小説 - 光文社 - 光文社文庫作品一覧

  • 秘湯ギャル探偵疾る!
    -
    伊豆の旅館で板前が殺された。容疑者は、「まずい料理の恨(うら)みは必ず晴らす」と喚(わめ)いて去った男女の客。女は津軽三味線を持ち、「次は太宰治の生家・斜陽館に泊まる」と語っていた。重要な手がかりだ。なのに酒島警視はアルツハイマー病、西郷刑事は重い糖尿病。そこで西郷の恋人・由紀が協力、逃亡情報を頼りに青森・秋田・山形の秘湯に潜入し、裸の検証を――。さて、成果は?
  • グルメ殺人事件
    5.0
    〈毎日、御馳走が食べ放題〉という好条件でフランス料理店の娘と結婚した主人公。有頂天になったのも束の間、彼に魔の手が迫ってくる(フォアグラ殺人事件)。そこで酒島警視と人妻探偵・鮎子という楽しい食通(グルメ)コンビが殺人事件に挑戦を――。他に贅沢な素材を香辛料のミステリーで調理した8編を盛り込んだ御馳走連作推理集!(『デリシャス殺人事件』改題)
  • 一年四組の窓から
    3.7
    中学1年の夏に引っ越すことになった井嶋杏里。転校でなじめない中学の校舎で、使われなくなった教室『1-4』に入った杏里は、市居一真と出会う。杏里に出会った一真は、杏里に絵のモデルになって欲しいと頼む。そこから物語は始まった――。杏里、一真、そして、かけがえのない友だちと家族。悩みながらも成長する14歳を描いた、あさのあつこの青春傑作小説。
  • 迫りくる自分
    3.5
    総武線で隣を並走する電車に乗っていた、自分に瓜二つの男。後日その男と再会した俺は、気づけば犯罪者にさせられていた。顔が同じことを利用して周到に仕組まれたらしい冤罪。あいつはいったい誰だ? なぜこんなことを? 日常を突然奪われた俺の、必死の逃走劇が始まった。自分から過去から警察から、逃げて逃げて逃げまくれ。疾走する新感覚のエンタメ小説。
  • 青き犠牲(いけにえ)
    3.2
    高名な彫刻家の杉原完三が、自宅兼アトリエから姿を消した。一カ月後、完三は武蔵野の林から遺体で発見された。犯人は誰なのか。高校3年生の息子・鉄男の出生の秘密、美貌の母と鉄男の異常な関係など、杉原家の抱える歪んだ家族関係が明らかになり、容疑は息子の鉄男に向けられるが、仰天の顛末とは――。「ギリシャ悲劇」を絡めた連城三紀彦初期の傑作長編ミステリー。
  • 百怪祭
    3.0
    1~2巻550~660円 (税込)
    《戦乱の昏き世。足利が織田が豊臣が、そして妖異の者たちが描きだす壮大な伝奇絵巻!》その男は龍にならんとする蛇か? ──琵琶法師を殺(あや)めて奪った古文書が、油売り・庄五郎の野心を烈(はげ)しく燃やす。そこに記されしは邪淫教立川流の秘儀! 天下を取り、女を抱くため、古文書にしたがい、魔物と約定を交わす庄五郎。彼が辿る凄絶な運命とは?(「魔蟲傳(まむしでん)」)
  • NOTHING
    4.0
    空手を習い、ジムに通って、通勤電車でも足腰の鍛錬を欠かさない五島は、朝の新宿駅南口で、若い二人組にボコボコにされた。ガタイはいいけど、見かけ倒し。そんな真実の姿が明らかになると、五島の人生も暗転して――。(表題作) 泣きたくなるほど切なくて、でも、どこかおかしく、いとおしい。純な心を描いて、あなたの胸に、ずんとくる珠玉のエイト・ストーリーズ。
  • 南青山骨董通り探偵社
    3.3
    1~3巻550~660円 (税込)
    大手企業に就職したものの、うだつの上がらない日々に塞ぐ井上雅也。ある日、南青山骨董通り探偵社の社長・金城から突然話しかけられた。「探偵になる気はありませんか?」。雅也は訝しみながらも体験入社をするが、厄介な事件に関わることになり……。個性的なメンバーの活躍が、軽快なテンポと極上のサスペンスで繰り広げられる、ベストセラー作家の新シリーズ始動!
  • 時代まつり
    4.0
    雅やかで妖しい古の都、京都。彷徨う魂を鎮めるかのように繰り広げられる数多の「まつり」。再び出会うことを運命づけられた人々は囃子に誘われる。男を裏切った祇園の元・舞妓、理不尽な理由で結ばれなかった男女、ふたりの女とひとりの男の奇妙な三角関係……。褥で交わされた睦言が情念と打算を駆り立てる。「京おんな」の怖さ、切なさ、狂おしさに満ちた極上の官能短編集。
  • 湯布院の奇妙な下宿屋
    -
    全部の部屋が別棟で点在し、トイレや風呂場まで三角形でできた奇妙な下宿屋。しかも居住者は芸術家ばかり。持ち主の狭霧(さぎり)吉宗は、姪の結婚相手を下宿人から選ぶことに決めていた。ところが発表の前日、吉宗は心臓発作で急死。その後も怪事件が続発し、姪の木綿(ゆう)は、一尺屋遙(いっしゃくやはるか)に調査を依頼する。――リゾート地・湯布院を舞台に、著者が大仕掛けで挑む驚愕の結末!
  • 悪魔の水槽密室~「金子みすゞ」殺人事件~
    3.0
    〈二十六歳で自ら命を絶った、天才童謡詩人・金子みすゞ〉 素人探偵・一尺屋(いっしゃくや)遙(はるか)の友人で作家の八追(やおい)純平は、金子みすゞの取材で山口県の仙崎を訪れた。だが、彼を待ち受けていたのは、顔を切り刻まれた死体や水槽状態になったホテルの一室に浮かぶ女の死体だった。事件を解く鍵は二十年前に起きた悲惨な事故。満を持して登場した一尺屋が、真相に挑む。長編恐怖ミステリー。
  • 蛇遣い座の殺人
    3.0
    「壁を突き破り、空中を飛揚(ひよう)して落ちた」としか思えぬ不可解な死。――はるばるフランスから移築された、奇怪な大蛇の幻影がまとわりつく“オランジュ城館”では、じつは25年前にも同様な事件が起きていた。館主を巡る過去の複雑な男女関係の因縁から、事件の渦中に巻き込まれた人々を、巧妙に操って行く蛇遣いは、果たして誰か――。本格推理の女流が放つ会心作。(『蛇つかいの悦楽』改題)
  • 死角の時刻表
    -
    全国のSLファンが集まった伯備線(はくびせん)沿線の山林で、殺人事件が発生! 一方、秋田市内の公園で死体となって発見された貝塚充(かいづかみつる)は、熱烈なSLファンで、岡山県の事件当日、現場近くにいたことがわかった。だが、二つの事件の捜査線上に浮かんだ容疑者には、鉄壁のアリバイが……。時刻表に隠された意外な落とし穴。岡山―秋田を結ぶ殺人ルートの謎。長編推理の傑作!
