歴史・時代作品一覧

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  • 時空大戦(1)漂流自衛隊1945・沖縄
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    2004年4月6日、突然、強力な磁気嵐が北海道を襲い、本州との交信は不通になった。北海道上空を飛んでいた航空自衛隊千歳基地所属の早期警戒機E2Cホークアイが目撃したのは、なんと太平洋戦争時のアメリカ夜間戦闘機P61、通称ブラックウィドーと、帝国海軍の名戦闘機、零戦の熾烈な空戦だったのである…。道内の自衛隊幹部が困惑しながらも、たどりついた結論は、北海道だけが太平洋戦争末期にタイムスリップしてしまった、というものだった!?自衛隊は、北海道知事の決断により帝国陸海軍を支援することになる。北海道がタイムスリップした4月6日は、菊水一号作戦が実施された日でもあった。なんとしてでも、沖縄特攻にむかう戦艦『大和』艦隊を救わねばならない。千歳基地から要撃戦闘機F15Jイーグルが、沖縄に向かって飛びたっていった。鬼才、草薙圭一郎が、新たな構想で満を持して描くタイムスリップ戦記シミュレーションの傑作。
  • 機動要塞「大和」(1)
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    ある日突然、100機を超える国籍不明の謎の爆撃機の大編隊が、平成日本の東京を攻撃してきた!航空自衛隊百里基地からスクランブル発進した二機のF15Jイーグル戦闘機のパイロットが目撃したものは!?この異常事態は、いったい何を意味するのか!?官房副長官・滝川治は状況把握に右往左往する。緊急閣議が招集され、時の総理大臣・古賀誠一は武力攻撃事態を宣言した。滝川の苦渋の判断は、平成の日本全体が、そのまま太平洋戦争時代に時間漂流してしまったという、とてつもない仮説だった…。最新技術の先端をゆくはずの自衛隊が、旧米軍を相手に苦戦する。平和ボケした平成日本の国防システムは、あくまでも少数精鋭の現代兵器を想定しており、大量兵器による攻撃に対する準備がまったくできていなかったのだ。そんな折り、沖縄特攻を前に最後の演習を終えた昭和20年そのままの戦艦大和が呉港に戻ってくる。果たして大和は、混迷する日本を救えるのか!?鬼才・砧大蔵が、満を持して問う衝撃のタイムスリップ・シミュレーション戦記。
  • サイバー空母「ヤマト」(1)激戦渦巻く太平洋戦線へ
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    憲法上、空母を持てない海上自衛隊は、極秘裏にイージスシステムとサイボーグ機能を搭載した空母型揚陸艦『ヤマト』を竣工したが、進水セレモニーを前にテロリストに襲われた。しかも、その対抗手段として発したベリノライズによって、乗組員もろとも忽然と姿を消してしまったのである。気がついてみると、乗組員たちは疑念と懐疑につつまれながらも、なんと昭和16年の太平洋上を漂流していたのだった。そこは、また日米両軍が血で血を洗う激戦の真っ只中でもあった。一方、アメリカ太平洋艦隊のスプルーアンス提督は、ミッチャー中将率いる第58機動部隊の潜水艦に、不審艦艇に対する攻撃を命じていた。さっそく標的となったサイバー空母『ヤマト』だが、難なくミサイルで撃沈。かくして、水無月艦長が指揮する自衛隊のサイバー空母『ヤマト』は、激戦渦巻く太平洋戦線に巻き込まれてゆく。エンタテインメントの王道をゆくタイムスリップ架空戦記の大傑作、ここに登場。
  • 恋道行
    値引きあり
    4.0
    お前のためなら、誰だって殺すぜ――。 切実に愛し合う男女の逃避行が、嵐を巻き起こす。 著者がどうしても書きたかった人情時代活劇、開幕! 不幸な生い立ちから悪事に手を染めるも、親切な絵草紙屋の主人に拾われ店番として更生した千七。 物語を楽しむささやかな生活を送っていたある時、茶立女のおゆきと出会い、運命的な恋に落ちた! だが直後、おゆきに懸想する御家人崩れの久蔵が、ある裏仕事で入った大金で彼女を落籍してしまった。 救出に向かった千七は、諍いの末に久蔵を殺してしまう……。 追われる身となった二人の逃避行の行方は? 著者新境地の時代恋物語、開幕!
  • 宿場鬼
    値引きあり
    3.5
    中山道の霧深き宿場町に降り立った〈鬼〉――何処からともなくやって来た美貌の男は、虚無の眼を湛えすべての記憶を失っていた。恐るべき剣技を操る男は「無名」と呼ばれ、元用心棒の清源が営む道場に寄宿することになった。清源の娘・小夜の献身により徐々に記憶を取り戻す無名。だが、謎の刺客が次々に訪れる。果たして彼は何者なのか? そして彼が通ってきた修羅の道とは?エンターテインメント界の巨匠が挑む初の本格時代活劇!
  • 残りの秋 髪ゆい猫字屋繁盛記
    値引きあり
    3.6
    身重のおよしが突然、猫字屋に戻ってきたとおもったら、旦那の藤吉が突然店の金を持って失踪したという。およしに惚れ込んでいたはずの藤吉がなぜ? 喜三次は、藤吉を訪ね歩いて、川崎宿まではるばる足を向けたが、そこで意外な内実を知る。 生さぬ仲の子を我が子のように愛おしむ者がいるとおもえば、血の繋がった子どもを捨てる母もいる。 いつの世も変わらぬ人の情を、哀しみと慈しみに満ちた筆で描きだす、シリーズ最終巻。
  • 柳沢騒動
    -
    俗説のなかに埋没している柳沢騒動をほりおこし、客観的な歴史の光をあてて再生したユニークな作品。作者は史実のなかにふかくふみこんで、丹念に素材を洗い出し、そこから当時の時代色をみごとに再現してくれる。将軍綱吉も、柳沢吉保も、牧野成貞も、また水戸光圀も、納得のゆく人物像として造型されている。海音寺の戦前の代表作の一つであり、戦後の「武将列伝」や「西郷隆盛」等に代表される歴史大作につながる作品。
  • 西郷隆盛 新装版
    値引きあり
    4.3
    「本書によって西郷のみならず明治維新の革命の真相を理解できたと思う」(解説より)――作家・常盤新平氏 近代日本の夜明け、明治維新に燦として輝きを放つ西郷隆盛。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。そしてさらに、西郷は軍人でもなかったのである」と著者が言い切った男の半世紀の足どりを克明に追った伝記小説。名匠が描いた維新史としても読みごたえ十分の力作。 ※本電子書籍は、昭和五十四年四月に刊行された『西郷隆盛』(角川文庫)を底本としました。
  • 零の凱歌[1]マーシャル沖の飛翔
    4.0
    戦艦『武蔵』建造中止!──アメリカとの開戦が不可避となりつつある中、衝撃的な決定が海軍内を駆け巡った。日本は戦略方針を一大転換し、世界の常識だった大艦巨砲主義の殻を脱ぎすて、新戦力たる航空主兵主義を纏うことにしたのである。その中核的存在は、対米避戦を唱えながら皮肉にも陣頭に立つことになる山本五十六。戦争を望むのはアメリカの方であることを知り、やむなく勝利への準備を模索し始めたのである。その成果が、航空技術者を総力結集して開発した新型艦載機であった。米太平洋艦隊とマーシャル沖にて会敵した第一航空艦隊は直ちに奇襲を敢行!産声をあげた零式艦上戦闘機二三型の大編隊が、世界最強艦隊を震撼の渦に巻き込んでいく!!航空機の大いなる可能性に帝国の未来を賭けた男たちを描く、待望の本格的シミュレーション・ノベル、第一巻。
  • ミサイル戦艦「大和」[1]飛行爆弾、発射!!
    4.0
    「戦艦『大和』にV1を搭載せよ!」──昭和一二年六月、海軍次官であった山本五十六は、突如決断した。その狙いは、ドイツで開発中の飛行爆弾V1を戦艦から発射し、遠方距離の敵基地や艦隊に先制攻撃を加え、味方空母部隊を護衛することであった。軍令部を説得した山本は、日本版V1「噴龍」を開発。早速、「大和」の改造を命じる。四六センチ砲六門、後部甲板に「噴龍」射出用のカタパルト四基を装備し、計八発の飛行爆弾を積む超弩級艦は、名実ともに史上最強戦艦として竣工した。真価はミッドウェイ島攻略作戦で即座に発揮する。「噴龍」を米飛行場に着弾させ、甚大な被害を与えたのだ。だが、日本側も敵空母発見が遅れ、二隻の空母を喪い、壊滅寸前であった。南雲機動部隊は急遽、「大和」中心の挺身突撃隊を組成。第16任務部隊「エンタープライズ」へ、ついに世界最大の巨砲を放つ!飛行爆弾を伴う新たな戦艦の勇姿を描く、待望のシリーズ。
  • 超日米大海戦[1]逆転ミッドウェー
    2.0
