原田ひ香のレビュー一覧
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焼きそばが出てくる章があります。
「第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば」です。単行本の表紙には絵もあります。
池波正太郎が愛した焼きそばとは、揚子江菜館の上海式肉焼きそばを指します。
描写がとても美味しそうです♡
「上海炒麺(シャンハイ チャーメン)は、硬い麺と柔らかいのが選べるの。
基本は柔らかい麺をちょっと焼いた上にもやしや豚肉を炒めたものがのっているんだけど、硬い方はぱりぱりした、いわゆる揚げ焼きそばの麺で、同じ具材のとろみがついたあんがのっているの」
このシーンは、鷹島 珊瑚(たかしま さんご)さんが、テイクアウトの買い物を頼む場面です。
場所は、東京は神田神保町の鷹島古書店です。
この古書店のもともとの店主、鷹島 滋郎(たかしま じろう)さんは帯広出身で、かつて東京大学大学院で国文学を専攻していました。学生運動が激しい時期でした。
運動の過激化に失望して退学した滋郎さんは外国を周ったりしていましたが、帰国後、神保町で古書店のノウハウを学び開業しました。
その滋郎さんが急に亡くなりました。
帯広で両親を看取り、一人暮らしをしていた滋郎さんの妹の珊瑚(さんご)さんのもとに訃報が届きます。
ほぼ1年後、珊瑚さんは上京し、兄の古本屋を開店させました。読書家の珊瑚さんでしたが、古本屋のことは何も知りません。
しかし、開店早々、珊瑚さんのもとには、いろいろな悩みを抱えるお客が訪れました。珊瑚さんはお客に本を紹介し、なぜか美味しい食べ物も勧めて食べさせるのです。
古本 + ごはん = 古本食堂 です。
食べ物を買ってきてくれるのは、甥の娘の美希喜(みきき)ちゃんでした。彼女はO女子大学の大学院で国文学を研究しています。ほとんどは、珊瑚さんのために買って来るのですが、何故か店には美味しいものを食べてもらいたいお客さんがいて。。。
第一話 『お弁当づくり ハッと驚く秘訣集』小林カツ代著と三百年前のお寿司
第二話 『極限の民族』本田勝一郎著と日本一のビーフカレー
第三話 『十七歳の地図』橋口譲二著と揚げたてのピロシキ
第四話 『御伽草子』とあつあつカレーパン
第五話 『馬車が買いたい!』鹿島茂著と池波正太郎が愛した焼きそば
最終話 『輝く日の宮』丸谷才一著と文豪たちが愛したビール
とても素敵な作品でした。
古書、食べ物、進路、恋愛。
珊瑚さんと美希喜ちゃんの交互の語りで物語は進んでいきます。
互いの目線の違いはお話を立体的に膨らませてくれて、お話の背景やお互いの気持ちやお互いを思いやる気持ちを描いてくれています。
お料理の描写がとても美味しそうなのもこの作者さんのサスガの力量です♡
続編が出ていますので、そちらに進みたいと思います。
どうぞみなさまも♡
〔作品紹介・あらすじ〕(文庫版)
鷹島珊瑚は両親を看取り、帯広でのんびり暮らしていた。
そんな折、東京の神田神保町で小さな古書店を営んでいた兄の滋郎が急逝。珊瑚がそのお店とビルを相続することになり、単身上京した。
一方、珊瑚の親戚で国文科の大学院生・美希喜は、生前滋郎の元に通っていたことから、素人の珊瑚の手伝いをすることに・・・・・・。
カレー、中華など神保町の美味しい食と思いやり溢れる人々、奥深い本の魅力が一杯詰まった幸福な物語、早くも文庫化。
(巻末特別対談・片桐はいり×原田ひ香)
〔作品紹介・あらすじ〕(単行本)
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う!
神保町の小さな古書店が舞台の絶品グルメ×優しい人間ドラマ
大ベストセラー『三千円の使いかた』『ランチ酒』の著者による熱望の長篇小説
美希喜(みきき)は、国文科の学生。本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。大叔父の妹・珊瑚(さんご)さんが上京して、そのお店を継ぐことに。滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり……。カレーや中華やお鮨など、神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。 -
Posted by ブクログ
またやってしまった(学習しろ!)、この本はシリーズ3作目でした……充〜分おもしろかったけど、ちゃんと最初から読みたい!
目次(「蒲田 餃子」「稲荷町 ビリヤニ」などなど)を見て、ある街のあるお店を1章ごとに紹介するエッセイ的な内容かと思っていたら、違った
ストーリーにも引き込まれる、そしてお酒や食べ物の描写も楽しい、“1粒で2度美味しい”小説でした!
