【感想・ネタバレ】彼女の家計簿のレビュー

あらすじ

シングルマザーの里里の元へ、疎遠にしている母親からぶ厚い封筒が届く。五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたという家計簿だ。備考欄に書かれた日記のような独白に引き込まれ読み進めるうち、加寿とは、男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。妻、母、娘。転機を迎えた3世代の女たちが家計簿に導かれて、新しい一歩を踏み出す。

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Posted by ブクログ

軽い気持ちで読み始めたら思った以上に内容が濃くてびっくりしました。加寿さんの家計簿から子、孫、ひ孫の人生までの影響が明らかになっていきます。読んでよかったと思いました。

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2025年02月14日

Posted by ブクログ

「すべては彼女が必死に生きてくれたおかげなのだ。 あたしもまた、誰かにつながるような生き方をしたい。」

母も家計簿に、特に秘密めいたものではなく、覚え書き程度の日記をつけていて、実家にいた頃はおつかいのレシートをつけるついでに遡ってよく読んでいた。少ない記述でも、だからこそ、その時々のことを色々思い出せていいな、と思いつつ、そもそもの家計簿をつけていない。

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2024年08月29日

Posted by ブクログ

人の人生にお金は切って切り離せない。
だからこそ原田ひ香の小説には誰しもが共感できるところがあって引き込まれるのだろう。

『彼女の家計簿』ではある家計簿が3世代を繋ぎ、その人生に関係のあった人たちを繋ぐ。家計簿とは言ってもお金だけではなく、書かれているほんの数行の文言に生きざまが見て取れる。誰かが読むとは思わずに書いたものかもしれないし、誰かに読んでもらいたいと思って書いたものかもしれない。それは分からないけれど、その中に想いがこもり、毎日を一生懸命に生きていたことが伝わってくる。

女性の一生はその時々で役割が違う。
その役割ごとの重荷や幸せを給料・家賃・家計、、、そういうお金の切り口を含めて描き、今回もまた引き込まれてしまった。

ちょっと刺激的で、先が読めるようで読めない、危ういバランスで人を虜にしてしまう原田ひ香の小説はやっぱり面白い。

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2025年10月23日

Posted by ブクログ

過去の日記から家族の過去と関わるひとの過去をクリアにしていく物語。日記と登場人物①②の現在が交差していて前半は??やや混乱したが、後半続きが気になり一気に読んだ。
仕事と育児を両立する母の子どもへの愛と後悔と苦悩は、共感するものが大いにあった。会えなくなった時後悔するから、は心に染みた。

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

彼女とは誰のことだろう。家計簿はつけようとしたことがあるが、私は3日と続かない。
10年日記は書き続け10年を迎えたのだが、、、。

生きるためのお金、そして家族や仲間との関係がその家計簿には描かれている。それはまるでシングルマザーの里里 への70年前からの大切なメッセージなのかもしれない。
家計簿は五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたというものだ。

その家計簿には備考欄に書かれた日記のような独白があった。里里はその家計簿に引き込まれ読み進めるうち、加寿は男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。はたして事実は・・・。

転機を迎えた三世代の女たちが家計簿に導かれて、新しい一歩を踏み出す。家族や仲間との絆を通じて、そして現代の貧困や孤独に直面する女性たちの姿を通して、人間の生き方について深く考えさせられる物語であった。

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2025年08月22日

Posted by ブクログ

ひとりの女性の家計簿を軸に、二人の女性主人公の生き方を描く内容。まず構成がなかなか面白かった。読み手もその家計簿を一緒に読み進める形になっていて、登場人物と同じ体験を追っていくような作りになってる。

全体を通して圧倒的な女性視点の作品で、ベクデルテストを性別を入れ替えて考えてみると、登場人物のほとんどが女性で、男性がほとんど出てこない。ジェンダー的にも完全に女性寄りの作品だった。

一人で生き抜こうとする、仕事を愛する女性たちへの応援歌でもあり、ラストで明かされる仕掛けも、仕事が女性にとってどれだけ大きな意味を持つのかに繋がっている。女性讃歌でもあり、シスターフッドの物語でもあると思う。それでも男性の俺が読んでもちゃんと面白い一冊だった。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

