原田ひ香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
原田さんの原作のテレビドラマが面白くて、この作家さんの作品を読んでみようと思いました。奈津子の従兄弟、博昭の離婚とそれに伴う再婚と妊娠の話を中心に物語は展開されていく。従兄弟の元奥さん佐智子さん、再婚相手の里美、そして奈津子の母、ミツエ。登場人物、一人一人がどこか強めなクセがある。奈津子は、結婚6年、子どもがいない。そしてそのことを祖母から“子どもを作らなきゃ、一人前の大人とは言えないよ“と冷たく言われる。愛人を妊娠させて離婚したというのに何がいい事なのだろうか、奈津子には理解できない。そして里美、里美は努力をすればなんでも思い通りになると信じて生きてきた。そしてこれからもそれは変わらない。博
-
購入済み
三千円の使い方でその人の人生が決まる。
三千円という絶妙な価値はあっという間に使い切ってしまうことも可能であれば、考え抜いて色々なことに使うことも出来る。
そんな話からお金にまつわるそれぞれの家族の話を堪能できる。
解説の内容が一番心を抉ってきます。人は人、自分は自分と思っても経済格差には目をつぶれないのは誰しもそうなんだろうな。
-
購入済み
おもしろく、考える本
3千円の使いかたで、個性、年代、今だからこそ、と読んでいて、共感もたくさん。
考えるいいきっかけにもなるな、と思いました。
何度も読み返したくなる一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ事故物件のロンダリングに関わる人たちの連作群像劇。
フォロワーさん4名の本棚で原田ひ香さんを知り、初めて読みました。
204ページの失踪者探しを生業とする仙道のセリフ、
「失踪はふらっと出て行って、ふらっと帰ってくる。だから騒ぎすぎないこと。帰る場所を残しておくこと」
が印象に残りました。年間8万件近くの捜索願いと、その8割近くが一年以内に見つかるという日本の現状が、このセリフになったのでしょう。
いろいろ勉強になるし、考えさせられる。
この作品を手に取ったのは、表紙・裏表紙の晴れ間の路地の景色に見とれてしまったから。
物語は淡々としていて、その奥に仄かに人情が流れている、そんな -
Posted by ブクログ
「見守り屋」という一風変わった仕事に就いているアラサー女性・犬森祥子を主人公にした連作短編集。
16話の掌編が収められている。
* * * * *
よくできた小説だと思いました。
まず、ランチの描写がいい。実においしそうです。読む者の食欲をそそるに足る端的かつ的確な描写こそ、この作品の華だと思います。
だからこそ、料理・酒ともに描写がボリュームダウンしてしまう2巻 ( 手違いで先に読んだ ) の出来についてはつくづく惜しいように感じられます。
祥子の心情の他、彼女を取り巻く人々の言動等もそれぞれ細やかに描かれており、ヒューマンドラマとしても十分に楽しむことかでき -
購入済み
貧しい家庭で育った私は、
この家の人々はしっかりとお金に対しての
考えを持っていて、少し羨ましくなりました。
でも借金などは無いし、今後の不安を取り除くための
主人公達のようにお金と向き合っていきたいと感じました。