原田ひ香のレビュー一覧

  • 三千円の使いかた
    三千円をどう使うか?
    これは人生をどう生きるか?
    と同義だ。

    垣谷美雨さんの解説も、
    うんうんと
    深く頷きながら読んだ。

    生まれた家が太いとか、
    家族の金銭感覚とか、
    結婚相手の実家が太いとか
    借金に対する感覚とか、
    お金に関して、
    「あー、そういうことか。」
    とわかってきたのは
    50歳をすぎて...続きを読む
  • 古本食堂
     店主が急逝した古本屋に、その後継者として妹が上京する。一方で店主の親族であった国文学を学ぶ大学院生の女性もアルバイトという形で古本屋に集まる。そこに様々な客が訪れ悩みや不安を打ち明ける。
     古本屋という舞台を中心において様々な人間模様が描かれるが、それらをつなぐのが古本と神保町界隈のレストランや喫...続きを読む
  • 古本食堂
    東京神保町へは、行ったことはありませんが、街のにおいや、活気、色などが次々と頭に浮かびます。いつか、行ってみたい。カレーを食べたいと思いました!

    美希喜ちゃんの成長を見守る、周りの人々の包容力や優しさが、ずっと心地よく、もっともっと続きが読みたいです。
    262頁、282、283頁はグッときます。
    ...続きを読む
  • 三千円の使いかた
    思った以上に登場人物が多くて「あれ?この人だれだっけ?」と思う箇所もありましたがサクサクと読めました。
    お金とそこに絡むものの話、広く人間付き合いがちょうどいい年代のそれぞれの女性の視点から書かれていて、女性が読みやすいかもしれません。
    再読あり、持っておいて時折読みたいなと思います
  • 三千円の使いかた
    20代〜70代の4人の女性を中心に様々な悩みが綴られ共感しかないです。どの世代の方も楽しめる、勉強になる一冊。あの頃深く考えず(当時は考えてたつもり)に結婚した若き頃を思い出したり、これから子育てや子供の結婚、老後資金、、、見つめ直すきっかけになりました。もし子供が結婚する予定ができたら一度読んで欲...続きを読む
  • 古本食堂
    古書と食。本好きの欲望を満たす神田神保町。ここから題名に繋がっているのか。嗚呼、昼間からランチョンでビール飲みたい。この本に出てきた本も読みたくなる。作者は当初絶版本を中心に取り上げていたという。古書店に足が向くはずだ。我が街には古書店がない。近くの商店街にある唯一の本屋もこの4月末に閉じてしまう。...続きを読む
  • 母親からの小包はなぜこんなにダサいのか
    タイトルに惹かれて読み始めて、読みやすい短編集だなーと思いながら読み進めていたら、まさかの最後6話目の「最後の小包」で泣かされた。
  • 三千円の使いかた
    一家三世代の女性とその周りにいる人達の物語。
    20代から70代の女性のこれから使うお金にまつわる勉強になる話満載でした。
    FPに相談はした事ないですが、節約出来る術があるのなら話を聞きてみたくなりました。
    お金は大事だよ〜なんて、CMありますが、これからの人生生きていくには、やはりお金ないと心も身体...続きを読む
  • 三千円の使いかた
    300ページ
    1500円
    5月19日〜5月21日

    御厨家の美帆、真帆、母の智子、祖母の琴子を中心に、生きていく上で必要なお金のことについて人生の岐路に立ったそれぞれが考えていく。
    『8×12は魔法の数字』

    美帆の話に始まり、美帆の話で終わる。登場人物が限られている中で、主観が変わっていくので、読...続きを読む
  • 古本食堂
    神保町の鷹島古書店。北海道からやってきた主人公の珊瑚さんは、急逝した前店主の妹。慕っていた兄が大事にしていた店を手探りで再開しながら、馴染みのない町で人間関係を築いてゆく。主人公の相棒には読書家の大学院生。歳の離れた2人がどんどん仲良くなっていく様がほっこりポイント。

