【感想・ネタバレ】犯罪ホロスコープII 三人の女神の問題のレビュー

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ネタバレ

法月綸太郎による星座をモチーフとしたミステリ連作短編集第2弾。
冒頭、その星座にまつわるギリシャ神話などが簡潔にまとめられ、その星座のことを知らなくてもある程度星座のバックグラウンドの知識を得られるようにしてあり、その神話をモチーフとした物語が展開される。事件の展開や登場人物が概ね神話に沿った形で描かれ、興味深い。
基本的にはアクロバティックなトリックはなく、王道の本格ミステリが展開される。一時期の法月綸太郎の悩める探偵のイメージはなく、法月警視と二人三脚で問題を解決していく。
長編で描かれるパズラーとしての作家・法月綸太郎もいいが、短編でこそ光る作品も多く、本作も佳作ぞろいである。

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2015年09月20日

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再読。六編収録。十二星座にまつわるギリシャ神話の逸話を元ネタとしてミステリに昇華させた短編集。本作は前編にあたる「犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題」よりも全体的にミステリとしての強度が上がっている。そのため難度も上がっているわけだが、特に「宿命の交わる城で」は「キングを探せ」のパイロット版に相当するだけあって短編ながら中々に凝った仕掛けが施されている。一番好きなのは狂人の論理を前提として考えなければ謎が解けない「引き裂かれた双魚」かな。

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2022年02月15日

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星座にまつわるエピソードを模した事件を描くシリーズ。こういう縛りを課してよくもまぁここまでドラマを展開できるなぁと驚くばかり。
流石に12作も作るとやや強引なところもあるけど、本格推理物としての完成度は高いです。

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2017年11月16日

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ネタバレ

『【天秤座】 宿命の交わる城で』
殺害された2人の被害者・小出成美、奥寺道彦の死体の下に置かれたタロットカード。奥寺を教師から追いしたモンスターペアレンツの新島弘志の駅での転落死。交換殺人と考えた法月綸太郎の推理。新島弘志の新たな標的となっていた浜崎香苗。タロットカードについた香苗の指紋。本当の交換殺人の犯人と考える警察と違和感を抱く綸太郎。香苗のいったタロットカード占いの館。

『【蠍座】 3人の女神の問題』
元のオリオン・プロモーション社長・折野の死。殺害を告白し自殺した元ファンクラブ会長・安田。安田と最後に連絡を取った元アイドルグループの3人・望月加奈、若杉恵美、田中あずみ。サギまがいの行為で金を集めていた折野。

『【射手座】 オーキュロエの死』
作家・佐治くるみの婚約者で獣医の須坂厚にかけられた殺人容疑。須坂に偽名を使って接近してきた大木裕恵の死。彼女の死の時間に須坂と酒を飲んでいた友人の石暮。くるみの父親に師事していた2人の関係。自殺した佐治教授。犯人をかばっての自殺と考えられたが・・・。

『【山羊座】 錯乱のシランクス』
行方不明になった作曲家・喜多島明寛。出版社の安久津宣子に依頼されてマンションに向かった綸太郎。残されたダイイングメッセージ。喜多島に批判されて自殺した新人の演奏者の死の謎。

『【水瓶座】 ガニュメデスの骸』
女装家ロザムンド山崎からの依頼。同じく女装家の三ツ矢勇真が母親である瑞代が巻き込まれた事件。「息子」の身代金を運ばされた勇真。彼が金を渡した男・毛利の死。毛利が盗みに入った瑞代の家の中で見つけた物の秘密。瑞代の秘書・鷲尾の行動。

『【魚座】 引き裂かれた双魚』
女社長・碓田可南子がはまった霊能者・堤豊秋。彼女のの死んだ息子の生まれ変わりを探す儀式に立候補した3人。儀式後の倒れた堤。碓田社長の甥・相川の要請で現場にいた綸太郎。碓田社長が息子を探す理由に隠された秘密。

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2015年04月26日

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「宿命の交わる城で」は一つの証拠から複雑な事件の構造を浮かび上がらせる綸太郎の論理の飛躍が冴え渡る。「錯乱のシランクス」はダイイングメッセージが星座とキレイにつながって本作一番の出来だと思う。タイトルまで含めて非常に良くできている。

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2017年05月18日

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黄道十二星座シリーズ。ダイイングメッセージのとある処理が巧い『錯乱のシランクス』と奇妙な身代金事件『ガニュメデスの骸』が好き

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2016年07月10日

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