この方の作品は初めて読みましたが、色々な女性たちの生き様が興味深くて、あっという間に読み切りました。面白い、そしてこのようなNPOの取り組みにも、いつか関わってみたいと感じました。この作家さんの他の作品も読んでみたいです

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

過去と現代を行き来しつつ、それぞれの女性が生きていく物語。
原田ひ香さんの本はなぜか引き込まれてしまう。

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

現代の時間軸とは別に、戦時中の家計簿(とはいえほとんど日記のようなもの)の話もあり、登場人物の関係性も絶妙に複雑で、読むのに時間をかけてしまった。巻末の解説は、ネタバレなしであらすじがまとめられているので、先にこちらを読んでしまうのもありです。
子供がいても(いなくても)様々な理由でひとりで子育てや生活をこなしていかなければならないのは現代では最早驚かれることでもない話。
誰かと一緒に生活するということは、新しい役割が生まれるということ。妻であり、母であり、学校の先生であり、それでもひとりの人間として、いちばん自分らしく生きられる道をどうやって選択していくのか。最適解は人それぞれで、自分は納得しても周りからは良く思われないかもしれない。実はいちばん近い家族からの理解を得られないことも往々にしてあるので、妥協して家族をこなしている人も、多いのではないでしょうか。
誰もが気になった加寿さんの行方ですが、後半から展開が読めて予想通りでした。そのような結末になったきっかけがまた複雑というか…自分の思い通りには上手くいかないものだなぁ。個人的には木藤先生との控えめなロマンスは好きでした。

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2025年03月16日

Posted by ブクログ

節約本かな?とその題名から思いましたが、そうではありませんでした。
家計簿からその人の生きてきた人生、それを知った人達の人生に変化が訪れます。
家計簿を書いていた本人もそんな風になるとは思っていなかったであろうと。
時代は戦時中から現代の女性の立場、母娘の関係からなる物語です。
それを知った周囲の人たちの生き方にも変化が訪れます。
ただの家計簿ではなく、その時を一生懸命に生きた女性がその後の女性達にも生きる指針となります。
家計簿が人を救う、そんな物語でした。

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2024年10月26日

Posted by ブクログ

戦前から終戦後までに書かれた加寿の日記のような家計簿とNPO「夕顔ネット」を通して、加寿と孫の里里が長い年月を経て繋がり、過去をたどって事実が明らかになる。
タイトルと表紙だけ見ると、明るい楽しい話のようだが、想像していたより何倍も重くて深い話だ。
過去と現在と往復しながら展開していく話は、以前読んだ原田ひ香さんの『口福のレシピ』と同じ手法だ。
最後に家族のもつれたしこりが少しほぐれるところにほっとする。
女性は家のことをやり子どもを育てればいい、外で働くことに理解されない戦前戦後の時代の悲劇なのか、加寿の人生を思うととてもつらい。
里里が加寿の家計簿から真実に辿り着いたことで、加寿の人生も少しは救われたのかもしれない。

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2024年06月29日

Posted by ブクログ

ランチ酒を読んで以来原田ひ香さんの大ファンです。

昔と今を繋ぐ、手書きで書かれた家計簿。
これを読んだら私も家計簿のような日記のようなものをつけてみようかな、、とそんな気持ちになりました。

祖母の家計簿にほろっとするところもあり、私も子供をもっと大事にしよう、と思わせてくれるお話でした。

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2024年05月13日

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絡まった母娘の糸がほぐれていく過程がよかった。家計簿から読み取れる加寿の真っ直ぐな人間性に共感がもてた。作風は好き。読みやすい。

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2024年05月13日

Posted by ブクログ

家計簿の本ではなかった(笑)。突然渡された昭和17年頃からの古い家計簿の備考欄に記載された日記みたいなものを読みながら、戦後と現代の女性の生き方を描くお話です。

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2024年03月26日

Posted by ブクログ

原田ひ香さんの作品は、やっぱりおもしろい。
いつの間にか、すうっと作品の中に引き込まれて、いつの間にか読み終わってる。

里里が手にする加寿さんの家計簿で戦中から戦後、当時の暮らしを知る。
歴史としてテキストで知っていることと、その時代を生きた1人の女性の日記を通してみるのとでは、リアリティが違う。小説の中のこととは分かっていても、当時を生き抜いた女性たちの強さに感服する。

