国内ミステリー作品一覧

  • 風のターン・ロード
    -
    み……美恵ちゃん……。娘たちの喉を突き破って、金切声がほとばしった。ふくよかな女の胸には、一本のナイフが突きささっていた。Z2を駆って、芹沢顕二は単身、犯人を捜しに走る。そこへ現われた「青い仔猫」という美貌のライダー。そして盲目のピアニスト・怜子。疾走する青春群像を生き生きと描く、江戸川乱歩賞受賞作。
  • 白色の残像
    3.0
    夏の甲子園大会。千葉代表と茨城代表の両監督は、かつて大阪代表の名門・信光学園でバッテリーを組んで優勝した実績をもつが、不幸な事故が二人を遺恨対決に変えてしまう。東都スポーツの中山記者が二人を取材したが、そんなとき甲子園ハンデ師殺人事件が起きる。高校野球への熱い思いを込めた、江戸川乱歩賞受賞の傑作長編。名門校の強打線にひそむ秘密、大会の日程に合わせて謎解きが進む!
  • 時の剣 告発弁護士シリーズ
    3.0
    時効を目前にして、逃亡中の男が、強姦殺人容疑で逮捕された。弁護士は、猪狩文助。トレードマークは、薄汚い風呂敷包みと剥げたステッキ。80歳を越えているが、いったん法廷に立つと、「法廷荒し」の異名の通り、検事や証人、時には裁判官を向こうにまわし、絶妙のあざとい駆け引きで、被告に有利に導いていく──。
  • 伊豆死刑台の吊り橋 赤かぶ検事シリーズ
    -
    下着姿でぶらさがる男女の死体の謎とは!? ――伊豆城ガ崎にある海吊り橋で、柵からぶらさがる男女の死体が発見された。その4ヵ月前、同じ吊り橋の真下の磯で、若い男女の無理心中と思われる遺体が見つかっていて、加えて2人には巨額の保険金がかけられていた。赤かぶ検事は2つの事件の関連性に目をつけるが、その捜査中にも新たな殺人事件が……!?
  • 仮面法廷
    5.0
    琵琶湖をのぞむ時価10億円の高台の土地売買をめぐるトラブルで、仲介の弁護士と不動産屋が殺害される。事件の蔭に暗躍する謎の女。法律を盾に、虚々実々の駆け引きに辣腕を揮いながら、甘い利権に群がる地面師。専門知識を活かして、民事裁判の実態をえぐる、法廷ミステリの傑作。江戸川乱歩賞受賞作。
  • ブルー・マン 神を食った男
    5.0
    ハイパー伝奇バイオレンス。八千草飛鳥、登場! 古代の神と合体した絶世の美少年は人食い鬼だった。飛鳥は日本をどう変える? ――希代の美少年にして殺人嗜好症という八千草飛鳥は、18歳にして57人をナイフで解体した人喰い鬼(グール)だ。古代より日本を闇から支配した神が出現したとき、飛鳥はその神を食ってしまった。太古の神と合体した美貌の殺人鬼は、銀色に光るナイフを胸に、日米特殊能力諜報機関と対決する。菊地ホラー小説の新シリーズ!
  • 濡れ髪明神殺人事件 赤かぶ検事奮戦記
    3.0
    京都府警本部に、事件の予告電話!? 現場は、縁結びで有名な知恩院の濡れ髪明神境内。そこには画商の死体が。そして、縁切りで知られる伏見瑞光寺の元政上人の墓近くで、貿易商の射殺死体が。ダイイング・メッセージは、円空仏。京の古刹を舞台に、縁結びと縁切りの神仏の伝説が交錯する事件に、赤かぶ検事が自ら乗りこんだ――。
  • 証拠崩し 告発弁護士・猪狩文助
    3.0
    最強の老弁護士、伝説のデビュー戦! ――愛人との心中未遂で、娘を死なせた母親。血塗(ちまみ)れの凶器を前に、男殺しを認めた温泉旅館の女主人……。被告人には、必ず事情があるものだ。証拠を固めた検察や厳罰を下そうとする裁判長を向こうにまわし、「無実」を主張する猪狩(いかり)が繰り出す荒業の数々。口は悪いが人情家、弁護士猪狩文助、無名時代の逆転法廷ドラマ!
  • 悪を駆け抜ける男
    -
    38歳、もっか独身の辣腕弁護士・来栖悟郎は、行きつけのクラブのニューフェイスのホステスに魅かれ、土地問題の相談に乗るが、その矢先、難事件が起こる。彼女の魅力の前には、暗躍する暴力団もものかは、敢然と立ち向う来栖。ところが、意外な事実が隠されていた。男女の心理の綾をからめた、長編ミステリー。
  • 赤かぶ検事転勤す 赤かぶ検事奮戦記
    -
    われらが赤かぶ検事・柊茂(ひいらぎ・しげる)に、転任の辞令がくだる。今度の舞台は、下関そして萩。転任先には、美人才女の検察事務官が待っている。着任早々、新幹線の車内で1500万円入りの鞄を拾った赤かぶを、噴火口跡で発見された謎の死体が待ち受ける。奇妙な怪事件の連続する表題作はじめ、4編を収録した、傑作推理短編集。法廷をゆさぶる名弁舌!
  • 熊野路安珍清姫殺人事件 赤かぶ検事シリーズ
    -
    密売人の男たちを操る女ボスの哀しい真実。石畳の古道で謎を追う! ――山深き熊野路で奇怪な死を遂げた、二人の刑事。現場の渓谷から姿を消した謎の女を追う赤かぶ検事は、当地に伝わる安珍清姫(あんちんきよひめ)伝説との深い関わりに行き当たる。美男の若僧・安珍を恋慕するあまり、大蛇となり追い詰め焼き殺した清姫。謎の女は、その清姫の転生なのだろうか!? <『南紀白浜安珍清姫殺人事件』改題作品>
  • 昨日の僕が僕を殺す
    3.8
    1~3巻660~693円 (税込)
    北海道は小樽。母が父を殺した過去を持つ少年、ルカは、頼りの叔母も喪い、高校にも馴染めずにいる。叔母が好きだったパンを買いに、ロシアンベーカリーを訪れたことから、不思議な世界に足を踏み入れ……。
  • 騙すつもりじゃなかったのに
    -
    司法界の名物老弁護士・猪狩文助と、その弟子で若い美人弁護士・夏目理恵子の、奇妙なコンビが手がける難事件の数々。同級生との同棲生活で幸せいっぱいの女子大生・淳子に、かつての愛人が車のローンの返済を迫ってきた。途方にくれた淳子は、猪狩の事務所に駆け込み、理恵子が独立後の初仕事として奮闘し始めたが……。次々と殺到するユニークな依頼を冴えわたる論陣を張って解決へと導く法廷ミステリー傑作集!
