原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんともドヨンと澱んだものが残る物語です。
ホラーやのようなリアリティのあるグロもさあり、
でも、もっと深い救いのない後味の悪さが残ります。
本のうらすじにはクライム小説とありますが、
そんな感じで括れないような気がします。
今の世の中の実情とリンクした貧困、高齢化、
介護ケアの闇がテーマです。
しっかりした取材力に裏打ちされた骨太の構成は、
この作家の底知れない才能を垣間見ます。
主人公藍の不倫相手、高柳が言う「底知れない品の悪さ」や「関わったら、ずっと下に堕ちていってしまいそうな。いや、堕ちるっていっても、不倫とかそういう堕ちるじゃなくてさ」、「その後ろには俺たちとは全然違う、何か -
Posted by ブクログ
『東京ロンダリング』(&『失踪.com』)以来の原田ひ香さん。
山崎ミチル、45歳。バツイチ、無職。
バブル期に美味しい思いをしまくった記憶を引きずりつつも、将来への不安を抱えながら日々を過ごしている状態です。
"妥協"で受けたスーパーのレジ打ちバイトにも落ちて、流石に凹んだミチルでしたが、「経験年齢不問」のチラシのポスティングバイトを始めることになり・・。
序盤は、若い頃チヤホヤされていた、華やかなりしバブルの頃の記憶にしがみついているミチルさんを痛々しく思いながら読んでいたのですが、彼女がポスティングのバイトを始めて、その関係で知り合った佳代子さんのスマホの契約に付 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「古本食堂」に続き、原田ひ香さん作品は2作目で、かなり「古本食堂」とは雰囲気が違う感じがしたので驚きつつも、主人公の里里の年齢、里里の子供の年齢、仕事しながらの子育てという視点で自分と近かったので、とても物語に入りやすかった。
善良と悪がはっきりと書き分けられないのがとても良いと思った。
今だと「毒親」と言われてしまいそうな里里の母親のバックグラウンドも描かれることで、ただただ母親が悪いという単純化されたストーリーにしないのに好感が持てた。
ただ私として不思議なのは、「普通」で「幸せな家庭」とは呼べないような家庭環境で育った里里がどうして最も簡単に、妻子持ちの人と付き合い、シングルマザー