原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ『百万円分の無駄』 新津きよみ
『一生遊んで暮らせる方法』 原田ひ香
『12万円わんこ』 大崎 梢
『廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?』 永嶋恵美
『わらしべ長者のつくりかた』 福田和代
『塾に行かない子どものための五つのクリンプス』 図子 慧
『二千万円の差額』 松村比呂美
「アミの会」のアンソロジーです。久々です。
お金がらみのお話を集めたもので、原田ひ香のヒットにあやかったのかな。
どれも面白かったんですが、『廃課金兵は買い物依存症の夢を見るか?』 が
一番好きです。映像で観たいと思ってしまった。シスターフッドってヤツ?
転売ヤーに転落しようとしている買い物依存症の友人を救おうとする「廃課金兵」。
会話のテンポが心地よく読後感も最高で、他の作品も読んでみたくなりました。
オススメです。 -
Posted by ブクログ
「ラジオ、ブンガク、ロック」
タイトルに自分の好きな物を並べてみた。
この三つには共通項があるように感じられる。
自分の好きな物が大衆的に受け入れられるのを望む一方で、特殊な自分の嗜好を誇ってしまうやや拗くれた自意識がある気がする。
「分かられたいけど、分かって欲しくない」みたいな。
そんな面倒くさい自分であるから、世間に強い不満を持っていてもそれを表明することができない。
だから、「昔の相方」にテレビでディスりにも似たいじりをされて落ち込んでしまったりとか。自らが主犯でいじめをしているのに「みんながしているいじめを止められなくって」とラジオ番組で相談してしまうような生徒に対して涙目でやっと糾弾するのは実によく分かった。
伊集院光はそういう気質のことを「被害妄想の誇大妄想」と云っていたっけ。
かつて道を踏み外した伊集院がビートたけしのANNに救われたように、今の自分も「深夜の馬鹿力」に深く癒やされていたりする。
うまく行かない人生だが、愛すべき面倒な人間たちに幸多かれと思う。 -
ネタバレ 購入済み
手元に置いておきたい作品でした
たまたま見かけた本ですが、気付けば自分の境遇と重ね合わせて読んでいました。誰にでも当てはまる状況、心情が要所要所にありました。そして最後には自分の生き方や考え方は決して間違ったものではない、むしろ前向きに捉えて良いのかなと思えてきました。不思議ですねー
一見この物語には大きな盛り上がりがないと思えましたが、思い返すと自分の人生に当てはまる事が多くてそれを盛り上がりとせずになんと言うか?と思いました。お金の事や人間関係や自分の醜さに悩んだ時(この先人生に何度あることか)にふと思い出しては読み返したくなる作品だと思います。 -
Posted by ブクログ
『ランチ酒』シリーズ3作目。16話からなる連作短編集で、見守り屋・犬森祥子と彼女に関わる人々を描くグルメ・ヒューマンドラマ。
各話の連番が第1酒~第16酒となっていることからもわかるとおり、祥子が夜勤明けにランチとともに楽しむ酒が見せ場のひとつである。
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本作は3作中で最もよいできでした。
まずは、祥子が仕事で関わる人々の持つ物語。
深みのあるものが多く、見守り屋に依頼せざるを得ない事情も納得のいくものでした。何より新藤剛志のような底の浅い人間が出てこないのはよかった。
次に祥子の物語。
元夫や愛娘・明里との関係が少しずつ整理されていくし、明里の成長も好もしい。
また角谷との恋愛模様も波乱を匂わせつつ進展を見せています。そして見守り屋に見切りをつけ新生活に踏み出すという祥子の選択には、つい心配してしまいます。
ハッピーエンドまでいかないところも却ってよかった。
最後にランチ酒。
実においしそう。料理だけでなく、酒類の描写も完璧と言ってよい。獺祭に尾瀬の雪どけ。キングフィッシャーやビアスタンドのビール。ああたまらない! 祥子の健啖家ぶりにも満足です。
原田さん、どうもごちそうさまでした。 -
購入済み
とても 読みやすい
登場人物それぞれに共感しながら、自分の金銭感覚や生活について 改めて考えさせられる小説でした。これからの生き方にも影響しそう。読んで良かったです。
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購入済み
続きが気になる!
「東京ロンダリング」に続く事故物件を扱う相場不動産とそこに纏わる人々を描いた社会派ミステリーです。
仙道、町田、相場社長やまあちゃんが、今後ジャパン地所を中核とする黒幕にどう立ち向かっていくのかとても気になります。
第三弾が必ずあるはずと信じているので、作者の原田先生に早く続編をお願いしたいです。
本作の中で一番頭に残ったのは、人が居るとその中の一定数は失踪するというところです。アリの集団では必ず一定数が怠け、働きもののアリばかりを集めても、その中の一定数は必ず怠けると言うのと同様に、失踪も人間社会のバランスを保つための必要悪だと説明されます。そして大切なのはひょっこり出てこれるように、大騒ぎし過ぎない事だそうです。なるほどなあと思いました。マスコミで報道されないので知らないだけですが、意外に失踪は多いのかもしれません。 -
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「おそれいりましてございます」
近所の定食屋に新しく入った店員は広美といった。
長距離トラックドライバーで、妻をがんでなくしたばかりの健介はまだ30代。
小さい3人の子どもたちと暮らしている。
こんなハンバーグを、子どもたちに食べさせてやりたい。
健介の何気ない一言をきっかけに、広美は子どもたちの面倒を見るようになる。そして生活を共にするように。それもごく自然な形で。
そして時がたち、生活が落ち着いた頃、彼女は風のようにいなくなっていった。
10数年がたった東京郊外のスナック。
そこに恋人の祐理が通いつめていることを知った大学生のあおいは、祐理を問いただす。
真面目で成績優秀な祐理がそこに通うのには、深い理由があった。
広美が歩んできた「家族たち」との時間と、祐理とあおいが学生時代を過ごす現代を交錯しながら、物語は進んでいく。
様々な事情から、「母がいない家庭」を渡り歩き、全身全霊で尽くしぬいた後、静かに去っていく広美。
彼女がそんな人生を歩まずにいられなかったのにも、深い理由があった。
子どもに会えない母もいる。
子どものいない母もいる。
血のつながらない母もいる。
ただ、目の前にいる子どもに、なりふりかまわず尽くしていくのが母の愛情。
その心は大空よりも広く、大海よりも深い。
人のために明かりを灯せば、自分の前が明るくなる。
さりげなくて深い、母の愛の物語。 -
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主人公 松尾純一郎の物語の中に喫茶店の紹介もあって、楽しく読んだ。
純一郎は人柄は悪くない、むしろ良い人だと思うが、思慮深くないというか、悩みからの切り替えが早いというか・・・やっぱりあなたは何もわかっていないのねと言われてしまいそうな人物である。元を含む家族や友人・同僚など周りの人は、やれやれと思いながらも、彼を嫌っている人は誰もいないと思う。
いろいろあったが、人のつながりを残しつつ、自分だけの自由な生き方を見つけられてよかった。
物語中の喫茶店は、きっとあの店!や、この店に行ったことあるかも!や、今度行ってみたい!など楽しさが広がった。