  • 飛騨高山からくり人形殺人事件 赤かぶ検事シリーズ
    -
    飛騨高山は、赤かぶ検事スタートの地。その地で、相棒の行天燎子(ぎょうてん・りょうこ)警部補の車に、殺人予告が投げ込まれる。はたして、名人級の人形師が密室状態の工房で惨殺され、女弟子の死体も宇津江四十八滝に浮かぶ。美しい人形の口から飛び出す殺人針。赤かぶ検事らは、巧妙に仕組まれた憎悪のからくりを突きとめようとするが……。
  • 新宿25時の戦慄
    -
    二人の男女が、同時に誘拐された。溌剌とした若さと才女っぽさで評判の美人ニュースキャスター・岡野陽沙子と、会社社長・横井の子供と間違えられた麻薬捜査官の息子・晴行だ。犯人から身代金が要求され、巧妙な手口で身代金は奪取されたかに見えたが、鮮かな手口ができる犯人が誘拐する相手を間違えるのか……。今は廃墟と化した新宿の歓楽街を舞台に、謎は謎を呼ぶ!  悪辣非情な犯罪を陰で操る黒幕は? サスペンス長編。
  • 死刑台の女
    -
    貴金属輸入会社を経営する佐伯亮三の屋敷に住み込んだ、看護士の江里子と義姉の時枝は、主人の眼を盗んで心臓病の一人息子を誘惑し、ひと儲けしようと企らんだ。ところが……。青い性を誘う肉体を持つ悪女と少年の危険な関係を描いた表題作、「完璧すぎたアリバイ」「髪切り魔」「時の楔」の4編を収録する。傑作、現代悪女ミステリー。
  • 香港迷宮行
    -
    美しいけれど愛されない女優、男装の幼女を連れた謎の女、怯えている詩人の男などが、好人物風の添乗員に連れられて出発した。行き先は、楽しいマジックランド・香港。しかし、遊ぶためのツアーとはいつわり。実は恐るべき罠が……。ゲーム感覚の殺人騒動の中であばかれる、邪悪なたくらみ。話題の推理長編。美食三昧の旅で不気味な殺人事件が!
  • 午前三時の訪問者
    -
    小学校4年生が、遠足の昼食時に誘拐された。女の声で、身代金5000万円を要求する脅迫電話がかかる。翌日、速達便で、受渡し日時と場所が指定され、母親が一人で来るように命じられた。犯人は金を奪い逃走するが、30分後に逮捕された。ところが、意外にも犯人は……。ご存知、赤かぶ検事・柊茂の活躍が始まる。
  • 一億分の一秒の侵入者
    -
    パソコン少年・園村雅春は、恐るべきプログラミングに熱中、ある計画の実行を決意する。そんな折、大手都市銀行の三洋銀行に、「闇の帝王」と名乗る者から、5億円を要求する脅迫メッセージが届く。姿なき銀行オンライン・ジャックとの息づまるような頭脳戦と、恐るべきコンピュータ犯罪を描く、長編推理小説。
  • ラスベガスから来た脅迫者 弁護士芸者・清香
    -
    京都・祗園の敏腕弁護士・藤波清香には離婚歴あり、一児あり、同棲中の彼もいる。夜は芸妓となって情報収集にも余念がない、昼と夜で二つの顔を持つ女。ところが、最愛の一人息子・公平を目の前で誘拐・拉致されてしまう。犯人はラスベガスの暴力団で、現在、清香が係争中の事件の相手だった。法と情の間で揺れる女弁護士に、起死回生の策は?
  • マイナス百九十六度の相続人
    2.0
    京都の色街に育った気鋭の弁護士・藤波清香は、離婚歴あり、一児あり、恋人ありの元気印の女。その清香のもとに、「凍結受精卵による体外受精で生まれた子に、親の財産の相続権はあるのか?」という難問がもちこまれた。飛行機事故で不慮の死をとげた両親が残した、巨億の遺産。ときには芸妓姿で情報をとる、清香の艶姿。
  • 背中、押してやろうか?
    3.8
    連続する同級生の死は、事故なのか自殺なのか!? 親友の不登校、そして突然始まった「ぼく」へのいじめ。いったいこの中学校でなにが起こっているのか?小説推理新人賞作家が、みずみずしい筆致で描く青春ミステリー。
  • 多国籍企業殺人事件
    -
    海野海運は、四ノ宮紗代の乱発した小切手の決済ができず、苦境に立った。紗代の背後には、事件を契機に会社乗っ取りを謀る大海運会社の、むきだしの野望が感じられる。時あたかもエネルギー危機の最中で、国際石油戦争は熾烈に展開される。会社の存亡を賭けて、巨大企業の謀略と闘う男の魅力を、雄大なスケールで描く冒険推理。
  • 悪の扉(上)
    -
    素人投資家をはめていく大証券会社。大衆投資家時代の罠と欲望……。金富証券の若手営業マン・古橋実は、社命どおりに株を売りまくり、顧客の主婦・森本美津子を破滅させ、告訴される。美津子の弁護人は、「法廷荒らし」の異名をとる老獪な猪狩文助。猪狩は、大証券会社の手口をつぎつぎと暴いていくが、公判中に意外な事件が起こる。株の世界の表と裏を克明に描く、長編法廷推理。<上下巻>
  • 眠らない目撃者
    -
    幼時より兄妹として育てられた男女が、血縁がないと知った日から、宿命の恋が始まった。妹は検事になり、兄は結婚へと決まった別れの夜、二人は殺人事件に巻き込まれる。事件担当検事となった妹は、事件のすべてを目撃していたが、真犯人を告発できない。インテリヤクザの巧妙に仕組まれた罠。苦境に立つ女検事。会心の法廷ミステリー。
  • 私を殺したのは誰?
    -
    被告人・南茂・23歳。不法監禁・強姦・殺人容疑で起訴。南は、女子中学生を郊外の一軒家に3日間閉じ込め、レイプ殺人を犯したという。しかし、本人は少女の方からしかけられたと主張。そして何と、傍聴人席には、殺されたはずの少女がすわっていた! 奇怪なロリコン殺人の真相を解き明かす、弁護士夫婦の推理の冴え!
