原田ひ香のレビュー一覧
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購入済み
とても 読みやすい
登場人物それぞれに共感しながら、自分の金銭感覚や生活について 改めて考えさせられる小説でした。これからの生き方にも影響しそう。読んで良かったです。
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購入済み
続きが気になる!
「東京ロンダリング」に続く事故物件を扱う相場不動産とそこに纏わる人々を描いた社会派ミステリーです。
仙道、町田、相場社長やまあちゃんが、今後ジャパン地所を中核とする黒幕にどう立ち向かっていくのかとても気になります。
第三弾が必ずあるはずと信じているので、作者の原田先生に早く続編をお願いしたいです。
本作の中で一番頭に残ったのは、人が居るとその中の一定数は失踪するというところです。アリの集団では必ず一定数が怠け、働きもののアリばかりを集めても、その中の一定数は必ず怠けると言うのと同様に、失踪も人間社会のバランスを保つための必要悪だと説明されます。そして大切なのはひょっこり出てこれるよ -
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「おそれいりましてございます」
近所の定食屋に新しく入った店員は広美といった。
長距離トラックドライバーで、妻をがんでなくしたばかりの健介はまだ30代。
小さい3人の子どもたちと暮らしている。
こんなハンバーグを、子どもたちに食べさせてやりたい。
健介の何気ない一言をきっかけに、広美は子どもたちの面倒を見るようになる。そして生活を共にするように。それもごく自然な形で。
そして時がたち、生活が落ち着いた頃、彼女は風のようにいなくなっていった。
10数年がたった東京郊外のスナック。
そこに恋人の祐理が通いつめていることを知った大学生のあおいは、祐理を問いただす。
真面目で成績優 -
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総務課へ呼び出された『田中』は、同期の『皆川』と連絡が付かなくなっていると聞かされる。失踪者の調査をする男と共に部屋を見に行くことにななった田中だったが、実は皆川からある事実を告げられていた。
不動産ロンダリングを軸とした連続短編集。
タイトルにもある通り失踪をあつかった話が多いですが、主軸は不動産ロンダリングの方でしょう。何らかの理由で住んでいた人が死んだ部屋を事故物件と言い、次の入居者には告知しなければならない。ですが、その次の入居者にはこちらから告げる必要はないというのを逆手に取り、専門の人間に日当を払い一ヵ月ほど住んでもらう。事故物件は家賃が安くなる場合があるので、気にしない人はお -
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「東京ロンダリング」の続編、というより、初めて書いたという作者の「あとがき」によれば、前作はゼロ地点、こちらが始まりの1、ということになるらしい。
初めの方の短編は、あれ?という終わり方で、後に繋がってくるのかと思いきや、そうでもなく、次第に懐かしいりさ子さんや亮さん、まあちゃん、相場社長たちの、その後が描かれていて、まあちゃんがとても愛おしくなりました。
この辺りの絡みは面白く読めました。
ここでのもう一つの要素、失踪については、失踪者を探す会社を立ち上げた仙道と、その仲間のことが絡んでくるのですが、そのあたりも面白かった。これも東京という大都会に潜む現象なのですね。
確かに、続編がまだ読み -
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ネタバレ初めての作家さん。
復讐屋なのに復讐しなくて思ってたのとちょっと違ったけど面白かった。
私も以前、あることで「絶っっ対に復讐してやる‼︎幸せになんかしてやらない‼︎」って腹わた煮えくり返ってた時期があったから()、酷い目に遭って復讐したいと考える登場人物たちの気持ちはまぁわかる…
でも怒りのエネルギーなんて大して長続きするはずもなく結局何も行動しないまま時が経ち、今はもう「あんなことのために自分が手を汚すのなんて馬鹿らしい」と思えるようになった。変な事を起こして両親を悲しませるのも嫌だったし…
復讐しないことが復讐になる、というか幸せでいられるという成海の言い分は、怒り心頭だった当時だった -
Posted by ブクログ
「復讐するは我にあり」
凄腕の復讐屋の話。どんな物騒な話なのかと思いきや、そんなんで商売やっていけるんだ~。一種の詐欺じゃね??と(笑)
まー、依頼者が満足しているなら、いいのか…。
実際問題、こちらが望むようにそううまく事が運ぶか?と疑問もあるが。
最後、美菜代の相手の男、陣内と美菜代をバカにした相手の女に、大きな不幸が降りかかればいいのに、と思ったけど、そういう男と結婚したことこそが不幸だし、陣内も結婚して子どもも産まれるのに女に誘われてほいほいホテルへ行くなんて、そのうち化けの皮が剝がれるんだろうな。
裏切りは自分に返ってくる。誠実に生きなきゃね。