    戦術レベルのシミュレーションでは、太平洋戦争で日本が勝つことはできない――この不可避な命題に挑むべく、T大学・太平洋戦争史研究会の柳沢梅人は量子物理学の権威・藤原教授の開発した実験装置によって仮想現実の昭和11年に転移した。柳沢の戦略は大和級戦艦2隻の建造中止と正規空母の量産。さらに航空機とパイロットを充実させることだった。開戦までに多数の機動部隊を編成し、史実では大敗を喫したミッドウェーで米艦隊を撃滅するのがその目的だ。かくして、三個機動部隊によって「MI(ミッドウェー)」ならぬ「鯱(しゃち)」作戦が発動。だが、その戦いは現実を超えた壮絶なものだった。聯合艦隊に俄然有利な状況にもかかわらず、復元を図ろうとする歴史。そして、米軍の史実とは異なる予想外の反撃。史上初の空母決戦に勝利するのは日本か、アメリカか!?異才が贈るシミュレーションを超えた架空戦記、発進!
  • 大東亜大戦2014[1]中国軍VS日米連合
    -
    2014年、韓国は、金正日王朝の崩壊により悲願の統一を果たすことができたものの、北部を中心に反米・反日デモの嵐が吹き荒れていた。一方、中国は、経済の急成長とともに石油資源が枯渇して、原油の輸出国から輸入国に転じていた。中国が選択した解決策は、周辺の膨大な大陸棚の海底深くに眠る地下資源を独占することだった。しかし、そのためにはASEAN諸国、韓国、台湾、日本との国際紛争を覚悟しなければならない。中国は密かに、統一まもない韓国の動揺を誘う謀略を展開させた。この中国の戦略を、冷静に見抜いたアメリカは、環太平洋諸国による合同軍事演習リムパックを、中国の庭先ともいえる黄海で行おうと、太平洋第七艦隊を出撃させた。日本の海上自衛隊第一護衛隊群も同行し、海軍力で中国を押さえこもうというのだ。果たして、この未曾有の危機を自衛隊は乗りきれるのか!?気鋭の軍事アナリスト、高貫布士が驚愕の国際情報を駆使して描く迫力満点の近未来シミュレーション戦記!!
  • 幕末恋語り~春の雪~
    -
    人を本気で愛した事のない遊郭の花、深雪太夫と、剣の道を志し夢を求めて上洛した近藤勇。 互いにないものを見出し、思いを通い合わせるものの、二人には越える事のできない溝があり。 幕末と言う激動の時代の中、春の雪のようにただ儚い、交わる事のない想いの物語。
  • 幕末恋語り~冬の菊花~
    -
    舞妓の君菊が座敷で見かけたのは、酒の席ではあまりに場違いな酒を拒む男、土方歳三。 本音と建て前を使い分ける土方に徐々に入れ込むようになった君菊だが、土方は隊のあり方に大きく悩み、彼女の恋心に気付く素振りを見せない。 すれ違うだけだったら、どれだけ苦しくなかったか分からない。ただ座敷の上でだけは夢を見させて下さい。
  • 蒼天の艦隊[1]黒潮部隊出撃!
    3.0
    昭和16年12月、真珠湾攻撃によって米太平洋艦隊の主力を壊滅させた日本は、直後ウェーキ島とグァム島を攻略、占領に成功した。太平洋の支配力において劣勢に立たされた米軍だが、大統領に反撃作戦の立案を厳命された海軍のキング作戦部長は、陸海軍の作戦参謀からヒントを得てある奇策を思いつく。それは、空母から陸軍の長距離爆撃機を発進させ、日本本土を奇襲爆撃するという作戦だった。一方、脆弱な本土東方海域の防衛に危惧を抱く山本五十六聯合艦隊長官は、徴用漁船だけで編成されていた監視隊・黒潮部隊の増強を指示。第二戦隊の戦艦四隻を配備すると同時に、インド洋作戦に向かう南雲機動部隊から『飛龍』『蒼龍』を分派し、強力な警戒線構築に乗り出す。逆転を目指し暗躍する米軍と敵空母部隊の殲滅を目論む日本。蒼天に忍び寄る暗雲のもと動き出した日米の壮大な戦略の行方は?
  • 潜水空母Z艦隊[1]ミッドウェイ米艦隊撃滅!
    3.5
    もし日米闘わば、空母機動部隊を用いて敵艦隊を殲滅すべし――。航空攻撃による短期決着。それが海軍航空本部長だった山本五十六の持論だった。だが一方で、航空母艦の脆弱性も熟知する山本は、もし日本の空母が先に殺られれば、その優勢は国力差によってすぐに覆されてしまうだろうことを危惧していた。防御が弱いなら水中に潜ってしまえばいい。かくして山本が潜水艦の第一人者野村直邦と組んで立てた計画、それが独立潜水空母艦隊・秘匿名『Z艦隊』の設立だった。日米開戦から半年、破竹の勢いで広大な制海権を手にした海軍は、次なる最終決戦を決意する。そして、その前哨戦なるミッドウェイにおける聯合艦隊への支援が『Z艦隊』の初めての任務だった。隠密行動、欺瞞通信、囮作戦――あの手この手で合衆国艦隊を翻弄する『Z艦隊』。連合艦隊のお株を奪う奇想天外の活躍に、合衆国艦隊は大混乱に陥った!
  • 超時空世界大戦[1]自衛隊VSナチス、開戦!
    4.0
    2022年、太平洋上に突如として現れた低気圧は、異常な発達を続け、“大気圏内ブラックホール”とも呼ぶべき超大型台風と化した。未曽有の被害が予想される中、日本上陸が刻々と迫る。そのとき「異変」は起こった。地磁気の狂いによって、日本列島は突然80年前に時空移動してしまったのだ!――そこはナチス・ドイツが英米ソを蹂躙、世界制覇を目前とした戦慄の時代。日本は唯一残る敵国として、鉤十字が描かれた爆撃機や弾道ミサイルの襲来に脅かされ、存亡の危機にさらされる世界だった。服従か交戦か、決断を迫られる日本政府。だが、混乱する政府にドイツ迎撃を決意させたのは、小笠原沖に出現した戦艦「大和」を旗艦とする帝国海軍連合艦隊だった。Uボートを迎え撃つ新鋭護衛艦、レシプロ機の大軍を撃滅するステルス機編隊――旧日本軍と共闘する自衛隊の攻勢が今、始まる!
  • レイテ驀進[1]逆襲の機動部隊
    4.0
    太平洋戦争の戦局が守勢一方となった昭和18年、日本は本土近海に跋扈するアメリカ潜水艦の駆逐を急務としていた。だがその矢先、瀬戸内海呉軍港で戦艦〈陸奥〉が米潜に雷撃され大破する。内地の要衝で起きた事件に衝撃を受けた海軍は〈陸奥〉の復旧を諦め、第三、四砲塔の撤去を決意。〈陸奥〉は対空砲と対潜兵器を満載した海防戦艦に生まれ変わったのだ。海上護衛部隊に編入され、輸送船団護衛の任に就いた〈陸奥〉は敵潜を次々に撃破し、大きな戦果をあげる。その対潜能力に着目したのは、来るべき米艦隊との決戦に備えて機動部隊を再編させた連合艦隊だった。〈陸奥〉は連合艦隊に復帰し、南雲機動部隊を護衛することになったのだ。19年6月、マリアナ沖でついに日米艦隊は激突する。三航戦の夜間空襲を皮切りに猛攻jをかける機動部隊。襲いに来る米潜と渡り合う〈陸奥〉。果たしてマリアナ沖海戦の帰趨は!?
  • 紅い月 髪ゆい猫字屋繁盛記
    値引きあり
    4.5
    武家の身分を捨て、自身番の書役となった喜三次が、いよいよ魚竹に入ることになり……人生の岐路に立った喜三次の心中は? 江戸市井の悲喜こもごもを描き出す、シリーズ最高潮の一冊!
  • 最後の鉄狼
    -
    太平洋戦争末期。ソ連南下と満州国崩壊の混乱のなか、幻の武装機関車と列車砲と装甲列車が孤独な南下脱出作戦を行っていた。一縷の希望を乗せて、彼らは裏切りの大陸の鉄路を駆け抜ける! 驀進の鉄道架空戦記、発車!
  • 千人斬り
    1.0
    女に手ひどく捨てられた極端に臆病な侍が、どういうわけか一念発起、“千人斬り”達成をめざし始めた……。哀れな侍の末路を描く表題作。虎を奇天烈な方法で退治して金玉なる情けない姓を拝領してしまった男のその後の系図を辿る「金玉百助の来歴」。落ちこぼれ忍者のドジな結末を描く「伊賀の蟹八」等、19の掌編に8編の怪異譚を併録。痛快無比、抱腹絶倒のショートショート集。
  • 花戦さ
    値引きあり
    4.1
    厚き友情と信頼で結ばれていた、花の名手・池坊専好と茶の名人・千利休。しかし秀吉の怒りを買い利休は非業の死を。専好の秀吉に対する怒りが増していく。そんな専好に秀吉への復讐の機会が訪れる…。
  • 霜しずく 髪ゆい猫字屋繁盛記
    値引きあり
    4.0
    放蕩者だったが改心し、雪駄作りにはげむ丑松が、猫字屋に一俵の小豆を差し入れた。妹のおきぬが世話になっている礼だと言うが、時を同じくして、汁粉屋の蔵に賊が入っていて……(「寒の雨」)。病に伏す助松の容態が悪化。竹蔵は、助松と揉めた過去を語り、罪滅ぼしのため助松の息子、幾松にある提案をする(「寒四郎」)。過去のしがらみも明日への糧に、どこまでも健気に前を向く人々を暖かく描く、書き下ろし江戸人情小説第六弾。
  • シベリア抑留 祖父の足跡をたどって
    -
    旧ソ連が戦後、60万人近い日本軍の兵士らを強制労働に駆り出し、多数が犠牲となったシベリア抑留。著者(32歳)の祖父もまた抑留者の一人だった。だが、祖父は生前、シベリアでの体験を話すことはほとんどなかった。抑留後の足跡をたどり悲劇を振り返るとともに、戦争体験を受け継ぐ意義を見つめ直した、心に迫るルポルタージュ。読売新聞京都府内版連載(2015年8月16日~21日)。「目次」から(1)酷寒の地 何を見た(2)肉体むしばむ「地獄」(3)重いノルマ 死の労働(4)遺体 失われた尊厳(5)生還 語り継ぐ使命
  • 入り婿侍商い帖 関宿御用達(二)
    値引きあり
    2.0
    旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。米の値段が下がる中、仕入れた米を売るために、角次郎は新米を江戸に運ぶ速さを競う新米番船に参加する。妻と心を重ね家族一丸で米屋を繁盛させていく物語。
