原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ原田ひ香といえばお金についての小説を書く人だと思っていたけれど、こういう普通の小説も書いてたんだ、というのが最初の感想。
事故物件に住んで浄化させる仕事というのは著者が考えた架空の仕事だとあったけど、実際にこういう仕事があるというのを昔テレビで見たことがある気がするのだが。それとも著者の架空を見て現実で始めた業者がいるのだろうか。
正直、ロンダリングが自分を癒す仕事だという相場社長の言い分には賛同しかねるけど(だって嫌だもん)、そうせざる人々や利用する人の思惑や現状はリアリティがあって面白かった。
浮気を繰り返して奥さんから家を追い出された男は読んでて嫌いだわ〜と思ったし、夫の相続したアパートの管理をしている主婦の夫はクソ野郎だけど、相場不動産で働いてるまぁちゃんはとても可愛くて好き。
りさ子さんがすごい迫力のある人だなと思って、しかも物語終盤になんだかミステリーのような謎が出てきて、こんな終盤でこんな謎が出てきて解き明かされるの?とドキドキしたらうやむやに終わってしまって肩透かし。なんだよ何にも解決してないじゃん!と思っていたら、続編が出ているのですね。そしてなんならこれの前篇にあたる本もあるのですね。(りさ子さんはこれの主人公のようだ)この本は中編にあたるようでいきなりここから読んでも問題はなかったけど、これだけだとロンダリングをめぐる謎が解けないのでモヤモヤしたまま終わってしまう。
※(追記)続編なんてなかったわ…けっきょく相葉不動産を陥れようとした勢力たちは何だったのか解決するのかはわからずじまいなのはすごい消化不良、不完全燃焼すぎる -
Posted by ブクログ
「夜勤の仕事をしていると、仕事終わりのランチが一日の最後の食事であることが多い。しっかり食べて、酒を飲んで、家に帰って寝る、というのがちょうどよい。」たまに一回やりたいな(笑)
やっぱり原田さんの、繊細なのにほのぼのとした感じ、好き。のんびり生きてるように見えて、色んなことを感じ取っているような。この視点で読めていることが、とても安心する。
東京は、美味しいものがいっぱいあるんだなあ。大学生の頃、縁があって東京にしょっちゅう行っていたけど、地名がわかるのが嬉しい。そして、とても素晴らしい経験だった。ほんとうに良かった。
位牌って、初めて聞いた言葉だ。これがあるから、仏壇を購入するらしい。父が亡くなった。母は、父のものを全部どんどん捨ててしまう。それを聞いて、「お気持ちは家族でもそれぞれだから」という。いいスタンスだな、と思う。
人間のドロドロしたところが、すっきり描かれているのがほんとうに魅力だなと思う。辻村深月さんとかは、むしろそれがメインみたいな感じで、それはそれでめちゃくちゃ好きなんだけど(笑) そういうのも匂わせつつ見せないのも良い。 -
Posted by ブクログ
同居していた友人が亡くなり親族とも疎遠、薄給年金暮らし。人生「積み」状態から一発逆転の刑務所暮らしを目指します。なんじゃそりゃ、というあらすじですが、桐子さんの人の良さ、真面目さが面白いです。この量刑ではすぐ刑務所から追い出されてしまう、でもなるべく他人に迷惑をかけたくない、老人女性の体力でもできる犯罪は…と真剣に考えています。犯罪者予備軍とは思えないかわいさです。
とはいえこの物語には様々な社会問題が絡んでいたり、数十年後の自分に降りかかってくるかもしれない未来の話でもあります。
持ち家賃貸問題、家族関係や相続…そもそも犯罪は起訴されなくても信用を失うこと。どうか桐子さんは報われてほしいの一心で読み進めました。
自分の周りの人たちを大切にすること、信用は積み上げるものだということ、自分が亡くなった時に親族が持ち物を片付ける羽目になること…。いろいろ考えることがありました。それだけのテーマをどんよりしないで読めるので、ためになる本でした。