原田ひ香のレビュー一覧

  • 事故物件、いかがですか? 東京ロンダリング

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    事故物件という言葉で、オカルトかと思いきや、その要素を巧く盛り込んでの、現代に生きる様々な人間模様、現代社会の闇的な部分をとても面白く描いていた。長編のつもりで読み始めてたら、短編で、ちょっと拍子抜け、と思ったら徐々に様相が変わっていったのは、やられた感あり。出てくる方々のキャラクターも分かりやすく、とても楽しかった。

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    2024年04月07日
  • 虫たちの家

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    ミステリー小説?かもしれません。

    途中で挟んでくる昔の話しが、謎解きになっているのですが…最初、さっぱりわかりません。

    ネットで傷つけられた人が集う「虫たちの家」。それは、九州の小さな島にありました。マリアさんとテントウムシさんが、始めた避難所です。

    マリアさんは、当事者ではなく、テントウムシさんはネットの被害者でした。
    そこに、ミツバチさんと高校生のアゲハちゃん親子がやって来ました。
    「虫たちの家」は、島の人からは、奇異に見られていましたが、テントウムシさんは、島から追い出され無いように、最新の注意を払っていました。一応、アレルギーの治療に自然豊かな島に移住ということにしていました。畑

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    2024年04月04日
  • サンドの女 三人屋

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    三人屋の続編。色んな人物の視点から描かれていて、面白い。こうなって欲しいと思ってもその通りにはならない。リアリティがある。
    でもみんな楽しそうなのがほんわかしていい!

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    2024年04月04日
  • ランチ酒 おかわり日和

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    読んでいる最中に、気になるフレーズをメモ。
    P15
    言いたいことをはっきり言えず、なんとなく飲み込んでしまったり、相手の気持ちを勝手に慮って身をひいてしまう。そして、気がつくと本当に大切なものは皆、なくなってしまうのだ。


    前作に出会った人との関係が続いているものもある。娘との関係も、見守りのお客さんとの関係も。

    前作では、言いたいことを飲み込んでしまっていた祥子だが、今回は、少しずつ、自分の意見を伝えるようになった。そして、相手の気持ちを考えつつ、自分の意見を伝えて、話し合いながら、問題を解決する方向に向かっているお話しでした。

    なので、前作では、少し重苦しい話しが多かったですが、今回

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    2024年03月29日
  • 彼女の家計簿

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    家計簿の本ではなかった(笑)。突然渡された昭和17年頃からの古い家計簿の備考欄に記載された日記みたいなものを読みながら、戦後と現代の女性の生き方を描くお話です。

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    2024年03月26日
  • 彼女の家計簿

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    原田ひ香さんの作品は、やっぱりおもしろい。
    いつの間にか、すうっと作品の中に引き込まれて、いつの間にか読み終わってる。

    里里が手にする加寿さんの家計簿で戦中から戦後、当時の暮らしを知る。
    歴史としてテキストで知っていることと、その時代を生きた1人の女性の日記を通してみるのとでは、リアリティが違う。小説の中のこととは分かっていても、当時を生き抜いた女性たちの強さに感服する。

    加寿さんの家計簿は、NPO法人の代表である晴美さんから、里里の母親である朋子を経由し、里里が手にすることになる。
    家計簿を大切にしていた加寿、中身を見ることなく里里に渡した朋子、向き合う覚悟をする里里。
    3人それぞれの気

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    2024年03月19日
  • ここだけのお金の使いかた

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    旅のお供として。まず関係ないけどこの本の写真?何でこんなに暗いのよ。お金に関するアンソロジー。概ねみんな面白かったけど、松村比呂美『二千万円の差額』は泣いてしまった。大切な人の死を自分のせいと思って、不安障害になったりパニック障害になったりするのはわかる気がする。うちの親はどうなるかなー。大崎梢『12万円わんこ』と福田和代『わらしべ長者のつくりかた』はうまくいき過ぎと思えるくらいいい話だった。でもこういう明るい話はいいものだ。特にわんこの莉々子のように明るくすがすがしく生きていけたらいいよなー。

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    2024年03月04日
  • 彼女の家計簿

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    シングルマザーの里里の元に届けられた五十鈴加寿の家計簿。本当の加寿はどんな人だったのか、と惹きつけられました。読み終わってみれば家計簿を通して戦前から戦中戦後の世の中の動きや思想の変化、一人の女性が自立していく過程を辿っていた。NPO団体「夕顔ネット」の晴美の過去も壮絶。二股相手の婚約者は裏切った婚約者とその相手に永遠に自分を忘れないようにあんな死に方をしたのか、愛情なのか憎しみなのか執着心なのか。
    みずきはこれからどうなるのかも気になった。

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    2024年03月01日
  • 母親ウエスタン

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    3最初2つの物語が区切られながら進んで行くので時系列とか話の理解に戸惑ったけど途中で糸が繋がるようになってきてそこから引き込まれて面白かった。
    広美は捨て猫のように何かしら問題を抱えている母親がおらず父と子供たちで暮らす家にすっと入り込んではしばらくするといなくなる。
    広美は何を考えているのか何を求めていたのか。

    以下心に残ったフレーズ。
    「だけど、あおいを悲しませたりしないから安心して」
    もう十分悲しんでいることが、祐理には伝わっていない。それがあおいには何より切ないのだった

    あーこれ恋愛あるあるーと思った

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    2024年02月24日
  • ランチ酒 おかわり日和

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    見守りやを通じて知り合った人との関係も前作から掘り下げて、より繋がりが出てきていたり、祥子自身の思いや過去も深く知ることが出来たり。
    美味しそうなご飯と共に、どんどん引き込まれてついページをめくってしまう。