加寿さんの家計簿は、NPO法人の代表である晴美さんから、里里の母親である朋子を経由し、里里が手にすることになる。
家計簿を大切にしていた加寿、中身を見ることなく里里に渡した朋子、向き合う覚悟をする里里。
3人それぞれの気持ちを思う時、自分も同じように過去を生きた人がいて今の自分があるのだと気づかされる。

将来、里里の娘・啓がその家計簿を手にする時、きっと幸せでいてほしいと思うし、どうか、曾祖母、祖母、母たちの想いを真っ直ぐに受け止めてほしいと思う。

あったかい余韻を残す読後感。
満足の一冊。

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

シングルマザーの里里の元に届けられた五十鈴加寿の家計簿。本当の加寿はどんな人だったのか、と惹きつけられました。読み終わってみれば家計簿を通して戦前から戦中戦後の世の中の動きや思想の変化、一人の女性が自立していく過程を辿っていた。NPO団体「夕顔ネット」の晴美の過去も壮絶。二股相手の婚約者は裏切った婚約者とその相手に永遠に自分を忘れないようにあんな死に方をしたのか、愛情なのか憎しみなのか執着心なのか。
みずきはこれからどうなるのかも気になった。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

過去から届いた家計簿をきっかけに懸命に生き直そうとするシングルマザーの姿が描かれています。

主人公を支える人物も登場し、若いころのつらい経験を抱えながら仕事一筋で生きてきた彼女にとっても、この出会いは救いになったのではと感じました。

読後には、誰かと支え合うことの力強さに静かにホッとできる余韻が残りました。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

お金の話かと思いきや三世代に渡った女性の人生の話だった。
祖母は生まれた時代が違っていたら、いわゆるキャリアウーマンの人生だったんだろうな。そもそも◯◯ウーマンとか、◯◯女子とか、「女」を表す名詞の前に単語が入る風習がある時点で、今も差別が残っているといえるのかもしれない。

最近では女性総理が誕生した。時代は確実に変わっていることを生きているだけで実感する。
だけど社会で活躍したい女性にとって、今の時代は生きやすいといえるのかどうかはわからない。そのうち◯◯女子みたいな言葉を「女性だから」という境界線を引く用途で、自然と使わなくなる時代がきた時は、どんな社会になっているんだろう…といろいろ考えさせられた。

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2025年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以前読んだ『口福のレシピ』にも少し通じるものがある気がする作品。
3世代の女性たちのつながりが、書物を通してつながっていくところなど。
母の朋子さんの性格は共感できなかったし、晴美さんの再会した永田という男は最低で嫌な気持ちになった…

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2025年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

普通に良い話だと思うし心情が丁寧に書かれているとも思うし特に文句はないんだけど、ふと「みずきさんってどうしても必要なキャラクターだったのかな」とか思ったりした。
夕顔ネットにはそういう女性もいるってことだけわかる軽いエピソードに留めといて、その分朋子さんの胸のうちをもっと知りたかったなーとか。
父親が運動会で里里を抱き上げたときにキレたシーンをあとから掘り下げてほしかったなーとか。

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

このタイトルから、お金のやりくり的なストーリーかと思いきや、全然違って女性の生き方を描いた内容でした。

シングルマザーの里里の元に、疎遠にしている母親から古い家計簿が転送されてきます。
その家計簿をつけていた五十鈴加寿という女性は、男と駆け落ちした挙句心中したと聞かされていた、里里の祖母と思われ、家計簿の備考欄に書き込まれている日記のような独白を読み進めるうちに、加寿の人生が浮かび上がってきて・・。

本書は里里の視点と、件の家計簿を発見した女性就労支援NPO「夕顔ネット」の代表・晴美さんの視点、そして加寿さんの家計簿の記述が交互に展開していく構成となっております。