  • 本日もセンチメンタル<新装版>
    -
    成屋詩織、十七歳はひと一倍感激屋の女子高生。そんな詩織がデートの最中、強盗事件に巻き込まれ、おさな妻・啓子と赤ん坊の二人を引き取ることになってしまった。ところが、その母子が次々と成屋家から蒸発。しかも啓子は暴力団の娘だったから大騒動!! 長編ユーモア・ミステリー。
  • 背徳のメス
    3.5
    大阪の施療院で、殺害未遂事件が起こった。被害者は、憑かれたように女をあさる、背徳産婦人科医だった。彼を憎み、うらむ者は多い。犯人追及の過程で浮び上がる、彼や容疑者たちの暗い過去……。戦争で青春を失い、宿命ともいえる業を背負って、吹き溜りにうごめく、人間の生きざまを描いた、社会派ミステリー。直木賞受賞作。
  • 砂の巣
    -
    夫婦のかすかな欲求不満に仕掛けられた甘美な罠は、しだいに獲物を追いつめる。巧みに仕組まれた汚職に巻きこまれ、家庭の崩壊を招く「砂の巣」。殺人事件に関わり、夫の秘密を知ってしまう妻。夫婦の破滅をミステリアスに描いた「煮えた欲情」。鋭く深い人間凝視で、欲望の魔力に蝕ばまれる悲劇を描出した、佳編2作。
  • 京都東山「哲学の道」殺人事件 赤かぶ検事シリーズ
    -
    妻を殺された弁護士が容疑者の女を弁護する!? ――信州・松本から京都地検に転勤になった赤かぶ検事は、哲学の道を夫婦で散策中に、変死体を発見した。被害者の女性は日舞の家元で、捜査線上に浮かんだ不倫相手は、何と行天珍男子(ぎょうてん・うずまろ)。妻の行天燎子(りょうこ)警部補とともに、赤かぶが信頼を置く警察官だった。さらに珍男子の派出所で紛失した拳銃が目撃証人殺しに使われ……。
  • 影を燃やせ
    -
    恋人のまりが、殺された。いまや、美しい思い出となった、たった一夜の契り。夜の紳士・宝木は、恋人に対する愛と犯人への怒りに燃えて、自力捜査を決意する。彼の危険をおそれぬ追及で、事件の輪郭は、徐々にあらわにされる。悪徳と情欲の渦まく大都会を舞台に、女を縛る謎のフィルムをめぐって展開する、ハードボイルド推理。
  • 松本・梓川殺人事件
    -
    安曇野署の刑事・道原伝吉が松本署に転勤になって早々、松本駅で不可解な事件が発生。幼い兄妹を連れて駅を訪れた母親が子供たちを置いて姿を消し、兄が遊んでいる間に妹もいなくなっていた。二人は攫われたのか? 犯人が見つからないまま、上高地で新たな女性の行方不明事件が! これらの事件は繋がっているのか? ベテラン刑事が難事件の真相を追う!
  • 能登の密室 金沢発15時54分の死者
    -
    晩秋の能登のホテルの1室で、美しい人妻が謎の服毒死をした。室内には、青酸ソーダ入りの缶ジュースとルームキーが転がっていた。第三者の出入りが不可能な、完全密室のシングルルーム……。しかし、ルポライター・浦上伸介は、自殺に見せかけた他殺だと確信する。だが、絞りこまれた容疑者には、鉄壁のアリバイがあった。容疑者は豪華寝台特急の車中にいたのだ。二重アリバイの壁、本格アリバイ・トリックの意欲作。名探偵・浦上伸介、初の完全密室殺人に挑戦!
  • ポセイドンの青春抒情死抄
    -
    三流大学卒業見込みのおれ。学歴不問の四文字に大穴ねらったオオマイ新聞入社試験に、驚くまいことか、ナント楽勝! 目下採用内定の身。ところがだ。なぜかおれのいくところ、殺人事件がまっていた。そしてポセイドンの影も……。花も蕾の迷探偵、少々血なまぐさい、ユーモア・ミステリー。オジン臭い青春よ、サラバ!
  • プラトンは赤いガウンがお好き
    -
    私の愛称は、パトラ。堂島高の3年生、演劇部所属の17歳。パトラの命名由来を知りたい方は、すぐ本書をお読みあそばせ。さて、演劇部顧問のゲンジンが演出するCM撮影見学に出かけた折りのこと、商品のチョコを口にしたピタゴラスが倒れる怪事件に遭遇、さっそくパトラ名探偵の追及が始まるのだけど、首尾をとくとご覧あれ。
  • イソップの首に鈴をつけろ
    5.0
    東大入試を突破したエリートの卵・今井章之は、郷里の熊本をあとにし、勇躍、東京へ向かうが、新幹線の車中で、謎の女と隣りあわせる。初対面のはずなのに、この女性は、いやに章之の個人的事情に詳しい。東大生といっても、そこは男の子。女に誘われるまま、若干の野心と期待を抱いて、名古屋で途中下車、ホテルへ向かうのだが、この昭和の三四郎を待ちうける運命は……。江戸川乱歩賞作家の青春ミステリー。
  • 飛騨の陥穽 高山発11時19分の死者
    -
    晩秋の高山で法事を終えて、帰京したばかりのOLが、自宅で殺された。その日は、彼女と不倫関係にある社長とその妻の、三者会談の日だった。同時刻、熱海のマンションで、社長夫人が何者かに襲われる。疑惑は福岡に出張中だった社長に向けられるが……。事件の鍵は高山にある、と睨んだ浦上伸介と美保は、現地へ飛んだ。死者が仕掛けた?トリックを解け! 執念のアイバイ崩し!