  • かもねぎ神主 禊ぎ帳
    値引きあり
    3.0
    白川丹波は伊勢神宮から日本橋の姫子島神社にやってきた神主。寂れた神社を立て直すため氏子達を集めるが、揃いも揃って曲者ばかり。人々の心の汚れを祓い清めるため、若き禰宜(神主)が行う"禊ぎ"とは?
  • 札差の用心棒 蔵闇師 飄六(一)
    値引きあり
    4.0
    父の死を契機に瓢六は実家の札差・簑島屋の店付き護衛『蔵闇師』として働き始めた。ある日、瓢六の弟・簑島屋伊兵衛の息子が誘拐され身代金を払い取り戻す事件が起きた。瓢六は誘拐犯を捕まえようと動きだすが……。
  • 剣の四君子 全巻セット
    -
    『おのれに勝つ』厳しい修行に耐え、精進を重ねた孤高の人。いずれも天下無双、他の追随を寄せ付けない剣の達人たちがここにある。柳生新陰流の始祖、宗厳(むねとし)「柳生石舟斎」。居合の始祖「林崎甚助」。勝海舟、山岡鉄舟と並んで幕末の三舟と称される「高橋泥舟」。多数の敵に囲まれても決して負けることはなかった剣の達人「小野忠明」。四話収録。
  • 入り婿侍商い帖 関宿御用達
    値引きあり
    4.5
    旗本家次男の角次郎は縁あって舂米屋の大黒屋に入り婿した。関宿藩の御用達となり商いが軌道に乗り始めた矢先、義父善兵衛が人殺しの濡れ衣で捕まり……。妻と心を重ね、家族みんなで米屋を繁盛させていく物語。
  • 落葉の虹 留守居役日々暦
    値引きあり
    4.0
    横須賀藩の留守居役・高田兵衛の許に、藩士の中沢が妻女と中間の男を斬ったとの知らせが来た。中沢が婦道の罪で二人を処断したというのだが、兵衛には腑に落ちない点があった──。書き下ろし時代小説。
  • 古の女王
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    「ようこそ、古びた歴史図書館へ」 その台詞から始まる彼方とアベルの物語。 まず彼はスペイン王国の誕生の切っ掛けのレコンキスタから語っていく。 そして、徐々に明らかになっていく事実。 そして、アベルは今世でイメージされているものを消そうとフアナの事を語っていく。 語り終えた時、彼はどうなるのか?
  • 江戸裏御用帖 浪人・岩城藤次(一)
    値引きあり
    3.0
    そば屋の2階で女を人質に立てこもる事件が起きた。同心・新之助が男の説得を試みるが、男は聞く耳を持たない。その時、近くを通りかかった浪人・源三郎を見付けた新之助は、彼に協力を仰ぐが……。
  • 雲雀野 照降町自身番書役日誌
    値引きあり
    3.7
    武士の身分を捨て、町人として生きる喜三次のもとに、国もとの兄から手紙が届く。このままでは実家の生田家が取りつぶしに……千々に心乱れる喜三次は、十年ぶりに故郷に旅立つ。彼が下した決断とは――?
  • 上杉謙信
    値引きあり
    3.3
    時は永禄4年正月、上州厩橋の城内で小田原攻略の大策の途中である。そこへ、積年の宿敵、武田信玄の軍が北へ移動しているとの情報が入る。思わぬ裏切りに憤った謙信は、川中島へと足を向けた。
  • その名は町野主水
    値引きあり
    3.0
    慶応四年の戊辰の戦役に際し、会津藩の町野主水は、同藩士の佐川官兵衛、長岡藩の河井継之助らとともに北越戦線で壮絶な戦いを重ねるが、図らずも死すべき命を生き長らえる。会津開城後、民政局取締として若松に残った主水は、心ない新政府の施策に対し、会津の名誉回復へ向けて静かに心を燃やしつづけた。そして、貧窮する旧藩士の救済、無念の死を遂げた多くの戦死者の埋葬、慰霊をはじめ、戦後、荒廃した会津の復興に奔走する。“武士”の心を保ち、時に強引ともいえる剛直な言動から「最後の会津武士」と称された、稀代の人物の激しい生きざまを描く力作歴史長編。
  • 茜色の雨 留守居役日々暦
    値引きあり
    4.5
    参勤交代の横須賀藩の一行が、供揃えのため川崎宿で一夜を過ごした。翌日、藩士の田辺が急病で供から外れ、休養を取ることに。だが田辺が行方不明になり、留守居役の高田兵衛が消息を辿りはじめるが……。
  • 平の将門
    -
    将門の乱に至った物語ながら、人間「平の将門」を描いた作品。将門の弱さ、素直さ、素朴な一面、それでいて戦いの激しさなど波瀾万丈の一代記。これを読めば将門を愛さずにはいられない。ドラマ化、映像化された作品。
  • 札差平十郎
    値引きあり
    -
    旗本・御家人への金融を請け負う札差。吉宗が将軍になって以来、この札差ほど江戸で発展した商売はない。だが巷には札差の金庫を狙う悪党どもが……。武士の横暴や経済犯罪に敢然と立ち向かう札差辰巳屋平十郎の活躍。
  • 魔界少女拳『晴明綺談 ~鶴姫繚乱~』
    5.0
    音楽×演劇×プロレスで魅せる総合エンタメショー『魔界錬闘会』に登場する 鶴姫と越智安成を描いたオリジナルストーリーが電子書籍で登場! 2013年に結成されたビジュアル系ホラーユニット「魔界少女拳」から派生した、音楽×演劇×プロレスの総合エンタメショー『魔界錬闘会』。『魔界錬闘会』で陰陽師が召喚する魔神の背景・過去を、プロデューサー・眞邊明人が描いた小説が電子書籍で登場! 瀬戸内海の大三島に残る「鶴姫伝説」で知られる鶴姫と恋人・越智安成を描いたオリジナルストーリー。大内氏との度重なる戦で犠牲となった安成と致命傷を負った鶴姫。あとに残された鶴姫は--。
  • 魔界少女拳『晴明綺談 ~義経転生~』『魔界少女拳綺談 ~弁慶転生し、あさぎ降臨す~』
    -
    音楽×演劇×プロレスで魅せる総合エンタメショー『魔界錬闘会』に登場する 義経と弁慶を描いたオリジナルストーリーが電子書籍で登場! 2013年に結成されたビジュアル系ホラーユニット「魔界少女拳」から派生した、音楽×演劇×プロレスの総合エンタメショー『魔界錬闘会』。『魔界錬闘会』で陰陽師が召喚する魔神の背景・過去を、プロデューサー・眞邊明人が描いたオリジナルストーリーの小説が電子書籍で登場! 源義経と武蔵坊弁慶の五条大橋での出逢いと奥州平泉での死、そして転生を描いたオリジナルストーリー『晴明綺談 ~義経転生~』と『魔界少女拳綺談 ~弁慶転生し、あさぎ降臨す~』の2編を収録。
  • 【大活字シリーズ】新・平家物語 一巻
    -
    1~11巻330~759円 (税込)
    【大活字シリーズ】新・平家物語 一巻 晩年の吉川英治が執筆に7年もの歳月を費やした超大作が遂に電子化! 12世紀初め、藤原政権が衰退を見せ始める。 保延3年(1137年)。 20歳の清盛は、父が誰なのか、思い悩みながらも、家を出た母(祇園女御=泰子)とも確執が生じる。 【大活字シリーズ】は、通常の電子書籍よりも約200%拡大した大きな文字が初期設定されており、小さな文字を読むのが苦手な方、高齢者の方をはじめ、端末操作が苦手な方でも気軽に電子書籍を楽しめるような設定となっています。 タブレット型電子書籍リーダーでの読書に最適な設定となっています。 【目次】 ちげぐさの巻 貧乏草 わんわん市場 胎 児 清 盛 祇園の女御 夜来風雨急 去りゆく母 競べ馬 袈裟御前 宿借の女御 好色法皇 祝杯 新妻月夜 栗鼠の夢 鬼影 貞操百花図 馬上吟 地下人さかもり 鳥獣戯画 鶏持ち小冠者 染め糸の記 篝り火談議 歌使い 源氏の父子・平家の父子 乳の人の恋 長恨宮 出離 女院と西行 六波羅開地 九重の巻 大比叡 神輿振り 人間到るところ人間あり 螢 あらしの前 案山子陣 一投石 石の雨 悪左府 美しき家族 野風 童女像 鞠 立后二花 煩悩ぐるま 霰御所 土用暦 摂政争奪 苦い菊酒 幼帝御一世 女の国 熊野巫女 釘 柳ノ水 茨 二つの門 如法闇夜 保元・地獄序曲 赤旗の下 零余子艸子 白旗の下 源太産衣 ほげんの巻 宇治の関 呉将と越将 鎧着騒ぎの事 為朝 加茂川濁水記 瀬瀬の水たま 兄・弟 陛下と麻鳥
  • 寒雀 照降町自身番書役日誌
    値引きあり
    4.0
    刀を捨て照降町の住人たちとまじわるうちに心が通じ合い、次第に町人の顔つきになってきた喜三次。そんな自分に好意を抱いてくれるおゆきに対して憎からず思うものの、過去の心の傷が二の足を踏ませて……
  • 雁渡り 照降町自身番書役日誌
    値引きあり
    3.3
    日本橋は照降町で自身番書役を務める喜三次が、理由あって武家を捨て町人として生きることを心に決めてから3年。下町に生きる庶民の人情や機微、暮らし向きを端正な筆致で描く、胸にしみる人情時代小説!
  • 幕末恋語り~夏の鈴音~
    -
    京の町民であり、動乱の時代を尻目に生活を営むまさと、動乱の渦中にいる新選組十番隊組長原田左之助。 生きる世界の違う二人は出会い、穏やかに恋を育み始めたが、それを時代はよしとしなかった。 新選組の動乱の中、生まれる小さな恋の話。

