ゴールド
レビュアー
  • iメンター すべては遺伝子に支配された(1)

    大傑作の予感

    近未来SFコミックである。近未来SFの面白さ 怖さには、技術の将来予測とその技術がもたらす社会的影響 その功罪を予め警告しておく、という点がある。「遺伝子診断」のCMが出回り始めてる現在、この本のストーリーがそう遠くない将来、現実のものになる予感がする。ITに支配される世界 オーウェルの「1984年」を思わせるような示唆に満ちている。この様な印象を読者に持たせるだけでもなかなかの傑作であるのに、コミックとしてもう一つの大きな要素である絵柄も大変しっかりしている。大傑作の予感がする。

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  • おかえりアリス(1)

    タイムリーなテーマ

    次々と問題作を世に問う作者 押見修造が、今どきの流行りテーマであるLGBTを正面から扱った作品である。丁寧な作風はこの作品でも健在であり、特に優等生キャラの描き方がなかなかに良い。今後どの様な展開になるかとても楽しみである。

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  • 相続探偵(1)

    争族

    世間一般に 相続=争族 と言われるが、この作品はその「相続」を真正面から扱った探偵モノである。探偵モノだけれどコミックで扱える程度の難度で、謎解きそのものの面白さよりは、相続に伴う人間模様を中心に描き出しているのでコミックとしてとても面白い。主人公以外のキャラクターも個性があってなかなかに良い。

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  • 月曜日のたわわ(1)

    とても可愛らしい

    絵柄もストーリー内容もとても可愛らしいし、微笑ましい内容である。カバー絵はずいぶんと迫力があるが、中身はエロさよりも可愛らしさ純情さがまさって、とても微笑ましい。女子高生が可愛らしいのは当たり前といえば当たり前だが、後輩女子もとても可愛らしいところがなかなかに良い。

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  • 半助喰物帖(1)

    美味そう

    幕末からのタイムスリップもの プラス 料理モノ といったありそうであまり類例のない作品である。主人公の侍が現代生活にさほど戸惑いを覚えていない点や、近所の人達が侍にそれほど違和感を覚えていない点など、不審な点はいくらかあるが、作品全体の温かい雰囲気はとても良い。作中で語られる様々な料理もこれまたとても美味しそうである。

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  • ボックス! 下

    迫力いっぱい

    ボクシングを題材とした小説には迫力あるものが多いが、この作品の迫力もなかなかのものである。特に高校ボクシングを題材としただけあって、アマチュアボクシング特有の規則の解説がとても興味深い。単なる学生スポーツと言えない怖さがよく分かる。ストーリーとしてはややお約束どおり という展開が多いが、逆にその分 引っかかりがなくどんどん読みすすめることができ、迫力が増してくる。

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  • 片喰と黄金(1)

    ジャガイモ飢饉

    アイルランドの人口が2割から3割減ってしまったという凄惨なジャガイモ飢饉と飢饉から逃れるためのアメリカ移民を描いた第一巻目。大作の予感をさせるおおぶりなストーリー展開とドラマチックな絵柄が大変によくマッチした作品である。次巻以降がとても楽しみである。

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  • 獣の奏者(1)

    原作に忠実

    コミカライズされると原作と随分雰囲気が違ってしまう作品が多い中、このコミカライズは良い意味で「原作に忠実」である。ということは原作の力量がコミック版にもそのまま反映されるということであるが、原作が作者上橋菜穂子の代表作のひとつなので、実に安心して読みすすめることができる。絵柄の原作の雰囲気をよく描きだしている。

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  • こたつやみかん(1)

    落語コミックモノ

    雲田はるこの昭和元禄落語心中に代表される落語コミックモノが何点かあるが、この作品はその中では出色の出来である。私自身結構落語好きということもあって、作中の落語に関するトリビアに惹かれてしまった。絵があまりうまくないところがやや残念であるが、落語をテーマにしたストーリー展開がとても面白いので、帳消し。

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  • うちの師匠はしっぽがない(1)

    落語漫画

    落語漫画は雲田はるこの作品でしっかりとした市民権を得ているが、この作品もいい味を出している。大正時代っぽい時代設定に 大阪の町 そして狐と狸の師弟という ファンダジー要素あふれるストーリー設定が大変に良い。絵柄もなかなか可愛らしい。残念ながら落語そのものの魅力を伝えるという点では、今一つのような気もする。