  • 仙台の影絵 佐賀着10時16分の死者
    -
    御殿場で放火殺人が発生! 密告電話で、一人の女性が犯人と名指しされた。だが彼女には、事件発生時刻、寝台特急「さくら」に乗車中という完璧なアリバイが……。被害者をめぐる真犯人の思惑と殺意。そして蔵王で起きた事件とは? 浦上伸介と前野美保の名コンビが、時刻表トリックの謎に挑む。
  • 真夜中の死者
    -
    誕生日を祝うはずの若い女性が、横浜のホテルで、青酸化合物入りの洋酒を飲み、変死した。ルポライターの浦上伸介が、犯人の仕掛けたトリックに挑む「密室のバースデー」。著書にとって記念碑的な本格ミステリーであり、アリバイ崩しが鮮やかな「美貌という名の仮面」など、究極の推理を存分に楽しめる短編9作品。
  • 逆流の殺意 水上着11時23分の死者
    -
    大阪で会社員の男性が、そして水上温泉で美貌の人妻が、同じ日に刺殺された。死体に残された凶器の出刃包丁が同じメーカー製で、男女の身元がともに横浜だったことが、二つの事件を結んだ。捜査線上に次々浮かぶ容疑者。だが彼らには、鉄壁のアリバイが。浦上伸介が時刻表を駆使しアリバイトリックに挑む、傑作長編ミステリー。二つの刺殺事件を解くカギは、台風17号?
  • 海峡の暗証 函館着4時24分の死者
    -
    『ぼくのことは忘れて欲しい。海峡には、一人で行く』――社長の女婿に決まったエリート社員が、函館への婚前旅行を破棄して失踪した。しかし、男が墜死死体で発見されたのは、九州の福岡。さらに驚くべきことに、死の前日、福島での殺人事件の容疑者に男の名が浮かんだ。錯綜する謎に挑む、ご存じ浦上伸介の活躍。
  • 迂回の殺意 伊東着16時27分の死者
    -
    黒いコートの小柄な女性が、駅のはずれのトイレ裏で殺された。容疑者は姪。浦上伸介と前野美保が、ダイヤ・トリックを使った犯人のアリバイに挑む表題作をはじめ、連続婦女暴行犯の心理を刻明に綴る「非情」など、8つの事件を通して、人間の心の奥底に潜む暴力性を鋭く描く、傑作短編ミステリー集。<『非情』改題作品>
  • 伊豆の朝凪 米沢着15時27分の死者
    3.0
    東京・武蔵小金井で、CD店経営の本橋昌弘が刺し殺された。死に際に残された「ふじ」という言葉、凶器のナイフに付着した指紋から、藤木隆次が容疑者に。実は二人には、和服の似合う謎の「山手婦人」をめぐって、遺恨があった。事件の鍵を握る彼女の正体とは? 浦上伸介が真犯人の時刻表トリックを解き明かす! 伊豆、東京、米沢を結ぶ殺人事件。鉄壁のアリバイを崩す本格ミステリー。
  • ヒポクラテスの初恋処方箋
    -
    愛犬の行方をさがしていた、高松市立栗林高のプリマドンナ・南口淳美が蒸発し、県立美術館から時価数千万のギリシアの秘宝が盗まれる。そして、淳美に本を届けに来た書店の女店員が、水死体となって高松港に浮かぶ。この3つの事件の接点を求めて、刀根祐亮らの推理作戦はスタートするが、事態は茫とし謎も深まるばかり……。
  • 巴里の殺意 ローマ着18時50分の死者
    5.0
    横浜で海外旅行添乗員、大阪で若妻、そして東京で元暴力団準構成員が、連続して射殺された。3つの殺人事件を結びつける、凶器のトカレフ。しかし、捜査線上に浮かびあがった連続射殺の容疑者には、海外出張中という完璧なアリバイがあった。浦上伸介と前野美保が、事件を解くカギを求めて欧州へ飛ぶ! 日本と欧州を結ぶエアライン・トリック、長編ミステリー。
  • 東北線殺人事件 久慈・熱海殺人ルート
    -
    タオルケットを被った若い女の刺殺体が、梅の花散る小田原城址公園で発見された。その数週間後、花巻では、その母親が同一手口で殺されていた。二つの奇妙な殺人(ころし)の背後に渦巻く企みとは?  犯人が久慈ー熱海間に、周到に用意した鉄壁のアリバイに、名探偵でルポライターの浦上伸介が挑む。時刻表を駆使した本格推理。
  • 人を乗せない急行列車
    -
    土地権利書をめぐる殺人事件の奇怪な展開! 謎の失踪をしたヤミ金融の経営者は、横浜の暗い運河で他殺体として浮いた。そして金庫からは、秋田の富豪の土地権利証が消えていた。ルポライタ-で名探偵の浦上伸介は、社長が秋田から土地権利書を持ち帰ったことを知り行方を追って秋田に行くが、なぜか書類だけ富豪の金庫に戻っていた……。スリル満点の本格推理長編。
  • 寝台特急18時間56分の死角
    -
    寝台特急「さくら」で、ルポライター浦上は或る男と知り合い、意気投合する。その頃、長崎県大村では、若い女性の他殺体が発見される。そして浦上が横浜に戻ってみると、今度は神奈川県藤沢市で、若い女性が殺されていた! 二つの事件はやがて、奇妙に関連してゆくが……。皮肉にも浦上は、男のアリバイの証人に。鉄壁のアリバイ崩しが冴える推理長編。同じ日に離れた場所で起きた連続殺人の容疑者は、そのとき寝台特急の車中にいた?
  • 山陰の隘路 米子発9時20分の死者
    -
    鳥取・米子の奥座敷、皆生(かいけ)温泉のホテルで、女の絞殺死体が発見された。同日、大阪・伊丹空港のターミナルビルでは、男の刺殺死体が……。そして死者のブルゾンのポケットには、真新しいサバイバルナイフが潜んでいた。山陰と関西にまたがる疑惑に、翻弄される捜査陣。真犯人を追う浦上伸介の前に、次々と立ちはだかる鉄壁のアリバイとは?
  • さよなら僕らのスツールハウス
    3.7
    シェアハウス、スツールハウスは、日常の謎に満ちている。なかでも創立当時からの住人、鶴屋素子には大きな秘密が。各部屋の住人たちの謎、そして素子の謎が明かされたとき、浮かび上がる驚愕の真実とは!?
