あらすじ
【第31回すばる文学賞受賞作】4人の過剰な女たち。あなたは誰に共感? 努力で「できちゃった略奪婚」した里美。その結果、離婚の憂き目にあった佐智子。そんな彼女を心配し、探偵活動を始める伯母ミツエ。その娘で不妊に悩む奈都子。女たちは対立しながら奇妙な友情を育む。
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夫を略奪した女と、された女。その夫の叔母と娘の従姉妹。同時進行で4人それぞれの思惑と探るようなやり取り…で段々何となく分かり合えた感じがホッとして面白かった。
目的が成し遂げられそうもなかった中途半端な状況を軌道修正すべく再度トライする事とか、細かい「女アルアル」がおかしくて。
ラストの二人が気になるけど、この話の流れでは、そう悪いことにはならなそうだと、私もミツエと同じ気持ちだ。
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いとこの元妻、新妻、叔母とその娘。立場の異なる4人の女性達の織り成す会話劇が、普段は心の奥底にしまってある感情を揺さぶってくる。
特に叔母の娘の家に、いとこの新妻が押しかけてくるシーンが印象的。
「ねえ、私のどこが悪い?」
ラストのタイトル回収も、凄く心地良い。
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最初は、誰が誰か分からんくて、読むのやめようかと思った。けど、どんどんメインの登場人物絞られてきて、ちゃんと読めた。
最後2人がどうなったのか気になるけど。
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原田さんの原作のテレビドラマが面白くて、この作家さんの作品を読んでみようと思いました。奈津子の従兄弟、博昭の離婚とそれに伴う再婚と妊娠の話を中心に物語は展開されていく。従兄弟の元奥さん佐智子さん、再婚相手の里美、そして奈津子の母、ミツエ。登場人物、一人一人がどこか強めなクセがある。奈津子は、結婚6年、子どもがいない。そしてそのことを祖母から“子どもを作らなきゃ、一人前の大人とは言えないよ“と冷たく言われる。愛人を妊娠させて離婚したというのに何がいい事なのだろうか、奈津子には理解できない。そして里美、里美は努力をすればなんでも思い通りになると信じて生きてきた。そしてこれからもそれは変わらない。博昭と結婚する為に産婦人科にかかり筋肉注射までする。奈津子も子どもの頃から親の言う通り勉強し、大学もいいところに入り、男関係も真面目、就職もいいところにできて、30過ぎて結婚、なのに子宮筋腫で子どもが出来ない、里美と同じ真面目な人間なのだ。それなのに、他人の夫を寝とった里美より自分の方がダメな人間だと言われるのはどうしてなのか。努力をした結果、幸せになる資格があるはずだという里美に奈津子は策略だと言う。嵌めたのだと。一方、佐智子は、ピッキングという性癖がある。離婚して十何年ぶりにピッキングをする。人の家のものを盗るのではなく、家の中に入って、こころゆくまで眺める、それだけで心がすっとする、これをしないと自分は生きていけないという。佐智子の事を心配して新しい住まいを探して訪ねてきた
ミツエにピッキング現場を見られ、問い詰められる。ミツエは、佐智子に元夫、博昭の新居をピッキングする提案をする。それでピッキングをやめようということも。ピッキングしたのはよかったのだが、最後は、佐智子と里美が顔を合わせることに。
テーブルの上に薄い紅茶と白湯、ミツエと奈津子が退散したあと、2人はどんな話をするのか、読者の想像力にまかせる形で話は終わる。
個性的な生き生きとした女性、対照的なのは、なんとも覇気のない博昭やミツエのダンナさん。この作家さん、面白いな、また違う作品も読みたい!!
