原田ひ香のレビュー一覧
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主人公留希子は、江戸時代から続く老舗の料理学校「品川料理学園」が実家。
一人娘なので 実家を継ぐことは約束されているはずなのに
その なんとも言えない重圧で 家をでた。
でも やはり血は争えないのか 食べることも料理することも好き。
そのレシピをツイッターやSNS で配信したら 人気になり 料理研究家として仕事依頼も来ることになる。
アプリ会社と開発の様子を書いている。
その合間に 品川料理学園の昔の歴史も 間に 覗かせている。
私は 食べることは好きだけれど料理が苦手なので
楽しく 読むことができた。
友人にも料理上手な人がいるけど
確かに 外食をしていると 調味料当てている。。
料理が好きな人の共通点を見つけた気がする。 -
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個人的にはとても読み応えがあり、面白かった。
住処、生き様、プライド‥ 食べることは生きることと同じ位、住処選びは生きることだと思う。
やっぱり、住む場所ってとても大事だ。
パっと見のタイトルのイメージと、内容に良い意味でギャップがあった。一つのマンションを巡って、どれだけ人の歴史、思い入れ、事情が詰まってるのか‥ 人は自分の住処を守ろうとしたときに、どんな行動に出るか。どんな選択をし、何を発言するか。
白黒ハッキリしない終わり方も、実にリアル。
第1章の『おっぱいマンション』という、グッと人を惹きつけるワードも良いですね。
宗子が女優になりきったときの『私は文化に住みたい』という表現が素晴らしいと思った。
原田ひ香さんの、現実的な題材、大好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
なんだか食に対する表現が冊数を増すごとに豊かになってくるような気がした。どれもとっても美味しそうで私の感想の語彙力の乏しさが申し訳ないと思う。
それと祥子さんの人生も良い方向に進んでいってとてもうれしかった。角谷とともに今度こそ幸せをつかんでほしいと思う。一人娘であるあかりちゃんとの関係もすっきりとうまくいくといいね!
角谷がちょっと影があってとっても良い男。小山内さんも心遣いがあって、奥ゆかしくて素敵な人。
祥子さんが繊細で、なんとなく寂しい影のある優しい繊細な女性だから、それに似つかわしい素敵な男性が寄ってくるのだと思った。
この本の締めくくりの表現もとても良かった。
好きな文章
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自分はいつも1人で楽しみ、悩み食べていたつもりだったけれど、ずっといろんな人に見守られていたのかもしれない。
店の人たちが皆、皆、優しく見守ってくれていた。全部美味しゅうございました。わけもなく涙が出そうになって、祥子は空を見上げる。真っ青な空が広がっていた。
願わくば祥子さんのこれからをまた読みたいけれど、それは無理な相談かしら……?
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東京神保町の古書店を舞台にしたヒューマンドラマ。シリーズ2作目。
物語は6話からなり、急死した老古書店主の妹・珊瑚とその又姪・美希喜の2人の視点で交互に語られ、故店主の滋郎の述懐が、適宜挿まれる。
◇
古書店のシャッターを開けながらため息をつく。そこに強い木枯らしが吹いてきて思わず首をすくめた。
70歳を過ぎてから寒さがこたえるようになった。更年期が終わってすっかり冷え性になってしまったようだ。
「珊瑚さん、おはようございます」
そんなことを考えていると、隣のブックエンドカフェから出てきた美波さんが声をかけてくれた。
美波さんは今月から開店時間を2時間早めて朝8時から営業するようになった。モーニングセットも始めたらしい。さらに閉店時間を夜10時まで延ばしてビールやワインも出すことにしたという。
アルバイトを雇っているとは言え彼女の健康が損なわれないか、つい心配してしまう。開店前の店舗前の掃除まで、美波さんは古書店の前までしてくれているのだ。
「今朝もお掃除ありがとう。最近、冷えるわねえ。お身体、大切にね」
あたしも開店の準備をしながら、美波さんに礼の言葉を返す。
「はい」
彼女はあたしに笑顔を向けたあと、カフェに入っていった。 ( 第1話「森瑤子『イヤリング』と川端康成『掌の小説』と日本で一番古いお弁当屋さん」) ※全6話。
* * * * *
前回に描かれていた三様の恋模様。まず気になったのはその行方でした。
1つめは、珊瑚と東山さんの恋模様。東京都心と北海道の帯広という遠距離恋愛に、古希を越えた2人は耐えられるのかというところが気になります。
東山さんが東京に転居するか、珊瑚が帯広に帰るか。それとも「いいお友だち」状態のまま終わるのか。さあどうなる2人の関係。個人的には必ず結ばれてほしいと願うばかりです。
2つめは、美希喜を巡る建文と奏人の恋模様です。 ( 奏人はイマイチよくわからないのですが、何となくトライアングルが成立しているように感じます。)
出版社勤務の若手社員の建文か、作家志望の若者の奏人か。美希喜は気持ちを決めかねているようなので、ある意味もっとも気になります。個人的には、人のいい建文を選んでほしいと思っていました。
そして3つめは、亡くなった滋郎の恋人だった大我のその後。理解はされつつあるとは言え、まだまだ根深く残る偏見をよく知っているからか、大我には忍耐力とともに、若さに似合わぬ諦観も備わっているように見えます。
もともと頭がよく気遣いもできる青年なので、早く前を向いて生きていけるような展開を期待したいところです。
さて結果は……。
さすが原田さんです。特に、滋郎の置き土産が大我の手に渡る場面は感動ものでした。
また、珊瑚のふんぎりや美希喜の気づきがそれぞれの成長に直結していく展開にも感じ入るばかりでした。
6話の中で印象に残ったのは、第1話と第4話です。
第1話は、川端康成と日本一古い弁当屋さんに興味津々でした。
『掌の小説』の「三等待合室」は覚えていなかったので、すぐに読み直してみました。
なるほど想像力を掻き立てる ( というか、読者に想像で補いつつ読ませる ) という川端先生らしい掌編作品でした。これをきちんと覚えている珊瑚さんはすごいと、感心してしまいます。
お弁当屋さんは、池波正太郎さん御用達の老舗弁当店でググるとすぐわかりました。「木挽町弁松」ですね。美味しそうな料理の画像だけでもお酒が呑めそう。残念ながらコロナ禍に抗しきれずに惜しまれつつ閉店したそうです。
第4話は、昭和56年発行の『暮しの手帖』4月号の特集記事をうまく使った展開がおもしろかった。
また、タイ料理レストラン「メナムのほとり」で美希喜と建文の距離が近づいた描写があり、うれしい気持ちになりました。
前作の宿題を受けての2作目『新装開店』では、きれいな答え合わせが描かれ、満足度が高かったと思います。
珊瑚さんはどうやら帯広で余生を過ごすことになりそうだし、辻堂社長は引退して高知に移住しそうだし、そもそも鷹島古書店の入るビルの老朽化が深刻なようだしで、この作品もひと区切りついた感じです。
もし続編があるとしたらですが、美希喜と美波さんのコンビになってたらいいななんて空想を楽しんでいます。 ( 古書店カフェとかなら『東京バンドワゴン』みたいになってしまうから違う展開かな。 )