  • 殺意の造型
    3.0
    理容椅子が転倒した弾みで、客の頸動脈を切ってしまったヘアデザイナー。被害者は、商品取引所の仲買人(ブローカー)だった。殺意は本当になかったのか? という表題作「殺意の造型(ヘア)」。愛猫を轢き殺した青年が、専務の引きで入社。上司の男は、復讐の牙を密かに研ぐが……という「魔犬」。罪の意識に囚われ戦(おのの)く人間を描くミステリー。恐怖を呼びさます殺意を描く7つの名編。<『枕に足音が聞える』改編&改題作品>ヘアデザイナー
  • 木乃伊男
    3.3
    はるか昔、布部家を襲ったミイラ男の伝説。密室「鏡の迷路」での兄の不可解な死に続き、主人公・正男の身辺にも怪人の影が忍び寄る。復讐鬼が蘇ったのか。ミイラ男の正体とは!? おもしろさアップのため、ページをとばさずにお読み下さい。
  • 幻の流氷特急殺人事件
    3.0
    列車消失と連続殺人のダブル・ミステリー! 流氷が鳴くオホーツク沿岸で、名物観光列車「流氷号」が、奇々怪々な事件に遭遇――というリレー式推理小説の筆者たちが、おそるべき運命の糸にたぐられて……。推理小説の中に別の「推理小説」という二重構造の、複雑重層的な謎解きをするのは、ご存知ポテトとキリコの名コンビ。贅沢さ極めつきの傑作長編ミステリー。
  • 空洞星雲
    -
    銀座のバー「ダプネー」のママが、マンションの密室で殺された。警視庁の那須警部は、被害者の部屋で発見した自費出版本の正誤表から、売れない推理作家・山本三郎を容疑者として割り出すが、彼にはアリバイが存在していた……。福岡にいた人間が、どうやって東京で殺人を実行したのか? 巧妙で鉄壁な電話トリックを駆使する犯人と、アリバイ崩しに挑む那須警部の、息もつがせぬ対決で烈しく迫る、新本格社会派推理3部作第2弾! 斬新な密室トリックと、意想外の電話アリバイ・トリック!
  • 愛して盗んで
    -
    可憐な乙女の美波香末・19歳。裏切った恋人を、もののはずみで殺してしまった! さあ大変、あとは死んで清算するより仕方がない、とやってきた自殺予定の地で、謎の二枚目・吉良京次郎青年と知りあった。が、そこから奇妙かつスリリングな事件が続発して……。奇想天外な青春トラブル・ミステリー。可憐な乙女と美男による、痛快無比なユーモア推理決定版!
  • 花言葉は死
    -
    モデルガンは私と同じだ。限りなく本物に近いが、本物ではない。そんな私のところに、3ヵ月ぶりに家出人捜索の仕事が舞いこんだおかげで、私・秋津慎平は私立探偵をやめないですむ。妻への慰謝料も養育費も滞りなく払え、サントリーの白を購入でき、愛人・京子のアパートへも行け、モデルガンの組立てに精を出すこともできる。だが、捜索をすすめるうち、若い女の死体と有名芸能人の醜聞という流れになり、話は凄愴の色に染まっていった……。軽妙な語り口で地獄を描く傑作アクション・ミステリー!
  • 現美新幹線殺人事件 十津川警部シリーズ
    4.0
    旅するアートカフェ新幹線に隠された謎! 絵画に隠された〈不都合な真実〉とは? 越後湯沢で休暇中の画商・竹田幸太郎は、東京の自宅で妻子が殺され、新進の画家・渡辺久の絵を盗まれた。 だが、その絵は、越後湯沢―新潟間を走る観光列車「現美新幹線」になぜか渡辺の自選で展示される。当の渡辺は渡米し所在不明に。 捜査の糸口も掴めない十津川は絵の秘密を追い“世界最速の美術館”に乗り込むが……。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • わが愛する土佐くろしお鉄道
    -
    東京で働く原田と同郷の恋人・早川ゆきの二人が高知県へ帰省する当日、ゆきはマンション自室で刺殺され、乗車予定のJR切符が消えていたのだ! 十津川と亀井は高知へ向かい、土佐藩家老の血筋であるゆきの父・秀典は地元の権力者であり、四国を一周する鉄道網を完成し新幹線を開通させることが夢だと知るが、翌朝早川家に3発の銃弾が撃ち込まれる。坂本龍馬嫌いを公言する秀典は、過去にも家を放火されたことがあるという。また秀典は土佐くろしお鉄道〈ごめん・なはり線〉が走る安芸をなぜか嫌悪しているようだ。かつて市内に所有していたホテルも邸も手放していた。一方で傷心旅行をする原田の前に現れる謎の女、5年前失踪した原田の友人……。十津川は、南国土佐の鉄道沿線で何を見るのか!?
  • 奪われた死の物語
    -
    平戸、網走、能登、京都と、景勝の地に、花と物語を訪ねる取材グループに加わった独身作家が、知らず知らず巻き込まれていった哀しい犯罪。復讐者の巧妙な罠がついに犯人を捕えた時、浮びあがった異常な執念と、愛にこたえない人を想う苦悩と絶望の果てを、甘美に、きめこまかく描く、長編ミステリーロマン。むくわれない愛の果てを痛切に描く!
  • 深夜の顔
    -
    オフィスで密かに愉しんでいたセックスの相手が殺された。美人OL全裸殺人事件として社内は揺れ、情事の相手である企画室長・松浦も疑われたため、自ら事件の解明に乗り出す。すると、海外旅行でOLが知り合った謎の男の正体からストリッパー、自社の上層部と意外な線がつながり……。鮮やかな推理と官能の合致した、話題の長編官能ミステリー!
  • 寝台超特急ひかり殺人事件
    3.0
    推理作家・牧薩次は、ファンから贈られた「新幹線二階建て寝台」の切符で旅へ。ところが、車中で奇妙な事件が続発した。その謎のカギは、ファンから預っていた「小説」に暗示されていた!? そこで牧の婚約者でスーパー・ウーマンの可能キリコも登場して……。著者お得意の「創案列車」と多層構造の異色推理長編。「走る密室」新幹線寝台車中での超奇想天外な連続殺人! シリアスにしてユーモア&劇中劇的趣好の重層的構造の傑作ミステリー長編。
  • 急行エトロフ殺人事件
    3.0
    世上騒然たる終戦直前、名古屋で開かれたある同窓会の出席者のうち、3人が次々に不可解な死をとげた。ヤング・カップルの可能キリコと牧薩次は、事件の謎を追って、ついに最果てのエトロフへと……。そして彼らにわか探偵たちを待ち受ける恐るべき罠。ホームメイドの時刻表に、SF的手法も盛りこんだ、奇想天外な新・トラベルミステリー長編。新境地を開く傑作!