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  • 無能の鷹(1)

    独自のキャラクター

    ヒロイン鷹野がほかでは類を見ない独自のキャラクターである。このような性格設定をした作者にまず敬意を払いたい。周辺の登場人物もこのヒロインをとても良く引き立てている。単なるお仕事ドタバタ漫画ではなく、結構 人間心理の奥深いところをついている。絵柄がいまいちなのがちょっと残念であるが、ストーリー設定が飛び抜けている。

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  • ライドンキング(1)

    ロシアのあの人

    主人公のモデルは今世界を騒がせているロシアのあの人であることは一目瞭然である。しかし主人公の言動は現実のモデルとは違って、典型的な異世界の勇者.ヒーローである。取り巻く美少女たちが残念系ばかりなのもお愛嬌である。絵柄はシリアスなのに、ストーリー展開はギャグっぽい このミスマッチが大変に良い。

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  • くまみこ 1

    日常系ほのぼのファンタジー

    しゃべるクマさんと中学生巫女さんというありえない組み合わせの、日常系ほのぼのファンタジーである。巫女さんの表情がとても可愛らしいのにすっかりやられてしまった。完全な架空の世界ではなく、現代日本の過疎地方を舞台にしているところが妙にリアル感があってとても良い。

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  • チェーザレ(3) 破壊の創造者

    マキャベリ登場

    現代でも大変に有名な政治&人間学に関する本を書いたマキャベリが登場する。早熟な政治的天才であるチェーザレとのやり取りがなかなかに面白い。外交 政治に関しては、現代でも参考にすべきことは多いが、キリスト教に関することが大変に重要な位置を占めているところが要注意である。華麗な絵柄はこの巻でも当然健在である。

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  • チェーザレ(2) 破壊の創造者

    重厚豪華華麗な絵柄

    なんと言っても作者の重厚豪華華麗な絵柄にまずは圧倒される。歴史上ある国が華やかに栄えるときは、何故か様々な偉人 芸術家などが次々と世に出てくる という話がある。ルネサンス期のイタリアが見事にそれに該当する。そのような時代を作者はアンジェロを狂言回し 語り部にして、見事な作品にしている。

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  • 重役秘書リナ【完全版】(1)

    少し古いが

    時代背景が少し古く仕事をする女性が完全にサポートのみだった時代の話である。それでも「香港では女性が活躍できるらしい」何ていう話が出てくるところも時代性か。基本しっかりとしたお仕事漫画であり、ところどころサラリーマン生活の極意的なところが出てくる。女性版の島耕作を思わせるようなところもある。すっきりとした描画は読みやすく好感が持てる。

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  • カンギバンカ(1)

    「じんかん」のコミカライズ

    実にしっかりしたストーリー展開だな、と思ったら、直木賞候補作「じんかん」のコミカライズだったんだ。道理でしっかりしているはずだ。絵柄もストーリー展開を盛り上げるような、迫力があって しかも粗くない 生き生きとしたモノである。コミカライズにありがちの、地の説明文が長かったり、長台詞になったりすることなく、コミック単独でも十分に楽しめる作品である。



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  • 【無料お試し版】『デルタの羊』試し読み&雑誌ダ・ヴィンチ<『デルタの羊』刊行記念特別企画>記事付(著者インタビュー/特別対談 作家・塩田武士×声優・速水奨/アニメ関係者の声!)

    唯一世界的競争力を持っていると

    ★★★★★
    冒頭部分が異世界転生ラノベ風の物語だったので、びっくりしたが読み進めていったら「ああそうだったのか」と納得した。モノづくりがどんどんだめになってゆく日本で唯一世界的競争力を持っているというアニメづくりが、このような過酷な労働を主なっている人達に支えられている ということを改めて感じた。このままでは日本に残された唯一のものづくりであるアニメもそう遠くない将来だめになってしまいそうな気がする。本作はそのような問題提起をするのに、とても適した作品である。

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  • つるつるとザラザラの間(1)

    ほんとに初々しい

    ほんとに初々しい付き合い始めの二人の物語。普通は嫌われ者の爬虫類を媒体としたところが、この作品のポイントである。爬虫類トリビアもいくらか入っている。この初々しさがどこまで続くか次巻以降が楽しみな作品である。

