原田ひ香のレビュー一覧
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介護まで受けられるので、刑務所に入ろうと思い至った老人のお話
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人に迷惑かけない老後を
送るためには、
どう生きればいい?
老親の面倒を見てきてた桐子は、
気づけばたったひとり、
76歳になっていた。
両親をおくり、
わずかな年金と清掃のパートで
細々と暮らしているが、貯金はない。
同居していた親友のトモは病気で
先に逝ってしまった。
唯一の家族であり親友だったのに……。
このままだと
孤独死して人に迷惑をかけてしまう。
絶望を抱えながら過ごしていたある日、
テレビで驚きの映像が目に入る。
収容された高齢受刑者が、
刑務所で介護されている姿を。 -
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原田ひ香作品4冊目。
穏やかで、でもヒリヒリしたりモヤモヤしたりする日常を描いている。本作は登場人物のキャラがとても良くて私はかなりツボ。
藤色のカーディガンがお気に入りの静江、頼まれごとを断らない健児、ストッキングやスーツを脱ぎ散らす瞳。主要人物ではないが一朗太氏に冴子、ヘンリーなどなど。
読み進めるほどにそれぞれのキャラが立ち上がってきて、ストーリーだけでなく彼らに夢中になっている自分がいた。前半から読む手が止まらなかった。
一見嫌みのある人物であっても、関わっていくと本音がぽろぽろと出てきて、知っていくごとに愛おしくなっていく。
表面的な部分だけでなく、大切な人の奥底にある弱さを知るに -
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マンションの老朽化をテーマにした作者らしい社会派小説。メタボリズム建築と言えば思い浮かぶ実在のマンションについて、そこまで知識のない自分はどこまでが真実の話なのか、解説が気になりながら読み進めた。マンションの建築家の娘やその片腕、マンションの住民の心理描写を丁寧に織り込みながら進む展開はとても辛辣でありながら感情移入出来た。途中、浮気癖のある旦那が2人出てくるのが印象的だが、婚約はその後どうなったのだろう。序盤からの曖昧な展開が最後に事務所の社長による隠蔽工作である展開であったことが明かされるが、結論は読者の想像に任せる結末に。アスベストが使われた建物は解体費用が倍かかるのでこの後の展開は相当
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ネタバレ全く毛色の違う中編2編だが、心底ハッピーエンドではなくそれぞれが抱えている価値観について考えされされる深い話であると感じました。
「人生オークション」警察沙汰で周りに迷惑をかけた叔母の部屋に山積みになった物を処分していく過程で、叔母のモノに対する価値観の変化が楽しい。叔母のいい加減だけど優しい人柄が考えすぎな性格の主人公には受け入れがたいのはあるあるだと感じた。
「あめよび」結婚せず付き合い続けたい主人公の彼氏には読者には共感されないし、顛末も主人公にとってよかったと思うがどことなく寂しい結末ではあり、深い余韻があります。諱のこと、眼鏡屋さんのお仕事についてはとても興味を惹かれた。次に眼鏡を作 -
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人の人生にお金は切って切り離せない。
だからこそ原田ひ香の小説には誰しもが共感できるところがあって引き込まれるのだろう。
『彼女の家計簿』ではある家計簿が3世代を繋ぎ、その人生に関係のあった人たちを繋ぐ。家計簿とは言ってもお金だけではなく、書かれているほんの数行の文言に生きざまが見て取れる。誰かが読むとは思わずに書いたものかもしれないし、誰かに読んでもらいたいと思って書いたものかもしれない。それは分からないけれど、その中に想いがこもり、毎日を一生懸命に生きていたことが伝わってくる。
女性の一生はその時々で役割が違う。
その役割ごとの重荷や幸せを給料・家賃・家計、、、そういうお金の切り口を含 -
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テーマは不気味なのに、読後はなんだか心が軽やかになる。まさにこの本自体がロンダリング(浄化)効果あり。
人生は山あり谷ありと言うけれど、山も谷もどちらも必要というのを物語を通して教えてもらった気がする。ずっと順調な人生がいいと思いがちだが、それはそれで堕落してしまう。ずっと過酷なのも、生きていて辛い。
人生の緩急みたいなものは、その人にとって最適なタイミングでやってくる受動的なものもあれば、自ら選択している能動的なものもあるんだと思う。
白黒どっちかはっきりしてる人生ではなくて、グレーな人生で生きていきたい。というか、そうなってしまうんだろうな。 -
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2017年出版。280ページ。元クラスメイト男子がやっている「深夜の見守り屋」の唯一の社員として働く、バツイチの女性が主人公。お客様の元・各所に赴きながら、その場近郊で「仕事上がり(徹夜明け)のランチで酒も飲む」。特に大きなストーリーは無く、ある意味淡々と過ごす日常。訳あって元夫のもとで暮らす小2の娘と、月に一度だけ会う。
ごく平均的な人、とは言えないが、とても劇的とも言えない設定の人物達が織り成す物語。
やっぱり飲み食いのお話は、読んでいてワクワクする。かと言ってグルメ的な突っ込みは深過ぎす、退屈するほどに浅すぎもせず。
強いインパクトは無いけど、読後感はハンナりと暖か。