  • 学校の怪談 百円のビデオ
    3.0
    「百物語」と「七不思議」――不思議と怪異の傑作怪談集。 旅先で買った1本100円のビデオは「鋸」というタイトルだった……(「百円のビデオ」)。ひとり息子の誕生日、ケーキを買って家路を急ぐ男は分かれ道の前で迷っていた。近い方の道には、悲しく辛い思い出があり、できれば通りたくないからだった……(「子取沼(ことろぬま)」)。よりぬきの「こわい話」57編を収録。 ※本書に収録された内容は講談社KK文庫1990年11月刊『学校の怪談』から1996年7月刊『学校の怪談8』までの8冊から選び、構成、加筆したものです。
  • 確率捜査官 御子柴岳人 密室のゲーム
    3.8
    1~3巻660~704円 (税込)
    世田町署、薄暗い地下一階の廊下の突きあたりにある《警視庁捜査一課特殊取調対策班》。イケメン毒舌天然数学者御子柴岳人がクールで鮮烈、華麗な推理で容疑者の心理に迫る、前代未聞の取調エンタメ!
  • 情熱の断罪
    4.0
    結婚式の最中に、新郎が刺殺された。しかし、被害者の新郎と加害者の間には、何のつながりもない。加害者を犯行に至らせた、驚くべき理由とは? という表題作をはじめ、名門高校の受験をめぐり、不幸の連鎖にずぶずぶとはまってしまった家族を描く「姦の毒」など、人の心の闇を照らしだす、初期発表の傑作短編6編を収録。殺しても、なお続く……負の連鎖!
  • 殺意の接点
    -
    殺されるのに理由なんかいらない! 深夜の寝台車で起きた人気タレント刺殺事件。犯人はいつ乗車し、どこへ消えたのか……という表題作をはじめ、ホテルの特殊性を駆使した「科学的管理法殺人事件」、山岳を舞台にした「高燥の墳墓」など、殺人者の心理、追及者の執念を鋭く抉(えぐ)る、初期傑作推理短編集。全6編収録。
  • 殺意の逆流
    -
    本店から地方支店へ、突然の異動を命じられた銀行マン。そのウラには、不正の調査という極秘の使命を帯びていた……という表題作をはじめ、社内出世競争のドス黒い渦が家庭にまで及んだとき、妻が被(こうむ)る悲劇を描く「派閥抗争殺人事件」、北アルプスで人が消える?「北ア山荘失踪事件」など、初期発表の傑作短編6編を収録。よりによって私が殺されるなんて……極秘指令を受けて、不正の巣窟に単身乗り込んだ銀行員に迫る危機!
  • 沖縄県営鉄道殺人事件
    3.0
    南国沖縄を訪れた、牧薩次と可能キリコのヤング探偵コンビの前に、難事件が続発する。鍵のかかったホテルの密室で、若い女性が突如奇怪な老婆の姿に変身! さらに大邸宅の庭に、見るも無惨な男の轢死体! 今はない沖縄県営鉄道の謎の大爆発事故を軸に、現代のあいつぐ怪事件を絡ませ、合わせて沖縄案内も目指した、超異色の長編推理。密室と鉄道の怪事件が錯綜する!
  • 小樽地獄坂の殺人
    5.0
    遺言状に残された、見知らぬ3人の男女の名前。しかも父は、そのうちの一人を結婚相手に指名していた。23年前の小樽で、父に何があったのか? 3人の消息をたずねて北海道に渡った、一人娘・由紀子の周囲に起こる殺人事件。小樽と京都を結ぶ連続殺人が、せつなく哀しい愛の悲劇を浮かびあがらせてくる。本格長編推理。
  • 十二秒の誤算
    5.0
    ニューヒロイン登場! 不倫調査員・片山由美・27歳。不倫に疲れて会社を辞め、興信所に勤めた由美の初仕事は、主婦の浮気調査だった。夫の依頼で尾行を始めて10日目、妻は愛人と彼のマンションで毒死していた。心中かそれとも……。事件の真相に迫る由美に危険が──。鮮やかな推理で謎を解く、新シリーズ傑作短編集。
  • 京都清水坂殺人事件
    -
    古都の陶器店主が絞殺され、現場に砕けた抹茶茶碗が残されていた。失踪した長男、若き後妻と先妻の娘、そして不倫。事件の背景に、様々な愛憎のドラマが浮びあがる。人の心を癒す千年の都で起きた哀しい殺人に、第2の犠牲者が加えられた……。検視官・江夏冬子が事件の謎を鮮やかに解き明かす、本格長篇ミステリ。古都の陶器店主の死の謎、砕けた抹茶茶碗の謎とは?
  • 雨はいつまで降り続く(上)
    -
    元M新聞サイゴン特派員の矢沢建彦のもとへ、シェーというベトナム人から一通の手紙が届いた。ベトナム戦争当時、戦闘中に死んだはずの友人でジャーナリストの叶吾郎が生きているというのだ。叶の行方を探すため、矢沢は急遽バンコクへ向かうが、ベトナムに潜入した矢沢に暗殺者の手が迫る……。ベトナムに生き、愛し、闘った男たちへのレクイエム。<上下巻>
  • タイタニック撃沈
    -
    1943年、豪華客船・タイタニック2は、3千人の米軍将兵を乗せ、NY(ニューヨーク)を出発した。ヒトラーが出した撃沈指令――だが、Uボート艦長・ブリーンは、攻撃直前に魚雷発射を中止した! 一体なぜ? 40年後。ブリーンの手記を入手した作家・イーサンは、美貌のアメリカ人留学生・ジュリーとともにその謎を追う。同時に正体不明の敵が二人を襲い始めた……。壮大なスケールで描く歴史ロマン!
