原田ひ香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
三人姉妹にフォーカスしていた前回とはガラリと様相を変え、今回の続編は長女の夜月を中心に描かれている。
長女の夜月は、自分の思うままにこの世に漂い、ただ自然体に生きているようであるのに、何故か人に強い影響を与えてしまう存在だ。
豆腐屋の居候に甘んじて自分を見失っていた正人を見事に掬い上げ、彼女のヒモ的存在である作家の一也が「一行目が書けない」と悩んでいるとき、夜月がさらっと放った「二行目から書けば良いんじゃない?」という一言。これでふっと肩の力が抜けた一也が、自分のヒモ生活をそのまま書こうと思いつくくだりなど、彼女がそこにいるだけでみんなの強張った心が不思議と落ち着いていく空気感は唯一無二なのは認めざるを得ない。
作中では、次女のまひるのちょっと扱いづらい頑固さや、他の女と出入りがありつつも夜月に想いを残す大輔のこだわりなどが交わったり、全体としてはどこか焦点が絞りきれていない展開が目立つ。
「三人屋」から始まった物語だからこそ、夜月一人の物語にしてしまったことで、前作ほどの面白さに繋がらなかったという印象が残る。
しかし、夜のスナックのワチャワチャした空気感は健在であり、
最後に判明するその「美味しい玉子サンドの秘密」が、絶対に門外不出であることだけは確かである。 -
Posted by ブクログ
私は昭和生まれだけど、バブル期は知らない世代なので今回の話ははじめ共感しづらかった。
でも本は読みやすくて、前半こそスローペースだったけどお年寄りを助ける辺りから人柄が好きになり、そこからは一気に読んでしまった。
途中途中に出てくる元彼たちの気持ちが結局わからなくてイマイチ物語に入り込めなかったけど、チヤホヤされてたバブル時代をホントの意味で卒業出来たのには成長を感じた。
昔お世話になった上司の飯塚さん?とのやり取りがすごく好きで、解説にも書いてあったけど人生は短いのではなく長いのだから楽しんだもん勝ちという言葉はグッときた。
今この瞬間は二度と帰ってこないけど、私もアラフォー。これからの楽しみをたのしみにしつつ生きていきたいと思った。