あらすじ
かけがえのない人生と愛しい物語が出会う! 神保町の小さな古書店が舞台の絶品グルメ×優しい人間ドラマ。 大ベストセラー『三千円の使いかた』『ランチ酒』の著者による熱望の長篇小説。 美希喜は、国文科の学生。本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。大叔父の妹・珊瑚さんが上京して、そのお店を継ぐことに。滋郎さんの元に通っていた美希喜は、いつのまにか珊瑚さんのお手伝いをするようになり……。カレーや中華やお鮨など、神保町の美味しい食と心温まる人情と本の魅力が一杯つまった幸せな物語。
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人間模様を丁寧に描かれるのは上手な原田さん、お金のやりくりの話も興味があるので、ぐいぐい引き込まれる。そしてそこに古本と来たらもう最高の組み合わせの物語のオンパレードでした。
東京なんてなかなか行けませんが、神保町だけに時間を割いてぼーっとしたい。またひとつ本から生まれる夢が生まれました。
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高校生の時、親が転勤。私と大学生の姉は、残った。転勤先が田舎だったので。TVは、親が持っていった。時間があると読書をするようになった。高校の図書室の本は、古くて興味が湧かず。古本屋で、安い文庫本を探す。古本屋が街中や通学路にあった。今も本棚の一角を占めている。それが、古本屋との出会い。当時よく通った二軒の店は、今は、もうない。
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まず、泣いた。とても泣いた。泣くと思っていなかったのに泣いた。原田ひ香さんの、食べ物と人物の描写が好きだから読み始めたけど、なんと人間の愛おしいことか!とてもわかる。登場人物みんなの気持ちが、しかも、綺麗じゃない、邪心込みの気持ちが、とても、わかる。私もそう思う、と思いながら読んだ。あと、神保町にまた行きたくなった、この本を片手に。原田ひ香さんの本は、大体、みんなのことを愛おしくなるな。強いていうなら、まだ、タイトルの食堂の意味合いがすこーし薄いというか、タイトルから想定する展開の一歩手前だった気はしたかな?でも、文豪が愛した食事を、外食(もしくは中食)するということで回収された。
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愛の形も色々。
とても落ち着いた大人の内容だった。
古書とおいしいものが溢れている神保町。
ワクワクが膨らみ、いつか訪れてみたい♡
自分の街にも落ちついて読書ができるお気に入りカフェを見つけたくなりました。
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オーディブルで聞きました。
神保町にある古書店に関わる人たちの、本と食べ物とが絡んだ心温まる人間模様を描いた素敵な本でした。
著者の食べ物のおいしそうな描写と、オーディブルでのナレーションの方の演じ分けが素晴らしく、それぞれの人物や食べ物が目に浮かぶようで、帰宅しながら聞いていましたがいつもお腹が減りました笑
出てくる人々がとても素敵で、こんな古本屋さんがあったら通いたいなあと思えるような、疲れて凝り固まった心や気持ちが解されるような、そんなお話たちでした。
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〔Ⅰ〕神田神保町の古書店〈鷹島古書店〉店主だった滋郎が亡くなり遺産としてビルごと店を譲られた妹の珊瑚はとりあえず店を再開した。
〔Ⅱ〕大叔母である珊瑚さんの意図を探れと母芽衣子の密命を受けた本好き大学院生の美希喜。
〔Ⅲ〕まだ本がよく売れていた時代、古本屋で働いてたことがありますが「本好きには向かない商売」とはよく言われてました。思い入れが混じってまうから。でも、ほとんどの場合、この業界に入るための最大の動機だとも思うんですよねえ。読み始めてすぐ、最終的にこの話は美希喜さんが鷹島古書店を継ぐかどうかという話になるんやろうなと思ったんやけど、本好き美希喜さんはどうする? この世界は心地よくずっと続けてほしいが。
■鷹島古書店についての簡単な単語集
【後藤田】美希喜の院での指導教官で生前の滋郎と仲がよかった。
【珊瑚】滋郎の妹。帯広から出てきて試しに店を再開してみたがどうするかは未定。
【滋郎/じろう】神田神保町の〈鷹島古書店〉経営者で突然亡くなった。
【登場書籍】小林カツ代『お弁当づくり ハッと驚く秘訣集』、本多勝一『極限の民族』、橋口譲二『十七歳の地図』、『お伽草子』、鹿島茂『馬車が買いたい!』、丸谷才一『輝く日の宮』。