    ご飯もめっちゃ幅があって食べた事が無いものも出てくるので食べてみたくなる。

    思った以上に前作と繋がっていたので、あまり間隔を空けずに読んだ方が楽しめるかも。

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    2024年02月06日
  • 彼女たちが眠る家

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    なかなかの原田ひ香ワールドでした。最初はゆっくり読んでいましたが、途中から引き込まれてあっという間に読み終えました。少女時代の話しが少し納得出来てないとこもあるので、もう一度ゆっくり読み返してみたら納得出来るかな…。
    今の時代の生きることの難しさと、主人公達の生き抜く強さを感じました。

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    2024年01月29日
  • DRY

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    いつも原田ひ香さんの、美味しい描写がとても好きで読んでいるのです。今回もどんなかな~と思ったら、驚きました。
    DRYは貧困や介護といった社会のいわば歪みのような状況に追い込まれた女性たちの話でした。美味しい食べ物の描写はなく、カレーを食べるシーンも前後の話から全くもって美味しい匂いのするカレーではありませんでした。
    虐待の連鎖や介護による家族の犠牲といった、社会の歪みの犠牲者なのだけど懸命にもがき生きている人たち…。犯罪はいけないけれど、追い込まれると起こしてしまうんじゃないかとリアルなのかもと思いました。

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    2024年01月28日
  • そのマンション、終の住処でいいですか?(新潮文庫)

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    「そのマンション、終の住処でいいですか?」
    原田ひ香

    〜あらすじ〜
    有名建築家による一等地の中古マンション。
    誰もがうらやむその家はしかし、とんでもない欠陥住宅だった!
    上手くいくはずの改修工事は新旧住民の様々な思惑が絡み合い、混沌の様相を呈していく。
    デザイナーズマンションに人生を振り回された人々の胸中にあるのは、幸福か、絶望か、見栄か、プライドか。
    誰もが身につまされる、終の住処を巡る大騒動。






    以下ネタバレあり




    黒川紀章の中銀カプセルタワービルを彷彿とさせるストーリー。
    実話とフィクションが混じったような内容。

    一等地のデザイナーズマンション。
    しかしとんでも

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    2024年01月28日
  • 口福のレシピ

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    今はネットで簡単に見れるレシピを昔は自分の味覚、嗅覚、視覚で確かめて書き連ねているのを見ると1つ1つの料理をもう少し丁寧に作ろうと思うようになりました。

    昔の方の様々な人生観が垣間見れたのもよかったです。

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    2025年07月30日
  • ミチルさん、今日も上機嫌

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    バブル時代にモテモテだった女性のバブル後の生き方のお話し。

    バブルは経験してないので、ミチルさんみたいな経験いいなぁと思いつつ読み進めていくと、同じバブル時代を生き抜いた人でも当時の感じ方は人それぞれなんだという事が分かります。

    男には男の、女には女のプライドがあって、それを自分の人生にどう生かしていくのかということが大事なんだなと。

    結論、ミチルさんみたいに芯が強い生き方は憧れる!年末年始に読んで元気が出た1冊でした。

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    2024年01月13日
  • ギリギリ

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    亡くなった夫を中心に母、妻、妻の再婚した夫のそれぞれの思いがあり家族というものを考える機会になった。

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    2024年01月08日
  • ここだけのお金の使いかた

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    お金にまつわる話のアンソロジー。割と好きな作家さんが揃っていて予想通り楽しめた。価値観とは世代によって違うのは勿論、収入によっても異なるし、本当に人それぞれ。夫婦になる際はやっぱりそこが違うと後あとすれ違いのもとになるとつくづく感じる。ピッタリ合うということはなくとも許容範囲内でないといい関係は続かないと思う。

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    2024年01月03日
  • ここだけのお金の使いかた

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    妹が結婚した時、小さな頃から可愛がってくれた近所のおばちゃんに、「結婚生活はどう?」と聞かれ、「私ね、お金に困ってるのよ」と答えて大笑いされた事がある。お金の管理の仕方が分からずに困ってる、と言いたかったらしいけど、省略し過ぎて意味変わってるし。

    お金の問題って大切だけど、これほど個性が出る物もないなと思う。誰かの大切な物が、他の人から見たら無駄にしか思えなかったり、一般的に高価な物が関心のない人には全く無価値だったりする。だからこその面白さもあるな、と思いながら楽しく読みました。

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    2023年12月28日
  • ラジオ・ガガガ

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    老若男女の生活と、そこにスパイスを加えるラジオがテーマの短編集かな。

    私自身ラジオを生活のお供にしているけれど、登場人物たちのような濃いドラマはなく 少し羨ましいような思いもしました。

    1話の女性の三男の先生が端役として他のお話(私が確認できただけで2話)に、いずれも味のある役で登場していてほほうとなったり。

    人にされた酷いおこないに心を傷める表現があっても、後々そう言うことをするのにはその人なりの理由があるのかなって思うくだりがあるところに作者さんの懐の深さを感じたりしながら読みました。

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    2023年12月07日
  • ここだけのお金の使いかた

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    「わらしべ長者のつくりかた」の考え方が参考になった。おじいちゃんの「日本人の悪い癖だと思うんだが、仕事を楽しもうとしないんだな。働くことはしんどいことだと、自分で自分に呪いをかけてるんだ。」って言葉よかったな。楽しさや面白さは自分でつくっていくしかないんだよね。

    「二千万円の差額」も好きだなぁ。切ない家族系の物語にとことん弱い私なのであった…。

    お金というたったひとつのテーマで、全く違った景色を見させてくれる作家の方々には頭が頭が下がる思いです…!

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    2023年11月25日