法月綸太郎のレビュー一覧
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ネタバレ作者自身が選ぶどんでん返しをテーマとする6篇の自作品。
【綾辻行人「再生」】
既読の作品だったが、言われてみれば確かにこれはどんでん返し(笑)
【有栖川有栖「書く機械(ライティング・マシン)」】
これは究極の缶詰め状態。作家としては自虐的ネタだろうか。
【西澤保彦「アリバイ・ジ・アンビバレンス」】
アリバイ崩しの作品だが、犯人の行動は今一つ腑に落ちない。
【貫井徳郎「蝶番の問題」】
探偵役による手記の解読は鮮やかだったが、どんでん返しとなる結末はどうも・・・。
【法月綸太郎「カリバリズム小論」】
『法月綸太郎の冒険』収録作とのことなので、既読のはずだが、ストーリーをまったく覚えていなかった。「私」と向き合う綸太郎の態度がどうもおかしいことの理由が最後の最後に明らかになり、なるほどそういうことかと納得するとともに、空恐ろしくなった。
【東川篤哉「藤枝邸の完全なる密室」】
言うなれば二重密室という状況になるのだが、後半の探偵と犯人のやり取りがおかしくて、笑ってしまった。でも、もう一ひねりした結末を私は予想したのだが。 -
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ネタバレ法月綸太郎さんのミステリーと言う事だったのですが、読んでみるとこれはSF?
未来のタイムマシン的な話しなんですが、そこにミステリー小説の名作を愛情タップリに絡めた話しで、さらには専門的な物理用語もいっぱい出て来ます。
「ノックス・マシン」「引き立て役倶楽部の陰謀」「バベルの牢獄」「論理蒸発__ノックス・マシン2」の4編
ミステリーをアルゴリズムの数値化にしてる話しや、パラレルワールドの話しなど理解しようと読んでたのでは、意味がわかんなくなる作品でした。」
そこでふと感じたのが、あっ、昔のSFだ~ そう言えば中学の頃は宇宙や時間や空間が好きで失われたシリーズや、タイムトラベル物などを好んで読んでたなぁっと
そこでは、理論は付け合わせで理解するものじゃなく、結果がこうだ!って読まないと変に考え込むとストーリーの方がつまらなくなるので、あの時は考えずに読んでましたw
こちらも最初に読んだときは、なんだこれって思ったけど、深く考えずにストーリーを楽しむと結構面白くなってきて、子供の頃のような感覚で読めました。
エラリー・クイーンやヴァン・ダイン、ブラッドベリなどお馴染みの作家や作品を絡めてるところがミステリーなのかな?
でも、最初はなかなか前に進まなかったです。 -
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「夜半のちぎり/岡崎琢磨」
シンガポールの新婚旅行で奥さんが殺される。そこで元カノも結婚していて、彼と来ている。その彼が実は今の奥さんとも付き合っていて犯人というだけの話。
「透明人間は密室に潜む/阿津川辰海」
これは力作ですね。なぜか肌が透明になる人たちが現れてきて、そうなると透明人間は不便。人とぶつかるし、食べ物は見えるし、病院で患部の診察もできない。それでメイクを施すことになる。透明であることを利用して殺人事件を試みるのが出足。倒叙ということになる。身体に吸収したものは老廃物でも透明だがそれ以外は見えてしまうので爪の間の垢、歩いた時についた泥なども危ない。人通りの少ないところを探すのに数日をかける。殺す相手は透明化を直す薬を発見した博士。それなら助かるんではないかと思うが。慎重の上にも慎重に殺害を実行するが、夫にはバレバレで後をつけられている。殺人は成功するが、犯人がどこにいるか分からない。ガラスをばらまいたり、指し棒を無秩序に振り回すがいない。実は、死体の上に横たわってたいというアイデアが面白い。さらに動機。実は透明を利用して他の人になりかわっていたので、透明でなくなるとそれがばれてしまうというもの。透明人間のディテイルから、透明人間の殺害のあれこれ、動機まで腹いっぱいのアイデアが詰まってました。
