原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「人生オークション」と「あめよび」の2編の短編。
読むやすく面白かったけれど、どちらもスッキリした読み終わりではなくモヤモヤ感とちょとしたイラっと感が残る。
人生オークションでやってもいない事を認めた叔母のリリ子に対して「いかにもやりそうなことと、やったこととは違う」見当違いのヒロイズムに酔っていると怒りまくる瑞稀にひよ子が「やったと思われていることと、実際にやったことは違います。でも、そんなふうに言い切れるのは瑞稀さんが恵まれた人生を送ってきたから」「ある世界では実際にやったことより、やったと思われていることの方が重要だったりするんです」と説明するシーン。
これ、ずーんときましたね。
わ -
Posted by ブクログ
あなたは、食べることが好きでしょうか?
人が生きていくためには衣食住の3つは欠かせません。どんなに仕事に夢中になっていたとしても”腹が減っては戦はできない”ですし、お腹が空くことによる集中力の欠如は良い仕事にはつながりません。また、行き詰まってしまった時こそ、一息入れることは大切です。
『さあ。まずはこれ食べて』
そんな一言の先に美味しそうな”食”が目の前に並べられ、そして、そんな”食”で空腹を満たすことができたとしたら、私たちは再び集中力を取り戻していくことができるのだと思います。
さてここに、そんな一言の先にさまざまな”食”が提供されていく様を見る物語があります。『家政婦』が登場 -
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Posted by ブクログ
どうにも私はいつも悪い方というか、弱者というか、荒んだ描かれ方をしている側のキャラクターが好きで、正義が嫌いな傾向にある。真鍋夫人がとても嫌。だけど主人公がするっと懐いちゃったもんだから、行き場をなくした感情って感じ。それはさておき、内容として、面白かった。劇的なことが起こるわけではない、けど非日常、ってのが、日常として書かれている。場所の浄化。はじめは比喩表現だと思っていたけど、本当に浄化として最後活きてきたのがよかった。(本当に何かあるかもしれない部屋を浄化する、というのと、浄化ができるからということを盾に使うこと。)少し、主人公が、ロンダリングを始めたときから変わらず、人を信じず、ロンダ