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  • 遠花火 見届け人秋月伊織事件帖
    値引きあり
    3.0
    「八歳の女子が赤子を生んだ」。「他人の墓石を勝手に磨いて回る何者かが出現」。江戸旅篭町の古本屋「だるま屋」には公儀の裏事情から町の噂まで、さまざまな風聞が集まる。噂の出所や行く末を追って秋月伊織が“見届ける”抜き差しならない男女の通い合い、心に響く親子の情愛。人情あふれる書下ろし時代小説新シリーズ。(講談社文庫)
  • 雪の峠
    -
    山間の旅籠「亀屋」に奉公するおりんは、いつも夢を見ている。いつかこの山奥を抜け出して江戸にいってみたいと思っている。ある日、ひとりの侍が旅籠にやってくる。その男は夜伽をするおりんの体には触れず去っていく。やがて二年が過ぎた冬のこと、その侍が再び旅籠に現れる。侍はおりんに自分を訪ねてくる者があっても、自分のことは知らせるなと念を押す。不思議に思ったおりんだったが、その晩宿改めの役人がやって来て、侍を捕らえようとするが……
  • 長崎の女
    -
    戦争での原爆の放射能により今もなお、心身ともに被害者の方々をむしばみ続けている事実、核の恐ろしさがある中、二度と惨事を繰り返してはならない、日本から原爆を風化させてはならない。そのような思いがひしひしと伝わってくる作品であり、大人から子供たちへ、この世に生まれてきた役割や命の尊さ、人としてどうあるべきか、人の道とは等、子供達にどの様な事を伝えていくべきなのかを考えなければならないと思わせる作品です。
  • 幕末恋語り~秋の華~
    -
    菱屋の愛妾のお梅が取り立てに向かった先で出会った粗暴な男、芹沢鴨。 野蛮だがはっきりと物事の本質を見抜く芹沢に心を奪われたお梅は、やがて浪士組の内乱に巻き込まれていく。 幕末と言う時代で出会った、男と女の物語。