【沼田】お隣の鉄道専門古書店〈汐留書店〉店主。
【花村健文】上の階の辻堂書店社員でけんぶんと呼ばれることを好むみ、FIRE(早期退職&投資&まったり暮らし)したいがちょっと疑問も感じてる。
【東山権三郎】珊瑚さんが慕っていたようだが奥さんの介護を通じてだったので進展はしてない。
【本田奏人】小説家の卵で最近何を読んでも面白くないのでおもろい本を教えてほしいというイケメン。
【美希喜/みきき】珊瑚さんの意向を探れと母の命を受け書店に出入りしている大学院生。
【美波】お隣の〈ブックエンドカフェ〉店主。
【芽衣子/めいこ】美希喜の母でリアリストで弁が立ち無料でもらえる景品類が好き。
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読んでいる途中まで、題名から古本屋さんで食堂をやる話だと思ったら…
最後の方でゆくゆくはそうなるかもって案が出ていたし、調べたら続編も出ているようなので読んでみたいと思います。
登場人物の色々な関係性がどうなって行くのか楽しみ。
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原田ひ香さんの小説は好きなのでこちらも読破。
食べ物と本を紹介している小説で
古本屋を受け継いだ妹と姪がそこに訪れる人に本を紹介しつつ、そこにしれっと食べ物を登場するお話。
小説の中で他の本を紹介するという小説を前にも一度読んだことがあるのですが、紹介する本のことを相当好きでちゃんと分かってないと物語の中に組み込めないと思うんです。
そしてこの小説ではその本がいくつか紹介されていて、それも紹介されてる本のジャンルも一つじゃない。この小説を読んでいる私はその紹介されてる本を読みたくなるという、この魅力がヤバイかったですね・笑
基本、料理本にはまったく興味がないのですが料理本すらよみたくなるくらい。
神保町も出てきてちょっと街歩きもしたくなりました。
続編もあるようなので楽しみです。
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神保町と古本屋の新しい魅力に気付かされました!
神保町がもともと好きだったので、神保町が舞台の物語に興味を持ち、オーディブルで視聴しました。
紹介されている飲食店は老舗も多く、行ったことのないお店ばかりでした。特に思い出のお寿司と、熱々のカレーパンの描写が美味しそうで、食べに行ってみたいです。
この本を読むまで、古本屋はどこか入りにくい雰囲気があり、入ったとしても長居せずにすぐ出て行ってしまっていました。しかし、本書の滋郎叔父やそれを引き継ぐ珊瑚さんたちの思い入れの詰まった古書店の描写から、もっとじっくり見てみたいと思うようになりました。一口に古本屋と言っても、その店主によって扱う本は様々で、その人の好きなジャンルだったり、お客さんにどんな本を読んで欲しいかだったりで置くものも変わってくるのだと感じました。
今度神保町にいったら、グルメだけでなく、古本屋巡りも楽しみたいです。そして、珊瑚さんと美希喜ちゃんのような、話しやすくて本好きな店員さんがいたら、本を選んでもらいたいと思いました。
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本が好きな私たちは意識していないと思いますが、私たちが大好きな本を読んであーだこーだ語って楽しむことは、本や物語を後世に残す「小さな鎖の輪」となっているのです!
これからも本や物語、そして美味しいものを愛していこうという気持ちになりました。
原田さんの物語は出てくる人がみな優しくて、ホッコリとした気持ちで読むことが出来ますね。
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人はパンのみにて生きるにあらず、という言葉を
読みながら何となく思い出していました。
お腹も満たされているんだけれど、
心も満たされる古本屋さん。よき。
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美希喜(みきき)は、国文科の学生。 本が好きだという想いだけは強いものの、進路に悩んでいた。 そんな時、神保町で小さな古書店を営んでいた大叔父の滋郎さんが、独身のまま急逝した。 大叔父の妹・珊瑚(さんご)さんが上京して、そのお店を継ぐことに。
………
最初はなかなか入り込めなかった。原田ひ香さんの本は、いつもスーッと入り込めるのだが。
でもこの本は、ジワジワっと染み込んでいく感じがした。
神保町の古本屋と名店の数々。
だんだんと目の前にその光景が見えて、歩いている感覚。そこで紡がれていく人と人の暮らし。
温かく見守りたくなるようなそんなお話でした。
まだ話は始まったばかりという感じなので、続編楽しみです!
