原田ひ香のレビュー一覧
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ラジオ×主人公の人生ドラマが覗ける短編集。
私もラジオが大好きで、悩みが多くて眠れない夜も、仕事に追い込まれてるピンチの時も、憂鬱な通勤時にも色んな場面で耳から聴こえるおしゃべりに助けられてきた。
会ったことないラジオパーソナリティの日常の何気ない出来事をきけて孤独な時間を楽しめたり、自分の知らない知識や世界を想像してワクワクしながら現実逃避できる感覚が好きなんだよなぁって改めてラジオの良さをしみじみ噛み締めた。
この感覚は読書も一緒なんだよね。
作中では、流産をした心の傷を家族や周りの誰にも頼らず1人で抱えつづける時、人生を変えようとマレーシアに来たもののうまくいかなかった時、不妊治療を経た待望の娘を可愛く思えず今の幸せを受け止められない時、旦那と一緒に悔しい気持ちを分かち合う時、多感な時期に女同士の人の目を気にしたりそれに抗ってありのままだでいたいなと葛藤した時
ラジオはいつも程よい距離感で他愛ない話をして側にいてくれる友達のような存在で心の支えになっている。
人間関係で悩んでる人、社会に傷付けられてる人、そんな人たちもラジオのような存在がひとつあれば信念を曲げずに人生やっていける気がする。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原田ひ香さんは、はじめまして。
とっても読みやすい。
憎しみに心を支配されて起こした行動は、
その気持ちが強いものであるほど
後悔も大きいのだろう、と思う。
復讐したいくらい、憎らしい相手や出来事を
受け流すことも、忘れることも難しい。
それでも、一度立ち止まって、
相手を叩きのめした先にどんな未来が待っているのか
想像できる心の強さを持っていたい。
自分は復讐とまでは言わなくても、
日常で起こる周囲への小さな不満に対して
やり返してやろうとか、ちょっと邪魔してやろうとか
思ったり、態度に出したりしてしまうことがある。
でも、それは本当に自分のためになるのか?
嫌な相手に引っ張られて、
自分も同じ土俵に立つことはない。
幸も不幸も、その人の生き方に応じて
起こるべくして起こる。
ただ真っ直ぐ生きていこう、と決心させてくれた。
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美奈代の恋人だったはずの男は、
同じ会社の後輩と突然婚約を発表した。
納得できずに何度も迫る美奈代は、
周りからストーカー扱いされ、結局退職することに。
偶然耳にした「復讐屋」成海のもとへ行き、
元恋人への復讐を依頼するがあっけなく断られる。
手付金が100万円、追加で成功報酬も請求される。
どうしても復讐をして欲しい美奈代は、
翌日から成海のもとで秘書として働き出した。
意外と強引な美奈代の行動に、
成海がだんだん振り回されていくのが可笑しかった。
最終話で明かされる成海の過去が、
「復讐屋」を名乗りながらも、実際には
復讐を嫌う理由につながっていくのも面白かった。
・「サルに負けた女」
全身を着飾ったセレブの女は、
相手が飼っているサルの病気が原因で
婚約を破棄された、とやってきた。
「サルのせいで家の中が臭い、
サルが死んだら結婚できるの?」
しまいには「相手もサルも一緒に殺してやりたい!」
とまで言い出した。依頼は引き受けたが、
「復讐するは我にあり」と、神様だよりで
成海自身はほぼ何もしない。だが、成海の言う通り
復讐という方法をとらずとも良い方向に収まっていく。
・「オーケストラの女」
コンサートマスターの座を、自分より実力がない女に
不当に奪われたと嘆く乙恵。
ここでは、乙恵にとっての本当の望みはなんなのか、
復讐する以外にやるべきことがあるんじゃないか、
と気付かせる展開に感心した。
コンサートマスターに拘らず、さらなる高みを目指し
海外へ行く決心をした彼女はとてもかっこいい。
・「なんで素敵な遺産争い」
七年前、義父の介護を押し付けられた挙句、
遺産ももらえなかった、強欲な義兄夫婦に復讐したい、
と成海のもとへ依頼に来た小百合。
成海は復讐より離婚を勧め、それを受け入れて
躊躇いつつも別れを決断したが、今になって
小百合の元夫が妻を連れ戻せと押しかけてきた。
小百合は新しい人生に満足しており、元夫のもとへ
戻る条件は「遺産を放棄すること」。元夫の答えは
「そんなバカなことするわけないだろう」。
小百合も一時は復讐心に駆られたが、成海の
「遺産をもらわない方が幸せになる」という助言を
魔法の言葉として生きてきて、過去に囚われず
充実した生活を送ることができている。
・「盗まれた原稿」
シナリオライターを目指すめぐみは、
同じスクールに通う友達に盗作をされた。