本書に登場する女性達は、立場は様々ですが皆一様に一筋縄ではいかない事情を抱えて生きているわけで、その辺のほろ苦さが胸にキュっとくるものがありますね。
家計簿をつけていた加寿さんの人生も、戦時中ならではの大変さと併せて当時の男尊女卑な風潮という時代的な生きづらさが伝わってきましたが、個人的に「夕顔ネット」の晴美さんの過去の出来事が壮絶すぎて唖然となりました。
晴美さんは十字架を背負ったように生きていましたが、私見を言わせていただくと、"悪いのは男やろー!"って感じです(あと、相手の女性も病み過ぎでしたよね・・)。
で、その最低男がその後しれっと結婚していて(しかもデキ婚(-_-;))、久しぶりに晴美さんにコンタクトを取ったのも結局セールス目的だったのには、"コ、コイツ・・終わってる"と呆れてしまった私です。

てか、本書に登場する男性陣って、前述の晴美さんの元交際相手といい、里里の不倫相手&啓ちゃんの父親といい(養育費払って!)、加寿さんの夫&里里の祖父の善吉といい(働かないクセに偉そうにすな!)、「夕顔ネット」に駆け込んできた、みずきさんへのストーカー男といい(コイツは論外!)・・まさに、ダメんず万博ですわ(本日万博開幕したことですし(*‘∀‘))。

・・と、ついプリプリしちゃいましたが、だからこそ悩みながらも頑張って生きている女性達にエールを送りたくなりました。
そんな訳で、なかなか深めの内容でしたが前向きな気持ちになれる読後感で良きでした。

因みに私は、家計簿を付けたことも無ければ付ける気もない、どんぶり勘定を通り越した、ザル勘定(?)人間でございます~(;・∀・)

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2025年04月14日

Posted by ブクログ

仕事忙しいときは軽めの本!
と思って読み始めた本でしたが、過去と現代を行き来して、最初はでてくる人々の繋がりも掴めずでライトではなかったです。タイトル違えば読む人増えそうな。
途中までは正直入り込みにくく、読むのに日数がかかりました。中盤からは怒涛の展開。後半だけでいえば⭐︎4つです。

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2025年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「古本食堂」に続き、原田ひ香さん作品は2作目で、かなり「古本食堂」とは雰囲気が違う感じがしたので驚きつつも、主人公の里里の年齢、里里の子供の年齢、仕事しながらの子育てという視点で自分と近かったので、とても物語に入りやすかった。

善良と悪がはっきりと書き分けられないのがとても良いと思った。

今だと「毒親」と言われてしまいそうな里里の母親のバックグラウンドも描かれることで、ただただ母親が悪いという単純化されたストーリーにしないのに好感が持てた。

ただ私として不思議なのは、「普通」で「幸せな家庭」とは呼べないような家庭環境で育った里里がどうして最も簡単に、妻子持ちの人と付き合い、シングルマザーになれたのか…

私もそうだが、そういう家庭で育った人こそ、「あ 暖かい家庭」、「両親仲が良い家庭」で我が子を育てる事に人一倍憧れるものではないのか。そのために慎重になるものではないのか。

そこの描写が私としては全く腑に落ちず。

里里の場合、自ら進んでシングルマザーになったような感じがとてもあり、同情や共感があまりできなかった。

そしてこちらの作品では、男性が基本あまり良くなく描かれている気がするので、男性はどう思うのかが少し気になる。

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2025年02月10日

Posted by ブクログ

節約話かと思えば全く違った。
登場人物が少し多く、時代が行き来きして途中まで理解するのが難しかった。
家族と言える家族。
家族と言えどやはり他人という家族。
人と人の繋がりはやはり難しいなと思った。