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娘、母親、いとこの元嫁、不倫の末に結婚した新しい嫁の4人の女性、それぞれの視点で話が進む。無駄な説明がなくテンポが良い。下世話な感じが楽しく一気に読んだ。ただ、始まらないティータイムがどうなったのか、その後が気になる。。
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途中でやめられず一気に読んでしまった。他人の家にこっそり入ることが楽しみなんて衝撃。すごく面白かったのに、えっ!?ここで終わりなの!?とちょっとモヤモヤが残る。どんな酷い手段を使っても子供を産む者が勝者って・・・そうなのかも。
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原田ひ香さん、「三人屋」「アイビー・ハウス」に続く3冊目「はじまらないティータイム」を読みました。2008.1発行。結論は、とても面白かったです。147ページの作品です。最初から82ページぐらいまでは、物語の背景の説明が続き、タイトルの意味もわからない状態でしたが、82ページからどんどんひきこまれ、もう夢中になりました(笑)そして、144ページになって、「タイトル」、了解しました!(笑)
Posted by ブクログ
夫を略奪された佐智子、その夫博昭のいとこ奈都子、奈都子の母ミツコ、博昭の新しい妻里美、この4人の物語。
微妙な関係性の4人が、じわじわと近づいていく。
それぞれ、なんだか曲者で、でも、それぞれに思うところがあって、う~ん、女だなと言う感じ。
ついに4人が相まみえて、さらに、一番問題の二人佐智子と里美を残して、話が終わってしまうなんて、うーっとなります。
初読みの作家さん。
読みやすく、女性心理をうまく描いているなと、興味を持ちました。
誰に共感するか?が問われているようですが、どうにも、誰にも共感はできませんでした。
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大手保険会社の元重役の夫の妻であるミツエ
娘である奈都子は結婚6年目だが、子供には恵まれない
他人の家に入る性癖を持つ佐智子は
里美に夫であり奈都子のいとこである博昭を寝取られ、
一方的に離婚を言い渡される。
離婚を助長したことに佐智子に申し訳ないと責任を感じたミツエ
結婚式に出席してくれないことを奈都子に説得する里美
午後にお茶を飲みながらまったりと読むことができそうな
ほんわりした本
努力の意味を間違えると怖い)^o^(
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世間一般に正しくないと思われる行為をしてしまった親戚への対応をめぐり、家族自体の関係が改善する話。欧米の影響を良くも悪くも受けている日本が、なんでもありになってきているという現状をよくあらわしていると思う。その中で、古き良き道徳なんかを大切にする日本人は、世間知らずで評判な神田うのなどが子供を産んだりすると、急に大人扱いされたりすることにとまどいを感じることなんかがある。そのなんで?という理解できない心情をよくあらわした作品。
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キャラの立った女4人の四者四様がそれぞれの角度から描かれていて面白い。作り込みが完璧とは言わないが、それぞれの人物がよく練られていて、4人とも独特の魅力がある。中でも、一番凡庸っぽかったミツエの変化、変身ぶりには驚かされる。人間いくつになっても、変わったり成長したりできるんじゃないかと思えてきて、元気が出た。
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原田ひ香さんとタイトルに惹かれて手に取りました。
日常のほのぼのした雰囲気を想像していましたが、始まりから母と娘の不穏なやりとり。
(当方も母親のただ聞いて欲しいだけのお喋りを鬱陶しく思った経験はなきにしもあらず。)
不倫や離婚などの良くない言葉が出てきたなと思ったら視点が変わり、そんなこんなで計4人の女性の視点からその事柄について描かれています。
皆さんも書いてある通り、結末はありません。
4人の女性が「そうはならんやろ!」と突っ込みたくなるような不思議な絡み合いをするのが面白おかしく、私はニコニコしながら読み終えました。
読み手によって自由度の高い読み物だと思いました。
Posted by ブクログ
これほど、登場人物をことごとく好きになれない小説も珍しい(笑)
と同時に、そんな人の方が下手に誰かに共感出来ちゃう人よりこの小説を楽しめるのではないか?と思ってしまった不思議な読後感。
Posted by ブクログ
ドタバタ喜劇を観てるような・・・
キャラクターが次々と入れ替わり、
何でこんなに執着するのか?
何でこんなことするのか?
ラストに緞帳がおりた後、
シーンとしているのか、
ドタバタ、ガシャーンとなるのか、
各々が想像するしかない。
Posted by ブクログ
原田さんが好きなので最初の頃のを読んでみようと借りた。
あっという間に読める内容で、登場人物それぞれがひとくせある性格。
普通に生きてるようで、他者とは相容れない感じ。
だけど徐々に受け入れようと変化する。
最後は読者にお任せしますって感じかな。
でも人ん家に勝手に入っちゃだめでしょう。
Posted by ブクログ
最初視点が次々変わるところがあり、何人かの女性が出てくるのだけど、特にその時の各人のキャラがすごい。ちょっと読むのやめようかなとも思えるくらい…
私としては 他人の家の中を入ってめぐる人1人の主人公の話が読みたいかなあ。
あの変な"努力"する女が最初に出てきた時、『おいしいごはんが食べられますように』の作家と同じ人が書いたのかと思ってしまいました。ちょっと違うけど同じようなタイプの女性。
色んなタイプの女性が出てくるけれど、それぞれがからみあって、良い方向ににいく感じは好きです。
ラストのオチまで、意地悪な目線がなくてそこが良かったと思う。
ラスト2人がどうなったのか、そこが知りたい!
