原田ひ香のレビュー一覧
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ネタバレ不遇の子どもがいると聞けば、どんな手を使おうともその父子家庭に入り込み、赤の他人の子どものために最善を尽くす女。そして自分の去り時だと思うと速やかに姿を消し、また次の家庭を探しては移る。
父子の父親のほうからはもう不要だと思われていたとしても、子のほうにとっては実の母親同然の存在。大人になった今も彼女のことを忘れられない子どもたちが、彼女を追いかける。
感情が読めないから彼女を理解しづらいけれど、母性とはこういうものなのでしょうか。不思議なタイトルに思い出すのは映画『シェーン』。「カムバック!」と言われたらそうしてもいいと思う。きっと、戻れる。
「借して」という誤字のせいでかなりテンショ -
Posted by ブクログ
ネタバレ九州の離島ってどこかな〜
と九州住みの私は気になった(笑)
壱岐対馬とかかな〜と勝手に思い浮かべて読んだ
なにかから逃げてきた女性たちの暮らす
虫たちの家
リベンジポルノだったり
レイプだったり
読んでいて辛かった
ネット社会こわい
いつ餌食になるかわからないこわさ
直接暴力を振るう人だけでなく
ネットを通じて加担する不特定多数
ここ最近のtwitterでの誹謗中傷が問題になってるけど
もうネットの功罪だよね
今始まったことじゃない
人が死んでから騒いでもさ
それにしても
ちょっとオチが…
アゲハちゃんいくらなんでも
そこまでするかな〜?
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Posted by ブクログ
ネタバレ傷ついた女性たちが集まって暮らす虫の家。
自分たちの本名も過去も捨てて、お互いを虫の名前で呼び合い、できるだけ人との接触を避けての静かな暮らし。
そこにやってきたミツバチとアゲハチョウ親子。
娘のアゲハの島民にたいする奔放な態度を危惧したテントウムシが、自分たちの暮らしを守るためと
禁止されていたネットを使い、アゲハの巻き込まれた事件を知っていくまで。
ネタバレ。
テントウムシが子供だった頃、父親の海外赴任についていき、母親に言われるままにミツバチ親子に冷たくしていたこと。
テントウムシ一家によって自分の家族はバラバラになったと恨み続けていたミツバチが
大人になって娘のアゲハの巻き込 -
Posted by ブクログ
全て女性目線で書かれているからか、勉強になった。
ひどい手段でも、子供を授かれば周りからは喜ばれ、しあわせなことなのかな。
妊娠出産ってしあわせの象徴みたいにされるけど、子供ができない人もたくさんいて、そういうことを知っているはずなのに無神経な発言をする人が多いのもまた事実…。
人の家に入るのが好きっていうのも異常ではあるけど気持ちは少しわかる。
外から家を見ていて、他人の家の生活とか、覗いてみたい気持ちになることはあって。
子供の時に感じていた家庭の暖かさとか、帰った時のカレーとか、日曜日の洗濯物とか、そんなのがたまにふっと恋しくなるかんじ。
旦那さんサイドの話も読んでみたいかも。
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Posted by ブクログ
九州にある小さな離島。過疎の進むその島に、一軒のグループホームがあった。
そこには、お互いのことを虫の名前で呼び合う女性たちが住んでいた。
彼女たちがその家に集まってきた理由は、ネット上に拡散された流出写真や誹謗中傷などで、それまで生きてきた世界では生きづらくなってしまったから。
その家で女性たちはひっそりと静かに暮らしていた....
そして、その家に新しい住人を迎えるところから物語は始まる...
絶海の孤島ではない、でも、本土と密着に結びついていると言える距離ではない小さな島。
そんな島は、日本国内にけっこう数多くある。
そんな島に、隠れ人のように暮らすひとたち。
ひょっとしたらそんな島 -
Posted by ブクログ
原田ひ香のこれまでの作品の中では異色の作品。ミステリアスでサスペンスのような内容は、東京ロンダリングよりも何十倍も恐ろしい。
九州の離島にやってきて女だけの共同生活を送る「虫たちの家」の住人は、誰もがネット社会によって傷つけられた過去を持ち、誰からも忘れられようとしてひっそり生きている。そこに新たにやってきた母娘により、そこの住人、特に主人公のテントウムシの暮らしは大きく揺らぐ。
そのメインストーリーに時々挿入される過去の話は、それを語るのが誰なのか、本編とどういう関係があるのかが明らかにされないまま進んでいく。最後には、そのエピソードが何を意味するのかが示されるのだが、とても静かで不気味な語