原田ひ香のレビュー一覧
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主人公は早期退職後、退職金を使って喫茶店を開業します。しかし、その夢は半年ほどで終わりを迎えます。
その後の物語では、さまざまな喫茶店を巡りながら、コーヒーやフードを楽しむ様子が描かれていきます。
離婚歴があり、現在の妻とも離婚することになるなど、決して順風満帆な人生ではありません。それでも喫茶店で過ごす時間には、不思議と落ち着いた空気が流れています。
この作品で特に印象に残ったのは、コーヒーだけではなく、喫茶店で提供されるフードの描写です。どれも魅力的で、ページをめくるたびにお腹が空いてきました。
また、登場する喫茶店は実在のお店をモデルにしているのではないかと思わせる雰囲気があり、 -
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主人公である純一郎の現状、家族や仕事、そして将来についてのどこか哀愁ただよう感じと、
喫茶店の細やかな描写と、香りだかい珈琲と美味しそうな食事の描写によるあたたかくて心和ませてくれる感じとが、ひとつの話の中で同じ濃度で展開していくので、程好く中和されててすごく読みやすいなと感じた。
ただ、それでもどうしようもなく物悲しさを引きずるような話も中にはあって、
その時は作中の純一郎と同じく、喫茶店の存在に心が救われる感覚を同じように体験できた感じがして、それもまた良かった。
珈琲はもちろん、珈琲と共に頂く食事の描写がすごく魅惑的で、特に作中何度か登場するサンドイッチ、それも「喫茶店のサンドイッチ -
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ネタバレこの身も蓋もない話(母の近所の噂話)が、気まずい朝食の席の時間つぶしになるだけでなく、不思議な安心感を美菜代に与えるのだ。これが必要なのかもしれない。
人生は流れる。すごい速さで。それをほかの人たちの噂話で実感することが。
女親と娘は習慣が、男親と息子は考え方が似てくるのだと祖母は言っていた。
「だけど、人はすべてのことは選べない。人生で大きな選択をしたら、反対側の道には決して行けないのよ。いくら、夫たちにひどい目に遭わされたとはいえ、わたくしは家族を捨てて家を出た。でも、それで自由を得たの。そしたら、多少のさびしさに耐えるのは仕方ない」
「遺産相続でもめ事が起きた時、後で必ず幸せになる -
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三人姉妹にフォーカスしていた前回とはガラリと様相を変え、今回の続編は長女の夜月を中心に描かれている。
長女の夜月は、自分の思うままにこの世に漂い、ただ自然体に生きているようであるのに、何故か人に強い影響を与えてしまう存在だ。
豆腐屋の居候に甘んじて自分を見失っていた正人を見事に掬い上げ、彼女のヒモ的存在である作家の一也が「一行目が書けない」と悩んでいるとき、夜月がさらっと放った「二行目から書けば良いんじゃない?」という一言。これでふっと肩の力が抜けた一也が、自分のヒモ生活をそのまま書こうと思いつくくだりなど、彼女がそこにいるだけでみんなの強張った心が不思議と落ち着いていく空気感は唯一無二な