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古書店を営んでいた兄が亡くなり、妹の珊瑚はその片付けに追われる中、古書店を再開する。
兄の親戚の姪っ子である美希喜は、古書店が今後どうなるのか偵察も兼ねて、お店に訪れるようになった。
1つのエピソードに1つの美味しそうなご飯が登場。温かなご飯に心をほぐしてくれるストーリー。
国文学科の美希喜の人間関係にもやきもき。
全編を通して、人と人の繋がりや思いが一つの輪になっていくような本だった。
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古本食堂といっても古本屋さんが食堂なのではない。古本屋さんの店主の珊瑚さんや珊瑚さんの姪孫の美希喜ちゃんがたまたま手土産やお土産で買ってきたものをお客さんにわけてあげたり、一緒に食べたりする。その時に本にまつわる色々な話をして和んだり、新たな発見があったり、そんな話。
珊瑚さんは元々は帯広で両親の介護をして、看取ったあとは1人暮らしをしていたけれど、珊瑚さんのお兄さん(滋郎さん)が亡くなり、お兄さんが残した神保町の古本屋さんとそのビルを引き継ぐことになり東京に出てくる。姪孫の美希喜ちゃんは国文科の大学院生で珊瑚さんを色々助けてくれたり、自分もそこで癒されたりしている。美希喜ちゃん目当てっぽい青年たちもキャラがたっていて面白く、滋郎さんと親しくしていたおじ様達も面白くて良い人ばかりで読んでいてストレスがなかった。
珊瑚さんと帯広に残してきた東山さんとの恋愛というかそんな感じのやりとりも大げさではなくて、そんなこともあるかもなぁと楽しく読み進める。滋郎さんに恋人がいたのではないかという軽い謎解き部分もあり、長年独身なら色々な可能性があるよなと推測しながら読む。6話構成になっているのでとても読みやすく、神保町の色々なお店が出てきて、読んでいるとすぐに神保町に行きたくなってうずうずすること間違いなし。最近では都内に出る時は博物館や美術館、気になるレストラン目当てで行って、用が終わったらデパートなどでぶらぶら買い物して帰るってことが多いけれど、散策って楽しみを忘れていた!早速神保町散策に行きたい。神保町は子供が生まれてから行っていないから、本当に久しぶりになるなぁ。この本は行きたい、食べたい、読みたい欲が刺激される本だった。
それから、「森崎書店の日々」という映画を思い出した。あの古本店主の叔父様も内藤剛志さんで素敵だったな。あの主人公の女の子は甘ったれで人任せな感じであまり好きではなくて、持っているけどリピートしていないのだけど、神保町のあの雰囲気を思い出したくなり、また観てみよう(苦手な部分は早送りして・・・)と思った。
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作中に色んな本が出てくるのが面白い。
本と一口に言うと、小説やビジネス書を思い描いてしまう中で、お弁当の作り方や、写真がまとめられたもの、メイキング本などの様々なジャンルの本が出てくるのがすごく楽しい。
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神保町が好きなので、ちょくちょく行ってます。
古書店の香り、喫茶店で静かに読書する時間、街の雰囲気、全部が癒しです。
『古本食堂』は神保町を歩いている気分にさせてくれる1冊です。
私は文房堂の喫茶店が好きだなぁ。
あそこは文房具好きにはパラダイス♪
続編も読むのが楽しみです。
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古本と食堂なんて好きなものだらけじゃん!ってことで読みました。
ちょいちょい想像と違ってたけど好きな作品でした。
積読していないで早く読めばよかった。
ラストはなるほどねーってなり続きもあるみたいなので読みたいです。
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今までに読んだ原田ひ香さんと少し違った印象の作品でした。北村薫さんの作品に印象似てる(個人的な分類です)。
本の内容を解きながら食事、人間関係と絡めた6つの作品。
登場人物、年齢や立場も違うそれぞれな人生。
おもしろかったです。
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自分初の原田ひ香作品。
私は職場が神保町で、毎日のように前を通る古書店やランチで出向くカフェやレストランがたくさん出てきて嬉しくなる。
登場人物がみんな魅力的。こういう人と友達になりたいなって思う人がいっぱい出てくる。素敵な人と、読んでみたい本と、美味しそうな食を詰め込んだ、神保町愛あふれる優しい一冊。おすすめです。
神保町通の人には、神保町をもっと好きになれる本。神保町をあまり知らない人は、ぜひこれを読んでからお出かけくださいね。
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とても良かった。あたたかい気持ちになった。
大学院生と大叔母の二人の女性が古本屋を舞台に、自分の人生や周りの人々との関わりについて改めて考える。登場人物みんながすごく良い人で、他人に優しい。こんな風に、ゆったりとした人生も良いなー。
この先どうなるの?と思ったら続編が出てた!早速チェックしないと!
