原田ひ香のレビュー一覧
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インターネットで秘密を暴露されるなどして傷付いた女性たちが暮らす、離島のグループホーム。
ある母娘の登場により、状況が変わっていく。
ミステリー要素もあり、一気読みした。
アゲハが「ミミズなんて付けられたら嫌だなー」と言ったのは軽いジャブだったんだろう。こわっ。
テントウムシの本当の名前を知っていればこそ。
躍起になってアゲハの過去を調べている間、テントウムシは何がしたかったんだろう。
アゲハを追い出したかったの?
居場所を守ることと、過去を暴くことはどう繋がるんだろうか。
私にはそれが理解できなかった。
危うい過去、秘密というものが、他者にとって非常に興味をひく対象であることは、本当に -
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ネタバレある出来事が起きたとする。
それに複数の人が関わったとしたら、
事実はあくまでもひとつなのだけれど、その事件が彼らに与える影響はそれぞれだ。
マリアとテントウムシは、小さな離島に住んでいる。それからミミズとオオムラサキが加わり4人になった。そこはネット被害にあった女性たちが、世間の目から逃れて共同で暮らすグループホームだった。
ある日、そこに親子が入居することになる。母親はミツバチ、美しい高校生の娘はアゲハという名前をマリアからもらう。
最終的に、テントウムシはその親子に追い出されることになる。彼女が何があっても守ろうと決めた、自分の終の棲家になると思った『虫たちの家』から。
実はミツバチ -
Posted by ブクログ
ネタバレ改題する前の「虫たちの家」の方が内容にもしっくりくる。
ネット、特にリベンジポルノなどで傷つけられた女性たちがひっそりと暮らす家に美しい娘アゲハとその母親であるミツバチが加わったことで急激に平穏が崩されていく。
アゲハの言動に翻弄される主人公テントウムシ。しかし病弱で部屋にこもっている母親にも何かある...
いったいなんだろう、何が目的なのだろう...とざわつく気持ちを抱えつつ、唐突かつ断片的に語られる誰かの古い記憶とテントウムシの過去、アゲハの情報を繋ぎ合わせていくドキドキ感がたまらなかった。
これ以前に2作品読んだが、どれもスカッとは終わらなかった。
この作品も然り。
そこが原田氏の持ち味 -
Posted by ブクログ
どういう風に転がるか分からないスタートで、だんだん薄皮がめくれるように色々な事が明らかになっていき、柔らかな着地点に到達する、まさにエンタメ小説のお手本のような一冊。
個人的にはNHKでやっていたECDのドキュメントと被る部分も有ったり。
血の繋がりが有る一般的な家族であれ、そうではない家族であれ、最終的にはやはり皆1人1人の個人。だからこそ愛しいし、憎たらしい。
母親がいないという共通点はあるものの、住む場所も生活のレベルも違う、登場人物達の様々な家族像を作者は見事に描き出しています。
ドライとウェットが入り混じった家族という関係性の特別さにあらためて感じ入りました。
主人公の広美は果た -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は新聞の紹介欄で知りました。
九州から船で20分の小さな孤島に「虫たちの家」と名付けられたシェルターはあり、そこでは、テントウムシやオオムラサキ、ミミズと名付けられた女性たちが過去を一切明かさずに暮らしている。
その女性たちはリベンジポルノ等と言われるネットに流された写真で普通の生活が営めなくなり、逃げ場を求めてやってきた人ばかり。
そんな中に「アゲハ」という高校生くらいのとっても綺麗な娘とその母親「ミツバチ」がやってきて、それまでひっそりと営まれてきた「虫たちの家」の生活が脅かされそうになる。
「虫たちの家」に終の棲家を求めるテントウムシは危機感を覚えて、「アゲハ」の過去を探