    全然違う場所でしたが、古本屋...続きを読む
  • 財布は踊る
    メインテーマは一見、現代的なお金の話。でも物語の底に流れるのは、幸せってなんだろう?という普遍的な命題。

    専業主婦からやり手大家になったみづほは経済的には成功しているものの、夫への愛を失い、小1の息子からもそっぽを向かれつつある。少ない予算の中でなんとか夫の好物や息子の離乳食を工夫して作っていた在...続きを読む
  • 古本食堂
    原田さんの小説は生活感を感じられて、
    なんでもない自分の日常生活と重ね合わせて、
    生きていけることのありがたさを感じる。
    この本もまさにそうだった。
    そして、お腹がすく。
    また、神保町や高円寺など物語の舞台の東京に
    いま自分が住んでいることのありがたさを感じ、
    読書欲を駆り立てられた。
  • まずはこれ食べて
    「家政婦」という制度を通じて、本来なら出会わない世界の人たちがまるで家族のように食卓を囲むことが可能になる、という不思議を描いた物語なのかなと思いました。

    数十億の売却価格がつくベンチャー企業を、学生気分のままわちゃわちゃやってる会社員たち(まあ彼らにも当人なりの葛藤はあるのだが)と、無戸籍者の若...続きを読む
  • 財布は踊る
    284ページ
    1400円
    9月8日〜9月8日

    葉月みずほは、夫から渡される月5万円で食費をやりくりしながら貯金をする。それはハワイに行って、ルイヴィトンの財布を買うためだった。念願かなってイニシャル入りの財布を手に入れるが、夫がハワイでいくら使ったのかカードの明細を教えてくれない。なんとかして調べ...続きを読む
  • 彼女たちが眠る家
    現実には無さそうな、フィクションならではの設定のせいか、ぐんぐん引き込まれてページを繰る手が止まらなくなり、朝の通勤電車を1駅乗り過ごしてしまった。

    原題が「虫たちの家」とのことで、虫が出てくるお話だったらどうしよう、と身構えたが、昆虫に関する描写は殆ど無いので私のように虫が苦手な人間でも問題なく...続きを読む
  • 古本食堂
    本&美味しそうな食べ物という私の大好きな組み合わせと、嫌な登場人物が出てこないのとで、とても楽しくスイスイ読めた。
    「人生に必要な小説や本って、向こうからやってくるのかもしれませんね」
    というセリフがとても良かった。

    原田ひ香さんの本は3冊目だけど、最初の2冊があまり私には合わず、この本を手に取る...続きを読む
  • 三千円の使いかた
    読みたいとは思いつつもなかなか手が出せなかった一冊。
    勝手にタイトルから「こんな内容なんだろうな」と妄想していたことに反省。

    普通におもしろい。
    むしろ、好き。

    お金の話題のエンタメ小説。
    これくらいの気持ちでいる入り口が広がるのかもしれない。
  • 東京ロンダリング
    転居する際、誰もが事故物件ではないのかネットで検索すると思う。狭い東京で賃貸物件のロンダリングをしなければ安心して住める家が減っていく。ロンダリングを生業にする者によって曰く付き物件がリセットされる。
    離婚歴のある主人公の人生を一からやり直すことはもちろんできなくとも、新たな伴侶に出会うことである意...続きを読む
  • 三千円の使いかた
    お金のことに関わらず、誰かと比べて劣等感を感じた時や自分を失いそうになった時に読み返したい本です。私が最も共感できたのは長女、真帆のお話でした。特に女性は友人に嫉妬したり、結婚してから悩むことも多いのではないかと思うので、将来の自分を色々と想像してしまいました。人間は欲深い生き物で、お金の悩みは絶え...続きを読む
  • 三千円の使いかた
    本編はタイトルの通りお金に関わるエピソードが多い。金額や利率まで描写が細かく、小説なのに現実感を持ちながら読み進めた。
    だからこそお金に関わる悩みや決意に至る心理をより具体的に追体験できる。後半は涙する場面もあった。

    本編も十分に面白く感じたが、巻末の垣谷美雨さんの解説も是非読んで欲しい。
    個人的...続きを読む