  • 届け物はまだ手の中に
    3.7
    楡井和樹は恩師の仇である江藤を殺した。しかし裏切り者であるかつての親友・設楽宏一にこの事実を突きつけなければ、復讐は完結しない。設楽邸を訪れた楡井は、設楽の妻、妹、秘書から歓待を受ける。だが息子の誕生パーティーだというのに設楽は書斎に籠もり、姿を見せない。書斎で何が起きているのか……。3人の美女との探り合いの果て明らかになる、驚愕の事実とは!?
  • 父娘(おやこ)の絆~三世代警察医物語~
    3.7
    東京の大学病院に勤めていた内科医の望月美並は、長野県大町市で祖父のあとを継いで警察嘱託医を務めることとなった。ある日、美並に警察から検死要請がくる。遺体は、北アルプスで滑落死したと思われる男性だった。検死が終わり、死体検案書を作成する段階になって、事態は一変、事件の可能性が出てきた。いったい死因は何か。著者渾身のシリーズ、待望の第2弾。
  • 悪夢の果て 新装版~シリーズ・闇からの声~
    -
    「さらば、民主国家日本よ、だな」日下良治は自嘲気味に呟いた。政府の〈教育改革審議会〉が、徴兵制に道を拓く答申を出したのだ。翌朝、モンペ姿の妻に揺り起こされた日下は、息子の達郎に〈赤紙〉が来たことを告げられる。そこは昭和20年、太平洋戦争下の東京だった。(表題作) 羅針盤を失った現代の日本に、著者が警鐘を打ち鳴らす! 「危機意識」を呼び覚ます4編。
  • しにんあそび
    -
    女4人の同窓会。酔いから醒めると、全員が一室に閉じ込められていた。暗闇に潜む、恐るべき悪意とは?(表題作) 縁日のお化け屋敷で消えた夫と娘。必死でふたりの行方を探す妻を、戦慄の結末が待ち受ける。(「お化け屋敷」) 仕事に疲れた中年男が25年ぶりに帰郷した。再会した旧友たちが仕掛けたのは?(「昭和の夜」) 一読忘れがたい印象を残す「奇妙な味」の小説集。
  • 異常快楽殺人者~若き法医鑑定人の事件簿~
    3.0
    都内の住宅地で、白昼、主婦を狙う連続殺人が起きた。犯人は主婦を絞殺するのみで、盗難や凌辱した痕跡は皆無。ただ、現場の絵画や花、死体の一部に奇妙なペインティングが残されていた。このペイントが物語るものは? 犯人像が見えないまま、事件を鑑定した法医学教室に謎の電話が……。身近に潜む異常犯罪の闇の部分にメスを入れる、戦慄の問題作!
  • UFO殺人事件
    -
    海上自衛隊機が南の洋上で、セスナ機からSOS信号を受けた。救援に向かったUS-1機は、突然謎の閃光に襲われる。現場の遭難機にはミイラ状の男二人、女一人の死体。そして、その一人の手にUFOの文字が残されていた。三時間前には生きていた人間が、なぜ、ミイラ状態に……!? 航空推理(ミステリー)第一人者の野心作!
  • 謎の飛行計画(フライト・プラン)
    -
    パイロットの水田徹と撮影士の米沢吾一が撮影した山梨県大月市小金沢近くの航空写真には、巨大な前方後円墳が写っていた! 水田は航空写真専門家と謎の前方後円墳を探りはじめる。一方、水田の恋人は突然の失踪、米沢も焼死体となって発見された! 航空小説の第一人者が豊富な飛行体験を基に描く傑作ミステリー!
  • 謎の巨人機(ジャンボ)
    3.0
    「緊急事態発生(メーデー)!」沖縄行き巨人機(ジャンボ)で離陸直後、エンジン火災が発生。機は、羽田に緊急着陸するとの報が管制塔に入った。が、その直後、交信が途絶え、そのまま辛うじてC滑走路に着陸した。ところが、機内の乗員、乗客が全員死亡していたのだ……!? 航空ミステリーの第一人者が、空の密室犯罪に挑む傑作長編!
  • ハムレット狂詩曲
    4.0
    『劇団薔薇(そうび)』新劇場の柿落(こけらお)としで、「ハムレット」の演出を依頼された、元日本人で英国籍を取ったケン・ベニング。ケンにとって、出演者の一人である歌舞伎役者の片桐清右衛門(かたぎりせいえもん)は、母親を捨てた男だった。ケンは、稽古期間中に、清右衛門を殺そうと画策するが……。様々な思惑の交錯、父殺しの謎の反転、スリリングな展開。結末は……真夏の夜の夢!?