ドラマとか、映像化も良さそうな作品。
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実在のお店紹介が多い原田ひ香さんらしい昨日。
今作は古本×神保町グルメ。
国文科の大学院生・美希喜とその大叔母・珊瑚の二人の視点で語られるのだけど、たまにどっち視点かわかりづらい時が。
二人とも性格良い女性で、彼女たちを取り巻く人たちもクセはあっても憎めないキャラばかりなので、心穏やかに読み進められました。
特に滋郎叔父さん・後藤田先生・東山さんなどの年配男性たちが魅力的です。
神保町は数回しか行ったことないけど、こういう物語を読むと遊びに行きたくなっちゃいますね!
小林カツ代「お弁当づくりハッと驚く秘訣集」×笹巻けぬき寿司
本多勝一「極限の民族」×ボンディのビーフカレー
樋口譲ニ「十七歳の地図」×ろしあ亭のピロシキとグリヤーシ
「お伽草子」×ブックハウスカフェのカレーパン
鹿島茂「馬車が買いたい!」×揚子江菜館の上海式肉焼きそば
丸谷才一「輝く日の宮」×ランチョンのメンチカツやビール
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兄の滋郎が突然亡くなり、神保町の古本屋を
継いだ女性珊瑚さんは、滋郎の兄の孫の美希喜と
周囲の人達に助けられながら経営することに。
古書店を訪れたお客さんが、自分が読んだことの
ない思いがけない本を、珊瑚さんや美希喜に紹介
され、気持ちが徐々に変わるシーンが印象的。
食べ物が出るシーンが本当に美味しそうで、
特に、美希喜が、大学の進路相談に滋郎さんの
お店に行った時にご馳走になった、けぬきすし、
食べてみたい。それから、揚げたてのピロシキ、
ボンディのビーフカレー‥
ああ、なんだかすごくお腹が減ってきた‥
町中に古書があふれていて、おいしいものが
あふれていて、味わい深い人達がいる、
なんて素敵な町だろう。
印象的な言葉、
「人生に必要な小説や本って、向こうからやってくるのかもしれませんね」
本当にそうなのかもしれない
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まあ、タイトルから予想される通りのフワフワと暖かい話でした。良く言えば「期待を裏切らない」悪く言えば「ありきたり」。
主人公は二人。亡くなった神保町の古書店の主・滋郎の妹の珊瑚。そして滋郎の兄の孫娘で大学の文学部に通う美希喜。二人は滋郎の古書店を仮に引き継ぎながら、神保町の隣人たちとの交流を深めて行く連作短編。
主人公を二人置き、それぞれの恋バナを混ぜ込んだのが面白い工夫。ただ、二人とも「私」なので文節の初めにどちらか分からず、ちょっと戸惑ったりしましたが。
この手の話はややもすれば神保町という土地柄に過度に寄りかかり、その案内書みたいになったりしますが、そこは適度に保たれてます。
まあ、一言で言えば「安心の出来」と言った作品でした。オヤオヤ、今気づきましたが、原田ひ香さん初読みでした。続編もあるようです。読んでみましょうかね。
Posted by ブクログ
お食事小説とも、古典をモチーフにした名著リスペクト小説とも言い切れない。神保町を舞台にした、本の雰囲気がふあーんと香ってくる小説。
雰囲気系だからこそどっちつかずな部分もあるというか。振り切っていただいてエンタメ系にしていただいてもよかった。
あと、個人の多様な想いを絡めた本が増えている気がする(内容に関わるかもだから遠回しな書き方で気持ち悪いが…。自分の備忘録も兼ねているので仕方がない)。
そのこと自体はなんとも思わないが、こんなところにも出てくるか?となった。もはやネタ?のように何でもかんでも扱っている感じがしてそこは若干不快感。
Posted by ブクログ
神保町で本好きな人たちがゆるく集まる古書店を営んでいた滋郎さんが亡くなった。妹の珊瑚さんが上京し片付けながら店を開けていて今までの常連さんとも変わらないお付き合いをしている。近所で美味しいものを調達しながら仕事や本の話をしている仲間に入れてもらいたいな。
【再読済み】