原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
けっこう面白かった。ストーリーは、主人公「広美」の行動や思いを、過去と現在で交互に展開させながら進んでいく形式。
過去では、「母親のいない子供(たち)」の世話をするために、好きでもないその子供(たち)の父親と付き合い、そして数ヶ月、数年たって別れていく「広美」を、その父親の観点から描いている。また現在では、「世話してもらった子供たち」のうちの1人で、苦学しながら教員か公務員を目指す「祐理」とその恋人「あおい」が、「昔をあまり覚えていない広美」に対して抱く、深い思いや感情を描いている。
「広美」が何故、縁もゆかりもない「子供たち」を母親代わりに世話をするのか?はあまり重要ではない。小説の最後の方でその理由が分かるが、けっこう平凡で、ある意味期待外れだった。
それより、世話の必要なくなったとたん、「広美」は彼ら父子から離れていく。子供たちは「広美」がいなくなることに納得していないが、父親たちの方は何故か「広美が何時かは自分達の前から姿を消す」ことが分かっていた。勿論、何故自分達の前に表れ、何故突然に自分達の前から姿を消すのかは分からないにしても。
読んでいると思うことは、「広美」にとっては「子供を世話すること」が大事で決して「その子供が好きなわけでも、ましてやその子の父親が好きなわけでもない」ということ。だから、子供たちが大きくなって「広美」に会いに来た時、本当の母親かと聞かれても「いいえ」と簡単に完全に否定する。そして感謝する彼らに「助けてもらったのはこちら」と彼らの感謝も拒否する。この「広美」の行為と思いは、何だろう?自分の実の子供に対する贖罪とか、子と無理やり離された不条理に対する彼女なりの抵抗とかは、何か安易だ。
よく分からないが彼女は「世話する子供」がいないと自分自身を生きられないのかもしれない。
最後の最後、「世話の必要のない」大人についていった「広美」は何かを吹っ切れたのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書店で見てジャケ買い。
女とお金、貧困。
他人事のようで、身近な話題でもあるなぁ、と思い読んでみることに。
実際にこのような思いを抱えて生きている人は確かに存在する。最初はダメだと分かっていながらも足を踏み入れ抜け出せなくなる心理、共有してしまう秘密、介護に疲れノイローゼのようになってしまう若者。
男に頼らないと生きていけない女、幾つになっても惨め。
同じ女として、これから面倒を見なくてはならない親たちのことも考える。
やっぱり、お金はあったほうが良いし、ギリギリでの生活はいつ破綻するかわからない。
今は大丈夫でも、この先どうなるかなんてわからない、、
だからこそ、若いうちからしっかりとお金のこと、老後のこと、介護のこと、考えておかないといけないと思った。
藍ちゃん、みよちゃん
私も近所に年齢の近い幼馴染がいるから、自然の当てはめて考えてしまう部分もあった。
もし私がこの本のキャッチコピーを書くならば。
「貧困な女が抱える秘密と落ちていく沼」
とかかな?
作者の原田ひ香さん。
割と好きな作家さんかもしれない。 -
Posted by ブクログ
おしゃれなイメージのデザイナーズマンション、憧れはあるけれど実際住むとどうなんだろうか⁇と思ってしまう。
暮らし難い部分があるのでは…と想像してしまう。
この物語は、有名建築家によるマンションに振り回された人々の心の内を覗いてみたら…というオムニバス形式で5編。
一度購入したら多少の不備はあっても我慢して住み続けるだろうか⁇と考えてしまった?
マンションだと修繕管理費も安くはない金額だし、古くなればなるほど改修工事は必要になる。
だが住民全員とは言わずとも賛否のための会合は度々あるだろうし、なかなか大変なことだと見につまされる内容であった。