  • 葉煙草の罠
    4.0
    森麻子は、京都の外国人観光客用ガイドである。フィリピンの貿易商・ベルナスを案内して清水寺にきたとき、英文パンフレットの購入を頼まれた。だが戻って来た彼女が目にしたものは、ベルナスの惨殺体だった。そしてベルナスの右手には、1個の10円玉が握られていた。彼は何を告げようとしたのか? 貿易と政争をからめた、意欲的推理長篇。
  • 花の寺殺人事件
    -
    宇治平等院の藤棚の下で出会った男との結婚を夢みたハイミス。だが、彼女の前途は決してたやすくはなかった。藤、芙蓉、彼岸花、桜、菊、石楠花、月下美人、桔梗などで知られる京都の古刹を舞台にして、トリックの女王がはなやかに展開させる、本格ミステリーの出色連作集。
  • マラッカの海に消えた
    5.0
    石油会社のOLだった亜木子は、上司・田岡との愛を清算して、社内結婚する。しかし、夫婦間は冷たい。ある日、夫はマレーシアに出張した。孤独をいやそうと夜の盛り場に出た彼女は、なんと異国にいるはずの夫を見かけた。そして翌日には、田岡の死体がホテルの一室で発見され……。東京とペナンを結ぶ、雄大な推理秀作。
  • 恋盗人
    5.0
    美人アナウンサー・細川知子が不倫相手の杉正彦とデート中、杉の妻が何者かに殺される。あわてた二人は、死体をひそかに琵琶湖畔に埋めるが、まもなく、「犯行を目撃した。500万用意せよ!」の脅迫状が……。甘い生活から一転、苛酷な運命に翻弄される知子。衝撃のドンデン返しを秘めた、魅惑的長編推理。美人アナウンサーを翻弄する愛の迷路。愛しあう男女を引き裂き、殺人にまで駆り立てるものは何?
  • 天の橋立殺人事件
    5.0
    天の橋立に向かう急行の車内で、東京の会社員が殺された。彼は不動産を処分して大金を得て、しかも再婚したばかりだった。新妻や昔の恋人たちが容疑者として浮かぶうち、今度は針供養で賑わう京都法輪寺で新しい殺人事件発生! 連続殺人の謎と時刻表トリック崩しに令嬢キャサリンが挑む、豪華絢爛推理。
  • 京都再婚旅行殺人事件
    5.0
    親友ユミの結婚式に出席したのが縁で、麻矢はユミの義兄・杉原太郎と結ばれる。豪華な挙式、京都に1泊して外国へのハネムーン。麻矢は幸せだった。ところが初夜が明けると、太郎がベッドで毒死していた。初めに疑われた麻矢だが、嫌疑が晴れると、自ら探偵役に! だが、夫の過去を探っていくと、連続殺人が……。愛をテーマにした、本格長編推理。
  • 花嫁は容疑者
    4.0
    秋野夕雨子は推理作家だが、TV「ナイト9」のニュースキャスターとしても活躍している。番組スタッフとバカンスに出かけたグアムのホテルで、新婚旅行中の新郎の墜落死に出会う。事故か事件か? 夕雨子の華麗な推理が真相を解きあすか表題作を始め、トリックと謎解きの醍醐味溢れる本格ミステリ連作集。
  • シャーロック・ホームズの冒険
    -
    不可思議な謎、卓抜な推理、ユーモア等のあふれる古典的傑作の第一短篇集。詩人鮎川信夫による新訳。霧深いロンドンを舞台に不可思議な事件と対決する、名探偵シャーロック・ホームズ。その卓抜な推理、クールな人間味、脇役ワトソンとのユーモアに富む友情と、推理小説の原型的なトリックを提示して尽きせぬ魅力を有する、傑作処女短篇集。「赤毛クラブ」「まだらの紐」などの名作を収録。詩人・鮎川信夫による名訳。文豪ポオに始まる近代推理小説は、名探偵シャーロック・ホームズの出現によって確立した!
  • 愛の立待岬
    5.0
    京都府警・捜査一課の橋口警部補は、妹・舞子の結婚式のため、北海道・札幌へ向かった。しかし、式の翌朝、花嫁の舞子は突然失踪し、やがて函館の立待岬で死体となって発見される。哀しみに耐え、犯人捜査にのりだす橋口の前に、さらに第2の殺人事件が……。哀愁の立待岬を舞台に、愛と欲望が交錯する、本格長編推理。函館から京都へ……兄の執念が犯人を追い詰める!
  • ヘアデザイナー殺人事件
    -
    京都のホテルで、ディナーショウのために東京からきていた、食品会社の社長夫人が殺された。京都府警・狩矢警部は、遺留品から東京・六本木の有名ヘアデザイナーとの関連を悟る。1週間前にもこのヘアサロンの常連客が殺されていたという……。華やかな美容界の虚飾と愛憎の果ては? おなじみの名探偵キャサリン嬢が活躍する、卓抜の密室トリックの傑作!
  • アリバイ特急+-の交叉
    -
    寝台特急「富士」に乗っている男が、同時刻に他の場所で殺人を犯すことができるだろうか? 日向・札幌・東京で起こった殺人事件の真犯人を追って、黒江壮と笹谷美緒の探偵コンビが、犯人のめぐらした鉄壁のアリバイ崩しに挑む。宮崎→北海道→東京を結ぶ、傑作トラベル・ミステリー長編。
  • 碧空のカノン~航空自衛隊航空中央音楽隊ノート~
    3.6
    航空自衛隊航空中央音楽隊でアルトサックスを担当する鳴瀬佳音(なるせかのん)は、ちょっぴりドジだけど憎めない女性隊員。練習と任務の演奏会に明け暮れる中、数々の不思議に遭遇する。失われた楽譜の謎、楽器のパーツ泥棒、絵葉書に込められた見えないメッセージ……。個性豊かな仲間たちと共に“事件”を解決! クライシス・ノベルの名手が意欲的に描く、爽やかで心温まる物語!
  • 松平長七郎旅日記~東海・西海編~
    4.0
    故駿河(するが)大納言(だいなごん)忠長(ただなが)の遺子・松平長七郎と、側役(そばやく)・三宅宅兵衛、田村右平次の主従三人は、紀州大納言頼宣(よりのぶ)の行列を追って江戸を離れ、東海道へ……。道中、幕府覆滅を企てる万字(まんじ)組が長七郎を陰謀へ誘う。痛快道中記。
  • 死神の座
    4.0
    「軽井沢で不気味な殺人が……」星占いの予言どおり、エリートの集う高級ホテルを舞台に、財閥令嬢の花婿候補の若者たちが次々と殺されていく……。しかもみな、無残に顔を潰されて……。“死神の座”として恐れられる蠍座の祟りか? その裏に隠された不吉な暗号とは!? 十二の星座をちりばめた暗号詩を手がかりに、名探偵・神津恭介が事件の謎に迫る。
  • 尾張路殺人哀歌~喪失の殺人者~
    -
    愛知県常滑(とこなめ)市の県道で、登校途中の少女が車に轢(ひ)かれ死亡した。「原因は飛び出し」とされ、ドライバーは不起訴に。少女の母親・深見貴子は居眠り運転との確信を得、自首を勧めにドライバー宅を訪れる。ところが男はすでに殺されていた! 事故に隠されていた真相──貴子の密かな復讐劇が始まった……。ドラマチックな展開、周到な伏線に彩られた傑作ミステリー!