  • 夏の夜会
    2.9
    祖母の葬儀のため、久しぶりに帰省した「おれ」は、かつての同級生の結婚式に出席した。同じテーブルになった5人は皆小学校時代の同級生。飲みなおすことになり、思い出を語り合い始めたが、やがて30年前に起こった担任教師の殺害事件が浮かび上がる……。女性教諭は、いつどこで殺されたのか? 各人が辿る記憶とともに、恐るべき真実が明らかになっていく。
  • 天使などいない
    3.7
    いつも他人のものばかり欲しがる幼なじみに悩まされ続けたOLが、最後に打った手は……? 恋にも仕事にも疲れ果てた女性が、地下鉄で見かけた華やかなビジネスウーマンの後をつけ、見てしまった“素顔”とは……? 天使なんかじゃない、等身大の女性たちが、ふとしたことから事件に巻き込まれ、意外な人間性の断面をのぞかせる。鮮やかな描写が心を抉(えぐ)る9つの物語。
  • 昆虫探偵~シロコパκ(カッパ)氏の華麗なる推理~
    3.8
    ある朝目覚めるとゴキブリになっていた元人間のペリプラ葉古(はぶる)。無類のミステリ好きだった葉古は、昆虫界の名探偵、熊ん蜂シロコパκ(カッパ)の助手となった。人の論理が通用しない異世界で巻き起こる複雑怪奇な難事件を、クロオオアリの刑事の力も借りて見事解決していく! 「ジョロウグモの拘(こだわり)」を追加収録。昆虫と本格ミステリについてのユニークな注釈を新たに付加。
  • グッピー・クッキー
    5.0
    殺人事件の被告・イアンに無罪が言い渡された。影の力が動いたのだ。その代償として、山岳地帯に埋まる古代の仮面を探索せよとの謎めいた指令が。滑走路には、同じく釈放されたばかりのラウルと女友達のアンジー、そして謎の日本人・ケンジ。4人はセスナ“グッピー”に乗り込んだ。メキシコを舞台に、歴史、政治、幻想を圧倒的迫力で描く傑作長編!
  • 合鍵の森
    -
    螢。33歳。グランドキャバレー「赤羽ファンタジー」のホステス。小柄で、泣き虫で、寂しがり屋。でも、負けん気は強い。いくつになっても少女をやめられない女は、お客と恋愛ごっこはできない。恋には命をかけてしまう。今夜も、いつも自分に優しい黒服が若いコと怪しいとわかり、心乱れて……。自分らしく生きようとする螢が出会う人々。お水系純愛物語。
  • 内部告発
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    総合商社TOHOの機械統括室長が、首脳部のスキャンダルを週刊誌で暴露した。31人の取締役全員が、社の所有する株を分配し、私腹(しふく)を肥(こ)やしたという内部告発文である。現社長の次を狙う常務の田代は、儲けた金で2人の女を囲い、愛欲生活に耽(ふけ)っていた。暴露記事がもたらしたのは……!? 表題作ほか6編。激しい欲望に衝(つ)き動かされる人間を描いた経済企業小説集。
  • 真昼の闇
    -
    業界トップの野々宮(ののみや)証券。ここになぜ、真昼の暗黒時代は訪れたのか? 日陰のポストにいた岡田勇次に対する突然の辞令は、出世への跳躍台だった。抜擢したのは土岐邦明(ときくにあき)。シャープでスマートな証券マンとは正反対の土岐は、しかしなかなかのやり手だった。岡田は土岐の派閥に組み込まれ、出世の階段を昇ったが……。日本的な企業体質を人間ドラマに描いた傑作。
  • 虚業集団
    -
    戦後の混乱期に戸籍を消された上条(かみじょう)健策は、自らを“硬派金融”と称して日本経済界の裏街道を歩いていた。その商売は金融業といっても月並みな高利貸とは違い、金利を稼ぐより相手をそっくり食ってしまうのが狙いであった。上条のもとには経済犯罪のスペシャリストたちが集(つど)っていたが、そこへある融資話が……。権謀術数入り乱れる裏金融界の実態を抉る異色作。
  • 女患者
    -
    早朝、草むらのなかで死にかけていた若い娘。発見した老人は娘を気づかい、息子でTV局に勤める畠山修治に、その後の様子を探るように命じた。娘はまったくの身元不明。脳内出血で昏迷状態だった。修治は看護婦の尾形悠子の提案を受け番組で紹介、身元を知る者も現われたのだが……。女患者の謎に満ちた過去を、鮮やかに解きほぐす社会派サスペンス・ミステリー。
  • イエス・キリストの謎
    -
    空港に近いホテルで電話をしていた男が〈象〉(エレファンタ)という謎の言葉を残して消えた! そこに偶然出くわした私(作家)は、その後、男に会う予定だった大学助教授の論文の行方を追ううちに、美人全裸殺人現場に遭遇した。古来よりキリスト伝説のある東北の地を舞台に、著者が描く異色の長編ミステリー。
  • 奥の細道殺人事件
    -
    大胆な仮説を掲げ、秀抜なトリックを駆使した、記念碑的代表作! 日本重化学工業の田辺工場長が相模湖畔で他殺死体で発見された。捜査の末、工場のたれ流し公害のため妻子を失った東陽大講師の三浦八郎が容疑者として浮かんだ。しかし、三浦は“芭蕉忍者説”解明のため、東北に旅行中だった。アリバイは崩せるか……!?
  • 日本語探検~「おや?」と驚く、まちがい発見~
    -
    日本の文字は微妙だ。横棒一本の長短でも意味が変わる。著者は、まず疑ってみること(疑の章)、次に迷うこと(迷の章)、そして知識を求め(知の章)、へえ、そうだったのかと驚く(驚の章)、こうすれば文字との触れあいが楽しくなる(楽の章)という信念から五章編成を実現! どのページも現場から得た解答で、面白くて役に立つ。
  • 亀裂─老朽化マンション戦記
    3.5
    築20年、50世帯のマンションに建替え計画が持ち上がった。管理組合副理事長のやり手営業マン・山上(やまがみ)は、あるもくろみから推進派の急先鋒。猫と暮らす独身OL・恭子(きょうこ)や、家族の想い出と生きたい独り暮らしの老女・貞子(さだこ)らは反対派。住民同士の攻防戦は、それぞれの家庭の事情を明らかにしていく。現実的な社会問題と、根幹となる人間を活写する意欲作!(『マンション戦争』改題)
  • 人間椅子~乱歩奇譚~
    4.0
    始業前の教室。何者かに眠らされていた小林少年が目覚めると、そこにあったのは変わり果てた担任教師の姿だった。バラバラにされ椅子の形状に組み合わされた首無し死体――。高校生にして名探偵の明智は、容疑者となった小林に、自分で事件を解決してみせろというのだが……。江戸川乱歩の世界を現代に蘇らせた大ヒットアニメを完全ノベライズ。シリーズ第一弾!
  • ショートショート・マルシェ
    3.3
    カフェで隣り合わせた青年が、私に不思議な話をし始めた。彼の持つ角砂糖のようなキューブには、世界中の様々なカフェの空気が封じこめられているというのだ。(「カフェの素」) 素敵な結婚をした友人が教えてくれた「行くと必ず結婚できる、秘密のお店」とは?(「男をつかむ」) 新世代ショートショートの旗手が贈る、あなたに5分間の魔法をかける18の物語!
