原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
棚差しで目があった本。タイトルを見て
「これは…!」
と色めき立った(内心)。
これは、ランチ酒シリーズの続きでは…?
とはいえ、ランチ酒も三作めはややインパクトがかけていた気がしないでもない(悪口?)。
著者は長編一作ぶんくらいがしっくりくるんやろうか(悪口?)。
なんかこう、
「もう少し読みたい!」
て、思うところで終わってもらうほうが逆にスッキリする、みたいな…?
(悪口やん) ちゃうねん…
ちゅうことで、このタイトルは究極に
「もう少し読みたい!」
て、ところで終わった。
祥子さんの今後も気になるし、恵理ちゃんの今後も気になるし、もう少し…。あと一冊ぶんくらい読みたい…!
(どっっっっっちやねん)ほんまに…
結論、今回もめっちゃ面白かった。
今回は祥子さんより若い恵理ちゃんが主役なせいか、見守りエピソードがやや薄口なのもいい。
そのあたりの視点も若い人っぽい。さすが若い人だけあって、共感性がいい塩梅と思う。
一番印象的やったのは空港ラウンジにお勤めの女性かな…。
CAでもなく、グランドホステスでもなく、今はラウンジに勤めているそうなので、職種的には(CAたちとは)違うのに、そこに劣等感を感じず
「空港で働きたい」
に、全振りしてるのがいいなあと思った。びみょうに失礼で申し訳ない。でもそうではなく。
確かにそう…。と、思った。
「何の職業をしたいか」
より
「どう働きたいか」
を、重視するほうが幸福度が上がる気がする。
「空港で働く自分」
が、好きで、背筋をしゃんとして身ぎれいにする…。それってすごく素敵なことやなあと思った。
最近、「働く」と、いうことに(ようやく)違う価値観を持つようになってきた気がする。ほんま、「今さら」やけど、30年近く働いてきてやっとわかるものもある。そりゃある。
全体的には、見守りのお仕事がわりとさらっと書かれているので、仕事明けごはんの描写がさらに際立つねんなあ。ほんまにおいしそう。
中華が多かった気がするのは、東京ってそういう(どういう)地なの??
しかも、びっくりドンキーをあんなにおいしく書く??? いやおいしいけどもさ。突然のファミレス登場にびっくりしたけど、やっぱりおいしそうですごい。ほんまびっくりやん。
前からびっくりドンキーのモーニングが気になってたけど、ますます行ってみたい。ハンバーグソースをかけるたまごかけご飯は絶品らしいね。
あと、都会のファミレスはテナントビルに入っているのに驚くのもめちゃくちゃわかる。
食べ物以外では、
「別れた男と寝た」
っていうフレーズを久しぶりに読んだ気がする(笑。「男」ではなく「別れた」やし、「会った」のではなく「寝た」ってあたりが、めっちゃ平成初期やなと…)。
心の底から
「べつにええんちゃうん」(現時点でお互いフリーなら)
と、思うけど、そこにややひっかかってしまうあたりが若さかと。そういう意味ではわたしも初老(どういう意味でも初老)。
仕事のあとにお疲れ様ひとり酒、いいなあ。
ビールと、一品が300円~500円くらいの小皿を3皿くらい頼むって、2000円くらいで幸せになれるやん。すごいな~!
わたしも、仕事あとのひとり飲みができるように早くなりたい。気の休まる相手ならいたらもっとうれしいけど、もうそれは言わん。そこじゃないねん。
しかも、まずは仕事のあとにマクドに寄れるようになるところからスタートやな。
何やろね、ファーストフードですらひとりでご飯は敷居が高いんやけど、それって、
「ひとりで飲食店に入る」
と、いうことに高い敷居を感じるというよりは、
「理由もなくひとりで外食する」
と、いうことに敷居があるんやと思う…。昭和やな…。
(子どもらがいるなら何も思わんけど、子どもらとでかけることがほぼなくなった。笑)
あと、仕事終わりに寄るっていうのもいいんよね!
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匿名
購入済みこの作者さんの描かれる大きく口を開けて食べ物を頬張って幸せそうに笑う女性の表情が大好きで、今作でもたくさんの美味しいを浴びました!お腹空く〜!
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Posted by ブクログ
ネタバレ最近フェミニズム系の小説や新書ばかり読んでしまって、少し離れなければ…と思いつつ、またしても「母親」というワードが入った小説を手に取ってしまった…。しかし本書は、「母親」という役割に縛られることを否定するような話ではなかった。むしろ真逆で、「母親」という役割を買って出る女性の話だった…。
それがまた、とても切なくて、最後はとても泣けた。
色々な登場の目線で、「広美」という女性が描かれる。それで徐々に、彼女は母親がいなくなった訳ありの家庭に入り込み、小さい子どもの「お母さん」として数年を過ごしたのちいなくなる、ということを繰り返していたことがわかってくる。時系列になっていなくて、現在の広美は一人でスナックのママをしながら暮らしていて、そこにかつて広美に育てられたらしき若者「祐理」がやってくる。その若者の恋人「あおい」は、ごく普通の、恵まれた家庭で育ったお嬢さん。でも恋人のことを深く愛し、理解しようとしている。
広美はなぜそんな生活をしていたのか。子どもたちのことを愛していたのか?じゃあなぜ、最後まで責任をもつわけではなく、突然いなくなるのか?
