

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Posted by ブクログ 2023年10月12日

バラエティに富んだミステリー短編集。
表題作にはただただ感心させられた。
一四四〇個の時計の中から唯一正確な時計を論理的かつ効率的に探す、ってホント頭良い。
『使用中』の構成やオチも結構好きだった。
あと、この人の作品に登場する女性って妙に恐ろしいところがあるんだよな。

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Posted by ブクログ 2022年03月07日

再読。短編集。印象に強く残って内容を覚えていたのは「使用中」「幽霊をやとった女」「しらみつぶしの時計」の三つ。特に「使用中」の下ネタがちょっと入ったコント風味の展開は最後まで覚えていたので、それぐらいには面白かったということだろう。最後に収録されている「トゥ・オブ・アス」は「二の悲劇」の原型となった...続きを読む話らしいが、肝心の「二の悲劇」をまだ読んだことがないのでいずれ読んでみたいと思っている。

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Posted by ブクログ 2017年03月01日

中にはミステリ…? と疑いたくなるような作品もありましたけれどもまあ、全編を通して面白かったですね…! 社畜死ね!!

ヽ(・ω・)/ズコー

表題作はちょっと内容に付いていけませんでしたけれども(!)…まあ、サスペンス感は出ていたかと思います!

個人的には単なる謎解きミステリよりもお話そのもの...続きを読むが面白かったり、登場人物の心情に迫っているものが好きだったりしますなぁ…。

何個目か忘れましたけれども、ちょっとホラーテイストの作品なんかもあったりして、作者の作家としての幅の広さと言いますか、様々なジャンルのものが描けるんだなぁ…と感嘆しましたよね!

というわけで、次はこの本に収録された短編が元となった小説「二の悲劇」でも読んでみますか…さようなら。

ヽ(・ω・)/ズコー

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Posted by ブクログ 2014年03月19日

本格あり、奇妙な味あり、ハードボイルドありな多彩な短編集でした。
パスティーシュや倣った作品が多く、本家も読んでみたくなります。

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【使用中】新たな解釈での密室殺人を論じる推理作家と、それを理解しないおっちょこちょいの編集者。そのラ...続きを読むストはとても皮肉的で、編集者の片桐が憎めない愛嬌のあるキャラクターとはいえ恐ろしかったです。
犯人の計画と異常性もおもしろい。

【ダブル・プレイ】交換殺人の裏に潜む真相。複雑な構図に惑わされましたし、夫婦間のサスペンスも良かった。内容もタイトルも野球がキーとなっていてお洒落。

【素人芸】腹話術人形や夫婦間の暴力場面は緊迫感がありましたが、下手くそな腹話術は不気味さよりも白々とした空気の方が勝っていてちょっと笑える。

【盗まれた手紙】推理ゲームみたいです。南京錠で施錠された鉄箱からどう手紙を取り出すか。しかもそれは往復で郵送されているという特殊な状況ですが、秘めた恋という材料であまり不自然になってません。がらりと文体を変えて海外ミステリの雰囲気になっているのがすごい。

【イン・メモリアム】奇妙な味のショートショート。

【猫の巡礼】不思議なお話です。猫を飼った経験があるので、飼い主の気持ちや猫の様子などには共感しました。

【四色問題】「四色問題」は数学の問題ですが、これは数学とは関係ありません。事件関係者が色分けされた戦隊物の出演者ということで、まさしく4色の内どれが犯人か?になっているのがおもしろいです。難しいダイイングメッセージでした。

【幽霊をやとった女】これも海外ミステリの雰囲気ですが、「盗まれた手紙」と違ってこちらはハードボイルド。彼女の計画がそんなに上手くいくかは疑問です。

【しらみつぶしの時計】これはもうまんま推理ゲーム。どれ一つとして同じ時を刻んでいない時計1440個の中から、現在の時刻を刻んでいる時計を当てよ、というもの。本当にただの推理クイズなんですが、あとがきに論理性よりも小説としてのテンポを重視したとあって、作者の苦心がうかがえます。

【トゥ・オブ・アス】病院のシーンがややこしいので兄弟の入れ替わりには気付きやすい。ただ、悲恋物語としては切なくてよかったです。

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Posted by ブクログ 2014年01月21日

最初の密室の話、構成がすばらしかった。そしてトゥ・オブ・アスも、読後に漂う切なさというか哀しさが魅力。ただ、他の短編は個人的にはあまり好きでなかった。猫の巡礼は特によくわからなかった。

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Posted by ブクログ 2013年11月23日

「猫の巡礼」に惹かれて。
この話、猫に興味のない人には何のこっちゃだろうなぁwミステリー短編の中にポツンと一滴の不思議の雫。河原での猫たちの描写には、実際にその光景を眺めているような何とも言いがたい厳かな気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2013年06月28日

著者は僕がファンの作家の一人。なんとなくペダンチックな文体は、いつも僕を引きよせてくれる。
特に表題作は、バリバリガチガチの論理で攻めていて、好きだなあ。著者本人はそれほど気に入って無さそうだけど。

猫の巡礼の話は、あまりに異色すぎて腰を抜かした。

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Posted by ブクログ 2013年05月15日

パスティーシュ物、パズル物、密室物など、著者の魅力満載の本格推理短編集。
ところどころに蘊蓄も挿入されていて、「四色問題」の地図の色と「あきみちゃんのブラは紫」の話は、誰かに教えたくなる。

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