原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ流転する、イニシャル入りのブランド財布。
原田ひ香らしい「生活感覚の文学」。
これは小説の話ではなく、明日起きても不思議ではない話だった。
お金は、人を救いもするし、追い詰めもする。
だが、お金そのものが人を不幸にするわけではない。
本作では、「お金があれば幸せになれる」という幻想も、「お金がすべてを壊す」という極論も、どちらも採用されていない。
この小説は、「お金の話」に見せかけて、実は
・自己決定から逃げる人間
・選択の責任を外部(お金・社会・運)に預ける人間
を描いているとも読める。
財布が踊るのではなく、踊らせているのは人間の不安なのだ、と。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ定食屋「雑」のご飯が美味しそうで、コロッケ、唐揚げ、ぬかづけetc、食べてみたいなぁと思いながら読み進めました。美味しそうな小説ランキングでも上位に入りそうです。
私はお酒を飲まないので、居酒屋には縁がないのですが、ここは居酒屋ではなく定食屋というところが私にとって敷居が低くて余計に行ってみたくなりますね。
定食屋を通じて描かれる各々の人生も興味深く、しみじみ味わっていたのですが、唯一、肝心な沙也加のキャラクターが最後まで掴みきれなかったです。冒頭、夫に対して自分の価値観を一方的に押しつける無神経さがあったはずなのに、雑で働き始めたときには図々しさもありつつ、何やら機微が分かる大人に見える場 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに惹かれて読みました。
読みやすくて面白いので一気に読めました。
他人だけでなく、自分への復讐の意味なども含まれる案件もあったり、、
復讐とは、、!?
と考えさせられる本でした。
第1話は猿のハナコを殺してほしいなんて、なんて酷い女の人なんだ、と思いました。
猿が幸せでありますように…。
第四話の盗まれた原稿が好きでした。
読みながら盗作した大日向さんが許せませんでした。
盗作なんて何でするんだろう??
そんなに名声が欲しいのかな…歪んでる人すぎる!酷い!なんて思って読んでいました。
栗原さんが出てきて才能のない人が盗作をする…まさに!極論だわ。と思いました。
確かに才能がない -
Posted by ブクログ
雑だけど、美味しい。
沙也加の離婚騒動は、さっさとそんな夫見限って離婚すればいいのに、と読んでいてイライラしたけど、理由が分からないのに離婚は納得出来ないし、夫の健太郎のストレスも分かる気がする。でも、健太郎に同情したくない。
「ほら、そういうところ。あんた、すぐにさびしいって言って、人をさらっと誘えるだろ?そういう人間は一人にはならないよ」
ぞうさんの言葉で、「さびしい」って訴えていいんだと気付けた。さびしいと言えるから一人にならないんだと。
コロナ禍でぞうさんも定食屋「雑」も変わっていく。沙也加とぞうさんのこれからも見てみたいと思った。