  • 黒いトランク~鬼貫警部事件簿~
    4.0
    1949年12月10日、東京・汐留駅に届いた大型トランクのなかから、男の腐乱死体が転がり落ちた! 容疑は当然、九州からトランクを発送した近松千鶴夫にかかったが……彼もまた、瀬戸内海上に漂う死体として、岡山県で発見されたのだった! 真犯人が構築した純度百%の難事件。鬼貫警部に勝算はあるのか……鮎川哲也の実質的デビュー作にして本格推理の最高峰。
  • クイーンの色紙
    4.0
    来日したエラリー・クイーンにもらった貴重な色紙の紛失事件。謎のダイイング・メッセージや崩せないアリバイ。……難事件、怪事件の数々を、いつもみごとに解き明かしてみせるのは、銀座にあるバー「三番館」のバーテンダーである。――犯人当てと謎解きの粋をこらして読者に挑戦する、連作本格推理。安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)物の傑作!
  • 武蔵野殺人ルート4の密室
    -
    数百億円の遺産と会社の実権を残したまま、女主人は密室で殺された! 容疑者は相続人全員。遺産と実権を狙い愛憎・陰謀が渦巻くなか、武蔵野の風情を残す三千坪の豪邸「土筆庵」で、次々とおこる4つの密室殺人。美貌の女刑事・鮎川阿加子も犯人の誘いに乗せられて……。4つの密室が複雑に絡み合いながら、二転三転、事件は意外な戦慄の結末へ向かう。4つの殺人、4つの密室、空前の謎!
  • 花ならアザミ
    4.0
    湯原直子がある邸から持ち帰った稀覯本(きこうぼん)は、直子の勤める古書店の客・磯部の蔵書から消えた品だった。驚いた直子がその邸を再訪すると、もぬけの殻。住人も家具も花壇もすべて、1日だけのトリックだった。誰が、何のために? 1冊の古書の謎が、やがて過去の惨劇を明るみに出す。練達の筆で描く出色サスペンス。
  • クリスタル殺人事件
    -
    人気爆発で有頂天の若手評論家・榛名洋一郎の美人妻に、AV出演の過去が? ビデオ映像という「動かぬ証拠」ならぬ「動く証拠」を突きつけられ、絶体絶命。殺人まで犯して守ろうとした秘密に、驚愕のドンデン返し! 世界最短?の400字小説、本邦初の衝撃の「あとがき」小説など、吉村達也の多彩な大逆転ワールドが展開。意外性満点の逆転連発、予想外の結末ばかり!
  • 「初恋の湯」殺人事件
    3.0
    初恋の思い出をつづるイベントに参加したのを機に、島崎藤村ゆかりの小諸の温泉に出かけた志垣警部が、謎めいた殺人に遭遇! 多数のりんごを浮かべた風呂に青年が沈み、嫌疑はふたごの姉妹にかけられた。謎の「りんご殺人」は、ふたごの姉妹が犯人なのか? 事件を担当する杉山優花刑事は、出産退職まであと6日。奮闘する彼女を助けるため、志垣が全力で立ち上がる!
  • 月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿~
    3.2
    放浪の碁盤師・吉井利仙が、かつて棋士だったころの打ち回しに魅せられ、彼を先生と呼んで追いかけている若手囲碁棋士の愼。姉弟子の衣川蛍衣も巻き込みながら、囲碁を巡る数々の事件に遭遇し、棋士としても成長していく。コンゲームあり、サスペンスあり、異なる味わいを持つ物語を重ね、囲碁という宇宙に魅入られた人間を描ききった傑作ミステリ登場!
  • 深泥丘奇談
    3.6
    1~3巻660~781円 (税込)
    ミステリ作家の「私」が住む“もうひとつの京都”。その裏側に潜む秘密めいたものたち。古い病室の壁に、長びく雨の日に、送り火の夜に……魅惑的な数々の怪異が日常を侵蝕し、見慣れた風景を一変させる。
  • 死体化粧人
    -
    東京都監察医務院の医務官として、仕事にかまけて家庭を顧りみなかった垂水鋭一は、妻を自殺へと追いやった。妻の死を機に退官し葬儀社の嘱託となり、第二の人生を遺体修理師の仕事に賭けた。そして自殺や事故死の無残な遺体を繕い直す修復作業の際に発覚する不審点をもとに、隠された犯罪を発き、事件を解決していく。物体と化した死体の無言の訴え、そこに隠された謎、そして惨死の裏の疑惑。異色の短篇ミステリー集!
  • スパイは楽園に戯れる
    -
    突然、目の前に現れた見知らぬ男は少年に言った。「世の中のためになる人間――誰かの役に立つ人間になれ。大切なのは何のためにそれが必要か、ということだ」と。そして月日が流れ、少年は政治家になった。情報分析員の葉山隆は、HUMINTとして、ある男の調査を始める。真実に近づくことは、前途有望な若き政治家の人生を翻弄することにもなるとも知らず……。大藪春彦賞受賞作家が放つ、本格スパイ小説!
  • ベルサイユの秘密~女子大生桜川東子の推理~
    3.0
    バー〈森へ抜ける道〉の酒のつまみは難事件。パン屋を営む夫婦の妻が何者かに殺されたが、関係者は皆アリバイがあったり、動機がなかったり。一体誰が殺害を?(表題作) ウイスキーを片手にしたおじさんたちの他愛ないトークをスルーし、名探偵・桜川東子は宝塚ファン顔負けの知識でもって華麗な推理を繰り広げる。新たな登場人物も加わり、さらに賑わう人気シリーズ第6弾!
  • シャルロットの憂鬱
    3.7
    シャルロットは6歳の雌のジャーマンシェパード。警察犬を早くに引退し、2年前、浩輔・真澄夫婦のところへやってきた。ある日、2人が自宅に帰ってみると、リビングが荒らされており、シャルロットがいない! いったい何が起こったのか。(表題作) いたずら好きでちょっと臆病な元警察犬と新米飼い主の周りで起きる様々な“事件”――。心が温かくなる傑作ミステリー。

最近チェックした作品からのおすすめ