原田ひ香のレビュー一覧
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寺地はるなさんの「小曽根幸子の送別会」が圧巻。
小曽根さん以外の登場人物3人の視点から、それぞれの “小曽根像”が描かれていて、中でも秋川の無礼さ、お門違いな考え方、小曽根さんを終始下に見る尊大な態度には読みながら本当に腹が立った。でも、こんな男性が全員ではないといえ一定数存在するのだと思うと実社会への暗澹とした気持ちが立ち込める。
社会と自分の価値観のズレに気づけないのもまた、自覚のあるなしに苦しいことなのだろうなと思う。
私は小曽根さんがかっこいいと思ったし、私もきっと同じことをするだろうなって感じたシーンもあった。
一番印象に残った話だった。
他の作品も切り口が斬新で、読んでいて学び -
Posted by ブクログ
ラプンツェル商店街にある「ル・ジュール」。見た目は喫茶店。
朝はモーニング。食パンがおいしい。
昼はランチとして讃岐うどん。
夜はスナックに。
知らない人からしたら、訳がわからんお店なんだろうが、商店街の昔馴染みの客たちは、このお店の事情を知っている。
朝は大学院生の三女、朝日。昼は結婚して2人の保育園児を育てる次女、まひる。そして夜のスナックは長女の夜月。
ちまたでは、「三人屋」と読んでいる。
各章は、その店に訪れるお客や商店街の馴染みなど男たちがその三人屋の女たちとの関わりながら自分の人生を振り替えるのだが、必ず三人屋の誰かの影響を受けていたり、逆に影響を与えていたり、三人屋のお店の歴 -
Posted by ブクログ
豪華執筆陣にワクワクして購入し、期待通りの素晴らしいアンソロジーだった。
どのお話にも違った良さがあってどれが1番好きか決めきれないが、今いちばん思い出すのは金原ひとみの『ラストサパーフォーエバー』。
彼氏と別れて死にたいくらいつらいクズハの元に女友達3人が最後の晩餐に食べたいものを持ち寄る。死にたいクズハ本人ではなくその友人たちが選んだものなので理性が働いていて面白い。特に未来のことを心配しなくて良いから痛風鍋、という選択肢はあまりにも理性。自分にはその視点と選択肢が存在してなかったのですごく良いなと思った。本能のままに手を伸ばし食べまくる描写に活力が湧いてくる。