あらすじ
教室にあるはずの48の机と椅子がすべて消え、代わりにコピーされた遺書と級友の冷たい骸(むくろ)だけが残されていた。しかも密室で。自殺か他殺か。高3で、推理マニアの工藤順也はこの謎に果敢に挑むのだが……。本格ミステリの甘美な果実にして、瑞々しい青春小説。法月綸太郎のデビュー作にして、不朽の名作。(講談社文庫)
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法月綸太郎デビュー作。ドラマチックだとは思うけど最近の作品と比べて表現がくどい感じがした。序盤は正直そこまで面白くないけど怒涛の終盤のためにも最後まで読むべき作品だと思った。
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結末が二転三転してしまうのが少し(--;)デビュー作だから少し荒い所もあった感じかな(笑) 密室の謎はあまり好きではないトリックでした(--;) 「ギムレットにはまだ早い」とか過去のミステリを匂わせる感じは良かったかな(笑)
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72点:「全然納得できないよ」
人に興味がないと指摘されるのは、新本格は人間が描けてないと批評されることとイコール。そう言われるのは分かった上でそれでもやるんだという静かな覚悟がみえる作品。その構図でみると主人公に対してあなたは分かってない的なことをいうこの子はやっぱりなんだかずるい。
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全ての机と椅子が消えた密室の教室に残されたコピーの遺書と級友の骸。高三の推理マニアの順也が自殺か他殺か謎に挑む。本格は苦手意識があったけれど、謎に興味を引かれるのは勿論それが明かされていく課程も爽快で、古さも感じなかった。中盤や終盤の二転三転する展開や、警部に教師に生徒たちの然り気無い立ち方も良い。
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法月氏の作品が面白いと感じたのは、ポオの時代からディクソン・カー他数々の推理作家を経て語り尽くされたと思われる「密室」にデビュー作から敢えて挑んでいる事と、本格推理に強い拘りがあり他の作品に於いてもぶれが無い事でしょうか。
それから、もう一つ言うなら、悪戯に読者への恐怖心を煽らない事ですね。因みに法月氏は、エラリー・クイーンの作品に傾倒しているようです。
さて、この作品は小説のはじめぐらいで、だいたい犯人が分ったように思えるところなのですが、実は意外なところに落とし穴があるのです。
たぶん、誰が読んでも分かりますよ・・・。逆に言えば、分かるように読者を誘導して謎を解かせる意図が垣間見えるのです。
そういう風に感じさせておいて、一読して無意味で無駄な廻り道の話も後半の謎解きを論理的させていますね。流石だと思いました!
面白い作品です。お薦めします!
(余談ですが、探偵役が論破されてしまった) トホホ・・・(T_T)!
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お膳立てばっちしの本格推理小説。
最初は、語り口がちょっと芝居がかりすぎているように感じていたが、クラスメイトの一人が主人公に自殺未遂をした経緯を語る場面で「これは凄い!」と膝をただした。
この心理描写、その切迫感、そして絶望感。ともすれば絵に描いた餅のような滑稽さに陥りかねない(中二的な意味で)その感情を、ここまで研ぎ澄まされた言葉で語る著者の筆力に感心した。
それ以後は、物語世界にぐっと興味が湧いてとても面白く読めた。
教室にあった48の机と椅子が消えた中で級友が死んでいたという奇妙な密室、という設定をじわじわと生徒たちの反応を交えて描いていく様子や、主人公と警部との軽妙な腹の探り合いなど、非常にスリルがあってどきどきした。
それだけに、担任教師・大神(ネロ)の造形があまりにもごてごてしくて、鼻についたのが気になった。これでは読者は彼が怪しいと思うに決まっている。キャラを立てるにしても、周りとの調和を考えて、もう少し自然な感じにできなかったものか・・・。
一長一短な印象も大いに受けた作品だったが、ミステリーとしてのまとまりもなかなか。トリック自体はそれほどのものではないが、やはり心理描写の上手さが作品を生き生きとさせていると思った。
高校時代の危うい人間関係や自意識をほろ苦く、かつトリッキーに描いた作品であり、そういうところが私はとても好きだった。
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1つのクラスだけでこんなに人間関係が交差していて、しかも色んな方法が絡み合ってて、最後まで犯人が分からなかった。
被害者の子が1番可哀想。
主人公の推理力はとてもいい。
警察と協力するところが面白かった!