  • ヘア・デザイナー殺人事件
    4.0
    京都のホテルで、東京の食品会社の社長夫人が殺された。居合わせたキャサリンは、被害者の所持品から、東京の有名ヘア・デザイナーの客であることを知る。一週間前にも同じヘア・サロンの客が殺されていた。さらに、ヘア・サロンに関連する人間が次々と殺され……。華やかな美容界を舞台に、名探偵キャサリンが密室殺人と凶器消失の謎に挑む傑作推理!
  • 京都新婚旅行殺人事件
    5.0
    南田物産に勤める田中美知子は憧れの上司・朱雀修一郎と結婚式を挙げ、新婚旅行先の京都へ。同日に結婚式を挙げた、南田物産社長の先妻の娘・千津も京都へ。だが、幸福の絶頂の夜は、悲劇の朝に変わった! 千津がホテルの屋上から飛び降り、死亡したのだ。夫の過去に疑いを持つ美知子はやがて、連続殺人の渦に巻き込まれて行く。愛する夫が“犯人”だなんて……?
  • ガラスの棺
    -
    重要文化財の京都二条城大門と広島の宮島大鳥居に、男女の名前が落書きされた。そしてこの二人が怪死! 推理作家でTVキャスターの矢村麻沙子は、この事件を番組で取りあげたことから関心をもち、犯人の追及に乗り出した。事件を洗ううち浮かび上がった八年前の惨劇。さらにその背景には……。ダイナミックな物語展開と創意あふれるトリックが織りなす傑作。
  • 燃えた花嫁
    5.0
    絞殺、青酸死、モデルが相次いで殺され、日進化繊が社運を賭(と)した夢の繊維の売れ行きに暗雲がたちこめた。巻き返しを図り、首相令嬢の結婚衣装を提供。しかし、挙式直後ドレスが突如燃えあがり花嫁は無残にも焼死した! ファッション界の醜悪な内幕を背景に、お馴染み、キャサリンと浜口の名コンビが謎に挑戦する!
  • 妖狐(ようこ)伝説殺人事件
    -
    栃木県那須・賽(さい)の河原――妖狐伝説の地で奇怪な溺死体(?)が発見された。被害者は、新興商事の会長・草下部泰造。草下部の姪・城所美和子の狐狗狸(こくり)占いが告げた犯人の名は、金毛九尾(きんもうきゅうび)の化身・玉藻の前だった。名探偵・滝連太郎は、美和子からの依頼をうけ、独自の捜査を開始。やがて第2の殺人が!? 神戸―東京―那須を結ぶ鉄壁のアリバイ・トリックを駆使!
  • 重役室午前零時
    -
    星海(せいかい)銀行の真弓伊織(まゆみいおり)と和倉(わくら)銀行の桜田直稔(さくらだなおとし)は共にワンマン頭取として鎬(しのぎ)を削り合いながら業績を伸ばしてきた。ところが両頭取それぞれの思惑をはらんだ両行合併の話が持ち上がる。成功すれば世界第三位の大手銀行の誕生だ。だがいざ実現となると和倉側から反論が湧き、銀行内部の懊悩が炸裂(さくれつ)する。銀行マンでこそ知る内幕小説!
  • 銀杏坂
    3.0
    築三十年のアパート・さつき荘には、ひとりの幽霊が住み着いていた。そのアパートの一室で、二百万円のダイヤのブローチが盗まれた! ところが容疑者は全員シロ。犯人は幽霊? 中央署の刑事・木崎と吉村は、幽霊に事情聴取をすることになるが……(「横縞町綺譚(よこしまちょうきたん)」)。北陸の古都・香坂市(こうさかし)を舞台に繰り広げられる、不可思議で切ない連作ミステリー!
  • パートタイム・パートナー
    3.4
    「話し相手が欲しいとき、ひとりぼっちでいたくない、あなたに。パートタイム・パートナーは、お望みのときに、ビッグスマイルをお届けします」就職しても長続きしない進藤晶生(しんどうあきお)。女の子の相手をするのだけは得意技。先輩に勧められ、デート屋を開業してはみたものの……。年齢にかかわりなく揺れ動く女性心理を、巧みなストーリーの中に鮮やかに描き出す一冊。
  • 風の神様
    3.0
    秋山正紀は、バイク、小型車を販売するシェイク社の社長。バブル景気で業績が急伸するなか、若く、肉感的なOLを愛人とし、所有する競走馬はダービーを制する。秋山は、ますます愛人と競走馬にのめり込み、至福の時に酔う。しかし、その足もとには、平成不況が迫っていた……。時代の波に翻弄された男の、栄光と挫折を、巨匠が描ききる。
  • 一瞬の寵児(ちょうじ)
    -
    越後小千谷(えちごおぢや)から名門大学に進学した北原甲平(きたはらこうへい)は、苦学生であった。そして、医者として成功し、不動産業に転向してからも巨額の財をなし、不動産業界の寵児と呼ばれるに至った。その男が今、東京拘置所に収監されようとしている。――一体、彼になにがあったのか。一人の男の流転(るてん)を通して、バブル経済の本質を追究した長編経済小説。
  • 別名は“蝶(バタフライ)”
    -
    美貌と才知を備え、男たちを手玉にとって世界中を飛びまわるバタフライこと宇佐美三千代。ビジネスの相手は政財界のトップばかり……。老舗のオリエンタルデパート専務・瀬戸は、海外有名ブランドの企業買収のため彼女の力を借りて、次々と成果を収めていったのだが……。国際的企業買収の内幕を、ダイナミックに描いた傑作ビジネス・ミステリー。
  • 歪んだ器
    -
    藤井一族が経営するクリーニング会社・白井舎が倒産した。三代目。長男の重雄が社長の時であった。そして物語が始まった。たくましい長女・華恵。ガラス職人として生きようとする次男の伸介。母親・サキの痴呆が進行した時、物語は動き出した。舞台は会社創業の地・東京の北千住。人と街が「再生」するということ。経済=企業小説の重鎮が創出した、新しい地平。
  • 宴かな
    -
    スーパー・ゼネコン小松組。その下請け業者・高村工務店社長の高村敏之(としゆき)は、会長に直訴した。今になって切り捨てるなどと、言われる理由などない……。あの「宴」の時代は去っていった。残ったのは家庭の崩壊、虚栄のハワイの別荘、複数の女たちとの関係、そして会社の危機。日本経済のからくりを鋭いメスで解剖し、バブル時代の本質を抉(えぐ)り取った力作。
  • 銀行取付
    -
    稲荷銀行は規模は小さいが、その地方に競合する大手の支店がないため、経営基盤は安定していた。ところが突然、潰(つぶ)れるらしいという流言蜚語(ひご)が拡がった。群集心理による取付騒動は、収拾のつかない事態へ発展した。噂の発信源は? どんな意図が秘匿(ひとく)されていたのか?(表題作)。経済企業小説の傑作集。
