原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
女に浮気はない、本気しかない
みたいなセリフが刺さったけれど
愛を試すための浮気があることを知っている。精神医学でボーダーという。学生の頃に、私はそれを受けた。めっちゃ浮気で本気じゃなかったから許した。
それはまぁいいとして。
空のグラスが寂しさならば、注ぐ水はなんだろう。
愛の誓いかもしれない
信頼かもしれないし
紛らわしかもしれない。
グラスに再び注がれたカクテルに安心したけれど
グラスは洗うことができなければ、前に注がれていたカクテルの味が残る。飲まずとも、いや飲まないからこそわかるのだよ、わずかなにごりが。
それでもグラスは洗えない。
そんなカクテルの味は、切なさだろう。
そんな話 -
Posted by ブクログ
夏の文庫本フェアでなにか読みたくて。
冊数ではマハさんの方が多く読んでいるが、ひ香さんも存在感があって好き。暗くてひんやりした感じが夏にぴったりでした。
四十代女性が主人公、人生がすべてうまくいかず、過去との折り合いがつかないどん底から少しずつ新しいステージに進みはじめるストーリー。
ちょうど私も行き詰って、新しい世界に飛び込んだところだったのでほどよく響く。前のところでは天井っていうか、もう人生なんてこんなもんなんでしょ?ハイハイ、とか分かったつもりになってたけど、新しいことを始めるとまだまだこれからなんだ、新しい人との出会いもこれからなんだな、って思えて、さらにこの本によるとそういうの -
ネタバレ 購入済み
ちょっと….….
見守り(主として夜?)という変わった仕事の話、仕事終了後に食べるランチと、その時に飲む酒の話、別れた元夫と娘の話、どれもが、中途半端だった。もっとガッツリ、ランチと酒の話かと思ったのに….….合間に挟まる他の話が、微妙で、面白くなかった。
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ネタバレ 購入済み
う~~ん
この著者の作品は、初めて読んだ。軸となるのは、三人で、初老の女性と、その亡くなった息子の妻だった女性と、その再婚相手の男性。初老の女性からしたら、最後の男性は、義理の義理、ギリギリ….….と、ここで、本の題名になった。ちょっと複雑で、何となく、どうなるのかなと思いながら読んで、読後は、ちょっと、唸ってしまった。面白かったとは、言えない….….もやもやした。複雑な気持ち。
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Posted by ブクログ
平穏な日常をすごすていた。ただそれだけなのに。
想像もしていなかったことが起き、社会から隠れるためにある南の島の一軒家で目立たないように平穏に過ごす。ここが自分の居場所だと、終の住処だて思いながら。
でもそんな平穏な島での暮らしも、ある親子の入所により追い詰められて、自ら居場所を失くしてしまう。
伏線の回収はすごかったが、読んでいる間、後味が悪く、扱うテーマと虫の名前で呼ばれることに、何だか慣れなかった。
なぜ虫の名前で呼ばれるのかは定かではないけれど、「あの『家』がなくても生きていける。」
それぐらい逞しくなった彼女たちがせめてもの救い。
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Posted by ブクログ
エグいとの噂だったので、恐る恐る読んでみたが、思ってたよりエグくなかった。
生き抜くって大変で、自分を助ける人やお金が絶対必要。
しかし、それが可能な人と可能では無い人がいる。
自分は、どっちになるのだろう?と考えながら読んでいた。
生きてる限り、最低限の生活ができるような仕組みが世の中にはあるのだから、そんなに悲観しなくても良いかもしれない。
でも、結局は「ただ生きてるだけ」の存在になってしまうのではないか。
何も産まず、何の変化も起こさず、ただそこに存在しているだけ。
それは、果たして死んでいるのとあまり変わらないのではないだろうか。
そんなことをついつい考えてしまった。