あらすじ
「奪い、奪われることのない“くに”を作る」。それは盗賊の少年が思い描くには、あまりに壮大で矛盾した夢だった。時は戦国初期。繰り返される戦に、民は傷つき、飢え、苦しんでいた。両親を失った孤児・九兵衛は、奴隷として売られるところを、野盗団の棟梁・多聞丸に救われる。乱世で成り上がり、大名を目指すという野望を語る多聞丸に、九兵衛は魂の鼓動を感じた―――。歴史小説の傑作『じんかん』から生まれた、新たな戦国英雄譚!
感情タグBEST3
匿名
今村翔吾さんの小説「じんかん」のコミカライズ。
孤児の九兵衛と甚助が、人買いに売られるところを多聞丸の少年窃盗団に救われ、仲間になる。
多聞丸は仲間とともに「くに」を造る夢を語るが、「最後の仕事」と決めた襲撃で壊滅。
九兵衛と甚助、日夏と梟が辛くも逃げ延びるが・・・というところまで。
凄惨なシーンの連続だけど、絵がきれい。
小説を読んだ時に、美少年と書かれていた九兵衛、ああ、こうだったらいいなと思っていた感じでよかった。
続感も楽しみ。
リアルな戦国の世
多聞丸達は大名になるために頑張っていますが、その夢を叶えるのは大変です。
しかし、百姓の秀吉は大名になり、天下人になっているので叶えられない夢ではありません。
大名になると言う夢を言えるのはリアルな戦国の世だなと感じますし、裏切りもまたリアルと思いましたね。
「じんかん」のコミカライズ
実にしっかりしたストーリー展開だな、と思ったら、直木賞候補作「じんかん」のコミカライズだったんだ。道理でしっかりしているはずだ。絵柄もストーリー展開を盛り上げるような、迫力があって しかも粗くない 生き生きとしたモノである。コミカライズにありがちの、地の説明文が長かったり、長台詞になったりすることなく、コミック単独でも十分に楽しめる作品である。