主人公はとてもおもしろい生業の女性
仕事終わり(午前中)、帰宅前にホッと一息つきながら食事&一杯やるときの街と食べ物が目次になってます
食べたり飲んだりが大好きな私には、すごく楽しい読書時間でした! 迷いながらメニューを選ぶところなど、共感することたくさんあってワクワク
主人公とうまくいきそうなお相手との馴れ初めも気になるし、どこの街のどんな食べ物が出てくるのか楽しみだし、1〜2作め早く借りに行かないと
初・原田ひ香さん、とてもよかった! -
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続編の方を先に読んでしまったので、改めて前作であるこちらを読んだ。
りさ子さんと亮さんがいい感じで前向きに終わった今作の続編が、りさ子さんが亮くんの元を去って再びロンダリング一本へ向かうかもしれない…という匂わせになっているところが悲しいというか、え〜〜っ!?といったところ。
でも誰にでもできることじゃないロンダリングの才能が間違いなくりさ子さんにあるわけで、天職だものなぁと思ったりもする。
りさ子さんがとにかく変わり者というかクセのある主人公なので、やはり近年の原田ひ香作品のお上品な登場人物たちはあえてそうしてるんだろなと思わざるを得ない。過去作品を読めば読むほどお金系話に出てくる登場人物たちの上品でクセのなさが際立つ。
真鍋夫人がりさ子さんにした説教はイラっとしたけど、ちゃんとりさ子さんが反論していたのがよかった。どうしようもなさと帰る場所のない人にあの説教はあまりに上から目線すぎるというか。強者の意見だもの。
そしてジャパン地所が悪すぎて笑えた。今作も次作でも黒幕というかろくでもない会社だということがわかって、何だかやりきれないというか。悪すぎて憤りを感じてしまう。
今作で出てきたロンダリングの先輩である菅さんもいい味出していてよかった。 -
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久しぶりの小説。そして、またまた「本が私を呼んだ」感。今の気持ちドンピシャな本でした。
実は通信制大学のレポートに手こずっており、参考文献の選び方など指摘され、落ちてたところにこの本。運命か?とすら思い出しました。主人公もレポートの参考文献で田辺聖子先生の本を出して、研究書ではないと言われる。分かる〜と涙目。
国文学科の主人公は進路に悩み、大叔父の残した古本屋さんにいりびたり、大叔母と本探しの探偵したり、本にまつわるご飯を食べたり。。神保町と言う町は本好きにとってパラダイスのようですね。
今は文学部で古典や近代文学を読むことに勤しんでおり、小説を読むことが最近はなかったので、この本は素敵な時間をくれました。
そして、やっぱり本好きだなと思い出させてもくれました。原田ヒカさんも国文学科だったとか?すごい優秀だったのだろうなーこの本の中での古典や近代文学の解釈を読むだけでも楽しい。
読後、カツサンド買いに走ったのは言うまでもない。。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレいや〜めちゃくちゃ良かった。短編集(うち二つだけ連作)なのだけれど、どの話も人から人へと送られる個包が出てくる。通販ではなく、わざわざ送るという行為にはこんなにも物語生があるのかと思い知らされた。
そして、タイトルが良い。「母親」からの小包は「ダサい」ものが入っているかもしれないけれど、それを上回る愛情がある。「まだ入る」「隙間を埋めないともったいない」、そんな風に思ってギチギチに詰めた母の気持ちが垣間見える物たち——僕の場合はタオル、履かないタイプの下着、乾燥の切り干し大根、みかん、すだち、海苔、お中元でもらうタイプの固い缶の果物のジュースなど——がまた良い味を出している。本文にはババシャツって書いてたけど、女性の場合はそうか〜と納得してしまった。
各話タイトルは『上京物語』『ママはキャリアウーマン』『擬似家族』『お母さんの小包、お作りします』『北の国から』『最後の小包』。
一編目、二編目では、実の母親からの個包が届き、三話目からは送り主が変わってくるのも良かった。ほんと、どの話も面白い!
特に好きだったのは『擬似家族』『北の国から』。
『擬似家族』のあらすじ。
冒頭のシーンでは主人公・愛華は、母親からの個包を開けながら彼氏とキャッキャしている。中身は米、ピーマン、なす、トマト、きゅうりなど。彼氏も愛華の家の米と野菜は美味しいからなあ〜といつも嬉しそう。しかし、実は全てメルカリで買ったものだった。
なぜそんな状況になっているのか——。
出会った時、実家は田舎にあると言ったら「農家?」と聞かれ、咄嗟に「うん」と嘘をついてしまったのだ。というのも、愛華の家族は複雑で、初対面でそんなこと説明するわけにはいかなかった。しかしあれよあれよと、付き合うことになってしまう。愛華はそのまま嘘を突き通している。彼氏はいわゆる「ええ家の子」で、もともと自分に引け目がある愛華は、自分の家族のことを説明して嫌われるのが怖くて、本当のことを言い出せないままなのだった。
そんなある日、彼にプロポーズをされてしまい、もちろんOKするのだけれど、となれば両家の挨拶があり……と頭を悩ませる。