あらすじ
有名建築家による一等地の中古マンション。誰もがうらやむその家はしかし、とんでもない欠陥住宅だった! 上手くいくはずの改修工事は新旧住民の様々な思惑が絡み合い、混沌の様相を呈していく。デザイナーズマンションに人生を振り回された人々の胸中にあるのは、幸福か、絶望か、見栄か、プライドか。誰もが身につまされる、終の住処を巡る大騒動。『おっぱいマンション改修争議』改題。
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そりゃこのマンションじゃあかんやろ〜…と。最後の最後まで読み切ることで分かることがあり、面白いです。初めは軽快に最後は重く締めくくられ、結末のその後を想像するだけでヒヤッ(*_*)
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個人的にはとても読み応えがあり、面白かった。
住処、生き様、プライド‥ 食べることは生きることと同じ位、住処選びは生きることだと思う。
やっぱり、住む場所ってとても大事だ。
パっと見のタイトルのイメージと、内容に良い意味でギャップがあった。一つのマンションを巡って、どれだけ人の歴史、思い入れ、事情が詰まってるのか‥ 人は自分の住処を守ろうとしたときに、どんな行動に出るか。どんな選択をし、何を発言するか。
白黒ハッキリしない終わり方も、実にリアル。
第1章の『おっぱいマンション』という、グッと人を惹きつけるワードも良いですね。
宗子が女優になりきったときの『私は文化に住みたい』という表現が素晴らしいと思った。
原田ひ香さんの、現実的な題材、大好きです。
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面白い、一気読みでした!
本の最後に「解説」としてトミヤマユキコ女子が書いていたが、この本のモデルになったのが「黒川紀章の中銀カプセルタワー」とのこと。読み進みながら、そうではないか?と思っていたが... 納得。
一つの歴史的遺産とも言われるマンションを取り囲む人間模様が面白い。
建築家と一番弟子、建築家と娘、...
色々の人間模様が、心の機微が読んでて引き込まれた。
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題名からしてもっとカジュアルな話かと思ったのだけど、マンション立替にまつわるそれぞれの立場から語った物語で、
建築に興味もあるので面白かったです。住まいのどこに重きを置くのかは本当に人それぞれ。
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衣食住のなかで原田さんは食をテーマにされるイメージ強めでしたが、この住に纏わる物語も楽しめながら読めました。人の価値観ってそれぞれだけど、住に対して情熱的であれドライであれ、棲家とは人生の縮図だと匠に表現されていたと思います。
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「そのマンション、終の住処でいいですか?」
原田ひ香
〜あらすじ〜
有名建築家による一等地の中古マンション。
誰もがうらやむその家はしかし、とんでもない欠陥住宅だった!
上手くいくはずの改修工事は新旧住民の様々な思惑が絡み合い、混沌の様相を呈していく。
デザイナーズマンションに人生を振り回された人々の胸中にあるのは、幸福か、絶望か、見栄か、プライドか。
誰もが身につまされる、終の住処を巡る大騒動。
以下ネタバレあり
黒川紀章の中銀カプセルタワービルを彷彿とさせるストーリー。
実話とフィクションが混じったような内容。
一等地のデザイナーズマンション。
しかしとんでもない欠陥があって、
建て替えするかどうかで揉める住人の話です。
マンションが結局どうなるか!?!?よりも、
住んでる人たちの裏事情を俗世的に楽しむような話でした。
そして、小宮山という天才建築士に対して、
羨望と、嫌悪感、両方同じくらい入り混じって複雑な感情を抱いている人が何人もいる。
賛否ある建築士なんだろうなぁというのが伝わる。
一等地の誰もが知る有名デザイナーズマンションに住むことへの執着やプライド、選民意識、お金のこと、色々な人間くささが良かったです。
短編集のような形で、
住人ごとにスポットライトが当たり、
そこまで重くならずに読める内容でした。
Posted by ブクログ
「ランチ酒」シリーズ、「三千円の使い方」の原田ひ香さんの作品。
原田ひ香さんといえば、ふんわり優しい中に人生の奥行きを感じる作品というイメージを勝手に抱いてたが、本著はまたひと味違う。
登場人物が抱えている闇が深い。
誰にも共感できないのに面白い。どんどん読んでしまう。
かつては流行の最先端であったデザイナーズマンションの老朽化、欠陥、建替問題を軸に
建築家の娘、建築家の右腕とその妻、建築家に憧れと悔恨を併せ持ち入居してきた元教師、永年の入居者である元女優など様々な人生が交錯する。
そして隠蔽されてきたアスベスト問題。
親戚でアスベストが原因で亡くなった人がいるので、リアルに岸田の怖さを感じた。
海外に逃げても、その恐怖からは本当に逃げられるのか。
