原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ「おそれいりましてございます。」
この妙な挨拶が、読み終えたあとも不思議と頭から離れない。流浪人のように現れて家族に入り込み、子どもの世話をし、そして何事もなかったかのように去っていく女。その正体も目的も最後まで掴みきれず、強い余韻を残した。
さらに、数年後の時間軸を並行して描く構成によって、あおいと恋人を巡る謎が少しずつ明かされていく展開も巧みだった。
血のつながりがなくても、幼い頃に深い愛情を注がれた相手は、心の中で特別な存在になる。母親という存在が、現実以上に理想化され、ある種の偶像のようになることは十分あり得ると感じた。私自身そこまで極端ではないものの、その感覚にはどこか共感できた作品だった。 -
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松尾純一郎、57歳、趣味は喫茶店巡り、大手の
ゼネコンを2年前に退社。
という経歴の男の物語。
表紙のイラストから単なる喫茶店巡りの話になって
蘊蓄を語り尽くすだけ…?という先入観で読み始め
退職してから、妻と大学生の娘との確執や2年間の
間に起こった出来事と意外に松尾の人生は動きがあった。
生い先短い男の悲哀が感じられ、松尾を取り巻く人達に、「あなたは何もわかってないね」と言われて、
松尾本人は何の事か分からず
何か辛いと感じると、たまらず東京都内の様々な喫茶店に入る
コーヒーや喫茶店で出してるフードのきめ細かい描写は凄い。
松尾が味わってる味覚や匂いが頭の中で再現出来そう。
ラストはいい終わり方だった
初読みの原田ひ香。また違う作品を読みたい作家に出会えた?️ -
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コロッケ、とんかつ、カレー、から揚げ……。 短編ごとに一品の料理が登場しますが、決して料理そのものが主役ではありません。
登場人物たちは互いに適度な距離感を保ちながら関わり合い、その空気感がとても心地よく、まるで定食屋「雑」の常連客の一人として物語を見守っているような気持ちで読み進められました。
物語の中心となる二人は、最初こそ少し近寄りがたい印象を受けますが、誰もが抱えるような悩みや不安を胸に生きています。そして定食屋「雑」で過ごす時間の中で、それぞれが少しずつ前へ進むきっかけを見つけていきます。
その過程を必要以上に説明せず、答えを読者に委ねるような描き方だからこそ、読後にも心地よい余韻が残る作品でした。 -
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結婚もせず一人で年老いた両親の面倒を見てきた桐子は、気がつけば76歳。
年金と清掃のパートで何とか暮らしているが貯金もなく、ひとりぼっち。
夫に先立たれた親友と一緒に住むことになったが、その親友も3年後にあっけなく亡くなってしまった。
桐子は将来に不安を抱え、刑務所に入れば楽になるのではないかと考えてしまう。
できるだけ人に迷惑をかけず、一番重い罪は何だろうかと本気で考えている桐子だが、おっとりとしていて人当たりもよく、とても犯罪を犯すような人には見えない。
俳句の会に参加したり、清掃の仕事先で誰とも気さくに会話をしたり、孤独といっても何だかんだで人と関わりをもって生きている。
犯罪を犯して刑務所に入ろうという物騒なテーマだけれど、桐子をとりまく人たちが面白おかしく書かれていて、とても楽しく読めました。
老後は不安だらけだけど、人とのつながりが少しでもあれば何とかなるのではないかと温かい気持ちになれるお話でした。
原田ひ香さんの作品をもっと色々読んでみたいなと思います。 -
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面白かった…どの料理も美味しそうですし、朝からお酒を呑む背徳感…たまりません。
この本に登場するお店は元ネタが有りそうですがどのお店も行ってみたい…
特に目黒の生ハム食べ放題付きモーニングビュッフェは本気で行ってみたいと考えています。
(金土日だけみたいですのでタイミング合えばよいのですが…)
今回の作品は「切り替える為のごはん」ですね。
仕事で様々な人間ドラマを垣間見た主人公が一つの区切りとして美味しい朝ごはんを食べてスイッチを切り替える…そんな印象です。
ここ最近はグルメ小説をメインに読んでいますが、心と身体を癒すごはん、元気やパワーを貰えれるごはん、そして今回みたいにスイッチを切り替えてくれるごはんと色々な役割のごはんが出てくるのが面白いです。
ただ一つ後悔しているのが、この作品ってランチ酒シリーズの続編だったんですね…
登場人物はランチ酒から出ているようでランチ酒から読んでいればもっと楽しめたかも…と。
取り敢えずランチ酒シリーズも読んでみたいと思います。