原田ひ香のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレあらすじなどを調べずに、題名だけで原田ひ香さんの軽快な物語かなと思って気軽に手に取ってしまった。
生活保護を当然の権利として受給している両親のもとで育った天使(えんじぇる)の物語。計画性のない大家族の子どもの1人で、小さいころはテレビの取材がたびたび入っていた。
特殊な環境で育ったので世間との感覚がかなりずれていて、読んでいて本当にどんよりしてしまった。一生懸命生きようとしているところは良いのだけど、周囲の環境がひどくて悲しくなってしまう。
読後感もあまりよくなく、もったりとした嫌な気持ちだけ残ってしまって、もう読み返したくないと思った。
古本食堂 や 三千円の使いかた と比べると、ポップさが少なくかなり重かった。 -
Posted by ブクログ
朝・昼・晩で店主もメニューもガラリと変わる不思議な店「三人屋」。
喫茶店、うどん屋、スナック……それぞれの時間帯に登場する料理の描写がとにかく美しく、圧倒的にお腹が空く作品だ。
森野俊生の場合。喫茶店のつもりが昼のうどん店に紛れ込んでしまった俊生の慌てようと、女店主・まひるのぶっきらぼうさの対比(笑)。そこに差し出されるエッジの立った美しい讃岐うどんの対比は鮮烈で、五感が刺激された。
私自身が三姉妹の末っ子ということもあり、彼女たちの関係性には特別な愛おしさを感じた。物心ついた時から一緒にいる同年代の仲間。「あの時あんなことがあったね」の一言で、他の誰とも共有できない同じ風景を頭の中に浮かべられる存在がいることの貴重さを、改めて実感させてくれる。
だからこそ、長女と次女の間にある絶妙なライバル意識には、どこかリアルな生々しさがある。そんな姉たちのピリついた距離感を、三女の朝日のように一歩引いた第三者の立場で客観的に見守れるのも、末っ子ならではのリアルな共感ポイントだ。
単なる「ほっこりお料理小説」に終わらない、人間のほろ苦さも不器用さも、すべてを美味しく包み込んでくれる、最高に痛快で愛おしいエンタメ作品だ。
って、いうか、「味の素」は偉大だ! -
Posted by ブクログ
女性2人の人生を垣間見た小説2編でした。
『人生オークション』は離婚後の叔母の世話をすることになった姪が主人公目線で始まります。
引っ越しはしたが良いが段ボールがたくさん積み重ねてあり、寝る所もないからオークションで売って行くことになります。
叔母にとってどう言う物・事が大切かが、一緒オークションを出品して姪も分かってくるようになります。オークションで知り合ったヒヨ子との交流も描き、叔母と姪の関係も変化していきます。
人生再スタートさせるための、少しだけ元気が貰える話だと感じました。
『あめよび』は、アラサーの眼鏡店員の美子とハガキ職人(フリーター男)との恋愛だと思ったら、秘密を共有しているようで共有出来てない仄暗い感じを受けました。
美子の欲しかったものを最後に貰えますが、紆余曲折あり幸せて何だろうと考えさせられました。
(作者が求めているような感想では無いかもしれませんが、救いがあるようで無い話と個人的には思いました)
ヒット作の『三千円の使いかた』とは違った人間に深みがある話だと思いました。上記の2編はテイストが違うので、好き嫌いは分かれそうな感じがします。
人間の心理を深く揺さぶるものを書ける作家さんだと感じ、他の作品も読んでみたくなりました。 -
Posted by ブクログ
*********************************************
離婚して帰る場所を失った32歳のりさ子が、
事故物件(変死や自殺があった部屋)を住み継ぎ、
その部屋をロンダリング(浄化)する仕事を通じて、
孤独な無気力生活から自分を取り戻していく物語。
*********************************************
大きく感情を動かされ、感銘を受けることもない。
けど設定が面白く、重くも軽くもなく読みやすい。
闇が垣間見える話だけど、登場人物みんな良い人。
かなりお節介な人も出てきて一旦ムッとするけど、
その世話焼きで人間として再生されていくりさ子。
結局環境が人を作るし、分相応に暮らすのが大事。
「いつもにこやかに愛想よく、でも深入りはせず、
礼儀正しく、清潔で、目立たないように」が掟。
うまく生き抜く術としては確かにその通りだけど、
希薄な関係しか生まず、良し悪しがあるとも思う。
ただのハートフルな展開だけに収まらず、
緊張感も、不気味さも、空虚さも、感じられ、
結構面白かった、サクッと読むにはおすすめ。
----------✂︎-----------✂︎----------✂︎--------
冒頭で主人公がサクッと不倫してて笑えた、笑
----------✂︎-----------✂︎----------✂︎--------