マンションの再建だけは決着がつくのかと思いきや、様々なトラブルが起き、岸田の手紙も読まれることなく捨てられて、有耶無耶。
めでたしめでたしのラストではなく、現実的だ。
実際そんなマンションがあちこちにあるのかもしれない。
本著のおっぱいマンションと呼ばれた建物は、黒川紀章の「カプセルタワー」がモデルとのこと。以前首都高から見えた不思議な建物を思い出した。
今はもう解体されてしまって見ることができないのが残念。
(雨漏り、カビ臭、キッチンなし、洗濯機置場なしなど色々と大変な物件だったよう。それでも住みたい人はいたみたいで、凡人にはわからない。すごいなぁ。。)
Posted by ブクログ
何かで紹介されていた。
有名建築家が設計したデザイナーズマンションが老朽化して住みづらくなって、建て替えか保全かという騒動を、居住者や建築家の関係者の視点で書いた話。登場人物の考え方や歩んできた人生などから、それぞれの立場や思惑が描かれている。
モデルになっているのは黒川紀章の「中銀カプセルタワー」だということはすぐにわかる。そちらは解体されたが、合意形成は大変だったであろうと想像はつく。
この話に出てくるマンションは赤坂駅徒歩すぐという設定で立地が抜群なので、老朽化しても必ず再生されるだろうが、全国には朽ち果てていくしかないマンションが多くあり、この先、深刻な事態になっていくだろう。
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1棟のデザイナーズマンションに翻弄された人々と、そのマンションの建替をめぐる争議の物語。
残された時限爆弾がどうなってしまうのか…気になる…。
Posted by ブクログ
可もなく不可もなく、タイトルから想像したらものと内容にギャップがあった。
登場人物みんなに一癖も二癖もあり、彼ら彼女らにガッツリと共感は出来なかったが、様々な人間模様や他人の思考を垣間見ることができるのは小説の醍醐味。読み進めていくに連れぐいぐいキャラクターが立って歩き出してくれたのは人物像の表現力の高さ故かと。
白黒決着まで付けず謎めいたラストが気に入りました。これが映画であの終わり方だったらモヤモヤしていたかも。
ちょうど私生活で中古マンションの購入を検討しているので、ここまで極端な例はないかと思うが、やはり人生の中で1.2を争う大きな買い物なのだとドギマギしてきました。
Posted by ブクログ
あの、マンションですよね?
マンションの価値感は人それぞれ。
いっそ、50歳以下しか住めないのならわかるけど
終の住処には難しいだろうな
ネチネチとした昔話を持ち出すのは
いかがなものか...だが住宅への執着はさもりなん。
これから中古マンションを買う計画うだが
恐ろしくなってきた。
Posted by ブクログ
有名な建築家が建てたマンションを巡って、様々な人の物語が展開されていく。
終の住処として購入した夫婦や建築家の娘、建築家とともに一緒にこのマンションを建てた男などなど。
それぞれの人生が語られていて面白かったです。
Posted by ブクログ
「おっぱいマンション改修争議」の改題。
旧タイトルの方がインパクトがあって親しみが持てるのになぜ変えてしまったのでしょうか。
デザインに重きを置いた有名建築家のマンションの末路。現実世界でも聞いたように思います。
建築家小宮山が亡くなってからもなお、反抗的な態度を崩さない娘のみどり、一方でそれを静かに見守る小宮山の弟子岸田。住民のおっぱいマンションへのそれぞれの思い、人間模様が交錯し、深い内容となっています。
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おっぱいマンション。中銀カプセルタワーマンションを参考に書いたものと思われる。あれもカプセルを交換してずっと住み続けられるという話だったが、カプセル交換に多額の費用が掛かるので、交換されることもなく、解体されてしまった。それでも何個かのカプセルを移動して保存する動きもあり、芸術なんだろうと思われる。コレに限らず、マンションの解体工事には多くの費用と時間とお金がかかり、今後の課題である事は間違いない。
Posted by ブクログ
原田ひ香さんは元々テレビドラマの脚本を書いていたとインタビュー記事で読み、だからかあ!と納得。いかにもテレビドラマ的な癖のある登場人物たちと、最後の謎と。ただ結局マンションは取り壊されずアスベスト問題は有耶無耶に……という結末は小説的で好みでした。
あと多くの人と同じく私も終の棲家探しをしているなかタイトルに惹かれて手に取ったので、単行本から改題したのは英断でしたね。おっぱいマンションってタイトルはさすがに手が伸びない。
レビュー見てると「終の棲家探しには役立たなかった」「具体的なお金の話は出てこなくて期待外れ」みたいな感想がちらほらあるけど、小説にそんなお役立ち情報期待しちゃだめよ(笑)
Posted by ブクログ
この本のモデルになった建物調べたら、ものすごい不便な家だった。笑笑
誰かのブログのようなものをチェックさせてもらいましたが、冬は冷蔵庫のように寒い、お湯が出ない、水は飲めない、キッチンはない、窓開かない、湿気すごい、火器厳禁。などなど。。、
凄まじい家。
オシャレっちゃオシャレか?
