原田ひ香のレビュー一覧
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同著者の本を読むのは4冊目。
以前読んだ3冊の印象は「本によってアタリハズレの差がデカい」こと。
そして今回は「アタリ」の方だった。メデタシ。
ある意味とても良く練られた、小説らしい小説。さすがプロ、という感じ。
①食べることと料理の楽しさ、②代々料理学校を経営して来た品川家の歴史、③主人公・留希子と坂崎との関係性の3本の糸が、時間の軸を相前後しながらバランスよく交錯し、エンディングで見事に大団円。こりゃ素人には書けないわ。読み進むのが実に楽しく心地良く、ストレスなく一気に読み終えた。
唯一の難を挙げれば、ラストに感じた若干の「尻切れトンボ」感。読者の想像力に委ねた余韻あるエンディング、とも云 -
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可もなく不可もなく、タイトルから想像したらものと内容にギャップがあった。
登場人物みんなに一癖も二癖もあり、彼ら彼女らにガッツリと共感は出来なかったが、様々な人間模様や他人の思考を垣間見ることができるのは小説の醍醐味。読み進めていくに連れぐいぐいキャラクターが立って歩き出してくれたのは人物像の表現力の高さ故かと。
白黒決着まで付けず謎めいたラストが気に入りました。これが映画であの終わり方だったらモヤモヤしていたかも。
ちょうど私生活で中古マンションの購入を検討しているので、ここまで極端な例はないかと思うが、やはり人生の中で1.2を争う大きな買い物なのだとドギマギしてきました。 -
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ラプンツェル商店街には、美人三姉妹が営む「三人屋」と云う屋号のお店がある。
夕刻から開店するスナック「三人屋」は、長女の志野原夜月が美人ママとして営んでいて、町内の男どもが集う場となって賑わっている。
昼はフワフワな玉子サンドが人気を博したサンドイッチ屋さんを次女のまひると三女の朝日が営んでいた。
物語は「三人屋」の美人ママである夜月に関わる男共のお話だ。
物語は、小説を書けない作家の中里一也が大賞を受賞した後に動き出す。
和気藹々と過ごしていたスナック「三人屋」が、美人三姉妹を含む顔見知りの男性客たちに分解の危機が迫るのだ。
中里一也との結婚を考えていた美人ママの志野原夜月は突然姿を消してし -
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なんともドヨンと澱んだものが残る物語です。
ホラーやのようなリアリティのあるグロもさあり、
でも、もっと深い救いのない後味の悪さが残ります。
本のうらすじにはクライム小説とありますが、
そんな感じで括れないような気がします。
今の世の中の実情とリンクした貧困、高齢化、
介護ケアの闇がテーマです。
しっかりした取材力に裏打ちされた骨太の構成は、
この作家の底知れない才能を垣間見ます。
主人公藍の不倫相手、高柳が言う「底知れない品の悪さ」や「関わったら、ずっと下に堕ちていってしまいそうな。いや、堕ちるっていっても、不倫とかそういう堕ちるじゃなくてさ」、「その後ろには俺たちとは全然違う、何か -
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「人生オークション」と「あめよび」の2編の短編。
読むやすく面白かったけれど、どちらもスッキリした読み終わりではなくモヤモヤ感とちょとしたイラっと感が残る。
人生オークションでやってもいない事を認めた叔母のリリ子に対して「いかにもやりそうなことと、やったこととは違う」見当違いのヒロイズムに酔っていると怒りまくる瑞稀にひよ子が「やったと思われていることと、実際にやったことは違います。でも、そんなふうに言い切れるのは瑞稀さんが恵まれた人生を送ってきたから」「ある世界では実際にやったことより、やったと思われていることの方が重要だったりするんです」と説明するシーン。
これ、ずーんときましたね。
わ -
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あなたは、食べることが好きでしょうか?
人が生きていくためには衣食住の3つは欠かせません。どんなに仕事に夢中になっていたとしても”腹が減っては戦はできない”ですし、お腹が空くことによる集中力の欠如は良い仕事にはつながりません。また、行き詰まってしまった時こそ、一息入れることは大切です。
『さあ。まずはこれ食べて』
そんな一言の先に美味しそうな”食”が目の前に並べられ、そして、そんな”食”で空腹を満たすことができたとしたら、私たちは再び集中力を取り戻していくことができるのだと思います。
さてここに、そんな一言の先にさまざまな”食”が提供されていく様を見る物語があります。『家政婦』が登場 -