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ミステリーの皮を被った青春小説だった。
教室に行くと48の机と椅子が無くなっており、代わりに級友の死体と遺書が発見された。
そのうえ、教室は密室状態と聞く。
このシチュエーションだけで惹かれるものがある。
一見すると自殺としか思えないが、前日にそのような兆候は無かった。
これに疑問を抱いた推理マニア・工藤順也の奮闘ぶりが青臭くて良い。
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ちょっと難しかったり、種明かしがたくさんありすぎたのと
学校ぐるみで覚醒剤を隠すためにとか
スケールがでかすぎて、あんまり納得できず
そのあと結局吉沢さんや笙子さんなどが恋のもつれでという展開も、急に軽くなった感じで
あまり今回ははまりこめなかったな。
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四半世紀ぶりに再読。
・・・こんなに「厨二」臭かったっけ?
当時は「これはすごい!」と思ったが、読み返すと正直そうでもない。
言い回しがいちいち厨二臭いぞ、工藤君。
いちいち「大神」に「ネロ」とルビふらなくてよろしい。
二転三転するラスト前も当時興奮をおぼえたが、
今となってはただモヤモヤする結末への準備運動かもしれん。
青かったあの頃の思い出を汚さぬよう、手にとるべき本ではなかった。
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20年ぶりの再読。
48組の机と椅子が教室から消えた謎はなるほど。でも工藤くん始め、高校生こんな会話するのか??とか、こんなに捜査に加わらせてもらえるのか?とかいろいろ疑問を挟みまくってしまった…
でもすごく懐かしさを感じた作品。
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初法月綸太郎。
なんか思ってたのと違うなぁ。
法月綸太郎氏はロジック派と聞いていたのだが、本作ではその片鱗はあまり見ることができない。
ロジックは法月綸太郎シリーズに限り、ということなのかもしれないが。
机や椅子が消えた理由、大神が考えたダミーの密室トリックは面白い。
だが、最後の取ってつけたような吉沢への追及、吉沢の告白、そしてモヤモヤするコーダには賛成しかねる。
著者本人も分かってはいるのだろうが、冗長な観念的表現を多用する芝居がかったセリフやキャラクターも気に入らない。
ミステリーの体裁を取った芝居がかった青春小説、といったところだろうか。
でもなぜか逆に法月綸太郎シリーズを読むのが楽しみになってきた...
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最後に、女の子が主人公に言った「自分こそが主人公だと思ってるんだろうけど、馬鹿ね。あなたは最初から最後まで脇役よ」の言葉。自分が主人公だと思っていたら脇役だったのは主人公だけじゃないのでは。
ラストにもやっと。というか、コーダがよくわからない。
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密室の中で死んだ生徒は自殺か、他殺か。机と椅子が全て移動された理由とは?
おおっ、と驚くほどのトリックではないが、重ねてひっくり返してきて、なんだかスッキリしないところにスッキリするというか。
ともあれ、青春時代は痛いものだっていうことか。
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木を見るより森を見ろという内容で、48個もの机と椅子が消失した事それ自体よりも、何故そんな大掛かりな仕掛けが必要だったのかという所を考えながら読んでいても真相は中々読めませんでして。
しかも二転三転する真実。振り回されて疲れましたが、面白かったです。
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法月綸太郎氏のデビュー作。
文体、構成、展開、人物、どこをどう切っても、いかにも、という趣きが漂う。
もちろん本格ミステリーにカテゴライズされるので、単純に先が気になって苦痛なく読み進めることはできるのだが、じゃあ披瀝される各種明かしや、二転三転するラスト近くの展開に素直に感嘆できるのかというと、それは別の話。
クライマックスに仕掛けられた種々の捻りが物語にとって必然性のあるものとは感じられらなくて、乱暴に言ってしまえば、細工のための細工、のようなものになってしまっている。
そこらへんも込みで、いわばゲームとして読者の方も楽しむことを求められているのかもしれないが、それでいて結末は含みを持たせたまま了となっているし、あくまでリアルな、そこらへんでひょっとしたら私たちも出くわしてしまうかもしれないような非日常を期待すると、肩を透かされてしまう。
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☆3.3
密閉された教室の真ん中にクラスメイトの死体。消えた48の机と椅子。犯人は誰?