  • 匿名商社
    -
    日之出商事食品課の猪木南男(いのきなみお)は、日頃から南の島にロマンを求める商社マン。ところが、新企画をめぐるトラブルで課長を殴り、辞表を提出。そこに、やり手の常務・吉川から思わぬ提案が出された。大口客相手の競馬のノミ屋をやれというのだ。不振の商社をたて直すこのアイデアは大当たり、莫大な収益をあげたのだが……。競馬と日本人。経済小説の重鎮が描く傑作。
  • 水色の密室
    -
    もっか3浪の身であるおれは、隣りのおじさんに頼まれて、絞殺事件に関わった。現場は内部から完全に施錠(せじょう)したサンルーム。被害者には愛人が存在し、しかも最近、多額の保険金を掛けられていた。おれは密室の謎を解くべく推理を展開するが、なかなか物証が得られず途方(とほう)にくれる。やがて第二の事件が……(表題作)。奇抜な着想とトリックで読者を魅了する傑作ミステリー。
  • 動く密室
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    神戸―川崎間を航行(こうこう)する大型のカーフェリーに、それぞれの思惑を抱く3つのグループが乗船していた。その中の一人が航海の途中、船内のトイレで毒殺された。だが、被害者には殺される理由がみつからない。誤殺か? 犯人はフェリー内にいる。しかし、全員に完璧なアリバイがあり、捜査は難航した。洋上に仕掛けられた巧妙な犯罪トリック。本格推理の力作!(『フェリーKT79に何が起きた』改題)
  • 香港(ホンコン)殺人旅行
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    香港帰りの団体旅行客・谷口拓郎が、空港からのタクシーの中で急死した。死因は心臓発作。一方、神戸湾の臨海倉庫からは、若い女の手足が発見された。兄の死に不審を抱いた谷口の妹・礼子は、同じツアーに参加していた神奈川県警の水田警部補を訪ねるが……。香港と東京の“地域差”を巧(たく)みに利用した犯罪事件。〈公害と観光〉をはじめて結びつけた、公害ミステリー決定版!
  • 王将殺人
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    北海道・定山渓(じょうざんけい)での対局に勝ち、アマチュア将棋会の最高の座に就いた星純一。その夜、純一の後援会長・倉西正文が、札幌のホテルの浴室で殺された。彼は父・恵三の不審な言動に不安を覚える。また、恋人・真理子の父親・森田八段にも容疑が……。殺害現場に残された、まちがえた棋譜の意味は? 亡き母が、純一に遺(のこ)した曲詰(きょくづめ)の秘密とは? 棋界に精通する著者の力作!
  • 河童殺人事件
    -
    鎌倉の病院で看護婦が刺殺された。彼女は屏風に書かれた歌の中の“河”と“童”の文字に血で印を付けて死んでいた。床には水がこぼれ、水藻の臭いが! 一方、川崎市内の産院から建設大臣の孫が誘拐され、現場を目撃した看護婦・圭子も一緒に連れ去られた。しかし、犯人は身代金受取りに失敗。嬰児も取り違えと判明し、二人の命を……。サスペンスあふれる推理傑作。
  • 喧嘩侍 勝小吉
    3.0
    男谷平蔵(おたにへいぞう)の三男・亀松は、7歳で旗本勝家の養子となり、小吉と名乗る。学問嫌いの彼は、喧嘩に強くなることこそ出世の早道と信じて、道場破りや喧嘩三昧の日々を送っていた。行く末を案じた父親は、小吉を座敷牢に幽閉。そして許嫁(いいなずけ)と二人きりにしたところ、長男・麟太郎(海舟)が生まれたことで……。勝海舟の父・小吉の自由奔放な生涯を描く、痛快時代力作!
  • 妖精狩り
    -
    2年がかりで愛車〈マン・フラワー号〉を改造したケンスケとタマシローは、九州から北海道までの全国縦断ハント旅行に出発した。ベッドにシャワー完備とまるで動くラブホテル並み。若さと体力に自信を持つ二人は、行く先々で言葉巧(たく)みに女を口説きまくる。彼らの破天荒(はてんこう)な珍道中の行く末は……。ユーモアあり、官能あり、若者の性を題材にした快作!
  • 鎖された夏
    -
    「この作品の見どころを、私は、論理の面白さにあるといったが、作者大西赤人の文学精神は、単なる謎とき小説に終わらせることを潔しとしなかった。犯罪者の鬱屈した思いが、抑制された達意の文章によって語られるとき、読者は陶然として文学の世界に酔い、慄然として人間の深部にひそむ悪の正体に直面する」(土屋隆夫氏評)(『熱い眼』改題)
  • 越後七浦殺人海岸
    -
    吉成行夫(よしなりゆきお)には、十二年来の秘密があった。彼が高校三年生の時、彼の同級生で想いを寄せる宮地亜以子が、廃工場で殺人を犯し、その壁に消えたのを目撃した。卒業後、亜以子は消息を絶った。ところが、同窓会の席上、吉成は、彼女が社長夫人に納まっていたことを知る。未だに彼女を思う吉成は、極秘に彼女を調査すると……!?──トリックを駆使する本格推理の白眉(はくび)!
  • キッドナップ
    3.0
    国際的巨大ヘッジファンドの元幹部・仁科の息子が誘拐(キッドナップ)された。犯人の要求は「一億円を持ってブリュッセルへ飛べ」。到着した仁科に今度はマラケシュへ行けと指示が。北アフリカの市場(スーク)で、仁科の姿は忽然と消えた! 犯人の真の目的は? マネーゲームの次の標的(ターゲット)とは? 誘拐につぐ誘拐。巨大組織の暗闘を背景に描く国際的スケールのノンストップサスペンス!(『誘拐から誘拐まで』改題)
  • 特急ワイドビューひだに乗り損ねた男
    2.8
    東京・三鷹の空き家の床下から男の白骨死体が発見された。ポケットには、2年前の高山行き「ワイドビューひだ13号」の切符が残されていた。飛騨高山へと向かった十津川警部は、7年前、市議の妻と駆け落ちして消えた男の話を聞く。市議はその後、元大臣の娘と再婚し、国会議員になっているのだが……。さまざまな圧力を撥ねのけ、十津川が暴く恐るべき陰謀とは?
