原田ひ香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2017年出版。280ページ。元クラスメイト男子がやっている「深夜の見守り屋」の唯一の社員として働く、バツイチの女性が主人公。お客様の元・各所に赴きながら、その場近郊で「仕事上がり(徹夜明け)のランチで酒も飲む」。特に大きなストーリーは無く、ある意味淡々と過ごす日常。訳あって元夫のもとで暮らす小2の娘と、月に一度だけ会う。
ごく平均的な人、とは言えないが、とても劇的とも言えない設定の人物達が織り成す物語。
やっぱり飲み食いのお話は、読んでいてワクワクする。かと言ってグルメ的な突っ込みは深過ぎす、退屈するほどに浅すぎもせず。
強いインパクトは無いけど、読後感はハンナりと暖か。 -
Posted by ブクログ
復讐物が好物なので手に取ったが、全くドロドロでもスカッとでもなく、どちらかと言えばほのぼの系?【復讐するは我にあり】復讐しないことが真の幸福に繋がる。確かに、眠れないほど憎いことも辛いこともたるけれど、それ自体をすっかり忘れて自分が幸せになれるのが1番良い。復讐するほど憎い人や出来事を忘れるまでな辛いけど。全てを手放した時復讐は完了。
自分は根に持つタイプで嫌いな人を一生恨んでやる〜呪ってやる〜と思って生きてきたが、改めて振り返るとあの時は何を恨んでいたのか今となっては何もかもすっかり忘れている。忘れたってことは復讐完了。良かった良かった。
主人公の言動には余計なひと言が多くハラハラしたが最後 -
Posted by ブクログ
ネタバレ何かにつまずいたり悩みを抱えている登場人物に対してオススメの本や美味しい料理を絡めて道を照らすという内容。処方箋のような飛び切りの選書と湯気や匂いを感じさせるような美味しそうな描写の料理に登場人物たち同様にメンタルもお腹も満たされていく気がした。
著者も大学時代に学んだという古典文学など文化の継承とか「三千円の使い方」の著者らしいファイヤーを目論む青年との会話、本好きにはたまらない神保町の有名店と作家とのうんちくなど読みどころも満載である。
そして、物語は亡くなった慈郎兄(大叔父)の想い人の真実がわかり、主人公2人の女性の抱えていた思いも… -
Posted by ブクログ
一穂ミチ目当てで手にとる。あと巻末の山田詠美のエッセイ 「恩讐の彼方のトマトサラダ」も。
さすが山田詠美!この短い短いエッセイの中にユーモアの中にちゃんと彼女らしい美学が語られている。
今まで振られたことはないって、「男と別れるのは、相手が逮捕されるか、強制送還されるか、死ぬか、のどれかなんで」ってすごい。
原田ひ香の小説、(夏のカレー)初めて読んだけどこの60歳過ぎたしーちゃんと冴子の好き同士だったのに結婚には至らず40年にも渡る出会いから邂逅を経て別れまで(冴子の死)せつないラブストーリーだった。
恋、片思い、両思い、愛、婚約、浮気、裏切り、不倫、
恋愛に関することは”結婚”以外全部(冴子