原田ひ香のレビュー一覧
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続編の方を先に読んでしまったので、改めて前作であるこちらを読んだ。
りさ子さんと亮さんがいい感じで前向きに終わった今作の続編が、りさ子さんが亮くんの元を去って再びロンダリング一本へ向かうかもしれない…という匂わせになっているところが悲しいというか、え〜〜っ!?といったところ。
でも誰にでもできることじゃないロンダリングの才能が間違いなくりさ子さんにあるわけで、天職だものなぁと思ったりもする。
りさ子さんがとにかく変わり者というかクセのある主人公なので、やはり近年の原田ひ香作品のお上品な登場人物たちはあえてそうしてるんだろなと思わざるを得ない。過去作品を読めば読むほどお金系話に出てくる登場人物たちの上品でクセのなさが際立つ。
真鍋夫人がりさ子さんにした説教はイラっとしたけど、ちゃんとりさ子さんが反論していたのがよかった。どうしようもなさと帰る場所のない人にあの説教はあまりに上から目線すぎるというか。強者の意見だもの。
そしてジャパン地所が悪すぎて笑えた。今作も次作でも黒幕というかろくでもない会社だということがわかって、何だかやりきれないというか。悪すぎて憤りを感じてしまう。
今作で出てきたロンダリングの先輩である菅さんもいい味出していてよかった。 -
Posted by ブクログ
久しぶりの小説。そして、またまた「本が私を呼んだ」感。今の気持ちドンピシャな本でした。
実は通信制大学のレポートに手こずっており、参考文献の選び方など指摘され、落ちてたところにこの本。運命か?とすら思い出しました。主人公もレポートの参考文献で田辺聖子先生の本を出して、研究書ではないと言われる。分かる〜と涙目。
国文学科の主人公は進路に悩み、大叔父の残した古本屋さんにいりびたり、大叔母と本探しの探偵したり、本にまつわるご飯を食べたり。。神保町と言う町は本好きにとってパラダイスのようですね。
今は文学部で古典や近代文学を読むことに勤しんでおり、小説を読むことが最近はなかったので、この本は素敵な時間をくれました。
そして、やっぱり本好きだなと思い出させてもくれました。原田ヒカさんも国文学科だったとか?すごい優秀だったのだろうなーこの本の中での古典や近代文学の解釈を読むだけでも楽しい。
読後、カツサンド買いに走ったのは言うまでもない。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいや〜めちゃくちゃ良かった。短編集(うち二つだけ連作)なのだけれど、どの話も人から人へと送られる個包が出てくる。通販ではなく、わざわざ送るという行為にはこんなにも物語生があるのかと思い知らされた。
そして、タイトルが良い。「母親」からの小包は「ダサい」ものが入っているかもしれないけれど、それを上回る愛情がある。「まだ入る」「隙間を埋めないともったいない」、そんな風に思ってギチギチに詰めた母の気持ちが垣間見える物たち——僕の場合はタオル、履かないタイプの下着、乾燥の切り干し大根、みかん、すだち、海苔、お中元でもらうタイプの固い缶の果物のジュースなど——がまた良い味を出している。本文にはババシャツって書いてたけど、女性の場合はそうか〜と納得してしまった。
各話タイトルは『上京物語』『ママはキャリアウーマン』『擬似家族』『お母さんの小包、お作りします』『北の国から』『最後の小包』。
一編目、二編目では、実の母親からの個包が届き、三話目からは送り主が変わってくるのも良かった。ほんと、どの話も面白い!
特に好きだったのは『擬似家族』『北の国から』。
『擬似家族』のあらすじ。
冒頭のシーンでは主人公・愛華は、母親からの個包を開けながら彼氏とキャッキャしている。中身は米、ピーマン、なす、トマト、きゅうりなど。彼氏も愛華の家の米と野菜は美味しいからなあ〜といつも嬉しそう。しかし、実は全てメルカリで買ったものだった。
なぜそんな状況になっているのか——。
出会った時、実家は田舎にあると言ったら「農家?」と聞かれ、咄嗟に「うん」と嘘をついてしまったのだ。というのも、愛華の家族は複雑で、初対面でそんなこと説明するわけにはいかなかった。しかしあれよあれよと、付き合うことになってしまう。愛華はそのまま嘘を突き通している。彼氏はいわゆる「ええ家の子」で、もともと自分に引け目がある愛華は、自分の家族のことを説明して嫌われるのが怖くて、本当のことを言い出せないままなのだった。
そんなある日、彼にプロポーズをされてしまい、もちろんOKするのだけれど、となれば両家の挨拶があり……と頭を悩ませる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原田ひ香といえばお金についての小説を書く人だと思っていたけれど、こういう普通の小説も書いてたんだ、というのが最初の感想。
事故物件に住んで浄化させる仕事というのは著者が考えた架空の仕事だとあったけど、実際にこういう仕事があるというのを昔テレビで見たことがある気がするのだが。それとも著者の架空を見て現実で始めた業者がいるのだろうか。
正直、ロンダリングが自分を癒す仕事だという相場社長の言い分には賛同しかねるけど(だって嫌だもん)、そうせざる人々や利用する人の思惑や現状はリアリティがあって面白かった。
浮気を繰り返して奥さんから家を追い出された男は読んでて嫌いだわ〜と思ったし、夫の相続したアパートの管理をしている主婦の夫はクソ野郎だけど、相場不動産で働いてるまぁちゃんはとても可愛くて好き。
りさ子さんがすごい迫力のある人だなと思って、しかも物語終盤になんだかミステリーのような謎が出てきて、こんな終盤でこんな謎が出てきて解き明かされるの?とドキドキしたらうやむやに終わってしまって肩透かし。なんだよ何にも解決してないじゃん!と思っていたら、続編が出ているのですね。そしてなんならこれの前篇にあたる本もあるのですね。(りさ子さんはこれの主人公のようだ)この本は中編にあたるようでいきなりここから読んでも問題はなかったけど、これだけだとロンダリングをめぐる謎が解けないのでモヤモヤしたまま終わってしまう。
※(追記)続編なんてなかったわ…けっきょく相葉不動産を陥れようとした勢力たちは何だったのか解決するのかはわからずじまいなのはすごい消化不良、不完全燃焼すぎる