あらすじ
夕食会を開く週末、傷ついた小鳥を看病した嵐の夜、日々の何気ない会話。共同購入した蔦のからまる赤いレンガの一軒家は、ともに子どものいない若い二組の夫婦にとって幸せの象徴のはずだった。だが、名も知らぬ若い女の訪問がいつのまにか潜んでいた四人の微妙な変化を浮かび上がらせていく。「群像」掲載時に話題となった作品をいきなり&いち早く文庫化。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
ここからこうなるのかな、という展開の予想を、ある意味裏切るようなストーリーで。でも、裏切ってくれたからこその読後の爽やかさがありました。
友人夫婦とのシェアハウス、ありそうでない設定がオモロー。
Posted by ブクログ
深みのある物語だった
人と人
家族、友達
考え方や 捉え方
思いやりの形
気持ちの変化
ひとつひとつが 染みた
難しいよね
何でも言えるのが良いわけでも
おもんぱかって 考えすぎても
タイミングによっては
難しい
タイミング…より もっと違う
距離感…
他者との
心のすり合わせ…
つもり積もる 小さな棘が
優しい言葉の中にも
見え隠れする
気づいてるけど
気づきたくない
見たくない
優しさが 愛情が 根底にあるから
苦しんだんだろう
そのもがきが…
哀しみだけに思えるけれど
きっと これは再生の物語。
なんだと 思う
人生にとって なにが一番に大切なのか
その言葉が
頭に残った
Posted by ブクログ
各々の微妙な価値観のズレが最後には決定的な亀裂となってバラバラになるのが読んでいてしんどかった。しかし、その絶妙な心理描写が非常にうまい。後味の悪い終わり方だが、もしあのまま何かを誤魔化しながらアイビーハウスに住み続ける結末だったらもっと恐ろしかっただろう。価値観の多様化が進みつつあった平成後半の時代を的確に表現した作品だと思う。十年後に読んだらまた感想が変わるかもしれない。
Posted by ブクログ
いつもこの作家さんの本を読み始める時に、はらはらする。あらすじを見ても、自分の好みではない題材を取り扱っているように見えるから。
アイビーハウスと呼ばれる家で暮らす2組の夫婦の物語と言うと簡単なのだけれども、4人のパワーバランスと言うか、絶妙なかみ合わなさはそれだけで面白い。
1場で出来る舞台になりそう。それはソレで見てみたい。
Posted by ブクログ
大学の同級生とその妻のカップル2組が、二世帯住宅を買いシェアハウスをするというお話。
自分らしい生き方をする為に、経済(仕事)に捉われず好きな事、夫婦や友達と過ごす時間を大切にするという主旨。
順調にスタートしたその暮らしは、5年を過ぎた頃から歪みが出てくる。
エコノミックアニマルと言われた昭和の日本を肯定する隆と、失われた20年、経済は停滞し成長が無くなった現在を肯定する一樹。
隆より年上で子どもを産めない,産まないコンプレックス、その事に引け目を感じ夫の浮気を疑る薫、喫茶店でウェイトレスをやる事にやりがいを感じ、いつも冷静で達観しているが、実は保守的で子どもを産むことや一樹の仕事の安定を求めている未世子。
お互いの打算の上にうまく行っていた生活は、隆の行動から破綻に向かって行く。
アイビーハウスという蔦の絡まる家に憧れて暮らし始めたが、実は蔦は酸を出していて家をダメにしていく。
自分達の暮らしと重ね合わせこれからの来し方を考えさせる良品です。、
Posted by ブクログ
子どものいない若い夫婦2組が、二世帯住宅で共同生活を送り始めて5年。謎の女性が登場したことを皮切りに、4人はだんだんとすれ違い始め…。
誰に感情移入し、誰に嫌な感じを抱くかは読者次第。個人的には隆が嫌かなー…と思いきや、途中からは一樹がすごく嫌になってしまった。ただ、最後はほんのりと希望を感じさせるかのような作りなのが良かった。
Posted by ブクログ
激務に疲れてセミリタイア的な生活を送る男性、その妻と友達とその妻。ちゃんと作ったご飯を美味しく食べる生活。忙しい現代を生きる等身大の姿を食べ物を交えながらリアルに描いた作品。
Posted by ブクログ
一緒に住んだ時間が
長いのか・・・
短いのか・・・
そして、バラバラになってしまった事が
良かったのか・・・
悪かったのか・・・
これから先の方が長い人生だからなあ
Posted by ブクログ
二組の知り合いのカップルが、同居するアイビーハウス。最初のうちは上手くいっていたが、だんだんと合わなくなっているのに気付いた。夫婦2人でもケンカなどするのに、二組のカップルでの生活なんてとても大変であると思う。
Posted by ブクログ
夫婦2組が同居するって、普通に考えて難しそう。そんな心配をよそに、最初は夫婦で一緒にご飯食べたり、こんな環境も良いな〜と思って読み進めるうちにそれぞれの価値観が離れていってやっぱりか、、という感じ。
ところで、アイビーハウスを訪れた女性は一体何者だったのか、、、
Posted by ブクログ
学生時代みんな一律であったものが、それぞれのステージで多様性を持ち変化していくことは、当然のこと。こんなはずじゃなかったと、自分の型に相手を当てはめようと変えることなんてできないんですよね。自己のアイデンティティのみを振りかざしても、空振りするだけです。
4人の関係性について、一旦離れたところであらためて、互いを認め合う次のステップがあってほしいなあと思います。
Posted by ブクログ
ある一軒家で同居する二組の夫婦の話。
よくわからないところもあって、三千円の使いかたと比べると少し物足りなさを感じた。
大人の悩みなどの心情はよく描かれているように感じた。
Posted by ブクログ
価値観が同じ、共感できる、と思っても全てが同じという事はない。些細な違いがストレスとなり、自らを締め付けてしまう。そんな事を日常会話から描き出しているお話だった。
絡みつき、生い茂った蔦を剪定することはできるのだろうか。
Posted by ブクログ
面白かった!