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  • おおきく振りかぶって(2)

    わくわく

    練習試合であるが漫画の描写が臨場感にあふれていて読んでいてワクワクドキドキしてしまった。ほかのスポーツと比べて攻守がはっきりしていてテンポが遅い野球は、文字や絵で表現しやすいと思う。野球を題材にした小説やアニメではあさのあつこのバッテリーが有名だが、競技としての野球の描き方はこの作品の方がはるかに上である。

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  • おおきく振りかぶって(1)

    本格的野球マンガ

    同じスポーツでも野球というのはサッカーやバスケットボールと比べてずいぶん「間」のある競技である。それだけにその「間」を埋める心理的駆け引きやバッテリー間のやり取りがドラマになり易い。
    この作品もその心理的やり取りを堪能させてくれる。

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  • アスペル・カノジョ(2)

    実話的

    昨年、ネット投稿された写真の瞳に映る風景から駅を特定した というストーカー事件があった。この作品もそれと同様の手法をとっている。アスペルガー障害の人にありがちな変質狂的な執念を表現しているのだろうが、副作用が気になる。
    体験しなければ出てこないようなセリフや行動も各所に出てくる。
    漫画家の主人公の日常等からも実話実録的な雰囲気の漂う問題提起作品。

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  • アスペル・カノジョ(1)

    きつい話だが

    アスペルガー障害の女の子を描いたコミック。おそらくは実際の見聞をもとに描いたのだろうと想像できる。ぎょっとするようなシーンがかなり多いので。特に犬を蹴るシーンは全く予想できなかった。
    この作品は、アスペルガー障害の人への理解を助けるのか、偏見を助長するのか、いずれにしても問題作である。

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  • レッツ☆ラグーン(1)

    離島サバイバル物語

    離島に流れ着いたら同級生の女の子も流れ着いていて からスタートする離島サバイバル物語。と思ったらどんどん別の展開になってゆく。その発想やストーリー構成がとても斬新でわくわくする。
    絵柄は少年漫画風ではあるが登場人物の表情や感情がとても丁寧に描かれていていい。

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  • 春とみどり(1)

    絵がとてもきれい

    すっきりとした淡彩画のような絵がとてもいい。しっとりとした感情をこめられたストーリーととても良くマッチしている。特にハルちゃんのかわいさ 健気さが引き立っている。
    ストーリー展開はやや遅めだがしっとりとした雰囲気を出すためにはこの程度のテンポがいいのだろうと思う。

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  • COPPELION(1)

    福島原発事故の予言書

    福島原発事故以前に描かれたと知って驚嘆した。
    もし事故が起こったらこのような事態にもなりえるかもしれない という予測は立ったのだと改めて思い至った。
    ストーリー内容もずいぶん練り上げられている感じがする。

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  • COPPELION(3)

    SFからアクション漫画へ

    SFからアクション漫画へストーリーのテーマが少し変わってきているがそれはそれでずいぶん楽しめる。公共の利益とは?ということをずいぶん考えさせられる漫画である。
    画風は極端に繊細でもなく、だからと言って単純でもなく中庸を行っていていい感じ。

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  • COPPELION(2)

    SF風のヒューマンドラマ

    遺伝子改変とかで生まれた女子高生 というストーリー設定からしてSFである。少し突っ込んで科学的に考えるといろいろつじつまの合わないところはあるが、SF風ヒューマンドラマということで良しとしよう。
    ディストピア物語ではあるが極端に悲惨 凄惨ではなく、いくらかユーモアもあるのが救いである。

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  • CANDY & CIGARETTES(2)

    ハードボイルド絶好調

    アクション映画のようなハードボイルド物だが絶好調である。
    悪役が実は という裏話も交えながらアクション場面が実にいい。
    女子小学生の殺し屋というのも現実離れはしているがストーリー的にはずいぶん楽しめる。

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  • CANDY & CIGARETTES(1)

    爺さんと孫娘

    一見、爺さんと孫娘のようなコンビだが実は というお話。
    ハードボイルド系のアメリカハリウッド映画を見るような感覚にとらわれる。孫娘が可憐なだけに一層 殺しのすさまじさが際立ってくる。
    絵柄もきびきびしていて、殺しを扱ってるにしては必要以上には残虐でなく好感が持てる。