その作品はコンクールで大賞を取り、
それをきっかけにどんどん仕事をもらっていく彼女が
許せない、復讐したい、とやってくる。
成海が連れてきた有名シナリオライターの
「盗作するのは、才能がないから」との言葉を受け
相手への復讐をやめた。
嘘の栄光を手に入れた彼女は、
身の丈に合わない賞賛の声に、いずれ潰される。
わざわざ復讐せずとも、自滅するだろう。
・「神戸美奈代の復讐」
酷い扱いをされた元恋人に遭遇する美奈代。
成海のもとでさまざまな復讐心に触れてきたが
まだ彼女の憎しみは消えていなかった。
ついに行動を起こす美奈代だが、
ぎりぎりのところで成海が踏みとどまらせる。
どうにか復讐心を振り切った美奈代を「偉いぞ」と
抱きしめる成海が優しくてほっとした。
これからも復讐屋の秘書として働いて、いつか
本当に悔しさが吹っ切れるときが来れば良いな。
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Posted by ブクログ
すごく面白くてスラスラ読めてしまうのに、不意に出てくる登場人物たちの心情の描写にじわじわ心抉られる。
中でも第三話でのみききちゃんが鷹島古書店に対して抱いていた自身の思いに触れる場面や、
第五話のさんごさんが東山さんへの手紙を書いている内にだんだんと胸に秘めていたものが溢れてしまう場面などは、
こちらも胸を締め付けられるような痛切な描写にひどく切ない気持ちもこみ上げてくる。
メインキャラであるさんごさんとみききちゃんの2人がすごく魅力的で、読んでいく内にどんどん好きになっていった。
特にみききちゃんがけんぶん君に対してサッと図書の十進分類法を述べて詰め寄る場面は、彼女のアツい部分が出てて格好良く、
また後半の東山さんが東京に来てからの、ずっとソワソワウキウキしているさんごさんの様子があまりに可愛らしくて好きだった。
また、そんなふたりが敬愛しているじろう兄の存在も、読み進める内にどんどん大きくなっていった。誰かから語られる描写しかないけど、それだけでも魅力的な人物だということがよく伝わってくる。
それだけに故人であるということが思い出される度に(作品内でも)ひどく切なくなる。
登場する食べ物の描写もまたすごく美味しそうで食欲そそられるんだけど、
中でも「ボンディのカレー」については熱量がすごい。みききちゃんの食レポの後で、更にけんぶん君による熱い「ボンディのカレー」語りが入ってきたのには思わず笑ってしまった。 -
Posted by ブクログ
まあ! たいへん!
冒頭から鷹島古書店が危機です!
経年劣化恐るべし。。。
そして人も経年劣化します。
劣化はしなくても、経年はあります。そして人生には節目というものがあります。
若い人は進路に、老いた人は先行きに不安を覚えます。岐路に立たされます。仕方ないことです。
ベテラン漫才師のような掛け合いでお客様をもてなし、本とコーヒーと、時にはごはんを提供してきた珊瑚(さんご)さんと美希喜(みきき)ちゃんにも、それぞれに人生の節目が訪れていました。そして二人を取り巻く人たちにも。。。
必読の続巻です。
ぜひ!!
(もちろん美味しいものも続々と♪)
そして更にお話は続く予感が。。。♡♡
第一話 森瑤子『イヤリング』と
川端康成『掌の小説』と
日本で一番古いお弁当屋さん
第二話 候孝賢監督『珈琲時光』と
『天ぷらいもや』
第三話 『カドカワフィルムストーリーWの悲劇』と
豊前うどん
第四話 昭和五十六年の「暮らしの手帖」と
「メナムのほとり」
第五話 伊丹十三『「お葬式」日記』
『「マルサの女」日記』と
「なかや」の鰻
最終話 「京都『木津川』のおひるご飯」と
中華料理店のカレー
〔作品紹介・あらすじ〕
珊瑚(70代)は急逝した兄の跡を継いで、神田神保町で小さな古書店を営んでいる。
親戚の美希喜(20代)が右腕だ。
作家志望の悩める青年や、老母のために昭和に発行された婦人雑誌を探している中年女性など、様々な想いを抱えた人々がやって来る。
てんぷら、うなぎ、カレー……美味しいごはんと思いやり深い人々、人生を自由に豊かにしてくれる本の魅力が沢山つまった極上の物語。
ショートショート「桜の小径」と神保町を巡る楽しい対談も収録。 -
Posted by ブクログ
焼きそばが出てくる章があります。
「第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば」です。単行本の表紙には絵もあります。
池波正太郎が愛した焼きそばとは、揚子江菜館の上海式肉焼きそばを指します。
描写がとても美味しそうです♡
「上海炒麺(シャンハイ チャーメン)は、硬い麺と柔らかいのが選べるの。
基本は柔らかい麺をちょっと焼いた上にもやしや豚肉を炒めたものがのっているんだけど、硬い方はぱりぱりした、いわゆる揚げ焼きそばの麺で、同じ具材のとろみがついたあんがのっているの」
