原田ひ香のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ特に福祉などの文脈で「救済が必要な弱者が、助けたいタイプの人たちとは限らない」といったことが言われる。
老人ホテルに泊まっている老人たちも、主人公の「天使」や、その親・家族も、どちらも両極の意味で、それに当てはまる。
老人たちはお金を払うことで、老いという弱さをカバーしているけれども、人は最終的には「どうも一人では生活できない」領域に踏み込むことになり(少なくともそのケースが多く)、そのとき急に「弱者」としてどう助けを借りるかというのが大きな命題になる。
結局金かい、という気はするけれども、お金はひとつの有効すぎる解決策だ。
翻って、天使の一家はまさに、「救いたい気持ちになれない弱者」で、生活保護を受け、仕事に就いたらというプレッシャーから逃れるために、次々子どもを産み、「大天使」「堕天使」…とキラキラにもほどがある名前を付け、自分たち自身をテレビ局にコンテンツとして売りながら、怠惰に暮らす様子は、「なんで私が頑張った税金で彼らが救われているのか」みたいな気持ちがふつふつとわくし、ここをどう救い上げるのかが福祉の課題と言われると、難題すぎるだろうという気がする。
親がそうだったから、自活するだけの知識を持たない天使を、その悪循環からどう切り出すのかという話で、「なんでか知らないけどお金がない」ところからどう進めていくのかを一つずつ教えていくのはあまりに地道だ。
これだけ買うといくらになる。いくらしか残らない。こうすると節約できて貯められる。お金のかからない自炊。そして一歩ずつの投資。夢。
ここまで丁寧にするのは、“制度”では難しいのかもしれない。親から生活を学べなかったときに、誰かの熱意とか、親切とか、そういうものに頼るしかないなんて、なんて脆弱な。
地道に教えれば少しずつ改善できると思いきや、ラストでは「やっぱり人の根本的なところはなかなか変わらないのかも」と思わされる。それでも、次の一手を思いとどまった天使に、ここから先救いがあることを祈る。 -
Posted by ブクログ
離婚の話は、なんだかわかるなぁ。と。
そうなんだよ。
なんかこう一つ歯車が合わなくなると、一緒に暮らすってことが苦痛になる。
そうなると、本当、ことごとく嫌になる。
ただ。子供がいるとまた違うよなぁ。
不思議だけど。
でも、夫婦2人だったら生活に余裕があるから、もしかしたら、そんなにギスギスしないのかも?
子どもという三者目が介入することで、生活がいつも通りにいかなくなり、回らなくなったところで歪みが出てきて、こんにちわー
って感じがするから、
夫婦2人の時点で、ギスったらそもそも無理そうだわな。
別れたほうが早いのもようわかる気もする。
70代のぞうさん。
もう一冊併読してる、70歳からの手ぶら生活っていう本読んでるんだけど、
まぁ、明るい老人の多いこと。
みんな90歳くらいまでごっつい働いていて、とてつもない元気な老人ばかりで。
やっぱり仕事してると違うよなぁ。
ゾウさんも頑張ってほしいなぁ。
ラストの終わりは、沙也加に店譲る感じだったけど、ゾウさんもまだまだ頑張ってほしいなぁ。と、思った。
73歳のお友達からもらった本。
彼女もとても元気にバタフライしてます!
#バタフライ仲間
#本仲間
#交換
#原田ひ香 -
Posted by ブクログ
昭和と令和の二つの時代の女性を通じて描く「食」と家族の絆の物語。
まず主人公の留希子が作中で作る料理がどれも美味しそうで、読みながら食べたくなってしまう文章の表現力は高い。昭和のパートでは当時の封建的な社会が生活感たっぷりに描かれており、わずか100年ほどの間に人々の生活はこうも変わったのかと改めて感じさせてくれる。
YouTuberなどSNSで料理レシピを発信する人間が溢れかえっている現在、時短や手軽さを求めるものからレストラン顔負けの本格的なものまでネット上で共有されるレシピは多様化し、その分ありがたみは無くなってしまった。昭和パートでは生姜焼きのレシピ一つを完成させるまでに多くの時間が費やされており、そのレシピが起因となって令和では家族のトラブルが発生し、最後には絆を確認するという「食」物語になっている。
ちなみに今では家庭料理の定番になっている「生姜焼き」という料理をメニューとして定着させた元祖の店は銀座の「銭形」と言われており、今でも大勢の客で賑わっている。私も生姜焼きは大好きだ。 -
Posted by ブクログ
斎藤美奈子さんの解説を読んで気づくこと、それでもわからないこともあって、知識不足と洞察力の無さに軽くへこんだ。
併録されてる「あめよび」は、私にとってはなんだか怖くて、本読んで久々にこんな感覚。読み切った時は謎の涙がこぼれた。
解説の「お話づくりが上手すぎて若干深みに欠ける」はすごく読んでいた感覚にしっくりきた。
でも、これが良さでもあるのではないかと。
私からしたら、これ以上深みが出てしまうと読むのを敬遠してしまいそうな感じ。
「あめよび」を読み切れたのももしかしたら深みに欠けてくれたおかげかなと私は思う。
好き嫌いせず、読まず嫌いもせず、いろんな作家さんの本を読んでみたいと思った!