  • 京都嵐電殺人事件
    3.0
    京都の名所旧蹟を結ぶ路面電車・京福電鉄。通称「嵐電」愛好家の集いが「嵐電会」だ。その結成一周年記念のイベントが開かれた。嵐電だけを使って三カ所の神社仏閣を巡り写真を撮影、タイムと写真の優劣を競うレースだ。優勝者には500万円の賞金が出るという。ところが、レース途中、参加者の夫婦が他殺体で発見された! 十津川警部が犯人の秘められた動機を追う!
  • 富士急行の女性客
    -
    富士山の絶景を楽しめる「フジサン特急」に乗車したカップル。二人は終点の河口湖駅で降りるが、帰りの列車に乗ってきたのは女一人だけだった。消えた男は、そのまま失踪を遂げてしまう。彼は「日本ミステリーの会」というサークルの活動で、青木ヶ原樹海を調べに行ったらしいのだが……。さらに、サークルのメンバーの一人が殺害された! 十津川警部の名推理。
  • 野良女
    4.1
    恋だ! 仕事だ! 婚活だ! 彼氏いない歴2年の鑓水。年上社長と同棲中の朝日。遠距離恋愛に焦る壺井。DV男にハマる桶川。果てなき不倫に溺れる横山。彼女たちは悩めるアラサー女子「野良女」。今宵もお酒片手にあけすけなガールズトークに花咲かす。飲んで笑って、ちょっぴり泣いて――。アラサー女子のおかしくも切ない日々を軽快に描く連作小説。
  • ハートブレイク・レストラン
    3.7
    1~2巻550~660円 (税込)
    フリーライターの寺坂真以(てらさかまい)が仕事場代わりにしているファミリーレストランには、名探偵がいた。店の常連・ハルお婆ちゃんは、客たちが話す「不思議な話」を聞くと、真以を呼び寄せ、たちどころに謎を解いて見せるのだ。そんなお婆ちゃんにも、ある秘密があったのだが……。可愛くって心優しいお婆ちゃん探偵が活躍する、ハートウォーミングな連作ミステリー!
  • 花の棺
    3.6
    華道・東流の小川麻衣子が毒殺された! 京流の久条麗子とともに、華道界をになうホープだった彼女こそ、名探偵・キャサリンが華道を習うはずの人であった。真相を探るうち第二の殺人が……。巨大な女の帝国の、裏面に渦巻く、醜さ、欲望、そして殺意! 舞台は京都。大胆なトリックが冴えわたる、傑作推理小説。
  • 屍たちの領域~信州・金沢・東京殺人ルート~
    -
    恵まれない生い立ちの青年にとって、女子大生との同棲生活は夢のような日々だった。しかし、嫉妬から恋人を絞殺。あてもなく部屋を飛び出した彼の足は、いつしか駒ヶ岳へと向かっていた。そこに待ち受けていたさらなる悲劇の連鎖とは? 母が「鬼畜」と罵る父への憎悪が、人生の歯車を狂わせたのか? 逃亡者の心理に深く切り込んだ傑作クライムノベル!
  • 三毛猫ホームズの夏
    -
    明日から夏休み。だが、玉木リカの気持ちは晴れない。通信簿を両親に見せなければいけないのだ。「叱られないようにしてあげようか?」。セーラー服姿の少女が、リカに声をかけた――。その後、玉木家に空巣が入り大騒動に。たしかに、通信簿どころの話ではない!(「三毛猫ホームズの通信簿」)。プール、高原……。夏を舞台に、片山兄妹とホームズの推理が冴えわたる! 人気シリーズから厳選したベストセレクション第1弾!
  • ハイエナの夜
    -
    滝村薫平――元キックボクサー、現在自他ともに認める体力派カメラマン。離婚して、一人娘とは離れて暮らす。依頼されるのは、かなり“やばい”仕事ばかりだ。結果、ヤクザや暴走族に襲われたり、プロレスラーと闘うはめになったり、ときには、妖艶な美女に誘われたりもするが……。軽快な展開のなかに、男の悲哀を織り込んだ秀作6編。
  • 指宿・桜島殺人ライン
    -
    編集者の美緒(みお)は幼馴染(おさななじみ)の美由樹から相談を受けた。叔母の悦子が何かに怯(おび)えていると──。恋人・壮(そう)とマンションを訪ねた美緒たちは、悦子が襲われているのを目撃。部屋に急行するが、悦子はそれを否定する。同じ頃、奥多摩で死体が発見される。被害者は悦子の夫が副支配人の鹿児島西京ホテル、元社員。7年前、上司殺害の容疑をうけた者だった。2つの事件を結ぶ糸は!?
  • 尾道・鳥取殺人ライン
    -
    美しい砂丘の町で凶悪な殺人事件が発生。鳥取砂丘で発見された被害者は、笹谷美緒の女子大時代の友人だった。遺体そばの砂には「尾道」と推測される言葉を含むダイイング・メッセージが! 捜査陣は被害者の交友関係を洗い出し、二名の容疑者が浮かび上がったが……。ご存じ、壮&美緒コンビも事件解決に乗り出し、犯人の黒い企みと悲劇の真相に迫る!
  • ただ雪のように
    3.3
    兄夫婦が交通事故で死んだ。10年前、家出同然で単身ニューヨークへ渡った高森真琴は、一人残された姪と暮らすために帰国する。“雪のように色が白い小さな白雪姫”小雪と名付けられた赤ん坊は12歳。人眼を惹(ひ)く美少女に成長していた。その姿を思春期の自分と重ね合わせた真琴は嫉妬を感じて……。おとぎ話をテーマに家族の絆と女性心理を描くサスペンス。
  • 男女の交点
    -
    愛する男を見つける前に、肉体が成熟してしまう現代女性。友だちの恋人・早川淳に「処女を奪わないまま、最高の境地に到達させてあげる」と誘惑された真野志津子(まのしづこ)も例外ではない。肉体の欲求に抗(あらが)えない彼女は、官能の深みへと溺れていく……。巧みな語り口で織り成される物語──これは、著者から《現代の性》へのメッセージである。大好評「男女シリーズ」完結編!