「顔のない死体はなぜ顔がないのか/大山誠一郎」
顔のない死体とクビのない死体は違う。ともに通常は別人に思わせるためのトリックというのが定石だがそれを覆すアイデア。顔がないと身元が判明しないので、歯型から歯医者を探すことになる。どこの歯医者にかかっていたのか分からないので近くの病院に照会をかける。実は死体の女性はその歯科医と不倫していて、元夫の犯人は、自分の子がその歯科医の子どもなのではないかと疑い、彼のDNAを採取したくて企んだもの。なかなか面白い。
「首無館の殺人 白井智之」
これはひどい。殺人後雪が降っていたが足跡がないことから密室状態。本館から別館に移るのにロープはない。死体の腸をひっぱりだしつないでロープにしたというもの。
「袋小路の猫探偵 松尾由美」
袋小路で女性モノのハンドバックを持った泥棒の若者とそれを追いかける警官と会うが警官だけが消えてしまう。いかなるトリック?泥棒は警官姿で、警官が若者の格好だった。袋小路は泥棒の家があるところだった。シンプルなディスミレクション。
「葬式がえり 法月綸太郎」
ある場所で「杜若」を謳っている悪霊が出るという噂を逆手にとって悪霊のせいにして殺人を行う。
「カープレッドよりも真っ赤な嘘 東川篤哉」
カープのCのマークは外国の球団に同じものがあり、カープファンではなく、外国の球団だったというオチ。それがマニアックなチームの話で分かるというのもので、無知のワタシには面白くないが、そういうトリックもあるんだというところでは面白かった。
「使い勝手のいい女 水生大海」
元彼を殺したと錯覚する描写をさせて、実は違ってたというミスディレクション。文章表現のトリックが面白い。
山麓オーベルジュ『ゆきどけ』 西尾維新」
動機について、全く動機のない殺人がある。成績が下がって試験に落ちるのが嫌で、弟を殺す。その用事のために替え玉受験をさせる。替え玉受験のための殺人。
「ヌシの大蛇は聞いていた 城平京」
沼に死体をすてた犯人。どういう意図があったのか。警察にその沼をさらってもらいかった。沼の主、大蛇とのやりとり。
評論
「吠えた犬の問題 有栖川有栖」
出来不出来が激しい。これが今年のベストとは到底思えない。本格ミステリ作家クラブ選ということで限られたものだからかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書評を読むと賛否両論。スゲーという人と意味分からんわという人。確かにこれはオモロがる人を選ぶ小説ではある。19世紀~戦前にかけてのミステリー史とちょっと複雑めのSF理論をかじっておかないとオモロさは分からないだろう。
と言ってる俺にしたって、どっちも苦手なジャンル。残念ながら「これはスゲー」と思うことはできず、「ここをオモロいと思わそうとしているな」という雰囲気を感じるのがせいぜい。俺にはハードルが高い小説であった。
このミス1位を取ったことを嘆くレビューも多くみられるが、これを選べるのは「ミステリー賞」しかないだろうと思うし、これを選ぶ選者のいるコンテストがあることは、正しい姿勢だとも思う。自分の理解できない小説ではあるが、これはこれで書かれるべきジャンルだろうし、これを評価する人たちの気持ちもよく分かる。ミステリーってジャズの世界と似てるのかも知れないなぁ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトリックは二の次、心情描写や人間を描くことに重視を置いた昨今のミステリーは置いといて、そろそろ本格ミステリーを読んでみたいと思い、「衝撃のどんでん返し」「著者の記念碑的作品」という言葉につられ読んだ本作。
久々の本格ミステリーに心躍るが、「法月綸太郎」という作者と同じ名前の素人探偵がいまひとつキャラが弱く、主人公にも魅力を感じず、結局、登場人物の誰一人として好きになれないままに終わった感じ。
肝腎の真相も、どんでん返しとうたうほどの意外感もなく、予想された範囲。なんとも残念な感じだった。
ただ、名探偵が真相を解き明かす小説の面白さは、ひとえに名探偵のキャラによるところが大きいので、探偵「法月綸太郎」シリーズはも読まないかな・・・