原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「夜勤の仕事をしていると、仕事終わりのランチが一日の最後の食事であることが多い。しっかり食べて、酒を飲んで、家に帰って寝る、というのがちょうどよい。」たまに一回やりたいな(笑)
やっぱり原田さんの、繊細なのにほのぼのとした感じ、好き。のんびり生きてるように見えて、色んなことを感じ取っているような。この視点で読めていることが、とても安心する。
東京は、美味しいものがいっぱいあるんだなあ。大学生の頃、縁があって東京にしょっちゅう行っていたけど、地名がわかるのが嬉しい。そして、とても素晴らしい経験だった。ほんとうに良かった。
位牌って、初めて聞いた言葉だ。これがあるから、仏壇を購入するらしい。父が亡くなった。母は、父のものを全部どんどん捨ててしまう。それを聞いて、「お気持ちは家族でもそれぞれだから」という。いいスタンスだな、と思う。
人間のドロドロしたところが、すっきり描かれているのがほんとうに魅力だなと思う。辻村深月さんとかは、むしろそれがメインみたいな感じで、それはそれでめちゃくちゃ好きなんだけど(笑) そういうのも匂わせつつ見せないのも良い。 -
Posted by ブクログ
同居していた友人が亡くなり親族とも疎遠、薄給年金暮らし。人生「積み」状態から一発逆転の刑務所暮らしを目指します。なんじゃそりゃ、というあらすじですが、桐子さんの人の良さ、真面目さが面白いです。この量刑ではすぐ刑務所から追い出されてしまう、でもなるべく他人に迷惑をかけたくない、老人女性の体力でもできる犯罪は…と真剣に考えています。犯罪者予備軍とは思えないかわいさです。
とはいえこの物語には様々な社会問題が絡んでいたり、数十年後の自分に降りかかってくるかもしれない未来の話でもあります。
持ち家賃貸問題、家族関係や相続…そもそも犯罪は起訴されなくても信用を失うこと。どうか桐子さんは報われてほしいの一心で読み進めました。
自分の周りの人たちを大切にすること、信用は積み上げるものだということ、自分が亡くなった時に親族が持ち物を片付ける羽目になること…。いろいろ考えることがありました。それだけのテーマをどんよりしないで読めるので、ためになる本でした。 -
Posted by ブクログ
神保町で古書店を営んでいた兄滋郎が亡くなり、妹の珊瑚が店を相続することになる。親戚で国文科の大学院生の美希喜(みきき)も店を手伝うことに。
二人の語りで物語は進み、様々な本、そしてグルメがでてくる。
古書店とグルメはミスマッチな気がしたが、すごくおいしそうな描写で神保町にご飯を食べに行きたくなる。
作者の本への愛情も感じられる。
古書店は敷居が高いけれど、こんな店があるのなら訪れてみたい、そう思わせてくれる本だった。
第二話の会話の中で出てくる、クリスティ。昔何作か読んでいるけど、ほぼ忘れているし、読んでない物もたくさんある。『カーテン』、読みたくなった。
第四話の『お伽草子』も読んでみたい。
そして、この本を読んでいて、思わぬ『再会』をした。
第三話の「『十七歳の地図』 橋口譲二著と揚げたてピロシキ」。
昔、橋口氏の鎌倉(遠い…)で行われた講演会に行ったことがある。
『ベルリン物語』は何度も読んだし、『それぞれの時』も。
『十七歳の地図』だったか、もう覚えてないけれど、写真集も買った。
若者たちは笑顔ではなく、強い目でこちらを見つめ返してくるような写真が多かった。
橋口氏は、写真を撮るときに彼らに色々質問をして、その中に「いままで行った一番遠い所は?」という質問があったことも覚えている。
橋口氏に再会というより、『ベルリン物語』を読んでいた頃の自分に再会した気がした。