原田ひ香のレビュー一覧
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マンションの老朽化をテーマにした作者らしい社会派小説。メタボリズム建築と言えば思い浮かぶ実在のマンションについて、そこまで知識のない自分はどこまでが真実の話なのか、解説が気になりながら読み進めた。マンションの建築家の娘やその片腕、マンションの住民の心理描写を丁寧に織り込みながら進む展開はとても辛辣でありながら感情移入出来た。途中、浮気癖のある旦那が2人出てくるのが印象的だが、婚約はその後どうなったのだろう。序盤からの曖昧な展開が最後に事務所の社長による隠蔽工作である展開であったことが明かされるが、結論は読者の想像に任せる結末に。アスベストが使われた建物は解体費用が倍かかるのでこの後の展開は相当揉めそうと感じた。
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ネタバレ全く毛色の違う中編2編だが、心底ハッピーエンドではなくそれぞれが抱えている価値観について考えされされる深い話であると感じました。
「人生オークション」警察沙汰で周りに迷惑をかけた叔母の部屋に山積みになった物を処分していく過程で、叔母のモノに対する価値観の変化が楽しい。叔母のいい加減だけど優しい人柄が考えすぎな性格の主人公には受け入れがたいのはあるあるだと感じた。
「あめよび」結婚せず付き合い続けたい主人公の彼氏には読者には共感されないし、顛末も主人公にとってよかったと思うがどことなく寂しい結末ではあり、深い余韻があります。諱のこと、眼鏡屋さんのお仕事についてはとても興味を惹かれた。次に眼鏡を作るときの参考にしたいとおもった。 -
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人の人生にお金は切って切り離せない。
だからこそ原田ひ香の小説には誰しもが共感できるところがあって引き込まれるのだろう。
『彼女の家計簿』ではある家計簿が3世代を繋ぎ、その人生に関係のあった人たちを繋ぐ。家計簿とは言ってもお金だけではなく、書かれているほんの数行の文言に生きざまが見て取れる。誰かが読むとは思わずに書いたものかもしれないし、誰かに読んでもらいたいと思って書いたものかもしれない。それは分からないけれど、その中に想いがこもり、毎日を一生懸命に生きていたことが伝わってくる。
女性の一生はその時々で役割が違う。
その役割ごとの重荷や幸せを給料・家賃・家計、、、そういうお金の切り口を含めて描き、今回もまた引き込まれてしまった。
ちょっと刺激的で、先が読めるようで読めない、危ういバランスで人を虜にしてしまう原田ひ香の小説はやっぱり面白い。 -
Posted by ブクログ
2017年出版。280ページ。元クラスメイト男子がやっている「深夜の見守り屋」の唯一の社員として働く、バツイチの女性が主人公。お客様の元・各所に赴きながら、その場近郊で「仕事上がり(徹夜明け)のランチで酒も飲む」。特に大きなストーリーは無く、ある意味淡々と過ごす日常。訳あって元夫のもとで暮らす小2の娘と、月に一度だけ会う。
ごく平均的な人、とは言えないが、とても劇的とも言えない設定の人物達が織り成す物語。
やっぱり飲み食いのお話は、読んでいてワクワクする。かと言ってグルメ的な突っ込みは深過ぎす、退屈するほどに浅すぎもせず。
強いインパクトは無いけど、読後感はハンナりと暖か。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチ目当てで手にとる。あと巻末の山田詠美のエッセイ 「恩讐の彼方のトマトサラダ」も。
さすが山田詠美!この短い短いエッセイの中にユーモアの中にちゃんと彼女らしい美学が語られている。
今まで振られたことはないって、「男と別れるのは、相手が逮捕されるか、強制送還されるか、死ぬか、のどれかなんで」ってすごい。
原田ひ香の小説、(夏のカレー)初めて読んだけどこの60歳過ぎたしーちゃんと冴子の好き同士だったのに結婚には至らず40年にも渡る出会いから邂逅を経て別れまで(冴子の死)せつないラブストーリーだった。
恋、片思い、両思い、愛、婚約、浮気、裏切り、不倫、
恋愛に関することは”結婚”以外全部(冴子)とやった。
っていうとこがほんとに唯一無二の存在。
あータイカレー(グリーンカレー)が食べたくなった。