原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ人生オークションとあめよびの二本立て。
オークションって、あいまいなものの価値をすり合わせて売る。まさに個人のオークションでもあるような就職活動が実際のオークションと対比のように書かれています。
叔母の不用品にテキパキ根付けができる主人公なのに、自分の良さを就活で売り込むことができないのです。
こうした主観的評価と客観的評価のハードルの違いは、叔母の身にも起こります。
帯を50万円で買ったことはいつまでも主張するのに、刃傷沙汰の濡れ衣は「そう見られる自分が悪い」と受け入れてしまう。
読んでいくと本当に自分の評価って難しいよね…と思うと同時に、平凡すぎる自分でもどこかにアピールできるものがある -
Posted by ブクログ
ネタバレ今まで読んだことのある、ひ香さんの作品と毛並みが違った。
母親がいない父子家庭に入り込んでは母親役をし、時間が経つといなくなり、また別の父子家庭へと渡り歩く広美。
なんと奇特な人だろう、何者なんだと不思議だった。
途中までは優しい目で見ていたが(読んでいたが)、
広美を母親と信じて育ってきた子どもたち、広美が突然姿を消したことにより捨てられたと傷つく子どもたちが現れたあたりから、
実はこの人は罪深いのではないかという気持ちがムクムク。
大人になっても「母親」を求める子どもたち、その不安定さが気の毒だった。
広美自身の問題が明らかになってもその気持は消えなかったが、
とは言っても、広美のお陰 -
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Posted by ブクログ
原田ひ香さん、ずっと読みたいと思っていた作家さんです。
りさ子のこれまでのいきさつは冒頭で書かれるものの、彼女自身がどういう人物なのかが伝わってこず(地の文が三人称視点かつ客観性高く書かれているからかもしれません)、亮が「この仕事をしているとお客さんの後ろに家族構成や仕事がみえるが、りさこに対しては見えない」というようなことを言ってましたが、読者側としても同じ印象を受けました。
真鍋夫人に反論した時から、グンとりさ子の解像度があがりました。そこから引き込まれるように、亮との居酒屋のシーン、元義父とのシーンはりさ子に感情移入しながら読めました。努力してきたことを鼻息荒く話した後に後悔しているまあ -
Posted by ブクログ
彼女とは誰のことだろう。家計簿はつけようとしたことがあるが、私は3日と続かない。
10年日記は書き続け10年を迎えたのだが、、、。
生きるためのお金、そして家族や仲間との関係がその家計簿には描かれている。それはまるでシングルマザーの里里 への70年前からの大切なメッセージなのかもしれない。
家計簿は五十鈴加寿という女性が戦前からつけていたというものだ。
その家計簿には備考欄に書かれた日記のような独白があった。里里はその家計簿に引き込まれ読み進めるうち、加寿は男と駆け落ち自殺したと聞く自分の祖母ではないかと考え始める。はたして事実は・・・。
転機を迎えた三世代の女たちが家計簿に導かれて、新 -
Posted by ブクログ
ひとりの女性の家計簿を軸に、二人の女性主人公の生き方を描く内容。まず構成がなかなか面白かった。読み手もその家計簿を一緒に読み進める形になっていて、登場人物と同じ体験を追っていくような作りになってる。
全体を通して圧倒的な女性視点の作品で、ベクデルテストを性別を入れ替えて考えてみると、登場人物のほとんどが女性で、男性がほとんど出てこない。ジェンダー的にも完全に女性寄りの作品だった。
一人で生き抜こうとする、仕事を愛する女性たちへの応援歌でもあり、ラストで明かされる仕掛けも、仕事が女性にとってどれだけ大きな意味を持つのかに繋がっている。女性讃歌でもあり、シスターフッドの物語でもあると思う。それ