法月綸太郎のレビュー一覧
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内容(「BOOK」データベースより)
2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。博士論文のテーマ「ノックスの十戒」第5項が、史上初の双方向タイムトラベル成功に重要な役割を担う可能性があるというのだ。その理由を探るべく、実験に参加させられた彼が見たものとは―。表題作「ノックス・マシン」、名探偵の相棒たちが暗躍する「引き立て役倶楽部の陰謀」などを含む中篇集。
ノックス・マシン、SFを読みなれない人間からすると非常に難しい文章だった。が、読み終わった後、ミステリ的にはとてもさっぱりしたシンプルなものだった。
引き立て役倶楽部の陰 -
Posted by ブクログ
頼子のためにを読んでない人は向かない本かな、と。対比のようにまあまあハッピーエンド。
事件はアイドルが殺人事件に巻き込まれて、それを匿いながら奔走し、過去の一家惨殺事件と同時に解決するというもの。
アイドルが絡むので、アイドル史みたいのも出てくるけどもう古いよね。AKBやももクロよりずっと前だからなあ。逆にノスタルジックにもなってないと感じて残念。
アイドルなのに過去の事件がトラウマで狂うとかいかにもおじさんの考える理想のピュア娘でちょっと。。しかも、父親も純愛風に演出されてるけど不倫だしね。古風な父親像との組み合わせも最悪。
なんかどれも食い合わせが悪いなあ、と感じました。ミステリ部分は普 -
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ネタバレ法月綸太郎氏のデビュー作。
文体、構成、展開、人物、どこをどう切っても、いかにも、という趣きが漂う。
もちろん本格ミステリーにカテゴライズされるので、単純に先が気になって苦痛なく読み進めることはできるのだが、じゃあ披瀝される各種明かしや、二転三転するラスト近くの展開に素直に感嘆できるのかというと、それは別の話。
クライマックスに仕掛けられた種々の捻りが物語にとって必然性のあるものとは感じられらなくて、乱暴に言ってしまえば、細工のための細工、のようなものになってしまっている。
そこらへんも込みで、いわばゲームとして読者の方も楽しむことを求められているのかもしれないが、それでいて結末は含みを持たせ -
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小説でありながら、哲学書でもある。それは作家の内なる叫びが、作品世界という自らの創造する空間に、神の視座として降臨した、一種の降誕祭なのかもしれません。んー、我ながら何言ってんだ?
本作、ワシにとって初めての法月倫太郎氏は、しかし初めて接するにはいろんな意味でイレギュラーだったのかもしれません。本作を、小説という枠で捉えることはとても難しく、小説としてはむしろ蛇足かもしれない、作者自身の思想が反映された「哲学的な」テキストが、しかし作品世界にフィードバックされているのも確かで、とても、読み解くのが難しいです。
作品は、とても読みやすい。でも、読み解くのが難しい。
たぶん、小説作品としては -
Posted by ブクログ
ネタバレ本格あり、奇妙な味あり、ハードボイルドありな多彩な短編集でした。
パスティーシュや倣った作品が多く、本家も読んでみたくなります。
ネタバレ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【使用中】新たな解釈での密室殺人を論じる推理作家と、それを理解しないおっちょこちょいの編集者。そのラストはとても皮肉的で、編集者の片桐が憎めない愛嬌のあるキャラクターとはいえ恐ろしかったです。
犯人の計画と異常性もおもしろい。
【ダブル・プレイ】交換殺人の裏に潜む真相。複雑な構図に惑わされましたし、夫婦間のサスペンスも良かった。内容もタイトルも野球がキーとなっていてお洒落。
【素人芸】腹話術人