原田ひ香のレビュー一覧
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まず、泣いた。とても泣いた。泣くと思っていなかったのに泣いた。原田ひ香さんの、食べ物と人物の描写が好きだから読み始めたけど、なんと人間の愛おしいことか!とてもわかる。登場人物みんなの気持ちが、しかも、綺麗じゃない、邪心込みの気持ちが、とても、わかる。私もそう思う、と思いながら読んだ。あと、神保町にまた行きたくなった、この本を片手に。原田ひ香さんの本は、大体、みんなのことを愛おしくなるな。強いていうなら、まだ、タイトルの食堂の意味合いがすこーし薄いというか、タイトルから想定する展開の一歩手前だった気はしたかな?でも、文豪が愛した食事を、外食(もしくは中食)するということで回収された。
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若干 ウ◯◯マくん色があり、「月収」「三千円の使いかた」と比べて刺激があるおかね小説。夢中になって読んだ。
麻友子と彩の話自体面白いが、積立投資の途中の選択が人生を分けた。他責か自責か。お金と心に余裕がないと、ボラタイルな局面での対応で差が出る心理がよくわかる。
運用も人生もそんなに上手くいかない
備忘録
今この本を読んでる前の席の人はCFP(タックス)の勉強をしてる。私はCFP(ライフ)の勉強しないでこの本を読んでいる。麻友子が財善に伝えた感謝の言葉を貰えるように勉強しなければと思いながら。
隣の注文をしないで席に座った男は、その隣の勉強している女性に話しかける事3度。ナンパか詐欺か?そ -
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一橋桐子(ひとつばし きりこ)79歳。
今は、久遠樹(くどう いつき)が経営する不動産関連の会社の、清掃部門のチーフを務めている。
「団地の改革」についての相談を受けた久遠は、桐子と、ハワイの大学を辞めて帰国した榎本雪菜の二人に、『猿山団地(さるやまだんち)』の住み込み管理人を任せることにした。
お掃除はお手のものの桐子だが、クセの強い住人たちに名簿作成の協力をお願いすることにまず手こずる。
前作『一橋桐子(76)の犯罪日記』では、身内の縁も切れ、同居していた親友が亡くなり、なけなしの財産を盗られるという悲惨な状況に陥った桐子が、「犯罪を犯して刑務所に入れば老後も安心」などと思いついてしまっ -
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ネタバレ『人は三千円の使いかたで人生が決まるよ』祖母の教え…深いなぁ
テレビドラマを観ていたのでキャストのお顔を思い浮かべながら読み進めた
浪費しがちの美穂
姉の真帆は早くに証券会社退職し結婚、節約しながら子育て600万貯蓄、偉いなぁ
両親の貯蓄は娘の大学、結婚、親の葬式等にどんどん出費が嵩み、今や100万弱…どこかの政治家さんが仰っていた老後は2000万必要なんて、どうやって貯めれば良いの?が現実
我が家も同じです(涙)
1000万貯めた祖母琴子、それでも将来が不安で働き出す
皆が悩みながら、お金と向き合い奮闘
美帆は1000万貯めて犬と暮らせる家を買う目標をたてる
節約セミナーで知り合った翔平は -
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原田ひ香さんといえば、お金が絡んだ小説が多いイメージだった。
今回は事故物件をロンダリング(浄化)していくお仕事をしている女性の話である。
この女性は結婚をしていたが自分の不貞で、離婚を迫られてしまい、お金も居場所もなくなった所でロンダリングに出会う。
何もかも無気力で、自分の行いを後悔し、とにかく何も感じないように決まったルーティンで生きていたが、ロンダリングであるアパートに入りそこで出会う人々との出会いで再生をしていくという物語。
まず、この女性の生き方にどこか共感できる所や安心感がありスラスラ読んでいける。
更に物語後半では、少しずつ再生していく光が見えてくるような終わり方をしている。 -
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ネタバレ亡き兄が営んでいた古本屋を整理する妹の”珊瑚”と、親戚の大学生”美希喜”を主人公とする小説。
ふたりの共通点は、将来を決めかねて悩んでいること。古書や店を訪れる人たちの出会いを通してそれぞれの道を見つけていく過程が描かれています。
兄が大切にしていた古書店と誠実に向き合う珊瑚が、とてもチャーミングで素敵でした。
美希喜は嘘をつけないまっすぐな性格で、相手の気持ちを大切にしつつ、自分の意見もしっかり言える強さを持っています。
共通点が多いふたりだから、年齢差を感じることなく距離が縮まったのだ。とてもいいコンビだ。と感じました。遠慮がちだった冒頭から徐々に距離が縮まり、ラストのやり取りはまるで