原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ流転する、イニシャル入りのブランド財布。
原田ひ香らしい「生活感覚の文学」。
これは小説の話ではなく、明日起きても不思議ではない話だった。
お金は、人を救いもするし、追い詰めもする。
だが、お金そのものが人を不幸にするわけではない。
本作では、「お金があれば幸せになれる」という幻想も、「お金がすべてを壊す」という極論も、どちらも採用されていない。
この小説は、「お金の話」に見せかけて、実は
・自己決定から逃げる人間
・選択の責任を外部(お金・社会・運)に預ける人間
を描いているとも読める。
財布が踊るのではなく、踊らせているのは人間の不安なのだ、と。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ定食屋「雑」のご飯が美味しそうで、コロッケ、唐揚げ、ぬかづけetc、食べてみたいなぁと思いながら読み進めました。美味しそうな小説ランキングでも上位に入りそうです。
私はお酒を飲まないので、居酒屋には縁がないのですが、ここは居酒屋ではなく定食屋というところが私にとって敷居が低くて余計に行ってみたくなりますね。
定食屋を通じて描かれる各々の人生も興味深く、しみじみ味わっていたのですが、唯一、肝心な沙也加のキャラクターが最後まで掴みきれなかったです。冒頭、夫に対して自分の価値観を一方的に押しつける無神経さがあったはずなのに、雑で働き始めたときには図々しさもありつつ、何やら機微が分かる大人に見える場 -
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シリーズの続編
そしてこれで完結なのだろうか?
最初はラプンツェル商店街の豆腐屋の親父 古屋と同棲しているゲイの若い子
そろそろ紅顔でもなくなり、古屋から飽きられているという疑いを持っている
夜月の依頼でスナックのヘルプに入り、ズルズルとバイトを続けることに
格安携帯ショップでワンオペで働く望月
まひるの子のスマホの契約変更で来店した事をきっかけにお昼を食べる仲、そして男女の仲になる
そこで、大輔と理人に呼び出され……
望月ぃ……
そこは言葉通りに受け入れちゃいけないでしょ
私の元妻は年上の子連れシングルマザーだったけど、付き合おうと思った時点で結婚は考えてたよ
うーん、でもまぁ年齢に -
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姉妹三人それぞれが朝昼晩と違う飲食店を開いているお話
ラプンツェル商店街にある喫茶店の「ル・ジュール」
「ル・ジュール」とは、フランス語で「一日」の意味
朝は三女の朝日が美味しいコヒーと焼き立てパンのモーニング
昼は次女のまひるが讃岐うどん
夜は長女の夜月がスナックで、締めに炊きたてのご飯を出す
三人はわだかまりがあるようで……
喫茶店は両親が営んでいたもので、両親が亡くなたものの、店を売りたくないとの想い
父は昔、地方のオーケストラのメンバーでフルートを吹いていた
一度だけオケのレコードが発売されたという
父の思い出のため、そのレコードを探す長女と次女
タイトルの意味としては、姉妹たち -
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一橋桐子さんシリーズ!
前作は面白かったことは覚えていますが内容は…
でも今作も楽しめました!
参考文献に、三五館シンシャの『ケアマネジャーはらはら日記』と『マンション管理人オロオロ日記』があったのが嬉しかったです。笑
ひ香さんも日記シリーズ読んだんだ!と思って喜びました。
住人も家自体も寂しい団地というのは全国にありそうですね。
そんな団地の管理人に、このプライバシーが大事にされる時代に就任するのは大変でしょうね。
でも桐子さんのコミュ力とお掃除力、若い雪菜の若さと行動力で敵の懐に入り込んで行きます。
現実はこんなに上手くいかないかもしれないですが、女性2人でも、しかも若くても年配でも -
Posted by ブクログ
深みのある物語だった
人と人
家族、友達
考え方や 捉え方
思いやりの形
気持ちの変化
ひとつひとつが 染みた
難しいよね
何でも言えるのが良いわけでも
おもんぱかって 考えすぎても
タイミングによっては
難しい
タイミング…より もっと違う
距離感…
他者との
心のすり合わせ…
つもり積もる 小さな棘が
優しい言葉の中にも
見え隠れする
気づいてるけど
気づきたくない
見たくない
優しさが 愛情が 根底にあるから
苦しんだんだろう
そのもがきが…
哀しみだけに思えるけれど
きっと これは再生の物語。
なんだと 思う
人生にとって なにが一番に大切なのか
その言葉が
頭に残った