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  • 月下の晩餐―森鴎外の隠し子伝説―
    -
    森鴎外の「小倉日記」の長い削除文が公表された。 削除された人物「友石定太郎」の血筋に鴎外の研究家がいて日記を詳細に検証したら、下女に手をつけた疑惑が顕われた。 推理小説の大家松本清張に注進したら作品「削除の復元」で、逆に彼は恩人の鴎外をかばって真相をうやむやにした。 この鴎外研究家は、自分の手で下女の墓石や関係する菩提寺の過去帳と墓場を探して、終に鴎外の隠し子「森清」の墓石を発見した。 だが、マスコミには無視されたので、元警視庁刑事に真偽の検証を頼んだ。

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  • 神州天馬侠 第壱話
    -
    人気コミック『バガボンド』の原案ともなった 「宮本武蔵」の 作家 吉川英治不朽の名作 『神州天馬侠』 『劇場版ジャングル大帝』のアニメ監督竹内啓雄がオリジナル脚本として 書き下ろした初の電子書籍! 『タッチ』、『グスコーブドリの伝説』などの作画監督 江口摩吏介 『ルパン三世』などの美術監督 宮野隆が加わり ファンタジックで、エキサイティングな時代劇コミック&シナリオとして 2013年 再び蘇る!!
  • 隠密拝命 八丁堀手控え帖
    値引きあり
    4.0
    春うららの鎌倉河岸。隠密廻り同心高村新三郎が死体で発見された。本所見廻りの深見十兵衛は、遠山奉行から後任に抜擢される。定町廻りと違い、単独行の多い隠密廻り同心。高村は誰に狙われたのか。恩人高村の岡っ引きらを譲り受けた無外流の“ぶらり十兵衛”は、先輩同心の無念を晴らせるか。熱き心で切れ味あざやか、傑作捕物帖! (講談社文庫)
  • 名品絶塵
    -
    欽家は蘇州でも有名な贋作の専門家系であった。贋作というからきこえがわるいので「複製品の製作」と言いなおせばよいであろう。おなじにせものでも、欽家のつくったものとわかれば、「欽家款」といって、かなり高い値段がついたものだ。 蘇州の有数な画人である貢幻門に二人の門下生がいた。一人は模本づくりに熱中する欽晋道で、もう一人は蒙古の朝廷に仕えて重用されている高応城である。 南宋の首都臨安が陥落したのは一二七六年二月だが、それより三年前、元軍の包囲を五年にわたって受け力尽きた襄陽の陥落が南宋の運命をきめた。そしていま芸術のみやこ蘇州は蒙古軍の襲来の前に風前の灯である。 欽家は蘇州の名品を必死で守ろうとしていた。しかし、その方法は? 蘇州にも蒙古の馬蹄の響きが伝わってきたのだ。

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  • 湖州の筆
    -
    世界を征服した蒙古は、自分独自の文字をもたねばならなかった。フビライはチベットから連行した聖童の誉れの高かった八思巴(パスパ)に命じて新文字を作成させた。だが、どの筆もこの文字を書くために適していない。新しい筆が必要であった。湖州の筆匠馮応科は、パスパ文字用に穂が短く先端がやわらかで根もとからそこまでを極端に固くした奇妙な「新しい筆」をつくった。そして五十年以上筆匠として働いた。湖州は名筆の産地として有名になり、馮応科の名も世に宣伝されるよになった。 蒙古の宮廷では、多勢の写字生を雇って、せっせとあらゆる古典をパスパ文字に訳していたが、それを読もうとする者は一人もいなかった。その事業の主催者である皇帝さえも。パスパ文字の書物はいたずらに宮廷の倉庫に山と積まれて眠っていた。 やがて台州で、用心深い方国珍が造反した。これが元末の動乱のはじまりであった。

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  • 景泰のラム
    -
    一四五三年東ローマ帝国、すなわちビザンティン王朝の命運は尽きようとしている。国都コンスタンティノーブルは、オスマン帝国軍に包囲された。 攻城、軍功は貴族のこと 剣戟ひびき 火噴きあげるも われらはなりわいにいそしむ― ローマと呼ばれた職人がいた。クロワゾンネすなわち七宝の技術をきわめ、宋の磁器に憧憬していた。戦乱をさけてローマはコンスタンティノーブルを離れ中国広州に向う。青磁の国にたどりつき、青磁の技法習得に没頭するために。 広州に着いてから、彼はラムと呼ばれた。ローマという発音に最も近い中国の姓は「藍」(ラム)だったからだ。 七宝のことが、中国では「景泰のラム」と呼ばれて五百年以上がたった。

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  • 墨の華
    -
    (変わらぬもの、わしはそれが欲しい) 墨工羅小華はじっと考えていた。彼の前の机に「至宝」の二字を金であしらいその上下に鳳凰をあしらった墨が置いてあった。その墨がにおうのだ。墨はいくら歳月がたってもそのにおいは変わらない。においは墨のなかに封じこめられているのだ。変わらぬものがそこにあった。 (わしも変わらぬものをつくるのだ) 明代の三代名墨工と謳われるようになった羅小華は、晩年に名墨造りの秘訣を問われ、「心にわきかえる熱があって、造りたい気持ちを抑え、それをほとばしらせるのですよ」 と答えたという。

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  • 景徳鎮からの贈り物
    -
    清国の雍正帝の父康煕帝は名君のほまれ高い人物であったが、皇太子を立てず、臨終のとき後継者を指名した。「第四皇子のインシン」、これが雍正帝である。康煕帝が最も愛していたと思われたのは、十四男であったので、世間では雍正帝派が遺言の十を消して四だけにしたのだという噂が立った。先帝がほんとうに雍正帝を使命したかどうか、きわめて疑わしい。 雍正帝は即位すると、皇位継承のライバルであった兄弟たちをつぎつぎと片づけはじめた。 呂留良はすでに死んだ朱子学者である。彼の著書のなかに、大逆の思想があると言うので問題になった。呂留良の墓はあばかれ遺体の首は斬られ、さらし首にされた、そればかりではない。呂留良の子の呂毅中や主な弟子までが斬刑に処せられ呂留良の孫たちは流罪になった。雍正帝の政治は、独裁恐怖政治にほかならない。 ――いまこそ恨みをはらそう。呂四娘の指はふるえた。彼女は雍正帝に屍体をあばかれ首をさらされた朱子学者呂留良の孫娘であった。 ――父を殺し、祖父をはずかしめた皇帝に復讐しよう。彼女は心にそう誓った。 皇帝のそばに近づかないで、皇帝を毒殺する方法はないだろうか。景徳鎮の御器廠にもぐり込んだ呂四娘は二つの御用湯飲みに細工を施した。 一つは皇帝に献上され、もう一つの湯飲みは・・・・・・。 雍正十三年(一七三五)八月丁亥の日、雍正帝は病気にたおれ、二日後に死んだことになっている。だがじつは即死であった。猛毒に犯されたのだ。毒がどこからはいったのか、いくら調べてもわからなかった。

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  • 波斯彫檀師
    -
    韓貞は波斯の当時最高の技術を持つすぐれた彫檀師。李有儀は長安に住み医薬を業としていた。二人は少年時代からの親友である。李有儀の大切な、美人で気立てがよいと評判の妹が皇后陛下の宮仕之にむりやりかり出されたという。 時代は中国唐代、玄宗上皇が死に皇帝粛宗が危篤で床に臥せていたとき、争いがもちあがった。粛宗の時代になって宦官の李輔国が擡頭した。優柔不断の粛宗の下で李輔国は兵権を掌握し宰相の地位を狙った。張皇后との関係は悪化し李輔国は、張皇后とその一味徒党と思われる人たちをすべて殺してしまった。 あんなに可愛がっていた李有儀の妹は、張皇后の侍女であったがゆえに、このたびの“皇后の謀反”に連座したという強弁で殺されてしまったのだ。 最愛の妹を殺した巨頭李輔国への復讐劇が始まった。彫檀師韓貞の神技の細工と仕掛け、李有儀の劇毒の処方、ほとんど出血はない毒殺の方法ほかすべては完璧になされ、李輔国の寝室に取りつけられた。ところが、発見された死体は血まみれで、そして首がなかったという。 これはどうしたことか。暗殺の真相は? それは本文で解明される。

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  • 挙げよ夜光杯
    -
    王翰の『涼州詞』は日本でも古くから愛唱される。 「葡萄の美酒 夜光杯 飲まんと欲して琵琶、馬上に催す 酔いて沙場に臥すも 君、笑う莫れ 古来 征戦 幾人か回る」 夜光杯の原料は玉に似て玉ではない。夜光杯づくりはとても困難な仕事で、中国解放当時、夜光杯づくりの職人は三人しか残っていなかった。この物語は、その三人の老職人のうちの一人董伯仁が、彼らの作業が見せかけ用にすぎなかったことと知って絶望するが、夜光杯の原石の恩返しを知って、人間として立ち直る物語である。