かつて彼女に育ててもらった青年が訪ねて行っても、広美はこれまで出会ってきた子どもたちのことは覚えていないという。
彼女のことを本当のお母さんだと思って、心の支えにしてきた少女に対しても、あっさり「覚えていない」という。
それでも、祐理は、大学を卒業したら、広美と一緒に暮らしたいと申し出て、家まで用意する。恋人のあおいは驚くし、祐理との交際を認めていたあおいの両親は彼の行動を理解できず、拒絶する。
広美と、広美に一時であれ育てられた子どもたち、救われた父親を描くと同時に、広美がどんな事情を抱えていたのかが謎めいていて一気読みしてしまった。
そして、広美の事情…嫁ぎ先でいびられ、いじめ抜かれて我が子を置いて婚家を出てしまったこと…が最後にわかる。代々代議士を務める婚家の義母が、孫(広美の息子)にかけていた期待、というストーリーに、親(や祖父母)が子ども(孫)を縛ることはどうなのか?というテーマが盛り込まれている。
そこに、あおいの目線が入ってことで、親子関係は本当に色々だということが描かれてとても良い。あおいは、ごく普通の恵まれた家庭のお嬢さんで、母親からの愛を一身に受けている。反発することもあるが、恋人の祐理が育ってきた環境を知っているから、自分は恵まれているのだ、母親の存在や、心配してくれることはとてもありがたいことなのだ、と考える。両親も、あおいを縛ることはせず、娘の恋愛にも口出しをせずに見守っている。しかし、祐理が、血のつながりもない、かつて数年育ててもらっただけの女性の老後の面倒を見たいと考えていることを知り、結婚に猛反対し始める。
板挟みになるあおいが、どんな行動をとるのか…というのも最後に読み応えがあってすごく良かった。
そして幼い頃に分かれた息子を思いながら、「母親ウエスタン」をしながら生きていた広美の決断…。号泣。ちょっとレビューうまくまとめられませんでした。 -
Posted by ブクログ
定食屋「雑」に関わる人たちのあれこれが描かれた連作短編集。
雑の店主みさえとひょんなことから雑でアルバイトをすることになった沙也加を中心に話が進みます。あと店の常連客高津もそれに加わります。
みさえと高津は高齢になりつつあり、身体の心配や先のことを心配したり、沙也加は離婚問題で悩んでたりと内容は少し暗いのかな?と思ったけど、どこか明るさを感じとても読みやすくて面白かったです。
みさえの押さえてた気持ちが溢れ出た場面、沙也加の問題が解決した時、涙を流した場面は切なくってしまいました。みさえの一言で元気になった高津は、男って…、と思いつつクスッと笑ってしまいました。
みさえと沙也加が店のメニューを考えているところがいいですね。私はあまりハムカツ好きではないけど、2人があーでもないこーでもないと試作しているところを読んだ時、すごくハムカツ食べたくなりました。
私がいいなと思ったのが、みさえと沙也加の関係。単なる雇い主とアルバイトの関係でなく、歳の差があってもお互い信頼し合っています。ベタベタしてなくてサバサバしているのが気持ちがいいのかな。なかなかこういう関係は築けるものではないかな、と思うので羨ましいです。
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Posted by ブクログ
2組の夫婦が2世帯住宅での共同生活。若い時ならまだしも、歳を重ねるごとに、生活環境は変化して、少しずつ価値観が定まっていくので、ずっと続けることは難しいよね。
給料は少ないが仕事はほどほどにこなし、節約しながら生きていく。この価値観は理解できるが、30代から死ぬまでずっと禅寺の世捨て人のような生活を続けることはできるだろうか。年1回は旅行に行ったり、たまには外食したりしたいのではないのだろうか。
結局、謎の女は謎のままで終わったが、この事件がきっかけとなり、抱えていたモヤモヤが露呈していく。もしかしたら、それぞれ夫婦のみだったら、大声で本音をぶつけ合い喧嘩していたかもしれないが、別の夫婦の手前、本音を言えず5年が過ぎてしまったのだと思う。
アイビーハウス…。一樹は自分の価値観を家だけでなく、蔦で妻の未世子や隆夫婦を縛りつけてしまったんだね。物悲しさが残るエンディングだった。 -
Posted by ブクログ
面白くてあっという間に読めました!
小説だけど実際の日常の一コマを切り取ったような、リアリティある感じがとても良かった!
各章で登場人物が財布を通じて繋がったり離れたり…
選択の違いでまたそこから違った道に行ったり、あとそのリアリティさで登場人物に感情移入しちゃって辛くなったりすることもあるけど、それも含めて心を鷲掴みされました。
リボ払いのところは経験はないけど、ヤバいと聞いたことあるので、ほんっとうにハラハラした(笑)
リーマンショックとか、時代の波に翻弄されて不本意な就職となり、奨学金の返済に困っているところとか、身につまされるなーと。
現代の問題と日々のお金の話をうまくまとめたお話!お金の話はよくわからない、となるなら、まずはこの本を読むといいと思う! -
Posted by ブクログ
心に悲しみや重荷があっても、美味しいものは、率直に、美味しい。
主人公の祥子はお酒と食べることが好きで、それを心の拠り所にしながら、孤独な日々をなんとか生きているような状況。とはいえ、仕事終わりに楽しみにしているランチの場面は、なぜだか妙に明るく、そして豪快に描かれていて、読んでいると無性に食欲を刺激される。
ランチ一回ごとの短編形式に物語が進みながら、主人公の身の上が少しずつ分かっていく。
面白い構成だな、と思う。
ひとつひとつの話も、ランチのシーンと折り混ざりながらも、ストンとオチがあったりして。とても読みやすい。まだ小さな娘を思う主人公の祥子に、共感する部分もあった。
食事シーンの豪快さは「何があっても生きていく!」という、彼女の意地というか心意気なのかもしれない。
あぁ、
とにかく、お腹がすく。