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

瀧本里里
シングルマザー。コンピュータープログラマー。


里里の娘。

斉藤
経理に古くからいる五十代後半の女性。

高橋良子
子供を育てながら会社を作った。

瀧本朋子
里里の母親。

三浦晴美
NPO「夕顔ネット」代表。水商売や風俗関係の仕事をしてきて高齢になった女性の再就職や就職訓練の手伝いをする。

曽我真紀子
「夕顔ネット」の経理。五十代女性。

檜山彩恵
「夕顔ネット」の事務と雑用全般。三十になったばかり。

倉田伸子
「夕顔ネット」の前代表。

倉田義信
伸子の夫。

五十鈴加寿
土地と建物をNPOに残してくれた。近所で定食屋を営んでいた。

ミキ
名古屋の繁華街で働いていた。

五十鈴善吉
里里の祖父。

京本
副社長。黒一点の三十代後半の男性。

平原
里里の三年先輩。入社二年目にプロポーズされた。

河西隆
里里が付き合っていた十歳年上で、妻も三人の子供もいた。

五十鈴とめ
善吉の母。

凪子
朋子の従妹。善吉の弟の末娘。

野村みずき
「夕顔ネット」に相談に来た女性。悠木南帆という名で活動していた引退したAV女優。

真菜
「夕顔ネット」にボランティアで手伝いに来ている。

弘道
里里の父。

伊東
真菜のゼミの先生。晴美の担当教授でもあった。

木藤
加寿と同じ学校の先生。

佐々木
学年主任。

永田義道
晴美が就職した大手の商社にいた四つ年上の先輩。

里子
永田の許嫁で晴美の前で自殺した。

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2024年12月02日

Posted by ブクログ

家計のやりくり的な内容を想像してたけど全然違って、日記がメインのストーリーって感じでした。

内容は割と重めだったけど、原田ひ香さんの作品らしく、さらりと読みやすかったです。

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2024年10月01日

Posted by ブクログ

読むと何かを書きたくなるよ。日記でもエンディングノートでも雑記帳でも。何でも良いから文字が書きたい!!

現代と戦時中を行ったり来たりするお話。
その2つの時代の橋渡しをするのが、加寿さんという1人の女性が残した家計簿。この家計簿をキーに、過去と今を行ったり来たりするのだけど、家計簿を記した戦時中の加寿さんと、現代になって皆が語る加寿さんのキャラクターがどうしても私の中で繋がらなくて。
私の中では、NPOを作ったのが加寿さん、て言われたほうが納得できた感じ。

加寿さんが残した過去の家計簿から、今を生きる皆が何かを掴む、みたいな話じゃなく、いっそ潔く、加寿さんの一代記が読みたいな。
家計簿、関係なくなっちゃうけど。

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

これまで読んできた原田ひ香作品とは異なった内容だった。しかしこんな作品も読んでみたい、とも思っていた。導入部分が秀逸で引き込まれたが、戦中戦後と現代を行き来し、また、シングルマザー、NPO法人の代表、戦地に赴いた夫の代わりに代用教員となる女性。それぞれの状況が入れ替わり立ち替わり書かれていて少し読みにくさを感じたり、集中力を欠いてしまった。読み応えはあり面白いと思う。生きにくい女性達は時代を超えても常に存在する。しかし自ら生き方を選べる。そんなお話しでした。

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2024年07月23日

Posted by ブクログ

里里はシングル・マザーだ。妻子ある男性と付き合っていたが妊娠し、一人で生んで育てることを選んだ。都市銀行でプログラマーをしていたが、妊娠したので退職した。実の母親は里里には親らしい言葉をかけてもらったことが無い。妊娠したと言っても出産には反対で、手伝ってもくれないことは分かっていた。職探しをしたら女性向けの情報サイトに正社員として勤めることができたのは僥倖だった。実家の母親から大きな封筒が送られてきた。その中にもうひとつ封筒がある。中を見ると家計簿だった。その封筒の差出人の所には名前があり、三浦晴美とある。母からの同封のメモには、自分には必要がないものだからそっちで好きにしてくれたらいい、というものだった。この家計簿が縁で、人と人が繋がっていくこといなる…。

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2024年04月27日

Posted by ブクログ

タイトルが気になって購入。

お金の話かと思いきや、そうではなく。
どちらかというと、家計簿兼日記を通して、辛い経験をした女の人たちが繋がっていくストーリーでした。
個人的にはみんな悲惨すぎて、あまり感情移入はできなかったかも?(戦時中のお話しは理解できました)

でも、家計簿の使い方って確かに人それぞれだなと思ったり。
お金の使い方からもその人の性格とか考え方がなんとなく読み取れる。(そもそも散財する人は家計簿なんてつけないだろうから、家計簿をつけているってだけでお金を大切にする人だということはわかる)

続くかどうかが問題だけど、今年は紙で家計簿つけてみようかな〜

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2024年01月13日

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