このシーンは、鷹島 珊瑚(たかしま さんご)さんが、テイクアウトの買い物を頼む場面です。
場所は、東京は神田神保町の鷹島古書店です。
この古書店のもともとの店主、鷹島 滋郎(たかしま じろう)さんは帯広出身で、かつて東京大学大学院で国文学を専攻していました。学生運動が激しい時期でした。
運動の過激化に失望して退学した滋郎さんは外国を周ったりしていましたが、帰国後、神保町で古書店のノウハウを学び開業しました。
その滋郎さんが急に亡くなりました。
帯広で両親を看取り、一人暮らしをしていた滋郎さんの妹の珊瑚(さんご)さんのもとに訃報が届きます。
ほぼ1年後、珊瑚さんは上京し、兄の古本屋を開店させました。読書家の珊瑚さんでしたが、古本屋のことは何も知りません。
しかし、開店早々、珊瑚さんのもとには、いろいろな悩みを抱えるお客が訪れました。珊瑚さんはお客に本を紹介し、なぜか美味しい食べ物も勧めて食べさせるのです。
古本 + ごはん = 古本食堂 です。
食べ物を買ってきてくれるのは、甥の娘の美希喜(みきき)ちゃんでした。彼女はO女子大学の大学院で国文学を研究しています。ほとんどは、珊瑚さんのために買って来るのですが、何故か店には美味しいものを食べてもらいたいお客さんがいて。。。
第一話 『お弁当づくり ハッと驚く秘訣集』小林カツ代著と三百年前のお寿司
第二話 『極限の民族』本田勝一郎著と日本一のビーフカレー
第三話 『十七歳の地図』橋口譲二著と揚げたてのピロシキ
第四話 『御伽草子』とあつあつカレーパン
第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば
最終話 『輝く日の宮』丸谷才一著と文豪たちが愛したビール
とても素敵な作品でした。
古書、食べ物、進路、恋愛。
珊瑚さんと美希喜ちゃんの交互の語りで物語は進んでいきます。
互いの目線の違いはお話を立体的に膨らませてくれて、お話の背景やお互いの気持ちやお互いを思いやる気持ちを描いてくれています。
お料理の描写がとても美味しそうなのもこの作者さんのサスガの力量です♡
続編が出ていますので、そちらに進みたいと思います。
どうぞみなさまも♡
〔作品紹介・あらすじ〕(文庫版)
鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。
そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。珊瑚がそのお店とビルを相続することになり、単身上京した。
一方、珊瑚の親戚で国文科の大学院生・美希喜は、生前滋郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることに・・・・・・。
カレー、中華など神保町の美味しい食と思いやり溢れる人々、奥深い本の魅力が一杯詰まった幸福な物語、早くも文庫化。
(巻末特別対談・片桐はいり×原田ひ香)
〔作品紹介・あらすじ〕(単行本)
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う!
神保町の小さな古書店が舞台の絶品グルメ×優しい人間ドラマ
大ベストセラー『三千円の使いかた』『ランチ酒』の著者による熱望の長篇小説
美希喜(みきき)は、国文科の学生。本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。大叔父の妹・珊瑚(さんご)さんが上京して、そのお店を継ぐことに。滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり……。カレーや中華やお鮨など、神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。 -
Posted by ブクログ
またやってしまった(学習しろ!)、この本はシリーズ3作目でした……充〜分おもしろかったけど、ちゃんと最初から読みたい!
目次(「蒲田 餃子」「稲荷町 ビリヤニ」などなど)を見て、ある街のあるお店を1章ごとに紹介するエッセイ的な内容かと思っていたら、違った
ストーリーにも引き込まれる、そしてお酒や食べ物の描写も楽しい、“1粒で2度美味しい”小説でした!
主人公はとてもおもしろい生業の女性
仕事終わり(午前中)、帰宅前にホッと一息つきながら食事&一杯やるときの街と食べ物が目次になってます
食べたり飲んだりが大好きな私には、すごく楽しい読書時間でした! 迷いながらメニューを選ぶところなど、共感することたくさんあってワクワク
主人公とうまくいきそうなお相手との馴れ初めも気になるし、どこの街のどんな食べ物が出てくるのか楽しみだし、1〜2作め早く借りに行かないと
初・原田ひ香さん、とてもよかった!