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  • 金魚群泳図
    -
    張晋渓は蘇州で刺繍の名人として名があった。だが一八七〇年代、彼は新疆にいた。当時の新疆は流刑の地だった。張晋渓が新疆に着いてまもなく、新疆に動乱がおこった。ヤクブ・ベクが新疆に侵入してきたのだ。張晋渓はヤクブ・ベクの捕虜となり、その本陣トクスン城に連れてこられた。刺繍の技術を指導するように強制されたのだ。 新疆は乱れに乱れた。清朝の遠征軍派遣は遅れたが、司令官劉錦棠の巧みな戦術で、住民の信頼を失ったヤクブ・ベク軍は遁走してしまった。劉錦棠のトクスン城攻略の前に、張晋渓がひそかに製作した「金魚群泳図」が献上された。図には重要な軍事情報が秘されていた。はたして司令官劉錦棠は情報に気づくか? そしてその情報とは? 夜明け前の中国西端。動乱の新疆を舞台に名人刺繍工匠の秘話。

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  • 鉛色の顔 ある女形と清仏戦争
    -
    台湾出身の女形張阿火には十四歳の初舞台から豪商や大官など一流の贔屓筋がついた。張阿火は祝儀などをよく散し、たちまち取り巻きができた。楚々たる美女に扮したが、舞台をおりると、さながらやくざの頭目だった。そのころ清仏関係が決裂し、フランス艦隊が台湾基隆(キールン)砲台を攻撃した。張阿火は自力で義勇軍を募り、フランス艦隊と戦った。清仏間に和議が成立すると張阿火は義勇軍をそのまま海賊にして最後に仏船モンブラン号を襲うが失敗。文無しの張阿火は再び役者に。そしてある日、元モンブラン号の水夫長が広州沙面の租界で殺された。殺害時間に張阿火は舞台に立っていたというが……。

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  • ウルムチに消えた火 独裁者楊増新と革命
    -
    辛亥革命(一九一一年)のあと、中国の中心部では軍閥の混戦がつづいたが、新疆はふしぎに平和であった。老荘思想の持ち主であった独裁者楊増新が新疆を支配し十七年もの間平和を保ったが、それは近代化とは遠い「無為」を重んじた政策で青年たちの夢をくだくものだった。

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  • 角笛を吹けど 密告者に復讐
    -
    香港の出版社大啓書局に奇妙な依頼と原稿が届いた。原稿は戦争末期の上海での地下工作員の逮捕に関する記事で、依頼は記事のタイトルを表紙に刷り香港、台湾で広告してほしいとあり、三百香港ドルの小切手が添えられてあった。大啓書局は依頼に応じた。その結果……。

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  • 七十六号の男 上海国民党特務の暗闘
    -
    李士群は出世欲のかたまりのような男である。『七十六号』の主任は丁黙邨で李士群はその副。丁・李の暗闘が始まる。李は女学生の鄭蘋如を使って丁を追いおとす。李の野心は汪政権を牛耳る蔭の実力者になろうと志したが、重慶軍統と日本軍を敵にして……。知られざる七十六号の実相。

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  • 空中楼閣 ある企業スパイ戦
    -
    本社が倒産して失業中の香港駐在員村尾俊三は戦時中には、敵方の諜報部の幹部で知れたヘンリーブランドの紹介で、東南アジア華僑の大立物李欣信の通訳に採用される。通訳として知り得た情報を秘密裏にもう一人の雇人に提供する条件で。李欣信、ブランド、匿名の雇人による華僑資本の海外逃避をめぐる企業スパイ戦が始まった。

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  • スマトラに沈む 詩人郁達夫の失踪
    -
    郁達夫は終戦直後スマトラで日本の憲兵に暗殺されたといわれる。郁達夫を連行して行ったのは中尉一人だけだった。ひき立てて行ったというよりは、まるでいたわりでもするように。彼ら二人が闇に消えてから三十分以上たって、遠いところで、二発の銃声がきこえた。ほんとにかすかな音であった。

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  • 紅蓮亭の狂女 阿片戦争悲話
    -
    明治十八年(一八八五)、朝鮮を舞台に風雲急を告げる日本と清国。清国の対日政策の動向を探るべく、密偵の古川恒造は、光緒帝の従兄弟であるとかく噂が絶えない遊蕩児「十刹海の貝勒」こと載澂に接近した。貝勒の命ずるまま、古川は邸内の「紅蓮亭」で白い膚に青い瞳の迷の狂女と出会い女は過失で死ぬ。そして数日後、要人との宴会を終えた載澂は両眼をえぐられ殺された。紅蓮亭の迷の狂女と載澂の殺害、その背景は四十数年前の阿片戦争に溯る。女の故郷は阿片戦争で最も凄惨な戦闘、殺戮と掠奪と強姦のあった町・鎮江であった。

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  • 似てくる男 大侠朱家を真似た反骨と意地っ張り
    -
    長沙場王堆で漢代古墳が発見され、被葬者はたいこう夫人と推定された。楚の侠客田仲はあるじの娘に求愛したがかなわず、大侠朱家に父事してそのすべてを手本に学んだ。故郷に戻った田仲だが、娘はすでに長沙王の執事利倉の正室に。利倉は後年、たいこうに封じられた。

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  • いざ男の時代 散財で天下の侠客に
    -
    幼年時代の武帝が姑母の館陶公主の娘阿嬌と出会った頃、趙群も阿嬌に心を奪われていた。この一種のロマンチシズムが趙群を游侠に向かわせた。時代の風潮は武帝即位のころから男性的になった。漢の国庫は豊かで、趙群の家も素封家になっていた。

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  • おれは幸運児 酷薄非情が任侠の紳士に
    -
    武帝期、庶民の信望を得て隠然たる勢力を保持した侠客の郭解。若い時にはひたすら己の幸運を信じ悪事のかぎり。年を取ると「徳をもって恨みに報い厚く施して薄く望む」紳士に大変貌。だが、老齢で世に出た御史大夫公孫弘は御前で決議。「郭解は大逆無道」と。

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  • 季布の一諾 任侠の鑑、侠客の手本
    -
    「黄金百斤を得るは季布の一諾を得るに如かず」項羽軍の部将だった季布の苦境を救ったのは魯の大侠朱家。劉邦の天下取りでは全国の侠客の力を借りた。朱家は全国侠客の頂点に立ち劉邦側近とも親しい。だが、朱家は時の権勢家と会うことは避けていた。

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  • 首がとぶ 己を知る者を求めて
    -
    氏素姓もさだかでない遊説の氏でありながら、いきなり趙王に謁見を求め得意の弁台で上卿に任命された虞卿。春申君に望外の幸いと意外の禍を説く士のなかの士といわれた朱英。ともに任侠の友を求めて老を共にし、虞卿は「虞氏春秋」を著述したという。

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  • 虎符を盗んで 王命なく国軍を動かす大義
    -
    中国の戦国時代は百家争鳴、百花斉放といわれる躍動の時代で、客好きの戦国四君のなかで信陵君は芸術家的な気質があり損得抜きの行動が任侠に近く、姉妹国趙が秦国の侵攻を受け援軍を求めたとき「虎符」を盗んでやむにやまれぬ任侠の拳に出たのだ。

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  • 孟嘗君の客 鶏鳴狗盗、無名の食客たち
    4.0
    孟嘗君は斉の王族、有為の士三千余人を食客とし名声は全国に高かった。秦に召還されたが色地におち、鶏鳴狗盗をよくする食客たちに助けられた。孟嘗君ははたして任侠の士であったか。命も惜しまないが、無名も惜しまないのが任侠の極致とすると。

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  • 荊軻、一片の心 始皇帝暗殺行
    2.0
    秦の始皇帝とは同じ境遇の幼馴染だったが、冷たく扱われた燕国の太子丹。そして秦軍は燕国に迫る。主戦派の丹に残された起死回生策・始皇帝暗殺を企てた荊軻の壮絶な心。奇策ならず。だが、荊軻「一片の心」はいつまでも私たちの心をとらえて離さない。

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  • 海山仙館記 ~中国歴史小説 没落した大富豪邸宅のその後
    -
    まさかと思われる出来事がおこった。潘家が倒産した。栄枯盛衰は世の常とはいえ、あんなにながく我が世の春を謳歌していた塩商潘家にも、だいぶ前から衰えの兆しはあったのだという。海山仙館の豪華ぶりを見せつけられていた市民には、とても信じられないことであった。広州の塩商・潘家の豪邸「海山仙館」を宝くじで当てた貧乏教師呉節の歴史秘話。

