原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ラプンツェル商店街にある「ル・ジュール」。見た目は喫茶店。
朝はモーニング。食パンがおいしい。
昼はランチとして讃岐うどん。
夜はスナックに。
知らない人からしたら、訳がわからんお店なんだろうが、商店街の昔馴染みの客たちは、このお店の事情を知っている。
朝は大学院生の三女、朝日。昼は結婚して2人の保育園児を育てる次女、まひる。そして夜のスナックは長女の夜月。
ちまたでは、「三人屋」と読んでいる。
各章は、その店に訪れるお客や商店街の馴染みなど男たちがその三人屋の女たちとの関わりながら自分の人生を振り替えるのだが、必ず三人屋の誰かの影響を受けていたり、逆に影響を与えていたり、三人屋のお店の歴史や商店街が時代とともに変化してきた様子も分かる。
だから、読みごたえがある。
ただの、商店街の食べ物屋さんで起こるお客さんとの出来事、とかではない。
あと、原田ひ香さんの小説に登場するの男性って、もう全員アカンやん!って思ってしまう。アカン人たちであることは商店街の人たちはみんな知ってる。もちろん三人屋の女たちも。でも、アカン部分もいっぱいあるのをまるごと受け入れてる。まさに人情。昭和の風景、と思ってしまう。(今も残ってるかもしれないが)
いや~、しかし、長女の夜月さん、なかなかすごい人生歩んでるな。ドロドロさも感じさせる。これがメインできたら、たぶん私は読めないと思うけど、次女のまひるさんのことは応援したい!!
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Posted by ブクログ
離婚をきっかけに居場所を失った女性・りさ子が、事故物件に一定期間住む“ロンダリング”という仕事を通して、東京の片隅で生き直していく物語。
事故物件という特殊な題材でありながら、印象に残ったのは怖さではなく、東京という街に流れる孤独の濃さだった。人は大勢いるのに、誰かの人生には簡単に踏み込めない。その距離感が、冷たさにも優しさにもなるところが、この作品の深さだと思う。
“ロンダリング”という仕事も、ただ部屋を浄化するだけではなく、人の過去や痛みと適切な距離で向き合う仕事として描かれているように感じた。働くことが生活を立て直し、生活が少しずつ心を立て直していく。その静かな積み重ねがとても良かった。
劇的な出来事で人が変わるのではなく、誰かと近づきすぎず、離れすぎずに関わることで、少しずつ再生していく。読み終えたあと、東京の冷たい夜景の中に、小さな灯りを見つけたような温かさが残る一冊だった。