原田ひ香のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
離婚をきっかけに居場所を失った女性・りさ子が、事故物件に一定期間住む“ロンダリング”という仕事を通して、東京の片隅で生き直していく物語。
事故物件という特殊な題材でありながら、印象に残ったのは怖さではなく、東京という街に流れる孤独の濃さだった。人は大勢いるのに、誰かの人生には簡単に踏み込めない。その距離感が、冷たさにも優しさにもなるところが、この作品の深さだと思う。
“ロンダリング”という仕事も、ただ部屋を浄化するだけではなく、人の過去や痛みと適切な距離で向き合う仕事として描かれているように感じた。働くことが生活を立て直し、生活が少しずつ心を立て直していく。その静かな積み重ねがとても良かっ