原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
九州にある小さな離島。過疎の進むその島に、一軒のグループホームがあった。
そこには、お互いのことを虫の名前で呼び合う女性たちが住んでいた。
彼女たちがその家に集まってきた理由は、ネット上に拡散された流出写真や誹謗中傷などで、それまで生きてきた世界では生きづらくなってしまったから。
その家で女性たちはひっそりと静かに暮らしていた....
そして、その家に新しい住人を迎えるところから物語は始まる...
絶海の孤島ではない、でも、本土と密着に結びついていると言える距離ではない小さな島。
そんな島は、日本国内にけっこう数多くある。
そんな島に、隠れ人のように暮らすひとたち。
ひょっとしたらそんな島 -
Posted by ブクログ
原田ひ香のこれまでの作品の中では異色の作品。ミステリアスでサスペンスのような内容は、東京ロンダリングよりも何十倍も恐ろしい。
九州の離島にやってきて女だけの共同生活を送る「虫たちの家」の住人は、誰もがネット社会によって傷つけられた過去を持ち、誰からも忘れられようとしてひっそり生きている。そこに新たにやってきた母娘により、そこの住人、特に主人公のテントウムシの暮らしは大きく揺らぐ。
そのメインストーリーに時々挿入される過去の話は、それを語るのが誰なのか、本編とどういう関係があるのかが明らかにされないまま進んでいく。最後には、そのエピソードが何を意味するのかが示されるのだが、とても静かで不気味な語 -
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「テントウムシは〜」という文章で「え、人間の話をしてたと思ったのに、虫からみた世界といったような話なの、面倒」と思ってしまった(笑)。いやー、突拍子もない設定のものを読むのも体力いるのよ。
本名を他人い知られないようにするための措置ということだったわ。施設内では虫の名前で呼ぶのだとか。なるほど。
ネットで傷つけられた人だったら、検索で自分の名前がヒットしてしまうのは辛いことだろう。傷つけられたというわけでなくても、良からぬうわさ話になってたりとか……、人のことをとやかく言いたがる人っているのね。
自分のことだけしっかり世話してればいいのにな。 -
Posted by ブクログ
蔦のからんだ一軒家を、シェアして住んでいる二組の夫婦。ある日素性の知れない女性が片方の夫を訪ねてやってきたときから、穏やかなその共同生活が少しずつ変化を帯びてくる...
あくまで共同生活の変化は、女性の訪問によるものという流れでしたが、もともとこの共同生活には無理がかなりあったのではと思わされました。
あまりにも価値観の違う4人が、それでも共同生活を行ってこれたのは、そういう暮らしを行っている自分たちが素晴らしい、という自意識があったからではと思うのですね。
そして年数が経つにつれ、だんだんと価値観の違いがストレスを生んでいき、今まで見過ごしていた些細なことも、気になっていく。...というとな -
Posted by ブクログ
原田ひ香の本だから、ということで読んだ。悪くはないが、期待していたほどでもなかった。
思うに、登場人物が個性的すぎる。薫は普通だが、未世子は特別によく分からない人物だった。幾つも資格を持ち、おそらく有能なのに、ウェイトレスのアルバイトが大好きで、他方で夫には稼ぐ力を求めている。そして、寡黙だけど注意深い。一緒にいると疲れそうだが、それはともかく、結局彼女は何をどうしたいのか分からなかった。
ストーリーも、流れとしては素直に楽しめるのだが、アイビー・ハウスに訪ねてきた謎の女や隆の不審な挙動など、思わせぶりなことが書かれていながら、最後までよく分からないまま放置されていて、わざとそうしているのだろ