はじまらないティータイムが始まるところで終わり という話の構成
Posted by ブクログ
拘りの強い4人の女性たちの、奇妙な交流と心の解放を描いたヒューマンドラマ。
原田ひ香さんの初期の作品で、第31回すばる文学賞受賞作。
* * * * *
個性的と言えるほど思い込みが激しく拘りも強い4人の女性が主人公です。ええー、そんな人いる⁉ 嫌だなあと苦笑しつつも、作者の仕掛けを読むのが楽しい作品でした。
もともと思い込みや拘りの強い傾向があったのでしょうが、夫のせいでエスカレートしたと思われるのがミツエ・佐智子・奈都子の3人。 ( ミツエは多少自業自得の感があるけれど、佐智子の場合は完全に夫が悪いし奈都子の夫は狭量だ。)
里美だけ異色で、努力を隠れ蓑にして他者の気持ちに思いを馳せないという、嫌われ者パターンの青春時代を送ってきたようで、それがエスカレートの原因になっています。
彼女たちに共通するのは、誰にも理解してもらえない淋しさや空虚感。
ミツエの「独りよがりお節介」病や佐智子の「他人の生活感満喫したい」病はその好例と言えるでしょうし、奈都子と里美が意固地になるのも理解はできます。
淋しさや空虚感で心に渦巻くマグマ。そして自分では抑えきれないマグマの噴出。だけど……。
毒を以て毒を制す。4人が互いに関わることで噴火活動は収まり、ミツエは何やら年長者の余裕さえ感じるほどになっているし、奈都子には素直さが戻っている。
そして本来は仇敵の関係になる佐智子と里美には奇妙な友情が芽生えそうなラストシーンで物語は締め括られます。
個人的には4人の誰にも共感しにくいストーリーではあるのだけれど、不思議とおもしろさを感じる作品でした。
Posted by ブクログ
原田ひ香さんのデビュー作。
4人の女性が順番に語るスタイルです。
離婚した弟を持つ姉。
その2人の母親。
再婚相手。
元妻。
の4人。
この中では姉の存在感が1番薄いけれど
だからこそその姉の気持ちで読み進められるのかもしれない。
あとの3人は分かりやすい歪みがあるかなぁと。
Posted by ブクログ
それぞれ事情を抱えた4人の女性が出てきて、癖の強い面々に読んでいて苦しくなって挫折しそうになりましたが、最後まで読んでよかった!私はこの終わり方好きでした。ハラハラドキドキ、この後どうなっていくのか……自分なりの最後を想像するのが楽しいお話です。
Posted by ブクログ
ページ数も多くないしなぁとフランクな気持ちで読み始めたら、まぁなんという濃厚なお話でしょう。
4人の女たちの人生のいろいろ。
本当にとにかく里美が苦手でした。
努力したって…えぇぇ…と思ってしまいました。
私なら話も聞かないし家にもあげない笑
そして、これは完全に私の偏見ですが、パッと見、真面目で落ち着いてそう!って人の方が、超イケメン!!って人より意外と不倫してる気がする。
※個人の感想です
あと、終わり方がザワザワする感じで良いですね。妄想は膨らむばかりです。
Posted by ブクログ
全て女性目線で書かれているからか、勉強になった。
ひどい手段でも、子供を授かれば周りからは喜ばれ、しあわせなことなのかな。
妊娠出産ってしあわせの象徴みたいにされるけど、子供ができない人もたくさんいて、そういうことを知っているはずなのに無神経な発言をする人が多いのもまた事実…。
人の家に入るのが好きっていうのも異常ではあるけど気持ちは少しわかる。
外から家を見ていて、他人の家の生活とか、覗いてみたい気持ちになることはあって。
子供の時に感じていた家庭の暖かさとか、帰った時のカレーとか、日曜日の洗濯物とか、そんなのがたまにふっと恋しくなるかんじ。
旦那さんサイドの話も読んでみたいかも。
Posted by ブクログ
誰のことも好きになれない話なのに
なぜかこころ惹かれちゃう不思議。
努力する人に対して、
悪い意味ですごいと思ったのは初めて。
なんにしても本気でする努力ってすごいんだな。
Posted by ブクログ
タイトルが秀逸。ほんとうにティータイムがはじまらない。なにかが始まりそうな予感だけを秘めて物語りは終焉する。続きがはてしなく気になる!出てくる女たちなんかみんなちょっとずつ狂ってて怖い。2013/421
Posted by ブクログ
努力して妊娠し、妻子ある男と結婚にこぎつけた女、その男の元妻。その男の叔母とその娘の4人の女のお話。
人の家を盗み見るという発想と、進みが淡々としていて一気に読めた。