  • 男女の接点
    5.0
    私は、今まで悦(よろこ)びの世界を知らなかった! 離婚間もない丸山由香は、親友・高見洋子の夫と陶酔の極みに溺れた。驚いたことに、由香に彼を推奨したのは、ほかならぬ洋子自身だった! 二人の痴態を眺めれば、自分も欲情すると洋子は言うが……。奇態としか思えない官能の世界を、そうと知りつつ貪(むさぼ)り尽くす人間の性。好評『男女の原点』に続く、実録的小説!
  • 甦れ 孔雀警視
    -
    石油採掘(さいくつ)権を売りつける詐欺(さぎ)会社に潜入して、その全貌を暴(あば)くよう指令を受けた、孔雀警視こと扇野笙子(おうぎのしょうこ)。持ち前の美貌と、得意の語学を駆使(くし)して核心に迫ろうとするが、副社長が何者かに殺され、焼死体で発見される。どうやら詐欺会社の逆利用を企む顧客がいるらしいのだが……。捜査は進展せず、犠牲者は続出する。孔雀警視が挑む最大の難事件!
  • リボルバー
    3.3
    ――あいつこんど会ったら殺してやる。まだまだぼくは怒りを憶えつづけなければならない。理不尽な暴力で、屈辱を味わった17歳の少年は、偶然実弾入りの拳銃を手に入れる。少年は決心し旅立つ。自分を叩きのめした男に「仕返し」をするために。――拳銃と職を失った元警察官は、少年の跡を追う。昔を忘れるために。スリリングな2000キロの旅の果てに待つのは!?
  • 取調室3~敵は鬼畜~
    -
    佐賀県鳥栖(とす)駅で、母を待つ少女・知香が保護された。不可解なことに、知香は三カ月前にも、男に東京から連れさられた後、同じ場所で母を待っていた。なぜ二度も少女は鳥栖に? 時を同じくして鳥栖市内で発見された無惨な焼死体は、知香の母・綾乃だった! 必死の捜査の結果、ある男を逮捕。佐賀県警の落としの達人・水木警部補と男の凄絶な死闘がいま、始まる!
  • 招かれざる客
    3.5
    事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。二つの事件の容疑者も事故で死んだ。事件全体に釈然としないものを感じた警部補。鉄壁のアリバイ。密室で姿を消した凶器。乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。
  • 取調室2~死体遺棄現場~
    -
    佐賀県有田町で女性の死体が発見された。現場での目撃証言から、不審な女性が別件逮捕される。被疑者・香山弓江は一世を風靡した美貌のスター歌手であった! だが、被害者との接点は皆無。“落としの達人”水木正一郎警部補の執拗な聴取にも、弓江は完璧な答弁を見せ、事件は暗礁に乗り上げた……。最新の科学捜査を駆使して捜査官と被疑者の死闘を描いた傑作。
  • 取調室~静かなる死闘~
    -
    佐賀市内のホテルで全国学生テニス選手権優勝者・小田垣悦也の撲殺死体が発見された。死体発見の数時間前、慌ただしく同ホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まる。“取調べの神様”の異名を誇る水木警部補が登場! ところが、悦也の死亡時刻に光秀が北海道にいたという鉄壁のアリバイ! 敏腕取調官と冷徹な被疑者との息をのむ攻防。会心の推理傑作。
  • 飛鳥十字殺人事件
    -
    聖徳太子のガン死亡説を唱える学者夫妻が、それに反対する先輩と争い殺人を犯す、という推理小説『聖徳太子の謎』を書いた作家の山路(やまじ)が、雪の夜自宅で惨殺された。山路は先輩作家の吉岡に作品をけなされた直後で、凶器は吉岡所有の脇指であった……。巧妙なアリバイ・トリックと暗号を駆使した著者会心の本格ミステリー。
  • 謀殺指令
    -
    響三郎が久々に帰国した。世界中の殺人(ころし)のホシを追い、やっと得た休暇だ。だが東京も国際都市。ポルノ仕掛けのスパイ探索に乗り出していく。国際刑事警察(インターポール)・特別捜査官(スペシャル・エージェント)に安全はない。生命(いのち)がけの闘いが続き、さずがの響も、ついに敵の手に陥(おちい)る。犯人は彼を囮に原爆製造犯人の釈放を要求! いよいよ迫力を増す超アクション。
  • 殺意の法廷
    -
    福岡市のホテルの一室で、男女の死体が発見された! 被害者は、市会議員の乗松三喜夫とその愛人の広川朱美だった。将田検事指揮による捜査の結果、逮捕された男の名前に、朝日岳之助弁護士は衝撃を受けた。その男、野々口雄次は、かつての同僚の息子だったのだ。弁護を申し出る朝日。だが、なぜか雄次は心を閉ざす……。冤罪を憎む老弁護士の執念!
  • 夫婦岩殺人水脈
    -
    城ヶ島に漂着した段ボール詰めの男の死体。容疑者・山脇健介は島根で、焼殺体となって発見された。駆け出しのフリージャーナリスト・烏丸実果は、9年前、神戸の強盗殺人事件で死んだ男と山脇が同一人物であることを突き止めた。誰が山脇を二度殺したのか? 真相を目前にした実果に“夫婦岩のアリバイ”が立ちはだかる!
  • 青鳥
    3.8
    「幸福(シンフウ)を見つけておいで」爺爺(イエイエ)の思いを胸に、台湾から日本に戻った小〓(シャオウェイ、〓は草冠に「威」)を待っていたのは、会社の理不尽さ、外資系企業ならではの多様な文化の渦。幸福には程遠い日々。そんな中、EトレードのCD‐ROM制作の仕事に就くことになるが、トラブルの嵐で……。はたして、シャオウェイの「青い鳥」は見つかるのか!? 笑いあり涙あり。切なくも胸躍る痛快小説。
  • 飛鳥殺人事件~首の迷宮~(上)
    -
    警視庁殺人班の刑事・宇津木冬彦は、有馬安正の妻から、捜査依頼をうけた。有馬は、高松塚古墳研究のため、飛鳥に行くと言って家を出たまま消息を絶っており、また謎の男から、有馬は既に殺されているという電話があったというのだ。宇津木が有馬のマンションを訪ねたころ、高松塚の近くで、男の首なし死体が見つかった! 殺人事件と歴史の謎を絡めた傑作長編!
