原田ひ香のレビュー一覧
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人生は思っていたよりも長く、孤独で、素敵なのかもしれない。これはおじさんとしてのメタ認知入門だ。
僕はいよいよアラサーの出口付近の年頃になってしまったが、退職のその先を考えたことはなかった。むしろ退職は人生ゲームのゴールのような、ゴールテープを切った後の呼吸を整えながら歩く時間のように感じていた。
でも本作を読んでその先の人生も続くんだよなあと気付かされた。ひょっとしたら人生の約3分の1は退職後なのか!!
家族は大切だが妻には妻の、娘には娘の人生があるというのも新しい視点だった。現代において、家族とは密結合ではなく、疎結合であるべきなのかもしれない。これは冷たい話ではなく、各々が各々の人 -
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2組の夫婦が2世帯住宅での共同生活。若い時ならまだしも、歳を重ねるごとに、生活環境は変化して、少しずつ価値観が定まっていくので、ずっと続けることは難しいよね。
給料は少ないが仕事はほどほどにこなし、節約しながら生きていく。この価値観は理解できるが、30代から死ぬまでずっと禅寺の世捨て人のような生活を続けることはできるだろうか。年1回は旅行に行ったり、たまには外食したりしたいのではないのだろうか。
結局、謎の女は謎のままで終わったが、この事件がきっかけとなり、抱えていたモヤモヤが露呈していく。もしかしたら、それぞれ夫婦のみだったら、大声で本音をぶつけ合い喧嘩していたかもしれないが、別の夫婦の -
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面白くてあっという間に読めました!
小説だけど実際の日常の一コマを切り取ったような、リアリティある感じがとても良かった!
各章で登場人物が財布を通じて繋がったり離れたり…
選択の違いでまたそこから違った道に行ったり、あとそのリアリティさで登場人物に感情移入しちゃって辛くなったりすることもあるけど、それも含めて心を鷲掴みされました。
リボ払いのところは経験はないけど、ヤバいと聞いたことあるので、ほんっとうにハラハラした(笑)
リーマンショックとか、時代の波に翻弄されて不本意な就職となり、奨学金の返済に困っているところとか、身につまされるなーと。
現代の問題と日々のお金の話をうまくまとめたお話! -
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Posted by ブクログ
心に悲しみや重荷があっても、美味しいものは、率直に、美味しい。
主人公の祥子はお酒と食べることが好きで、それを心の拠り所にしながら、孤独な日々をなんとか生きているような状況。とはいえ、仕事終わりに楽しみにしているランチの場面は、なぜだか妙に明るく、そして豪快に描かれていて、読んでいると無性に食欲を刺激される。
ランチ一回ごとの短編形式に物語が進みながら、主人公の身の上が少しずつ分かっていく。
面白い構成だな、と思う。
ひとつひとつの話も、ランチのシーンと折り混ざりながらも、ストンとオチがあったりして。とても読みやすい。まだ小さな娘を思う主人公の祥子に、共感する部分もあった。
食事シーン