一回読んで、初めからまた読みたくなる本。伏線を回収しながらもう一回読みたい。
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物語がゆっくりとしたテンポで進み、様々な角度から検証が試みられていているので、じっくりと推理に取り組むことが出来ました。
教室から全ての机と椅子が消えてしまうという大胆な謎は面白いですし、その理由はある程度納得がいくものでしたが、トリックは現実的に実行可能なのかなど、ツッコミたくなる箇所が多く荒削りな印象でした。
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うーん、登場人物の台詞回しがおよそ現実離れしていてなんか違和感。自己陶酔的な、文学少年がかぶれて書きましたみたいな。生首にきいてみろとか頼子のためにとか読んだことあるしそのときはあまり違和感とかなかったからこの作品だけなんだろうか。
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初法月さん。
非常に文章が淡泊。ほとんど会話で進むので、登場人物がとてもクールに見える。大学生が脚本を書き、大学生が高校生を演じているハードボイルド風味の舞台劇を見ているような気分になった。ちょっと違和感。
ミステリとしては結構王道か。登場人物の独特な哲学やら文学やらの嗜好がスパイスになっていて、ハッタリが利いてる。なかなか好きだった。
これがデビュー作みたいなので、もう少し追ってみようかな。
Posted by ブクログ
法月氏の小説はどうしてこう暗いのだろう。
面白い事は間違いない。
密閉された空間、そう密室の中で人が死んでいた。
本格だ。
間違いなく本格ミステリ。
もしかしたら、自殺かもしれない。いや、状況から考えてそのようなことはありえない。
高校生探偵工藤っつーと、コナン君を思い出させる。けど、コナン君ほど独善でもなく、高校生らしい目線で事件を追いかけていく。その姿はすがすがしさも感じられる。
けど、やっぱり氏らしい人間の闇みたいな性格描写があり、どうしても好きになれない。好みの問題だとは思いつつも、何のために人を殺すのか。フーダニッドに突っ込むのならばもっと納得させられるような論理構成の方が個人的には好きだ。
逆に京極氏のように、人を殺すのにそんなに深い理由が必要か。みたいにさらっと流してくれた方が納得できるような。
どうも、どうしてそんな理由で殺しちゃうの?という思考がグルグル回転を始めるとラストですっきりすることができないんだ。個人的には。
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学園が舞台だからか、ジュブナイルっぽさ漂う作品。話は正直終盤までちょっと退屈。終盤の立て続けのどんでん返しはなかなか良かったけど、ラストの終わり方がもやっとする。
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コテコテの密室モノ。たまにはこういうのもいい。
そもそも書かれたのが25年くらい前のものだから、コピー機というものが身近ではなかったのだということは覚えておくべきだ。「そんな時間、この学校の近くにコピーさせてもらえる場所なんてないはずだ」みたいなのが時代を彷彿とさせる。
誰も彼もが怪しく思える典型的な展開故に、そういうエンタテイメントだと割り切れない人には絶対にオススメしない。
個人的にはこのハードボイルド気取りというか、厨二病的というか、時代のせいもあるとはいえ全員の口調が好きではなく、そこに慣れるまではかなり進みが悪かった。
Posted by ブクログ
法月綸太郎氏の初期の作品である。
最近、法月氏のミステリを読み始めたため、こちらも著者と同名の作家兼探偵が活躍するシリーズかと思いきや、そうではなくある高校で生徒が密室になった教室の中で死んでいたことによって話が始まる。自殺なのか、他殺なのか。推理は、そのクラスのミステリ好きな生徒、工藤と森刑事によって進められていく。
法月氏のミステリを読むのはこれが二冊目ではあるが、最後の最後までどんでん返しを用意している周到さは、初期の頃から徹底されているらしい。何度もひっくり返される推理に、ついつい読み続けてしまう。初期の作品らしく、文章に気負ったところが多く、多少の読み難さは否定できないが、現在非常に気になっている作家さんである。
Posted by ブクログ
独特の文章です。
ぎこちないだけなのか、何か違和感を感じる文章。
決して読みやすい文章ではないのですが、やたらとサブタイトルが多いので、次まで、次まで、と思っているうちに読み終わりました。
推理と否定の繰り返しで、ロジック重視の展開はおもしろかったです。