原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ「私たちには皆、名前がある。けれど、私たちは名前を捨てた。捨てなければ、生きていかれなかったからだ。」
デジタルタトゥーに苦しみ、名前を捨てた女性たちの再起の物語。
『ある男』を読んだ時も思い浮かんだ改名という手段、日本で非常に難しいのは、きちんと確立された戸籍制度(同一の戸籍に記載される夫婦と子供の三者間の”氏”は同じものとする)のためなのだそう。実際、日本で生きていく上での様々なことがすべてこの制度に紐づけされている。現在、戸籍制度があるのは、驚いたことに、日本と中国と台湾のみらしく、逆に、個人登録制の欧米などでは、簡単に改名ができるらしい。それぞれの制度には一長一短があるのだろうけど、 -
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ネタバレ◯お話の舞台について
新宿から私鉄で西に15分、駅から延びるラプンツェル商店街が舞台。架空の商店街だけど、現実の世界でいうと西武新宿線の沼袋駅(普通電車で約15分、中野区)か上石神井駅(急行で15分、練馬区)の辺りかな。昔その間に住んでいたのでよくイメージできる。三人屋がある街としてぴったり。いちおう東京23区内なんだけど周りの人には十中八九「どこ?」って訊かれるし、地元の常連さんが集うこじんまりとしたお店が多い。大きな買い物はみんな新宿に出ちゃうから、地元では地に足のついた買い物をする。
夜月と大輔が中絶手術を受けに行った(読むのが辛かった)渋谷始発私鉄の駅というのは、京王井の頭線のどこか -
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ネタバレなしで結論から申しますと
読みながら、『すげぇ』とか、心からの感嘆な意味での『ヘェ』という言葉が
次々に口をついて出てしまう文体です。
ちょっと何その語彙力!て感じで、心から、そういう言葉が出てくるんです。
へぇ〜!この人(登場人物)は、そう思ったんだ!という
客観の傾聴として掴みやすい。
傾聴力関連の本にもありましたけど賛成と反対が共感で
相手が“そう思った”ことを納得することが傾聴とありましたよね。
共感て同じ気持ちにならなければならないのかとかではなくて
反対すら共感になるのだと。
てんで違う人間で、しかも架空の人物なんだけど
“この人は、そう思ったんだ”と