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  • シンカンの若者 ~中国歴史小説 蘭軍侵攻に抵抗する台湾青年
    -
    オランダが台湾にはじめて上陸したのは、一六〇四年のことだ。オランダは東インド会社をつくりパタビアに貿易基地を置いたが、商売としては有利な対日貿易のために、台湾に進出したのだ。日本人を父にもつ台湾の青年・ヤタロウはオランダ人に雇われるが、オランダ人の横暴さに目覚め、彼らと対抗するために、日本人商人に近づいていった。オランダの台湾占領時代、日本人を父にする台湾の青年ヤタロウの波乱の台湾裏面史。

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  • 胡蝶の陣 ~中国歴史小説 倭寇に復讐する中国人の怨念
    -
    賊は風のようにあらわれた。やっとのことで、賊の眼をのがれることができたが、陳可願の家族は、みな殺しにされていた。倭寇といっても、もとはただの武装貿易商人なのに。あの胡蝶の陣の白扇のゆらめきは、その後、陳可願の夢になんどあらわれたかしれない。悪夢である。陳可願には片時も忘れられないことがあった。それは、復讐である。父母を殺した憎き倭寇の得意の戦法「胡蝶の陣」。地主の息子・陳可願が奇策をもって倭寇に復讐する中国裏面史。

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  • 落日孤雲 ~中国歴史小説 大詩人元好問の苦渋の秘策
    -
    蒙古軍の再包囲で、城内に地獄絵図がくりひろげられた。封鎖によって食料の供給は久しくとだえている。百姓、食尽キ、以テ自ラ生クル無シ。金王朝は滅亡した。元好問はしばらく抑留され、のち自由を回復したが、いくら勧誘されても元朝には仕えなかった。亡国の民として、滅びた金国の記録を蒐集することに一生を捧げたのである。 国の滅亡という危機に、金王朝の歴史を後世に伝えようとした大詩人・元好問の史話。

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  • パミールを越えて ~中国歴史小説 名将軍高仙芝の波乱の生涯
    -
    高仙芝は唐の玄宗時代の名将だが、漢人ではない。高麗の人だった。ダルコット峠の頂点にたったとき、高仙芝は部下の将兵が、恐怖におそれおののいているのをかんじた。弱卒ははじめから連れてこなかった。それなのに彼らはひるむ色を見せた。そこで智将高仙芝は全軍の力を生み出すために、この大氷河をくだれば、勝利があると全軍にふれたのだ。 パミール峠を越えてチベットを征服した唐朝の名将・高仙芝の大活躍を描く歴史秘話。

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  • 楊貴妃は覇水を見た ~中国歴史小説 玄宗皇帝の寵愛とその結末
    4.0
    ある日、楊貴妃に温泉に入れという、玄宗皇帝の命令が伝えられた。宮廷のしきたりでは、皇帝の寵愛を受ける宮女に、そのような命令が下るのである。楊貴妃はむろんその意味を知っていた。楊貴妃はうつむいて半ば目をとじていた。肩がかすかに揺れていたが、おそれおののいていたのではない。楊貴妃はふしぎに冷静になれた。 玄宗皇帝に見染められ、最期には殺された楊貴妃の一生をたどる中国史悲話。

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  • ヤクブ・ベク ~シルクロード人物物語 放浪音楽師が回教国家を樹立
    3.0
    イギリスの力をバックにして、中央アジアにおけるロシアの侵略に、できるだけ中立的な姿勢をとることによって、ヤクブ・ベクは自分の王国の拡張と安泰をはかった。ヤクブ・ベクは「信仰の守護者」という称号を受けた。これは、回教世界から君主の地位を認知されたことにほかならない。しかし彼は、それゆえに人心を失ってしまったのだ。

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  • スウェン・ヘディン ~シルクロード人物物語 前人未踏の地に憧れ西域へ
    4.0
    ヘディンは若くして、中央アジア、中国の「西域」に踏みいった。「誰も行ったことのない土地」それが彼のたましいに誘いかけるのである。そのヘディンの業績のなかで、最も燦然と光を放っているのは、「さまよえる湖」ロブ・ノールの問題を解決したことであろう。その光は、三十余年前に、彼が楼蘭で遺跡を発見したことと照らし合っている。

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  • 張騫 ~シルクロード人物物語 匈奴討滅に月氏と同盟を謀る
    -
    「騫、人と為り強力なり。寛大にして人を信ず。蛮夷もこれを愛す」史記の作者司馬遷は、張騫のことをこのように評している。張騫の西域旅行は、使者に指名されたのではなく、みずから志願してのことだった。志願して、それが許されたのは「頼もしげな男である」と武帝はふだんから見ていたのであろう。

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  • 宋雲 ~シルクロード人物物語 西域諸国と友好を結ぶ
    -
    風雪が多く、沙が飛び、礫が走り、目をあげるとすべてが砂というシルクロードを旅した宋雲は、正式の使節としてエフタル王のテントに案内された。王は錦衣をつけ、四つの黄金の鳳凰をかたどった椅子に座った。宋雲が北魏の詔書をもたらしたと知ると、エフタル王は再拝してひざまずき、それを受け取った。

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  • 法顕 ~シルクロード人物物語 高僧のインド求法の旅
    4.0
    この時代、西域の大砂漠を越え、大雪山を越えてインドまで行くのは、筆舌に尽しがたい苦難の旅であった。「求道の旅である。途中で命をおとしても悔いはない」六十五歳の法顕は、みずから天竺に渡る決意をしたのである。「私は命を必死の地に投じて、万に一つの希望を達したのです」法顕は旅行譚をきかせたあと、必ずそうつけ加えたという。

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  • 音なし源捕物帳(巻一)
    -
    左腕がなく、顔一面、濃い無精髭(ぶしょうひげ)におおわれている男が、颯爽たる男前の左右両腕利きの《音なし源》に変身!…冴えわたるプロットと小気味よい殺陣で読ませる笹沢左保ならではの「ハードボイルド捕物帳」。全10巻。本巻には「光る闇」「夜桜の涙」「暗夜の花道」「鶴の八番」「《さ》の字殺し」の5編を収めた。

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  • 欠落ち 公事師政吉御用控
    -
    奉行所の煩雑な手続きを、不慣れな人達の為に、手助けするプロフェッショナル・公事師。今で云う司法書士の様な存在である。お上の十手を預る「馬喰政」の異名を持つ政吉は、公事師が表看板である。表通りに店を構える大店・天満屋から店の金に手をつけて逃げていった番頭と一人娘を、内密で捜索して欲しいとの依頼を受ける。嫌われ者の岡っ引き風情に大店の主が鮨だ酒だ前払いだと、下にも置かぬあしらいに尻の落ち着かぬ政吉だったが、案の定、裏事情にどつかれて――。

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  • 銭形平次捕物控 巻一
    -
    1~20巻330~440円 (税込)
    「親分、た、たいへん」と鉄砲玉のように飛び込んでくるお馴染みガラッ八、悠然とかまえる平次……岡本綺堂の「半七捕物帳」、横溝正史の「人形佐七捕物帳」とならぶ三大捕物帳のひとつ、野村胡堂作の「銭形平次捕物控」登場! 平次とガラッ八との絶妙なコンビが織りなす江戸の風物詩。本巻には「赤い紐」「傀儡《かいらい》名臣」「お藤は解く」「玉の輿《こし》の呪」「金の鯉」の5編を収録。

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  • 柴錬捕物帖 岡っ引どぶ 巻一
    -
    1~3巻330~660円 (税込)
    柴錬痛快捕物帖登場! 岡っ引「どぶ」は、《まずい面である。極端に目が小さい。鼻孔がひらいているし、口も大きかった。頤(おとがい)が張り出していて、ちょうど将棋の駒のかたちをしている。よれよれの唐桟留(とうざんどめ)は、冬でも夏でも、これ一枚の着たきり雀の無精さで、入る金は、ことごとく酒と女に費されてしまっているあんばい》…こんな「どぶ」が、奇怪な事件を見事に解決していく。

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  • 半七捕物帳 【分冊版】巻一
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    作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。本巻には「お文の魂」「石燈籠」「勘平の死」「湯屋の二階」「お化け師匠」「半鐘の怪」の6編を収録。この電子ブックシリーズでは、全68作品を各巻5編くらいずつ、読みやすい形にして提供の予定。全14巻。

