原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレタイトル通り、「三千円の使い方」で人生が劇的変わる、っていうわけではないけど、そこにその人の性格や人生観が表れてて、この物語の中では、その使い方が登場人物たちのその後を左右していくことになる。
なので、よくある感じか、と思っていたけど、最後の終わり方がとてもあたたかくて、ハートフルストーリーだった。お金と聞くとどうしても物質的で冷たいイメージを抱くけど、生きることとお金は切っても切り離せない。だからこそ、お金について考えること、お金を取り巻くゴタゴタ含め、それが人生を作っていく。お金に関する決断が心温まる結末、生き方、人生を作っていくのだと、実感させられた。とりあえず私も家計簿をつけようと思う。 -
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事故物件だから安直に霊的なものに結びつけていない。本編は霊より、住む事によって故人の生前の人間模様や悩みの方が明かされていく。
実際には、事故物件に住んだからといって次の貸主へ告知義務がなくなることはないそうだけど、なんとなくあってもおかしくはない仕事だなと思う。(兄が特殊清掃の仕事をやっていたからこそ余計にそう思う)。
主人公の葛藤や心理描写がよく書かれていた。
便利な世の中になってきた一方で、どんどん人間関係が希薄化している現代には、お節介くらいの人がいないとなかなか人は変われないのかもしれない。
下手な「自分探しの旅」系の話よりずっと良くて、読後も、読者に考えさせる系ではなく主人公の意思がわかる畳み方だったのがまた良かった。 -
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ネタバレ古書店に併設されたカフェスペースとはなんて素敵と単純に思っていたけど、
実際につくろうとなると起こってくる様々な問題や課題がめちゃくちゃ大変そうで、
特に本棚裏に発生していた大量のカビについては、その有り様を想像しただけでゾワゾワするし、頼む業者さんや費用、工事期間中の営業について等々問題が山積みで読んでいるだけでげんなりした気持ちが伝染してくる。
前作からみききちゃんとさんごさんがもっともっと仲良くなっている様子が、ふたりの会話を通じて伝わってくるのが嬉しい。
だからこそブックフェア以降の2人の関係にすごくドキドキしてしまった。
みききちゃんがさんごさんの部屋を訪れた際、彼女の詳しい感情の描写は無いものの、無意識にさんごさんの生活を探してしまったり、その思いに反して綺麗すぎると感じてしまう部屋の描写だったりで、みききちゃんが抱いている不安感や不穏な気配がよく伝わってくる。
それらを経たふたりの会話が、ふたりともが自身の本心を真っ直ぐに伝えていて、だからこそ切なくて胸がぎゅっと苦しくなる。
ふたりの仲は変わらずとも、みききちゃんの求めている以前の関係にはもう戻れないんだなと思うとなんとも切ない。
でも番外編のふたりの姿がすごく無邪気で楽しそうで、物悲しさは残っていたけどそれはそれとして素直にすごく嬉しかった。 -
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「最後の晩餐」と言えばダ・ヴィンチの有名な絵を思い出します。7人の女性作家による短編集は、どれも読みやすく楽しめました。
江國香織【コインランドリーの夜】
自分を取り戻した主人公に共感。自分らしい最後の晩餐に気づけたことに爽快感を味わえました。
金原ひとみ【ラストサパーフォーエバー】
初読みの金原さん。勢いのある文章。この最後の晩餐は、最後にクスッと笑えました。
角田光代【最後の鰻】
この作品は個人的な思い出と重なって、すごくよかったです。いつまでも忘れることはない時間の物語。読者の私にとっても。
寺地はるな【小曾根幸子の送別会】
この作品も、色々な気持ちが詰め込まれた物語。読者の私のお気に入り。
原田ひ香【最後に、何を食べたの?】
もやもやした気持ちが、最後には前向きになれた感じがしました。その人らしい最後の晩餐を、どのように表現していくのか気になりました。
藤野千夜【もうひとりのねえちゃん】
こんなもうひとりのねえちゃんがいたらと思える作品。最後の晩餐はシンプルでいいのかもしれないです。
井上荒野【本当の話】
娘っていいなあ。嘘から出たまことみたいなことがあると嬉しくなりますね。
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年齢も境遇もちがう女性たちが「台所のあるところ」という深夜ドラマを見ながらSNSに感想を書くことでゆるく繋がる連作短編集。
各話の主人公たちは家族がいたりいなかったり、いっしょに住んでいたりいなかったりと生活の形態はバラバラだが、皆様々な苦労や悩みを抱えて生きている。それでも、ドラマを見ている瞬間だけは、日常の鬱屈が慰められる時間だ。同じドラマを見てハッシュタグを付けて感想を言い合っていると、同じ場所に集まってワイワイ言いながらいっしょにテレビを見ているような感覚になるのだ。
現代ならではのコミュティの形というか、ハッシュタグで繋がった「台所のあるところ」ファンたちの交流によって、少しだけ気持ちがラクになったり前向きになれたりするところが良かった。
各話に繋がりはないのだが、「台所のあるところ」は1話ずつ話が進んでいくので、物語の登場人物と同じく読んでいる自分もドラマの先が気になっていく。
なんとなく、「かもめ食堂」みたいな雰囲気のドラマなのかなぁと想像しながら読んだ。
ドラマに出てくるお料理がとても美味しそう。しらすトーストを作ってみたい。 -
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月収4万(年金)・8万(個人事業主)・+10万(NISA)・100万(パパ活)・300万(投資)・17万(介護職)の女性を主人公にしたアンソロジー。
各お話には主人公の年齢が記載されているが、
時系列が若干異なっており、別のお話で登場した時には“主人公だった頃からのその後”が分かるような構成になっている。
そんな中でも300万の女の変化(キャリア→抜け殻→ボランティア)が「お金がある人はその使い方を考えなくてはならない」と言う信念が通っていて好きでした!
「月収20万と月収30万の実質的な差は数値通りの1.5倍ではなく3倍だ」など言われてみれば確かにと頷ける言葉も多く、軽く読めてタメになるお話でした。 -
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ネタバレ☆4.7
面白かったー。
面白かったけど、最後が尻切れトンボみたいに終わってびっくりした。
解説で単行本から結末が変更されたと書いてあって、なるほど…となったけど、それでも最後物足りなかった。この本はミステリーではないから本筋からは外れるけど、誰が盗んだのか知りたかった。
また特別収録も終わり方がハッピーエンドではなく、バットエンドっぽくて驚いた。光希は終始自分のことをお金持ちと自負していたけど、この短編を読む限り、結局人は生まれによるんだなと思ってしまった。
結末を除いて、話は面白かった。最初、特に説明もなく、光子を追うシーンから始まるので、読み飛ばした?と思ったけど、徐々に天使がなぜ光子を追うのか説明されたので納得した。そして幸子との対話シーン、光子との対話シーンはそれぞれとても面白かった。特に親に殴り込みに?行く場面で上手く話せない天使の代わりに光子が話すところ、その後天使が泣きながら母親に今までの思いを伝えたシーンは良かった。
今まで原田ひ香さんの小説は連作小説しか読んだことがなかったけど、長編の方が面白いなと思った。特に物語に入り込ませる、感情移入させる力が強いと思った。また原田先生の作品を読みたいと思う。