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  • リウーを待ちながら(1)

    時節を超えて人の心の奥底へ響く

    コロナ禍の時節がら非常にタイムリーな作品ではある。しかし、レベルの高いストーリー内容は、時節を超えて人の心の奥底へ響く。パニック 危機になったときこそ、その人の実力、本性が現れるということをしみじみ感じた。絵柄はさほどうまいというわけではないが、極端にグロテスクにならず、読みやすい。

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  • サイコドクター(1)

    ずっしりとした重厚な作品

    書き込みが多い劇画風の絵柄に、本格サスペンス物のストーリーが組合わって、ずっしりとした重厚な作品に仕上がっている。カウンセラー 心理学 犯罪心理学 警察モノと盛りだくさんな要素を組み合わせているが、あまり複雑にはならないようにかなりうまくまとめている。

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  • 承久の乱 日本史のターニングポイント

    陰謀と暗殺と

    組織 システム 建前ではなく、人 腕力 本音で勝負した時代だ ということがしみじみ理解できる良作である。腕力勝負だから、陰謀と暗殺を多用する権力闘争の連続となるのも納得できる。いい子ぶるのが得意なNHK大河ドラマがこの悪人だらけの時代をどのように繕ってみせるのかそれなりに興味がある。

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  • ケンシロウによろしく(1)

    作者独特のギャグ

    この作者は「バックストリートガールズ」で注目していたが、この作品も作者独特のギャグが大爆発している。このギャグの連続はなかなか思いつかないモノが多い。作者のセンスに敬意を表する。絵柄もしっかりとしている。人体を扱うことが多いがバランスもよく、かっきりとした絵柄がとても良い。

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  • ホンノウスイッチ[comic tint]分冊版(1)

    ふんわりとした絵がとても魅力的

    ふんわりとした絵がとても魅力的な作品である。 ストーリー展開はありふれているが、このような作品につきもののどろどろべたべたした展開がなく、それでいて心理描写がしっかりしているのでとても読みごたえがある。ちょっとエロいところも含めて良作である。

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  • ギャルと恐竜(1)

    意表をついた作品

    擬人化された犬猫と同居 何ていう作品はたくさんあるが、「恐竜」というのは大変に珍しい。随分と意表をついた作品である。その上、この恐竜がとにかく可愛らしい。恐竜の単純な描かれ方が可愛らしさを増している。周りの登場人物も何の違和感もなくこの恐竜の存在を受け入れているところが、コミックならでは表現だと思う。

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  • イチケイのカラス(1)

    なかなか勉強にもなる。

    法廷モノ 弁護士モノ は読んだことがあるが、裁判官モノは初めて読んだ。登場人物が皆個性的 曲者ぞろいで実に面白い。ドラマ化されたりノベライズされているのにも納得してしまう。単にユーモアがあって面白いだけではなく、日本の刑事裁判制度の課題を取り上げていて、なかなか勉強にもなる。

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  • ゼイチョー! ~納税課第三収納係~(1)

    徴税関係は初めて

    公務員モノでも警察官や教師、生活保護関係はしばしば題材に取り上げられるが、徴税関係は初めてである。考えてみれば、税金滞納関係というのは社会の裏側とかなり密に関わりがあるので漫画のテーマとしては描きがいがあるのだな。作者の目の付け所に感心した。ヒロインの絵柄 キャラクター設定も、「徴税」という業務とよくマッチしていて大変に良い。

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  • 壬生義士伝 2

    コミカライズの名作

    原作は浅田次郎の作品の中でもとりわけ泣かせる名作である。この名作のコミカライズであるが素晴らしい絵柄で原作に負けないほどの仕上がりになっている。原作の雰囲気が、原作以上に読者に伝わってきている。コミカライズの名作と言っていいと思う。

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  • 異世界居酒屋「のぶ」(1)

    中世ドイツと現代日本の組合せ

    中世ドイツと現代日本の組合せの妙味にはっきり言って感動してしまった。現代日本の当たり前 ありふれた料理や酒が中世ドイツにおいてはどれほど貴重なものかを実感した。絵柄もデジタルツールを使ってはいるのだろうが、手書きの良さを残しておいてとても良い。それにしてもこの組み合わせは絶品である。