  • 人麻呂の悲劇(上)~「人麻呂・赤人同一人説」殺人事件~
    -
    文芸編集者・笹谷美緒のもとに、覆面作家・飛鳥彰から週刊誌連載の話が持ち込まれた。柿本人麻呂の秘密をめぐる鼎談(ていだん)のメンバーに指名されたのだ。さらに飛鳥から、24年前に失踪した人気作家・山岡竜一郎捜しの協力要請を受ける。飛鳥の仕事場を訪ねた美緒は、その正体を知り驚愕! そして、奇怪な殺人事件が発生! 歴史の秘密と作家失踪事件の謎を追う傑作長編!
  • 「邪馬台国(やまたいこく)の謎」殺人事件
    -
    九州肥後(ひご)市で、市長選候補者の大曽根英隆が毒殺された。遺跡群に建設予定の大レジャーランド推進派と対立していた彼は、手帳に邪馬台国(やまたいこく)に関する奇妙なメモを残していた。いったい何を伝えたかったのか!? 熊本県警から相談を受けた警視庁の勝刑事は、15年前に東京で起きた心中事件を思い出していた……。古代史最大の謎と密室トリックの究極の融合に挑む傑作長編!
  • 「法隆寺の謎」殺人事件~寝台特急「はやぶさ」180秒の逆転~
    3.0
    慶明大学の考古学研究室から、法隆寺研究の鍵を握る史料が盗まれた。笹谷美緒は、大学院生・手塚から一枚の写真を預かってほしいと頼まれる。だが、手塚は「法隆寺の真実とともに死すべきか」という言葉を残して殺され、写真は消えた! 続いて、寝台特急「はやぶさ」車内から、教授とみられるバラバラ死体が! 古代史の謎と壮大なトリックを融合した本格推理傑作。
  • 七十五羽の烏
    5.0
    旧家に起こった殺人事件は、千年も前に怨(うら)みを残して死んだ姫君の祟(たた)り!? 登場するのはまったくやる気のない探偵、ものぐさ、いや物部太郎(もののべたろう)――。作者は文中で(見出しも含めて)、ひとつも嘘をつきません。そして事件解決の手がかりは、すべて読者の前に明示されます。鬼才が精巧に練り上げ、フェアプレーの精神で読者へ挑戦する本格推理ファン必読の傑作!
  • 検察審査会の午後
    3.0
    「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた1枚の葉書。それは、検察官が下した不起訴処分の妥当性を市民が審査する日本独自の「陪審制」検察審査員の選任通知だった。落ちてきた突然の義務。佐田は、さまざまな事件に関わりながら、次第に興味を深めていく。「裁判員制度」時代に先駆けて名匠が描いた市民参加型司法推理の傑作!
  • 五十一番目の州
    -
    ジャーナリスト・海埜(うんの)は友人の新聞記者二人が、ワシントンとモスクワで死んだ事件に疑惑を覚えた。二人は米ソの国家機密に属する、とてつもない特ダネをつかんだのでは? それも日本の命運に関わるような!……。国際情勢分析の専門家が、冷戦時代の緊迫した世界に、“破局”を描いた情報小説の野心作!
  • 三十秒のラブ・ソング
    3.0
    あの最高にクールでかっこいい不良が帰ってきた! CFディレクター・流葉爽太郎(ながればそうたろう)は、ある事件のため3年も業界から遠ざかっていた。仲間たちと湘南へ移り住み、釣り三昧(ざんまい)の日々を送る爽太郎の元へ、とんでもなく危(ヤバ)い仕事が飛び込んできた──。洒落た会話に、胸のすくファイト、そして心に染みるとびきりの恋……。潮風の香り漂う待望のシリーズ!
  • 殺人熊~北多摩署純情派シリーズ4~
    -
    北多摩署・相馬刑事には、三年前、再会を誓った少女・坪山千江がいた。だが、約束の前日、千江は何者かに扼殺され、全裸死体で発見される!――ここ一年半も行方不明だった彼女に何があったのか? 相馬が不審な犯罪グループに気づいたころ、第二の殺人が起きていた! 熊が出没する福島・会津田代山で迎える衝撃のラストとは? 山岳を知悉する著者の会心作。
  • 人妻の試乗会
    -
    津雲雄平(つくもゆうへい)は、凄腕の自動車セールスマン。「趣味は人妻」の津雲は、上流夫人や富裕層の人妻をターゲットに、ナンバーワンの営業成績をあげていた。そんな津雲は、新車を売る際、必ず「試乗会」をすることにしている。サービスを行き届かせ、時として親しくなり、人妻に「試乗」するためである。まず初めの客は三十も半ばの勢津子(せつこ)。津雲は車を売るべく、二人で芦(あし)ノ湖(こ)に向かった。
  • 博多 秘愛の女
    -
    博多に出張した城東建設(じょうとうけんせつ)の企画営業課長・秋津悠一郎。彼は鴻之舞(こうのまい)興産の社長・絹絵から妖艶な裸体を投げ出され、盗まれた千利休の秘伝書『南方録(なんぽうろく)』を探してほしいと頼まれた。犯人は真珠名器の美女という。この依頼に鴻之舞興産との巨大事業提携がかかっている。いざ抱け! 秋津の名器探しが始まった。博多の女性はどんな味? 旅情溢れる書下ろしシリーズ。
  • 特命 秘術課長
    -
    「多重花弁を持つ主人の愛人を探して」。情事ののち、筆頭株主・織田富美子未亡人は甘い声で頼んだ。故・騎一郎専務が匿(かく)した機密文書発見の鍵を、その愛人が握っているというのだ――富美子の依頼は、特命危機管理課長・八雲省平にとって社命である。彼は、あまたいた専務の愛人を次々とベッドに誘うが……。男の夢がここに叶う! 現代を楽しく抉(えぐ)る傑作ロマン!
  • 密命 征服課長
    -
    城山悠介は、征服課長と呼ばれ出した。提携・売却の相談が後を断たない。相手は、ギフト会社、総合物産、ホテル経営者などで、魅惑的な未亡人や一人娘ばかり。財閥系・千代田実業の傘下(さんか)入りを望む。交渉はベッドで、「いいわ!」といわせてしまうこと。輸入業者の加入もあって城山の開発した食品会社、スーパーは、機動力を増した。爽快、男の夢を追うビジネス・ロマン!

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