原田ひ香のレビュー一覧
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素敵な5人の作家さんによる5つのお酒にまつわる短編が集まった宝箱みたいな一冊。
『ショコラと秘密は彼女に香る』
著者:織守きょうやさん
とっても可愛いお話で、密かにときめいた。この本の一作目、読者を「ほろよい読書」の世界に引き込むのにピッタリのお話だと思った。チョコレートボンボンが食べたくなった。
『初恋ソーダ』
著者:坂井希久子さん
途中、流されそうになった果歩に、え〜いいの?ダメダメ!気を確かに!!とハラハラした笑
自分の大事に大事に作ったものを、感謝やありがたみもなく、ただ消費されることに対しての怒りは分かるので、読みながら、「いやだよね〜」と共感した。
『醸造学科の宇一くん』
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Posted by ブクログ
原田ひ香さん好きです。
特に本作はご飯が美味しそう!食べてみたいなぁ!という感想より登場人物の思いや生い立ちやエピソードが重すぎて中和しきれてない感じでした。
でも私にとって重い部分をとても楽しく読ませてもらいました。原田ひ香さんの中でもこの作品好きです。
学生友達でベンチャーを立ち上げて、軌道に乗ってきたこの頃、みんなそれぞれの思いや立場を抱えて仕事をしてるけど、少しずつ違和感を感じ始めている。
田中が呼んだ家政婦さんが来て、久しぶりにみんなでご飯を食べたら、あの頃のようでとっても嬉しかった。この場所を守りたいと思った。けれど柿枝はいない。どこで何をしているのだろう。
この男をめぐっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ古本食堂の続編。
辻堂出版の社長や珊瑚さんがリタイア後の生活を思い描き始め、若者たちが、文壇カフェへの夢を膨らませ、コラボイベント、本付きコーヒーなど神保町の古い町並みに新しい風が吹き込む。
両親の介護、看取りの後まもなく兄の書店を引き継ぐために慣れ親しんだ土地を離れ上京してきた珊瑚さん。遅れてきた青春よろしく、ずっと後回しにしてきた自分を解放し、故郷に戻ってなかなか戻るきっかけのつかめない姿は微笑ましく、さもありなん、と思う。
次作が出るとすれば、社長や、珊瑚さんは古書店から退いた後になるのかな。
ちょっと寂しい気もするけれど、本の街神保町が若い力でどんな変貌を遂げてゆくのか、それも見てみた