原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレタイトルの通り、母親から送られてくる小包をテーマにした6つのお話。
本当の母親から送られる小包だけでなく、まるで田舎の母親から送られたような小包を送る農家の話や毎年送られてくる昆布の小包などどれもほんわかとするような暖かいお話だった。
個人的には母親から送られてきた小包だと偽る話が印象的だったかなー。本当のことはなしちゃいなよ!と読みながら何度思ったことか。
あとは最後の男性不審な主人公と再婚した母親とそのお相手の話も印象に残ってる。主人公の弓香の気持ちがよくわかってしまう。たぶん、同じ立場だったら私もそう思ったりそういう行動をとってしまうかもと思った。実の父の不倫により両親が離婚し、母親と二 -
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ランチ飯シリーズ。この前3から見たのに1じゃなくて2の方から読んでしまった!
けれど、問題なく楽しめた。今回はがっつり食べる系のランチが多かったけれど、とても描写が美味しそうだし、主人公のご飯とお酒を真剣に楽しんで食べてる姿が良かった。
特に1番最初のお話の焼き鳥丼。とっても食べたい。
この本の中で、がん宣告を受けた女性作家の言葉が
とても心に残りました。
「なんでもそう。ね?あなたは、きっと今、ここにあるものは、あなたの手の中にあるものは、いつまでもここにあるって思ってる。けど、違う。それを楽しめるのは本当にごくわずかな時間だけなのよ?」
今ある時間や環境は、永遠のものではなくいつでも覆 -
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原田先生の作品はこれで5冊目。
原田先生のお話はラストでトントン拍子に上手くいく事が多くて、ちょっとあり得ないなと思っていたので、こういうビターな話がすごく新鮮で面白かった(生意気言ってすみません)。
嫁からしたら前夫の母親(前姑)と現夫が仲良くしてたら嫌でしょう。その上、仕事は激務だし意地悪な部下(元先輩)だけでなく前夫の不倫相手まで出てきたら頭おかしくなるって。冴子、お前マジで何なん?
確かに、パートナーと死別して独身を貫く人は美談にされて早々に再婚した人は軽んじられる傾向があるな。当の本人達の問題なのに、周りが無責任にあれこれ言う所が良くないよな。
瞳の回想で少女時代の話が出てき -
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ネタバレタイトル通り、三人姉妹が朝、昼、夜の時間帯で別々の品を出すお店の話。
朝は三女の朝日、昼は次女のまひる、夜は長女の夜月という様に時間と名前が一致してるのも素敵!
読み始める前の想像では、仲良しの姉妹たちが協力して営んでいるお店で食べ物の暖かい力でお客さんの悩みを解決していくようなグルメ小説かと思っていましたが
姉妹たちは不仲だし、どちらかと言うと店のお客さんの物語を織り交ぜて話が進んでいくのも予想外で面白かったです。
最初の印象では若くて美しく元気な女子大生!という感じの朝日ちゃんも、話が進むにつれて家族にしか見せないドライな面が出てきたりするのがリアルでした。
酉一さんが靖子さんと無言で -
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天涯孤独な桐子さん(善人)が犯罪を企てるお話。
トモと暮らした幸せな時間がとても切ない。
読んでて無性に泣けてきた。
展開は「ミチルさん、今日も上機嫌」にとても似ている。他人の事なんて構っている余裕なんてないのに面倒事に巻き込まれ、人助けしてるうちに新しい交友関係が生まれ、巡り巡って幸せが訪れる。
人生そんなにうまくいかない。現実じゃ真面目に生きててもちゃんと評価してもらえない事ばかりだし、久遠さんも海野さんも雪菜ちゃんもいない。
もしも私が桐子さんだったら冒頭の泥棒のくだり辺りで物語が終わりだろう。
そして、桐子さんみたいに真面目に生きてきた人が生活に困窮して犯罪者になるのは嫌だと