原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
神保町の古本屋を舞台にした、古本食堂の続編。
前回の古本食堂同様、章ごとに神保町の実在する人気の食堂が登場し、料理の香りが鼻先に漂ってくるような描写に、思わず神保町へ足を運びたくなるます。確か前回は読んだ翌週にボンディに行ったので、今回はメナムのほとりか、新世界菜館か…。
うれしかったのは、前回から登場人物があまり増えていない点。基本的に前回描かれた登場人物が中心にストーリーが進むので、それぞれの人物の知らなかった一面が少しずつ見えて、より一層、鷹島古書店に愛着が湧きました。
さらに先があってもよさそうな展開でしたので、続編に期待します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ流転する、イニシャル入りのブランド財布。
原田ひ香らしい「生活感覚の文学」。
これは小説の話ではなく、明日起きても不思議ではない話だった。
お金は、人を救いもするし、追い詰めもする。
だが、お金そのものが人を不幸にするわけではない。
本作では、「お金があれば幸せになれる」という幻想も、「お金がすべてを壊す」という極論も、どちらも採用されていない。
この小説は、「お金の話」に見せかけて、実は
・自己決定から逃げる人間
・選択の責任を外部(お金・社会・運)に預ける人間
を描いているとも読める。
財布が踊るのではなく、踊らせているのは人間の不安なのだ、と。