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  • 昔日より
    値引きあり
    -
    想い人を追って伊勢へ行きたい、という町娘の恋を手助けする、家康の元寵妾と配下の老忍を描いた「黄鷹」。裏切られた思いの息子に、一世一代の晴れ姿を見せる父親が眩しい「新天地」。たった一度、過ちを犯した武家の妻女の心の内が狂おしい「女犯」。江戸を舞台に、読後感が清冽なオブジェを象る傑作短編集。
  • ざっくり分かる龍馬伝
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    龍馬初心者からマニアまで楽しめる一冊です。様々な資料から龍馬の人間性を浮き彫りにしています。会話中心でストーリーが展開し、読みやすく、分かりやすい内容になっています。【その壱 立志編】黒船を目撃した龍馬は、勝海舟と出会い、日本を世界に通じる国にしようと決意する。そんな時、西郷隆盛と出会う。西郷の度量の大きさに感銘を受けた龍馬は、幕府を倒し、新しい日本を作るために薩摩と長州に同盟を結ばせようと狂奔していく。【その弐 激動編】長州と薩摩は欧米諸国との戦いに敗れ、攘夷が不可能であることを知る。そして京都は新撰組が支配する。現状を打開するため薩長同盟を実現させようとする龍馬だが、西郷や桂小五郎など一筋縄ではいかない相手に苦戦する。龍馬はヨーロッパ諸国との貿易を通じて薩摩と長州の間を取り持とうとする。【その参 完結編】ついに薩長同盟が結ばれた。しかし幕府は龍馬を危険人物とみなし、襲撃する。その危機を救ったのが「おりょう」だった。龍馬はおりょうを妻にし、日本で初めての新婚旅行に行く。大政奉還、船中八策など次々と時代を先取りした策を打ち出す龍馬だったが、夢半ばで暗殺される。

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  • 時の十字架
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    幕府によるキリシタン弾圧が強化される頃、天草や島原の農民たちは天災や飢饉、重税に苦しんでいた。人々の苦しみは頂点に達し、十六歳の少年、天草四郎を総大将とした一揆「天草・島原の乱」が蜂起する。幕府軍との激しい攻防戦の末、農民たちが立て籠もった原城は落城し、四郎をはじめとして乱に加わった総勢三万七千人はすべて殺され斬首された。わずか十六歳で幕を閉じた天草四郎の謎に満ちた短い生涯、その同時代を生きた三人の女性の物語。九州タウン情報誌ネットワークの「Qストーリー大賞」優秀作品が九州電書コレクションとして電子書籍化
  • 小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む
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    5.0
    城もなく武士はわずか数十人。人口一万人余りの伊予小松藩には、江戸時代で唯一、150年以上も書き継がれた日記がある。互いに顔の見える小藩だからこそ、代々の幹部たちは私利を計らず誠実に藩政に取り組んできた。不作の兆しを把握し、大飢饉には一人の餓死者も出さなかった。領民の命を守ることが優先された、類をみない善政が日記から読み取れる。天災、幕府の圧政を乗り越えたもう一つの江戸時代がわかる貴重な記録。 ※本書は二〇〇一年七月、集英社から刊行された『伊予小松藩会所日記』を改題し、加筆・修正して文庫化したものが底本です。 【目次】 第一部 武士の暮らし   小松藩のなりたち   小松藩の概略   会所日記   小松藩の財政状況   古証文   座頭への対応(一)   座頭への対応(二)   武士の減俸   藩士の食卓   藩札の発行   殿様在国   公儀測量役人   参勤交代  第二部 領民の暮らし   駆け落ち   不倫と情死   不思議の記述   女性と子供   領 民   娯 楽   目明し   盗品と暮らし   他領との交渉   善 政   泥 酔   海 防   越後従軍
  • 隠密 味見方同心(一) くじらの姿焼き騒動
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    3.8
    南町奉行所きっての腕利きと噂される臨時回り同心・月浦波之進に特命が下った。「江戸の食いもの屋の動向を探れ」と。調べに必要な飲み食いの掛かりは、すべて請求できるという。十手を羽織の下に隠し、隠密捜査を始める波之進。―その折、金貸しが殺された。生前にその男が告げたある料理。波之進は、その料理を手がかりに、下手人を捜す。謎をはらんだ珍妙な食物が次々登場。軽妙洒脱、仰天推理の傑作時代小説開幕!
  • 傀儡舞
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    4.0
    偽若様裏日記。藩仕えの女忍びの願いで若殿に成りすまし江戸屋敷へ。側仕えの熟女、町娘、大名の姫君と次々と。崖崩れにあった譜代大名花沢藩の行列。病弱だった若殿様は死んでしまい、渡り徒士として潜り込んでいた刀太は藩を救うため、江戸では家臣に顔を知られていない若殿に化けて入れ替わる。秘密を知る女素破、側仕えの女、町娘の美少女と次々関係する夢のような日々が始まった。睦月影郎三昧。時代官能書下ろし。
  • 白道
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    3.7
    北面の武士佐藤義清(のりきよ)は、決然と出家した。忘れ得ぬ女院への激しい恋を秘め、仏の救いを願いながら歌に執着する懊悩の日々。源平の争乱の世に歌一筋、草庵閑居と漂泊の旅。矛盾と相克の末に西行は、わが心ひとつがついに捕えきれないことを悟る。人間西行を描いて深い感動をよぶ、芸術選奨文部大臣賞受賞作。
  • 福猫屋 お佐和のねこだすけ
    値引きあり
    3.7
    錺職人の夫を若くして亡くしたお佐和は仕事場を兼ねた広い家にポツンと一人取り残された。夫を追いかけたいと思うほど落ち込んでいたが、そこへ腹の大きな野良猫が迷い込む。福と名づけたその猫の面倒を見るうちに心癒やされ、お佐和は立ち直りを見せる。すぐに子猫が5匹生まれ、また、甥っ子の亮太や夫の兄弟子だった繁蔵もお佐和の家に立ち寄るようになり、お佐和の家はすっかり明るさを取り戻していく。そんなある日、繁蔵の長屋の大家から福に「ネズミ捕り」の依頼が舞い込む。江戸時代のペットショップ「福猫屋」が始まるきっかけだった……。
  • 潜入 味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳
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    4.2
    大人気シリーズ「味見方同心」が帰ってきた! 同心の兄・波之進の後を継いで味見方となった弟・月浦魚之進は南町奉行から密命を受ける。将軍暗殺計画の気配があり、毒見役の鬼役とは別に、城内に忍び寄る悪事を阻止してほしいというのだ。気弱な魚之進にそんな大役が務まるのか? 兄の後家・お静への思いが募るなか、魚之進は美味で怪しい江戸の食べ物を追う! 【南町奉行所・味見方とは?】 江戸市中の食べ物の動向を探る特別役職。水戸藩が南町奉行所に働きかけてつくらせた。同心の月浦魚之進のみが味見方を拝命する過酷な一人役。横行する悪質な抜け荷の現状把握がもともとの目的だったが、捜索の間に様々な食にまつわる事件が発生する。初代味見方の月浦波之進は何者かにより暗殺、それを弟の魚之進が引き継いだ。兄弟の努力と活躍によって悪事は暴かれ、魚之進は兄・波之進の仇を討った。 本巻『潜入!味見方同心(一) 恋のぬるぬる膳』までの顛末は、「隠密 味見方同心」全9巻をお読みください。面白さと美味しさが倍増します!!
  • 深川鞘番所
    値引きあり
    5.0
    無法地帯深川に凄い与力がやって来た! 弱者と正義の味方―― 鉄心夢想流秘剣「霞十文字」見参! 北町奉行所与力大滝錬蔵は、深川大番屋支配を命じられた。奉行とつるんで米買い占めに走る越中屋を捕縛したための左遷である。同心たちの緩み切った綱紀のなか、錬蔵は芸者のお紋から神隠しに遭った妹分お美津の探索を依頼された。折しも深川では岡場所の女たちが同様に姿を消していた。江戸の無法地帯を舞台に、鉄心夢想流“霞十文字”が悪を斬る!

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