読みやすくはないけど、面白かった!
ドラマにしたら、もっとテンポ良くわかりやすくなるかも。
水餃子でブチ切れたシーンがよかった。
そこで確実にみんなの価値観の違いが露呈した。
価値観が変わる、当然のことだけど、
完璧だと思っていたライフプランが狂う苦しさが身にしみた。
人生を決めつけるのは早すぎたのかも。
ちょいちょい買い物での金額や、
食へのこだわりが、妙なリアリティをもって
人物をより立体的に描いていた。
最後、結局どうなっていくのかな、、、
Posted by ブクログ
うまくいっているようで、だんだんほつれが出てくる。ただ、それは誰もが気付いていないふりをしているだけで前から存在していたもの。
人間関係においてよくあることだけれど、シェアハウスという形で2組の夫婦を通して描かれる様子は面白かった。
Posted by ブクログ
2組の夫婦が二世帯住宅で暮らして5年が経ち、徐々にそれぞれの価値観のズレが生じていく。4人誰の立ち位置からも寄り添うことはできなかったけどやはりこのままずっと暮らしていくのは難しく、同居解消は致し方ないと思った。料理が得意の旦那さんは羨ましいけどこだわりが強く、大変そう。家が町田という設定に親近感湧くけど著者は町田出身なのだろうか?
Posted by ブクログ
すぐに本の世界に入っていけた。ありそうでなさそうな世界で、この2つの夫婦がどんな風になるのかを追うのが面白かった。1番大切にしたい物を守りたいと思えば思うほど、それに囚われすぎて自然体でいられなくなるのは、何となくわかる気がする。大切なものと、やりたい事のバランスは難しい…と思ったのでした。2017/3/18完読
Posted by ブクログ
夫婦でも怪しいのに他夫婦と暮らすというのはもっと大変だろうなと。其々こだわりが強ければ強いほどめんどくさくなる。またそれを良きものとしてやんわりでも押し付けたり、そうすればいいのにと思いながら共に生活なんてストレスしか残らんよなー。そんな結末。
Posted by ブクログ
蔦のからんだ一軒家を、シェアして住んでいる二組の夫婦。ある日素性の知れない女性が片方の夫を訪ねてやってきたときから、穏やかなその共同生活が少しずつ変化を帯びてくる...
あくまで共同生活の変化は、女性の訪問によるものという流れでしたが、もともとこの共同生活には無理がかなりあったのではと思わされました。
あまりにも価値観の違う4人が、それでも共同生活を行ってこれたのは、そういう暮らしを行っている自分たちが素晴らしい、という自意識があったからではと思うのですね。
そして年数が経つにつれ、だんだんと価値観の違いがストレスを生んでいき、今まで見過ごしていた些細なことも、気になっていく。...というとなんだか倦怠期の夫婦のありさまみたいですが、まあ実際、家族を含めて生活というのはある程度の諦観と見逃しとともに営んでいかなければ、やっていけない(だろうと)。そのうえで、一緒にいるメリット、それは主に愛情でできているんでしょう、がつねに勝っていなければ難しいんだろうなあと。他人である時点でいくら親しい仲であろうと、価値観の違いは生活に支障をきたすだろうなと、あらためて思ったのでした。
登場する料理はどれもおいしそうで素敵でした…
Posted by ブクログ
うーん、ひ香さんファンですが、正直これはあんまり
好きではないかも。。
一体なんだったんだ・・・って話。
人は年月とともに変わるのでしょうがなくね?
Posted by ブクログ
原田ひ香の本だから、ということで読んだ。悪くはないが、期待していたほどでもなかった。
思うに、登場人物が個性的すぎる。薫は普通だが、未世子は特別によく分からない人物だった。幾つも資格を持ち、おそらく有能なのに、ウェイトレスのアルバイトが大好きで、他方で夫には稼ぐ力を求めている。そして、寡黙だけど注意深い。一緒にいると疲れそうだが、それはともかく、結局彼女は何をどうしたいのか分からなかった。
ストーリーも、流れとしては素直に楽しめるのだが、アイビー・ハウスに訪ねてきた謎の女や隆の不審な挙動など、思わせぶりなことが書かれていながら、最後までよく分からないまま放置されていて、わざとそうしているのだろうが、結局、話を盛り上げるためのネタだったのか思わざるを得なかった。
気軽に読めるし、暇つぶしには十分楽しいのだが。