ってなカプセルマンション。
いやいやいやいやいや、これ、小説より酷いじゃんか。って思ったわたしでした。
建築士一級の勉強してるわたしなので、ついつい建築がらみの小説はとても気になる。
なるほどなぁ。
どんな場所にもセンスってあるのよねぇ。
と、思ってしまったょ。
話すセンス、
作るセンス、
飾るセンス、
遊ぶセンス、
楽しむセンス、
どんなもんにもあるのよね。
センスって、磨けるものなのか?
生まれ持ってるもんなのか?
第一話のオッパイマンションがとってもおもしろかった!!!!!!
#原田ヒ香
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#鉄骨造だった!
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#建築士目指してます!
#鉄骨屋
#建築本は気になる
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おしゃれなイメージのデザイナーズマンション、憧れはあるけれど実際住むとどうなんだろうか⁇と思ってしまう。
暮らし難い部分があるのでは…と想像してしまう。
この物語は、有名建築家によるマンションに振り回された人々の心の内を覗いてみたら…というオムニバス形式で5編。
一度購入したら多少の不備はあっても我慢して住み続けるだろうか⁇と考えてしまった?
マンションだと修繕管理費も安くはない金額だし、古くなればなるほど改修工事は必要になる。
だが住民全員とは言わずとも賛否のための会合は度々あるだろうし、なかなか大変なことだと見につまされる内容であった。
Posted by ブクログ
タイトルから思っていた内容と乖離があるかも。
実際に建っていたマンションのことを書いたお話。
カリスマと呼ばれる建築家とその下で働くスタッフ岸田。、大学で教わったことのある市瀬、娘であるみどり、マンションの住人。
いろんな社会問題の提議なのか、老朽化マンションが増えている問題など、考えさせられる
「新陳代謝『メタボリズム)」といっても実際はカプセルが取り替えられることもなく、他の普通のマンションと同じようにデザイナーズマンションも老朽化は避けられない。
ペントハウスをあえて「おっぱい」にした理由がいまいちわからなかった
Posted by ブクログ
原田ひ香さんらしく、いくつかのオムニバスの物語が最後に繋がってくる構成。ただ最後で全てが繋がるような結末の気持ち良さはあまりない。社会問題の提起なのか、人間ドラマなのかちょっと中途半端に終わった感じでした。
Posted by ブクログ
構造がおもしろいだけに、最後まで隠されていた秘密がいまひとつだった気がしてもったいない。
まだ早いとは思うけど、魅力的な終の住処、探しています。
Posted by ブクログ
黒川徽章の中銀カプセルタワービルを思わせる、歴史的デザイナーズマンションにまつわるお話。
小宮山悟朗とその娘 みどり、小宮山に憧れる市瀬、岸田、その住人の話。
問題だらけのマンション。建て替えはどうなるのか、何があって建て替えられないのか興味津々でした。最後はモヤっと終わりました。
素敵な終の住処に住みたいものです。
Posted by ブクログ
まぁおもしろかった。
実際、老朽化したマンションはこれからどうなっていくんだろう(どうしてるんだろう)。欠陥はなくても大変そうだ。
この物語の主人公って誰なのだろう。みどりなのかな。でもあまり登場しないから親しみもなく、岸田も市瀬も登場人物の一人にすぎない。出てくる人たちみんなキャラは濃いし好きな感じではなく、マンションは老朽化したらどうなるのだろうという不安にただ包まれてしまった。
Posted by ブクログ
終の住処として選んだデザイナーズマンションが、老朽化と欠陥住宅だった。
住民それぞれの思惑、建築家の思いなど様々な視点から描かれていく連作短編集。
本当は名誉でも何でもなく隠したい事実もあるけれど、最後は何だかスッキリしないもやもやとしたまま終わった。
ただただこのマンションと小宮山親子に振り回されたままだったような。
Posted by ブクログ
5人ほどの主な登場人物が出てくるのだが、どの人物にも感情移入できない。おかげで俯瞰で観ることができる。
そっか私はこのヘンテコなマンションに住む人種とは隔絶しているのだなと気づく。
章ごとに人物に寄った視点になっているのはさすがだな、と思わせる。そして全く違和感がない。
この作品をハッピーエンドと取る読者は少ないだろう。
海外移住する岸田が自身を小宮山親子から、子どもたちを商社の呪縛から解いた点が唯一の希望と言えるのか。それとも単に世間の非難から逃れるためなのか。
あるいは小宮山親子に対する復讐なのか。
読者がどう捉えるかが作者からの課題なのだろう。
Posted by ブクログ
人それぞれ様々な人生観が描かれていて最後の方はあっという間に読んでしまった。
憧れのマンションが抱える闇、これがいつ暴かれることになるのか‥
続きが出たらまた読んでみたいと思えました。