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  • フェチップル(1)

    ユーモア ギャグ感もたっぷり

    フェチな二人がとても愛らしい。
    コミックでも小説でもフェチを題材にすると、重苦しい変態な雰囲気になりがちだが、この作品は明るく愛らしい雰囲気を描き出している。
    個人的には4コマ漫画は好きでないのだが、この作品に限っては4コマが心地よいテンポを生んでいる。
    ユーモア ギャグ感もタップリのおすすめラブコメ。

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  • 彼女はろくろ首(1)

    大笑い

    最初から最後までギャグ漫画なのであるが次々と繰り出すギャグネタがどれもこれも面白い。首が伸びるというアイデアそのものが優れているし、学園ラブコメ要素も加えて読者を飽きさせない。絵柄も少々粗いところがあるがしっかりしていて楽しい。

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  • 沈黙の艦隊 超合本版(1)

    日本の安全保障

    かなり以前の作品ではあるが、この作品で作者かわぐちかいじが提起した「日本の安全保障」についての問題は、中国の台頭によってますます深刻化している。迫力あるストーリー展開は今読み返しても見事である。絵柄は私の好みではないが、内容はその絵を全く気にさせないほど優れている。

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  • マジで付き合う15分前1

    初々しいぎこちない雰囲気

    ラブコメで「幼馴染同士」というのは非常に多い設定ではあるが、この作品は可愛らしさ 初々しさにおいて群を抜いている。4コマ漫画の形式をとっているが、この形式が初々しいぎこちない雰囲気を盛り上げるのに役立っているような気がする。

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  • リエゾン(1) ーこどものこころ診療所ー

    「発達障害」

    ストーリーのテーマとして取り上げている「発達障害」。これについてあまり知識がなかったので非常に勉強になった。病気というよりは多くある個性の一つとしてみてゆけば良いと思った。そして何よりも絵がとてもいい。登場人物たちのキャラクターをくっきりと描き分けた場面づくりが素晴らしい。

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  • 蒼天航路(1)

    生き生きと描き出している。

    大人気三国志の中で悪役で知られる曹操を主人公にした大長編作品である。ストーリー展開はある程度史実に沿っているとは思うが、かなりの創作を交えて主人公曹操を大変に生き生きと描き出している。また相当に大げさで派手な絵柄がそれに輪をかけて激烈ぶりを引き立たせている。三国志好きにおすすめの作品である。

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  • 南北戦争 アメリカを二つに裂いた内戦

    現在のアメリカの姿を決めた戦争

    奴隷解放、リンカーン、ゲティスバーグの戦い と断片的な知識しかなかった南北戦争を「通史」という形でわかりやすく解説された良著であると思う。アメリカ大統領戦でいつも戦う共和党=北軍、民主党=南軍 というのも知識としては知っていたが起源 生い立ちは初めて知った。現在のアメリカの姿 かたちをを決めた戦争という表現に納得した。

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  • 十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞

    題名がピンとこない。

    源氏物語に題材をとった作品は多いが、脇役悪役憎まれ役の弘徽殿女御をヒロインに仕立てた着眼点が素晴らしい。更にこのヒロインのキャラクター作りが実にいい。兄弟愛 親子愛 男女愛 権力愛と今も昔も変わらない愛情の描き方もすっと頭に入ってくる。(当時の人としてはあまりにも現代風の思考形態になっているような気がするが)
    ただ題名がピンとこない。作者は随分なこだわりがあるようだが。

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  • ベイビーステップ(1)

    正統派テニス漫画

    掛け値なしの正統派テニス漫画である。主人公がある意味普通の高校生で魔法のような能力を持っていないところがとてもいい。作者はテニスに関する知識も相当にあるみたい。心理描写 技術解説 などが充実した試合の描写にワクワクさせられた。

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  • わたしのお嫁くん(1)

    きれいな絵柄とコミカルな表現

    見事な男女の役割逆転をきれいな絵柄とコミカルな表現でとてもうまく描き出している。女性漫画につきものの細かい心理描写を通り越したベトベト感がなく、爽やかムードが漂っているのがとてもいい。可愛らしさが先に立つ絵柄が全体の雰囲気を盛り上げている。

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